muv-luv the ∞ loop  『世界の負』と『狂戦士』の分岐点   作:光影陽炎

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二つに分ける事になりました


extra story IS 覇龍と崩龍 前編

誠二と正也がオーディンの手によって世界を渡るのと同じ頃、ほかの世界から克影のいる世界に飛ばされた人間は数多くいる。

彼、彼女等は1人で来るものもいれば2人、3人と来る者もいる。だが、彼らに共通している事が一つだけある。

それは、この世界において『因子』と呼ばれる物を所持する者達すべての根本的思想、『己の護るものに害を犯したすべてを排除する』というものである。

獣も、人間も、宇宙人も己が護る者を汚すのであれば排除する。それが神だろうが、天変地異だろうが、時の流れと同じくして現れる運命だろうとも、徹底的に。

 

さて、彼等が来た時得られる情報は数多くある。

『駒王』『文月』『外史』『ウィルキア』『使徒』など、彼等の世界で起きている出来事やある特定の場所が存在しない、また同じ年号なのに別の歴史を歩んでいることも分かる。

つまり彼らは無限に存在する世界、『パラレルワールド』から至った者たちである。

そして、二人と同じくして世界に降りようとしている運命から外れた人間が三人、また世界を渡ろうとしていた。

___________________________________

 

 

子供の頃、俺には二人の妹がいた。

一人は俺の母親から生まれた子供、そしてもう一人は俺の親父と一緒に旅に連れていかれた時、俺の親父に無理を言って家族になった奴隷にされていた子供だった。とは言っても、連れてきた方の妹は俺と同い年だが。

 

なぜ親父に言って連れていく事になったかには理由があった。

 

それは、親とはぐれた俺が視線を右往左往していた時ふと路地裏を見たら、その子が強猥されようとしている所を目撃してしまったからだった。

少しだけの不幸だったのかもしれない。そのまま無視を決めてそこから立ち去ればよかったのかもしれない。

 

でも、10にも満たない俺にはあまりにも異常な精神があった。

 

『俺に関わったすべてを護る』

 

なぜだか分からないが妹が生まれて2年ほど経った頃、すでにアニメの英雄のような考えを持っていた。

俺はその決意に従い、卑猥な想像に浸っている大人達に声を掛けた、『おじさんたち何やってるの?』と。

俺の問いに帰ってきた答えは『とても楽しいことだよ。ボクも混ざる?』という、ぎこちない日本語だった。

だがその言葉によって俺の殻は破られてしまった。言わなければいいのに、言えば目の前の少女に恐怖を抱かれてしまうというのに、だが俺はその嘘に俺自身にかけた自制を解いてしまった。恐怖を抱いてしまうその彼女を

 

 

「じゃあ・・・・・なぜその女の子は泣いている?」

 

 

この呪われた運命から、救いたいと思ったからだった。

 

 

 

俺を取り囲んでいた5人の男たちは、俺が持っていた力によって恐怖し、気絶をしていた。

そして、魂が抜けたような眼をしていた彼女に話しかけた。

 

「君はまだ生きていたい?自由になりたい?」

「・・・・・私は人形。だから生きる価値も、自由になる価値も存在しない、ただの人形。」

 

瞳の奥に光を失った彼女は、さも当然の如くそう言った。

彼女の口から出た人形と言う言葉。確かに彼女の身体の泥を落とせば、人形のような美しさになるのだろう。しかし彼女は、自分の心を人形と言った。

だが彼女の心を人形と言うならば、俺は彼女に10歳とは思えない約束をする事しか思いつかなかった。

なぜなら、本来の俺は馬鹿なのだから。これは続きでしかないのならば―――――

 

「じゃあ証明しよう。生きる価値も、自由になる価値も、君のすべてに意味があることを俺が証明して見せよう」

「・・・・・どうやって?」

 

俺は俺らしく生きよう―――――――

 

「単純な話だ、君が俺と共に生きればいい。俺の価値は君の価値で、君の価値は俺の価値になる。俺は君のすべてを肯定し、君は俺のすべてを肯定すればいい」

「・・・・・なぜ、あなたは私にそこまでするの?」

 

