長門の視線 ー過去編開始ー   作:電動ガン

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page37 私と空母艦娘

「空母の艦娘が出来た?」

 

やあ諸君。長門だ。どうやら空母の艦娘が出来たらしい。工廠に行って飛行甲板とバルバスバウ確認されたとのこと。新しい仲間が増えるのは良いことだ。これで九州奪還に光明が差したな。

 

「それで提督。九州の奪還は空母の艦娘が完成してから行うのだな。」

 

「そういうことになる。それまでは近海周辺の一掃が主な任務になる。」

 

「わかりました提督。こちらも準備を整えて、ですね。」

 

「そのつもりで頼む。」

 

先日五月雨と吹雪が損傷を負って帰ってきた。近海に強力な空母が出現したことで鎮守府正面海域への侵攻を抑制する意味もあるんだろう。

 

「あー敵に空母がいる編成が増えてきたからねぇ・・・」

 

「多少の無茶をしても近海の安全を確保しないと九州への足掛かりになりませんからね。」

 

「伊勢と扶桑の言う通りだ。みんな。よろしく頼むぞ。」

 

「「「了解!」」」

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

海を往く。今回は近海への進出となる。慎重派の提督も積極的に戦闘をすると言っていた。言っていたのだが・・・

 

「こうも敵に遭遇しないとは・・・」

 

「あーなんか呆気ないね。」

 

「で、でも敵と遭遇しない方が良いのです。」

 

「そうは行かないわよ電。今回の任務は掃討。敵と遭遇しないとイケナイんだから。」

 

「はわわ・・・」

 

「まぁ・・・なんだ。叢雲、電。敵と遭遇したら戦艦組が盾になる。そう心配しなくても良い。」

 

「でも・・・戦艦だって沈むのです・・・」

 

「電探に感あり!」

 

「そら敵さんだ!気を引き締めろ!」

 

「「はいっ!」」

 

水偵を呼び戻し、感のあった方へと向けた。敵の編成は・・・駆逐2、軽巡3・・・統率の取れた動きから哨戒艦隊だと思う。

 

「先制攻撃を仕掛けます!戦艦前へ!」

 

扶桑の掛け声で伊勢と並び41cm砲を向けた。

 

「撃てぇーっ!」

 

砲口から徹甲弾が吐き出され、敵艦隊へと吸い込まれていく。‘改‘となった艤装は照準性能が上がっている。砲弾は敵艦隊へ全弾命中し撃沈せしめた。

 

「敵艦隊・・・全隻轟沈確認。お疲れ様でした。」

 

「ふぅ・・・」

 

「流石戦艦ね。この調子で行ければ良いけれど・・・」

 

「まぁざっとこんなもんでしょ。空母いなかったし。」

 

「そうだな・・・」

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

それからというもの敵艦隊を見つける度に先制攻撃を仕掛け撃沈し続けたが・・・ふぅむ。

 

「空母がいないな・・・」

 

「へ?それがどうしたの?」

 

「私達の初陣の時もいた、そしてつい先日五月雨達が損傷した時もいた。だが今日はいない。これはどういうことだ・・・?」

 

「別な海域に移動したんじゃないのー?」

 

「たわけ。いないならば良いというものではない。」

 

「えー・・・」

 

「扶桑。」

 

「何かしら?」

 

「我々五隻だけでは不安が残るがもう少し遠くへいかないか?」

 

「・・・。」

 

考え込んでしまった・・・戦艦組が揃っているし六隻編成ではないが空母を仕留めきれていないというのはいただけない。提督も不安が残るだろう。扶桑ならばその辺りわかってくれそうではあるが・・・

 

「わかったわ。もう少し、先に進みましょう。」

 

「了解した。」

 

「皆さんも、いいですね?」

 

「いいわ。」

 

「なのです。」

 

「あたしも。」

 

「よし。ならば行きましょう。」

 

「水偵から敵艦発見の報!」

 

「戦闘準備!」

 

「はい!!」

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

近海深部へと進んで行く。段々と敵艦との遭遇が多くなり、疲弊していくが空母撃破とはならなかった。いったいどういうことだ・・・?

 

「・・・ふぅ。皆さん弾薬燃料を報告してください。」

 

「長門、損傷無し。燃料はまだある。弾薬もあと二、三戦するくらいには大丈夫だ。」

 

「伊勢、同様です。」

 

「電、燃料弾薬ともに十分あるのです。先制攻撃で倒せてたから・・・

 

「叢雲、同じく余裕があります。」

 

「そう・・・空母は撃破出来なかったけれど今日はこの辺で帰投しようかしら・・・」

 

「そうだな。帰りも余裕を持っておきたい。空母撃破とはならんかったが提督も文句は言わんだろう。」

 

「そうね・・・それじゃあ帰投しま・・・」

 

「敵航空機!!!」

 

「ッ・・・!!対空砲火!!!」

 

装備はしていないが艤装備え付けの対空砲で弾幕を張る。電や叢雲も高角砲で応戦しているが・・・!

 

「敵機直上!」

 

「!いかん電!」

 

「ふぇっ!?」

 

電を引っ掴んで直撃コースから退ける。代わりに私の体を滑り込ませたが敵航空機から爆弾が吐き出された・・・

 

「ぐっ・・・おおお!?」

 

爆発が身を包み、有毒ガスから身を守る為に目を瞑り口を閉じる。感覚からすると・・・微損にもなっていないな。大丈夫だ。

 

「長門さん!?」

 

「長門!!」

 

「・・・大丈夫だ!対空砲火を続けろ!!」

 

「敵はどこから来ているの!?」

 

「水偵は潰される!電探は!!」

 

「感無し!!」

 

完全にアウトレンジからということか・・・空母の本領発揮というわけか。これ程までに完璧に奇襲を仕掛けられるとたまったものではない。

 

「あたしが航空機が来た方向に出る!電探で掴んでくるよ!」

 

「わかったわ!」

 

伊勢が離れて行く。航空機が集中しないよう駆逐艦を守りつつ対空砲火を多くしていく。伊勢間に合わせてくれよ・・・!

 

「きゃぁっ!」

 

「叢雲!!」

 

「大丈夫・・・機銃で撃たれただけっ!!」

 

このままではジリ貧だ・・・伊勢まだか!

 

「至近弾が増えていく・・・!」

 

『敵艦!見つけたよ!!』

 

「でかした伊勢!扶桑!」

 

「ええ!打って出ます!」

 

敵航空機を交わしながら伊勢のいる方向へと向かう。大丈夫だ。いつも通りにやればいい!

 

私たちは敵空母へと吶喊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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