「他の奴とこ行けば良いだろ。」
今日、5月5日。土方の誕生日、だから喧嘩するつもりなかった。
午前中は、会議が入ってるからって午後イチで
今思えば、買い物に出なきゃよかった。そしたら、こんな思いしなくてよかったのかも……。
会議のはずなのに、土方を見かけた。それだけなら……よかったけど女の人といた。
ただ、道を聞かれただけとか単なる知り合いだとかそんな言い訳を自分にする。
土方は、俺に気づくことなくその女と店へと消えていった。買い物する気にもなれず、そのまま
やっぱり、男より女の方がいいよね。街でデートしてても変じゃないし
そろそろ、限界かなぁ?別れなきゃいけないのかなぁ?
いつもの席に座って空を見ていると、自然と涙が出てきた。なんで、
土方は、予定より少し遅れてきた。
「悪りぃ。会議長引いて……銀時?泣いてんのか?」
土方が来るまで、ずっと泣いてた。目はたぶん、赤くなってるんだろうな。こんなときでも、嘘つくんだ。
「会議って外でするんだ。」
「はぁ?なに言って………遅れたこと怒ってんのか?この歳で誕生日祝うとかどうでも良いって言ったのに、お前がどうしてもって言うからわざわざ昼から非番にして来てやってんだろうが……そんなこと言うなら帰るぞ。まだ、仕事残ってるんだよ。」
「だったら、もう別れれば良いだろ。こんな奴より女の方が良いだろうしな。」
自分でも何を言っているかわからない。土方の顔が涙で見えなかった。
土方が、出ていってから声を出して泣いた。
翌日、新八の家に行っていた神楽と新八がやって来た。声が出なくなった俺を見て何があったのか理解できたのか、優しく背中を撫でてくれた。
昨日、渡すはずだった
あれから、1週間。ショックだったのか泣き疲れたのか、俺は喋ることが出来なくなっていた。医者は、喉には炎症はないと言ったが声を出そうとすると口が動くだけで音を出すことはできない。
「銀時、居るか?」
土方?なんで、なんで家に来んだよ。
「声出ないんだってな。ガキたちに聞いた。」
俺が何も言えないのを良いことに、勝手にソファに座る。顔なんて見たくないのに……出ていって欲しいのに………。
「それと…………これ貰ったから。」
土方が、隊服のスカーフを取ると俺がプレゼントとして用意してた淡い青色の小さな花のペンダントがあった。
「…………」
口を動かすけど、微かに空気の音みたいなのが漏れるだけで言葉にはならない。
「………私を忘れないで……だろ?これの意味。ネットで調べた。
“返せ”と紙に書いて土方に見せる。
「なに言ってるんだよ。返さねぇよ。それに、お前…勘違いしてるから。」
“勘違い?”
「会議は、確かにあった。けど、個人的に相談されてて………痴漢の被害にあってるって。普通なら管轄が違うんだけど、知り合いの娘さんで俺じゃないと話さないって言ってきたから会っただけ。そのあと管轄の刑事に引き渡したし………って聞いてるか?銀時?」
俺は、泣くしかなかった。
完