我は俺とは別人なのだから―――――

 

「決まってるだろ?俺が君に惚れちまったからだよ」

 

五反田弾(オレ)人間(おれ)らしく生きるんだ。

 

彼女との問答は、俺を探していた親父が市警を連れてきた事によって一度終わった。

そして俺は、地元の警察に少し事情徴収をされたが、あの現状を子供ができるわけがないという事ですぐに終わった。

俺は彼女にも事情徴収があると思ったのだが、事情徴収をしようとした警察の人間が彼女の腕にある黄色い二本線を見て、ここらにいた金持ちの元奴隷だと言っていた。もっとも、その金持ちもろくな扱いをされなかった奴隷によって殺されたらしいがな、因果応報だろう。

俺は親父に初めてわがままを言った。それが、俺の救った女の子を家族に迎えたいと、10歳にもなっての初めてのわがままだった。

「子供一人、こんな物騒な所に放置していくのは最低だからな。」

親父が俺のわがままを聞いてくれた事にほっとした俺は、俺に手を引かれて歩いていた彼女が、俺に聞いた。

 

「・・・なぜ、貴方は私を好きになったの?」

 

彼女が聞いてきたことに対してすぐに返すことができなかった俺は、思考の海に一度沈んだ。

なぜなのだろう?心が空っぽの少女を、なぜおれは好きになってしまったのだろう?

 

本当はすでに答えは出ていた、だがそれを自分が肯定することができなかった。

確かではないが、俺の生前は護ることを己としていたのだった。

故に混ざっていた心が、真っ白になってしまっているのを見て、なおさら護りたくなったのだろう。

 

いや、俺は護ることを己としていたんじゃない。

 

真っ白だった俺に、護ることを教えてくれたやつがいたから、俺はそいつみたいになりたくて、護ることにしたんだろう。

相反する存在なのに、交わることのない水と油なのに、そんな事は関係なくなるぐらいそいつは、カッコいいと思えてしまったのだった。

 

「君が俺と同じような眼をしてるから・・・・それに、君の心が綺麗だからじゃあ、答えになってないか?」

「・・・・・ええ、答えになってないわ」

「そうかぁ・・・「でも」ん?」

「私は、その答えは好きよ」

 

彼女にそう言われてしまい、なんだか恥ずかしくなった俺は、黙って彼女の手を引いて親父と共に家に帰ろうとした。

 

「あ、名前を聞くのを忘れてた」

「??」

「いつまでも君っていうのはおかしいだろ?だから、名前」

「・・・・・スコール」

「え?」

「スコール・ミューゼル」

「よし。じゃあスコール、家に帰ろうぜ!」

「・・・ええ!」

 

彼女―――スコールを共に、俺は日本に戻った。

 

それが俺とスコールの、始まりだった。

 

________________________________

 

 

中学入って間もない頃、馬鹿を演じている奴と殴り合いをした。

 

俺もそいつも、生まれた時から異質な存在だった。

 

子供とは思えない精神力、大人よりも強大な力、そして生前のような記憶。

俺達は明らかに異常な人間だった。

 

そして俺達は己の力の限界を知るために、()()をした。

どの世界の地図にも載っていない孤島で、この世の戦いとは思えないぐらいの戦いだった。

そして俺達は、相打ちになった。

 

俺は不思議でしょうがなかった、こいつの一発一発の拳には心が籠っていた。俺にはただ無心に、無常に拳を振るっているだけなのに、こいつは戦いを楽しんでいた。

 

「なぜ、お前は戦いを楽しんでいるんだ?」

 

戦いが終わった後、俺はそいつに聞いてみた。

俺には心が無かった。戦う時も、会話をする時も、何をするにしても機械のように答える、それが俺だった。

だが俺の疑問は、簡単に解かれた。

 

「俺と同じように戦える奴がいたから・・・・だな」

 

