muv-luv the ∞ loop  『世界の負』と『狂戦士』の分岐点   作:光影陽炎

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ストックが切れたので、一週間に一話投稿になるやもしれません。


第2章一話 テスト

2XXX年XX月XX日(X)

 

 

眼帯の学生side

 

中学時代の友人―――彩峰―――がこの世界を去ってから2年が経った。一年前の時は受験だ何だとうるさくなっていた時期だったが、

今となってはもう昔の話だ。

 

俺は今彩峰の友人である鉄と同じ高校に通っている。昔、鉄のことを彩峰から聞いた事がある。

 

「俺さ・・・・・・小学校の時、すっげー嫌われものだったんだよ。」

「ほぅ・・・お前がか?珍しい事もあるのだな。」

 

その時の彼は学校全体の学生、教師から絶大な信頼を置かれていた。

教師には話せない相談に乗ったり、他校との揉め事を解消したり、校内清掃etc・・・・・・

とまあこんな事を繰り返しているうちに、両方から彼は信頼されるようになった。

 

そんな彼が、突然この世を去っていった。

 

犯人はすぐに判明したが、動機はとても単純な物だった。

 

『小学校時代から目の敵にしていた相手の味方をしたから』

 

たったそれだけのために、彼は殺されたのである。

 

もちろん彼等にはそれ相応の罰が下ったが、世界は他の者にその悪意の牙を向けた。

彼が死んだのはその『相手』の味方をしたからだと、だから彼が死んだのだと―――そう言ったのである。

そしてその悪意の矛先が完全に鉄に向いた頃には――――すでに手遅れだった。

 

翌日、テレビでそのことがニュースで流れたが学校に行くとそのニュースをよくやったという奴が多くいた。

なぜ彼等があの内容をよくやったと言えるのかが、俺には理解できなかった。

 

 

だから俺は、世界を否定した。

 

 

 

side out

 

1999年 1月 26日

 

京都衛士養成学校

 

 

あの光州作戦から2ヶ月ぐらい経ってから衛士養成学校に二人の人間がその門を叩こうとしていた。

 

「おお~ここが武家の訓練学校か・・・・・・」

「僕達風に言うと私立学校みたいだね」

 

アンラこと鉄光成はあの作戦の後、あの機体のある機関によりその体を俺と分離する事が出来た。

元々こいつは魂として数えるので、他の身体に無意識の存在として入り込めるのだが、やはり自分の身体は欲しいらしかった。

 

身体精製に成功したこいつは、彩峰の取り計らいで鉄光成という人間として社会的に存在する事になった。

ちなみに俺は黒鋼克影の名前になっている。まぁ、前と変わらない名前だった。

 

「にしても、あいつの変わりようはすごかったな・・・」

「既に結婚もして子供もいるし・・・・・・」

 

俺らが話しているあいつというのは彩峰の事である。

俺達と同じで世界を渡る事になったあいつは・・・俺達より年を取っていた。それも20歳ぐらい。

しかも子供の名前が慧とは・・・・・・実子に妹の名前をつけてやがった!

さすがに俺達もそこにはツッコミを入れたが

 

「そんな事、誰にも分からんだろう?ハッハッハッハ!」

 

なんて事を言ってやがった・・・・・・分からなければいいって問題じゃないだろうと俺は思うよ・・・・

 

そして狭霧中尉―――今はもう大尉だが、下の名前で呼び合う仲になっていた。

あいつ慧の事が気に入ってるらしいが・・・・・・すべてを知っている俺は、あの作戦から昇格して中尉になった駒木さんは1時間もその愚痴を聞いていた。

あの後俺達の心にはある言葉が刻まれた。

 

『恋する乙女ほど、怖いものはない』と。

 

俺達は談笑しながら萩閣と尚哉を待っていたが、5分もしないうちにやって来た。

なぜか慧と駒木さんも一緒に。

 

「・・・・・・なんで、彩ちゃんと駒木さんが来たのか理由を説明してくれないかな?」

「お前らが養成学校になるから見送りに来たそうだ。」

「なるほど・・・・・・さてはお前、何か駒木さんに吹き込んだな?」

 

慧に関しては少し納得する所が俺にもあるのだが、駒木さんに関しては思い当たる節がどこにもない。

つまり結論はコイツがなにが吹き込んだ以外にあり得ないという答えに達した。

 

