「ボーダー本部長の忍田真史だ。
君たちの入隊を歓迎する。
君たちは本日からC級隊員…つまり訓令生として入隊するが。
三門市の、そして人類の未来は君たちの双肩にかかっている。
日々研鑽し正隊員を目指してほしい。
君たちと共に戦える日を待っている」
1月8日、ボーダー隊員正式入隊日。
敷地内にある体育館でボーダー本部長の忍田の言葉が響く。
遊真の黒トリガーを巡って士郎、迅が太刀川達と大立ち回りを繰り広げてから20日が経過しボーダーへの入隊日を迎えたのだ。
「まずは、入隊おめでとう。
改めて攻撃手組と銃手組を担当する嵐山隊の嵐山准だ」
忍田の激励の後、その場を引き継いだ嵐山が説明を開始する。
スナイパーの千佳は訓練場が違うため別行動である。
「忍田本部長もさっき言っていたが君たちさ訓練生だ。
B隊に昇格して正隊員にならなければ防衛任務にはつけない。
ならどうすれば正隊員になれるのか、最初にそれを説明する。
各自 自分の左手の甲をみてくれ」
嵐山の言葉に士道が左手をみると数字が1000と表示されている。
「君たちが今、起動させているトリガーホルダーには、各自が選んだ戦闘用のトリガーが一つだけ入っている。
左手の数字は…君たちがそのトリガーをどれだけ使いこなしているかを示す数字だ。
その数字を『4000』まで上げること。
それがB級昇格の条件だ」
そこまで言って、嵐山は指を二本立てる。
「ポイントを上げる方法は二つある。
周二回の合同訓練で結果を残すかランク戦でポイントを奪い合うか。
まずは訓練のほうから体験してもらう。
ついてきてくれ」
嵐山についていき、案内されたのがいくつかのシュミレーションルームだ。
仮想空間でボーダーのデータから再現された近海民と戦うらしい。
「私の時もいきなりこれだったわ」
「ぼくの時も…」
「これでだいたいわかるのよね…向いてるのかどうか…」
などと後ろので木虎と修が話しているがどうやらボーダーに入隊したら行われる恒例行事らしい。
「仮想空間モードではトリオン切れさない。
ケガもしないから思い切り戦ってくれ。
今回戦ってもらうのは初心者レベルの相手…君たちも見たことある大型近界民だ。
訓練用に少し小型化してある。
攻撃力は無いがその分装甲が分厚いぞ。
制限時間は1人5分、早く倒すほど評価点は高くなる。
自信のあるものは高得点を狙ってほしい、説明は以上! 各部屋始めてくれ!」
嵐山の号令と共に各部屋で仮想トリオン兵との戦闘が繰り広げられる。
タイムは一分切るものが数人いるくらいである。
士道もシュミレーションルームに入り孤月の柄を握り、腰を深く落とす居合いの体勢を取る。
意識を集中。
目を瞑り、開始の合図を待つ。
「始め!」
声と共に士道の姿が残像を残してかき消えたかと思うと仮想トリオン兵の遥か後方に現れる。
いつの右手にはいつ間にか納刀状態だった孤月が握られている。
一拍置いて仮想トリオン兵が鮮血のようにトリオンを吹き出しながら倒れ込む。
タイムは0.9秒だ。
驚愕とどよめきの声が上がる中、遊真がシュミレーションルームに入っていく。
「始め!」
号令と共に宙に舞うと右手に展開したスコーピオンで一気に切り裂く。
タイムは0.6秒、言うまでもなく最速タイムだ。
「今ので満点かな?」
「いやいやいや、まぐれだ!
計器の故障だろ!
もう一回やり直せ!」
涼しい顔でシュミレーションルームから出てきた遊真に他のCの級隊がヤジを飛ばす。
「ふむ、もう一回?いいよ」
そんなヤジなど気にしてないとばかりに返す遊真…タイムは先ほどより早く0.4秒だ。
「…よしお前達の強さがまぐれじゃないのは分かった…合格だ。
俺たちと組もうぜ。
強者同士が手を組めばより上を目指せる」
「おことわりします」
「悪いな、もう組むメンバーは決めてるんだ」
先ほど遊真にヤジを飛ばしていたC級隊員が手のひらを返して士郎と遊真をスカウトしてくるが丁重にお断りをいれる。
「三雲くんと組むんだろう?」
「うん、そう」
「……なるほどな」
嵐山の言葉に遊真が頷き、いつの間にか訓練生の様子を見に来ていたのか風間が一人呟く。
「風間さん、来てたんですか」
「訓練室を一つ貸せ、嵐山。
迅の後輩とやらの実力を確かめたい」
嵐山の言葉に応えず、トリガーを起動する。
「待ってください風間さん! 彼はまだ訓練生ですよ! トリガーだって訓練用だ!」
「おれはべつにやってもいいよ」
嗜める嵐山と挑発的な笑みを浮かべる久我に対し、風間は首を振り修の方を向く。
「ちがう、そいつじゃない。
俺が確かめたいのは……お前だ三雲修」
お久しぶりです灰音穂乃果です……前回投稿から年単位で時間あいちゃいましたがアニメの方がリブートされるとのことでマイペースに執筆進めて行きたいで