異常なほどの力を持つ者は退屈を覚える。だから対等に戦える奴がいれば、戦う事が楽しくなってくる。

戦う事自体に愉しむ戦闘狂とは違い、対等であることに意味がある。

だがそれでも分からない。同じように戦えるのであれば、なぜお前には心がある?そいつにそう聞いてしまった。

 

「俺は心が無かったんだ、でもある時カッコいいと思えるぐらいのやつに会っちまったんだよ。そいつと俺は交わる事のないのに、それでも同じだと思えるぐらいだった。それでそいつと戦いが終わった後、俺は俺の領域に住んでいる奴等すべてを護ることにした・・・結果は護れなかったけどな、後悔もしたよ、俺が今までやってきたことはなんだったろうって。で、ここに来てから10年後になって、昔の俺みたいな奴・・・・スコールに会った。それであいつがだんだん心を取り戻しているのが分かった時、俺が今までやってきた事は無駄じゃないんだって考えるようになった。」

「・・・・・・」

「だからさ、俺は俺に関わる全てを護り通すことにしたんだ。他人とは違う俺が、ここにいる責任として、過ちを知っている人間として、俺は護ることにしたんだ。」

「・・・・それが、お前の心か?」

「ああ、『すべてを護る』。それが俺の心だ」

 

それを聞いたとき、正直すごい奴だと、改めて思った。

護ることを曲げることは無く、自分の信念を曇らせる事のないそいつを、カッコいいと思ってしまった。

生前の俺も、こんな風な奴だったのだろうか。

 

「お前は、何か護りたい者はないのか?」

「・・・・俺か?」

「ああ、いないのか?」

 

唐突にそう聞かれて、思い浮かぶのは家の近くの武家屋敷に住んでいる4人の顔だった。

のほほんとしている危ない奴、天才のような姉に勝つために努力を重ねる奴、見た目は厳しそうなやつだが内心は寂しがり屋な奴、妹が無茶な努力をするかどうか心配している奴、そんな奴らがいる所だった。

うちの家自体はそこの家と縁があり、昔はよく遊んでいた。

もし日本で戦争が起きたりなどしたら、俺は命に代えてでもそいつ等を護ろうとするだろう。

・・・あれ?俺には心は無いはずじゃあないのか?

 

「・・・・心ってのはな、いつ間にあるもんなんだよ」

「嗚呼、そうか・・・」

 

俺は心が無かったんじゃない。俺の中にある心に気が付けなかっただけなんだ。

何も感じないと、勘違いをしていたから、自分の心に気が付けなかっただけなんだ。

・・・なんだ、まるで俺がバカみたいじゃないか。

 

「さて、と。俺もそろそろ帰らないとスコールにまた怒られちまう」

「・・・・そうだな、俺も帰らなくてはな」

「送ろうか?」

「馬鹿言え、一人で帰れるわ」

 

 

俺は、俺の限界をここで知った。

だが俺は、俺の心も知ることができた。

だから俺は俺を見失わない。そうすれば、俺はあいつらを護ることができるのだから。

 

これが俺達、のちに『崩龍』の異名を持つことになる御手洗数馬こと17代目更識楯無を襲名して以後は更識楯無と、『覇龍』の異名を持つことになる五反田弾の、最初の物語(オトギバナシ)である

 




どうも、最近睡眠時間が2時間の光影陽炎です
中々これは辛い物がありますね・・・・身体がギシギシ言っております・・・
寿司屋のバイトも楽じゃあねぇなぁ・・・・
さて、今回はISから登場してもらう事になりました、通称『ワンサマの将来の義兄様(笑)』こと
五反田弾とその友人の御手洗数馬です!
え?原作はどうなってんの?と思っている方も多いと思いますので・・・・・
書きます、もう一作
実際二度ネタだろうと思いますが、書きます。作者は面倒なのは嫌いなので。
ですが書くことになったら、意外とハーレムになるかもしれない・・・
あ、後クロスオーバーは安定です。この作品からの派生にしようと思ってるので。
では、次回に会いましょう
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