「鉄達は天涯孤独な奴らだから見送りぐらいしてやってくれ。と言われましたけど・・・別に准将は吹き込んでなんていませんよ」

「・・・・・二人とも自分の事低く見すぎ。」

「「・・・・・・」」

 

別に見送りがいなくてもよかったのだが、まぁここは萩閣の粋な計らいに感謝をしておく事にしよう。

 

俺達に関しては萩閣は何も話していない。

まぁ、俺達も2週間ぐらいはいろんな隠蔽だとかをしていたからな。

 

 

「そろそろ行かねば遅れます、准将。」

 

尚哉が萩閣に時間が押している事を知らせて、時計を確認していたらすでに14時を回っていた。

ちなみに萩閣が中将から准将に降格している理由は、前線維持よりも住民救助を優先した故の処置・・・らしい。

 

 

「おう、では行こうか二人とも。」

「じゃあちょっとばかし行ってくるからな。」

「じゃね~」

 

俺と光成は慧の頭をクシャっと撫でて、門を通っていった。

その頬が少し赤みを持っていたのは、誰も知らない事である。

 

学校の中に入ると、やがて校長室とプレートがある部屋に入ると校長と思われる人と萩閣が話しているのが分かった。

話し終わるのが確認できると、校長と思わしき人がこちらに来て、俺達の目の前に止まった。

 

「・・・・・・君達か、10万のBETAを相手に生き残ったというのは。」

「はい」

 

すでに光州作戦での事実を知っているからにして、この人は帝国陸軍の人である事が予想できた。

まぁ、俺と光成が萩閣と一緒にいる時点ですぐに分かるってもんだ。

 

「彩峰准将のお墨付きとはいえそう簡単に軍に入れてやれるほどこの国は甘くないのでな、ちょっとしたテストをしてもらおうか。」

「テスト・・・ですか?」

 

確かにいきなり部隊の目の前に出現した得体の知れないものをそうホイホイと信じられるわけがない。今回萩閣の目の前に落ちてきたのだって偶然に過ぎないからな。

しかも本人に聞いた話によるとあの部隊は日本の中でもトップクラスの精鋭が集まっている部隊だったらしいから、警戒のレベルが半端なかったらしい。

そりゃ目の前に怪物共の本拠地が落ちてくれば誰だって警戒するだろ・・・。

 

「あぁ、平地での二機編成(エレメント)同士による戦闘だ。」

「分かりました・・・で、機体は何を使えば?」

「そうだな・・・・・・陽炎でよろしいか?」

 

陽炎といえば、アメリカ産のF-15C イーグルと呼ばれる機体をライセンス生産をして近接戦闘に特化させた機体じゃなかったか?

今年で新規生産を終了した機体ともいえるかな。

まぁ近接戦闘に特化した機体と言われるほどの中々の機体だから、今回のテストには十分だろ。

 

「分かりました。」

「ではハンガーにて指示を待ってくれ。」

「了解です。」

 

そう言って俺たちは部屋を後にした。

 

実はこの時まだ知らなかった。

 

俺達が一体何者としてここに存在していたかに・・・・・・

 

萩閣side in

 

光成と克影が部屋を出てから、彼は口を開いた。

 

「まさか彼等が『血の巨人』とは・・・・・・」

「驚いたかね?」

「まぁ、あの外見で推測すると16なのでは?」

「なにも16で戦場出る事は、いまではそう珍しくもなかろう」

 

彼、巌谷栄二中佐も彼等の外見年齢には驚いていた。

実際のところ、尚哉も駒木中尉も戦術機から降りた彼を見たときには驚いていた。

 

「にしても、彼女らを相手に選ばれるとは・・・」

「分が悪いと、思うかな?」

「いえ、そうではないのですが・・・・・・」

 

だが実際の所、陸軍と近衛の中からトップクラスの衛士で二機編成(エレメント)戦最強といえば

彼女らしか思い浮かばない。

俺としても、あいつ等が二人いるのが分かったのがつい最近だからな・・・・・・

 

「准将?どうなされたのですか?顔色が優れないようですが・・・」

「いや、たいしたことではない。気にしないでくれ。」

「は、はぁ・・・」

 

なんで同じ世界に同一人物が存在できる理屈が俺には全く理解できなかった。

 

side out

 

 




今回は、後書きは無しです
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