R15くらい?かな
精神的に病んでるというか、歪んでます
思い付きで適当にやってたのでオチとか微妙ですが
また、腐向け、病みめです
ご注意ください
頭が痛い
鼓動に連動するみたいに、ズキズキ痛む
このまま心臓が止まってしまえばいいのに、なんて思う
温暖化の影響でヒートアイランドと化した日本は人間に癒しなんてもたらしてはくれない
まぁ、自業自得なんだけど
にしたって、こんなに暑いんじゃあ頭も痛くなる
仕方ないな、と呟いて、君は僕を殺したんだったかな
************************
それも起こりうる未来の可能性として、平行世界の僕を一人殺したところで君が来た
暑さなんていうのはまるで別世界の話なんじゃないかと思うくらい涼しい病室
真っ白な壁、真っ白な寝具、真っ白なカーテン
きっとこの部屋の壁に絵の具をぶちまけたら綺麗なんじゃないかな
ベッドの向こう側に一つ窓があって、僕に外の世界を知らせるのはその四角から覗ける範囲だけ
あとは、君が楽しそうに話す内容から外の世界を創造するんだ
たぶん僕はここから少なくとも4,5年は出られないだろうから
そしてきっと、僕がもし外を見たのなら、僕の創造した世界と本物の世界はかけ離れているんだろうな
それくらい、僕の創造は奇抜なものだから
君は今日も僕を哀れむような慈しむような微妙な目で見るのさ
僕はその目が、何より大好きなんだけど
「なゆ、今日も元気?」
「うん、とっても」
「そうだと思ったよ」
君が僕をなゆ、と呼ぶのが僕には数少ない幸せなんだよ
僕は君を君としか呼ばないけれど
「君、髪染めたの?」
昨日の君は確か、綺麗な金色の髪をしてた
けれど、今日の君の髪は綺麗な栗色なんだ
「え?」
「昨日と、髪の色が違うように見えるけれど」
「あ、あぁ、うん、染め直してみた、どうかな」
「僕は、なんでも好きだよ」
「それはよかった」
そう言ってほんの少し目尻を下げて、困ったような顔で笑うんだよ、君は
そんな君が、大好きなんだ
************************
ここで、僕と君の関係を僕の記憶にある範囲で整理することにする
簡潔に言えば、僕と君は医師と患者ということになる
それで、君は僕をなゆ、と呼ぶ
なぜって、僕の名前は那由多だから
君の名前は、あれ、なんだったかな
…わからないや
きっと昨日になれば思い出すよ
それと、もう一つ
僕は患者らしいんだけど
僕は病気じゃない
どうしてここにいるのかって、そんなのは簡単だ
君がここにいるから
君が出す薬をただ飲むだけで、君がここにいることだけが、僕の生きる理由
君がいないと、死んでしまうから
平行世界の僕のように
************************
「ねぇ、なゆ、夏だね」
ふと、君が言う
夏なのか、これは
そういえば窓の外に見える木々の葉は緑色で、どこからか蝉の鳴き声がした
「…うん、夏だね」
素っ気なく返事をすると、君は僕に綺麗な笑顔を向けてくれるんだ
それが嬉しくて、あと五年は生きられそう
「俺がもし、他の病院に行ったらどうする?」
「君のいるところに行く」
「そっか」
君はまた、いつもと同じ困ったような笑顔を浮かべる
君が笑ってくれるなら、なんでも言うよ
そして君はいつもと同じように僕に薬を差し出して、今日の分だよ、って言って、僕が口を開けると、僕の口に薬を放り込んで、水を流し込む
1度に7粒も入れられるとちょっと苦しいんだな
なんの薬なんだ、とかそんなことは聞かない
君がくれるなら、なんだっていいんだ
そして君はいつもと同じように僕に向かって
「お願いだから、死なないで、俺の事忘れても、構わないから」
何て言うんだ
忘れるはずもないのにね
全く、おかしなやつだよ
************************
暗い病院の廊下で、一人意味もなく立っていた
三島 那由多
俺の唯一の幼馴染みで、俺の恋人で、俺の患者
俺が医者になったのは、一昨年の事
元々、医者になるつもりだった
だから、医学部なんて仰々しい学部を修め、難なく就職した
そして、俺の幼馴染みで、恋人の那由多を、壊した
壊してしまったからには直す責任がある
俺が、那由多の全ての権限を持っている
那由多は、俺がいなきゃ生きていけない
那由多は、俺が必要で、那由多の全ては俺のモノで、那由多は那由多は那由多は那由多は那由多は…
「俺だけのだよ」
そう呟いた声は、真っ暗な病院の廊下の奥に吸い込まれ、どこからか聞こえる蝉時雨にかき消された
************************
さて、答え合わせといこう
************************
那由多がおかしくなったのはいつからだろう
ある日突然、頭が痛いと言い出した
昔から体が弱かったし、どこか妄想癖のある変なやつだったから、頭痛薬を飲ませて寝かせた
それは、大して大事でもなかった
俺と那由多はいわゆる恋人とやらだった
男同士ということもあって周りには言わなかったけど
もちろん、そういうことも何度もした
何度も体を重ねた
その度に那由多は可愛く喘ぐし、気持ち良さそうに、余裕なく俺の名前を呼ぶのが俺にとっても快感で
何度も何度も、下手をすれば昼間も
那由多はやけに敏感で、初めは体験したことのない快感に怯えきっていたけれど、段々気持ちよさが勝るようになったみたいで
もっとしよう、今日はしないのって自分から求めてくるようになった
那由多の細い腰や細い腕が震えて俺を求めてくるのがひたすらに愛らしくて
恥ずかしそうに、けれども快感を求めてくる那由多が大好きなんだ
那由多に溺れきっていた
俺の方が、那由多がいないと生きられないんじゃないだろうか
きっとそうだ
そして、俺は絶望した
「頭痛い、っ、やだ、痛いっ!」
「なゆ落ち着いて、大丈夫だから、病院行こう、ね」
那由多が今までにないくらいの頭痛を訴えた
真夜中の事で、救急車をよんで夜間病院に連れて行った
わかったことは、どうしようもなく難病だということ
那由多の家族は仲がいいとは言い難く、彼が難病だと知っても入院費だけ置いて、見舞いにも来なかった
どうにか頼み込んで那由多の主治医にしてもらい、毎日彼の部屋を訪ねた
彼の記憶に、俺の名前はなかった
どうやら記憶を失い続けるようで、日に日に彼は病院の外の事を忘れていった
そして、曖昧に、彼自身の中で造り上げた世界に生きるようになった
だからその世界に、入り込むことにした
そうして、毎日毎日彼の造り上げた俺を演じる
明日も、その次も
君か俺が死ぬ日まで
こんなのを読んでくれた方、ありがとうございます
読者様に心からの感謝を