大和撫子も異世界から来るそうですよ?【更新停止】   作:夜明けの月

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書き終わりました〜。
想像以上にキツイかも…。
それではお楽しみください。


少年少女、箱庭にて混乱す

ーside 初愛ー

 

 

私は今、人生最大の危機に瀕しています。なぜならーーー

 

「きゃああああああぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

上空に投げ出されたからです。これで飛べたなら、気分は鳥みたいです。でも今は違います。木の葉が落ちるように私の体も、自然と地面に吸い込まれるように落ちていきます。

 

変な手紙を読んだ途端、こんな初体験をするなんて思いもしませんでした。ここで私は思いました。わざわざ封書までして手紙を送ってくださった方には、

 

 

 

必ず痛い目にあってもらわなければ(お礼をしなくては)と。

 

 

 

その次の瞬間、ザパァーンッという着水音とともに五つの水柱が上がりました。

 

私はその時に視界が暗転しました。幸先が悪すぎて言葉が出ません。

 

 

ーside 初愛 endー

 

 

 

 

 

♠︎

 

 

 

 

 

ーside ???ー

 

僕は普通に学園生活を送ってたはずだ。うん確かそうだったはず。だけど、それが一瞬にして非日常的なものへと変化した。

 

僕の家にあるポストに丁寧に封書された手紙が入っていたのだ。そこには『日陰颯人(ひかげはやと)様』と書かれていた。あ、ちなみに僕の名前ねそれ。

 

僕は興味津々でそれを開いた。そこまでは良かった。でも、そこからがダメだった。

 

文面はなんとも不思議じみたもの。『異才』だとか『箱庭』だとか訳の分からないものだった。だから僕はそれを捨てようとした。すると、次の瞬間にはこのザマだ。

 

「もう訳がわからないよ……」

 

僕は混乱する思考を停止して湖に着水するのだった。

 

 

 

 

 

♠︎

 

 

 

 

 

「ったく、いきなり空に放り出すとはどういう了見だ」

 

「まったくよ!湖があったから良かったものの、下が地面だったらどうするつもりだったのよ!」

 

「これなら石の中の方が良かったな」

 

「………いえ、石の中では動けないでしょう?」

 

「俺は動ける」

 

「そう、身勝手ね」

 

金髪の子と黒髪の子が言い合っている。がまあそれはどうでもいい。その端では、茶髪の子が猫を心配しているのもまあいい。僕はこの状況に違和感を覚えた。

 

「ねえ、ちょっといい?」

 

「「何だ?/何よ?」」

 

「そ、そんなに睨まないでよ……」

 

「それで、何かしら?」

 

「いや、単なる疑問なんだけど…………一人足りなくない?」

 

その瞬間、その場が沈黙に包まれる。水柱は五つだったはずなのに、今いるのは四人。そしてここから導かれる解はーーー。

 

陸にいる四人が湖に目をやるとそこには、

 

 

プカーっと死体のように浮き上がっている緑色の着物を着た女の子がいた。

 

 

「全員救出開始ッ!!」

 

「「「りょ、了解ッ!!」」」

 

このまま気づかなかったらデッドエンドルートだよ、などと思いながら四人で救出するのだった。

 

 

ーside ??? outー

 

 

 

 

 

♠︎

 

 

 

 

 

「………い…………き……」

 

「………………」

 

「き………い……生き………る!?」

 

「………………ん」

 

「君、大丈夫!?生きてる!?」

 

「………んぁ?」

 

「お、やっと起きたぁ〜。みんな〜、起きたよ〜」

 

颯人は他の三人を呼ぶ。気を失っていた初愛はその状況をまったく理解できていなかった。

 

「やっと起きたか」

 

「一時はどうなることかと思ったわよ」

 

「結果オーライ」

 

金髪の少年、高貴そうな少女、無表情な少女、そして雰囲気が誰かに似ている少年。初愛はその四人に取り囲まれていた。

 

刹那、初愛は身を縮こまらせて涙目で言う。

 

「な、何をするつもりなんですか!?」

 

「「「「は?」」」」

 

「わ、私は食べたって美味しくありませんよ!そ、それに私はまだ子供ですし、あなた方が求めているようなことは一切できませんよ!?」

 

慌てたように早口でかつ涙を目に浮かべながらそう言う初愛。置いてけぼりの四人は未だに固まったままである。

 

「え、え?何の「お願いだから食べないで!」………どうしようこの人」

 

「とりあえず落ち着くまで待とうぜ。これじゃ会話もまともに成り立たねえだろ」

 

「それもそうね。それまで待ちましょう」

 

「同感」

 

そして、落ち着くまで待つこと十数分。

 

初愛はなんとか颯人達の話を聞いた。自分達はが襲おうとしたわけではなく、溺れていた初愛を助け、声をかけていたのだと。それを聞いた初愛は青ざめた顔をする。

 

「ごごごごごごごめんなさい!!わ、私何も知らずあなた達のことを………!!」

 

「いやいいよ。いきなり多数の人に囲まれてたらそりゃ驚いたり混乱したりするさ」

 

颯人は話題を切り替えると立ち上がって服に付いた土を払う。

 

「それで確認だけど、君らにもあの手紙が?」

 

「君ではないわよ。私は久遠飛鳥よ。以後気をつけて」

 

「あ、うん分かった。あと僕は日陰颯人。よろしく「ひ、日陰!?」どうしたの?」

 

初愛が驚いたように声を上げる。それを訝しんだ颯人が首を傾げて問う。

 

「え、えっと、何でもない、です……」

 

初愛は俯いてそう言った。その表情は混乱または困惑だった。颯人は抱いた疑問を頭の端に追いやる。

 

「そう?それならいいけど。それじゃあ、そこで猫を触ってる君は?」

 

「春日部耀。以下同文」

 

「う、うん。それじゃあ金髪の君は?」

 

「ご紹介にあずかりました逆廻十六夜です。粗野で凶暴で快楽主義者と三拍子揃ったダメ人間なので、用法と容量を守った上で接してくれよ」

 

颯人はこの状況に頭を抱える。

 

「(ダメだ……この人達、僕が知っているような人種じゃない………!)」

 

颯人は最後の一人に一縷の望みをかけて問いかける。

 

「そこの緑の和服を着てる君は?」

 

「わ、私ですか……?私は、藤原初愛と言います。それとすみません、先ほどは迷惑をかけてしまって……」

 

初愛は頭を深々と下げて言う。颯人はその言葉遣いや仕草に感動を覚える。先ほどの三人の対応がアレだったからだ。

 

「ううん、当然のことをしたまでだよ。それにしても君はなぜ着物を?他のみんなは学ランだったり私服だったりするのに」

 

颯人の問いを聞くと、訳が分からないという風に首を傾げる初愛。

 

「え?着物って普段着じゃないんですか?」

 

「……………え?」

 

さも当然かのように答える初愛に困惑する颯人。ここで十六夜が助け舟を出す。

 

「えーと、藤原だったか?」

 

「初愛または初姫で構いません。いつもそう呼ばれてたので」

 

「じゃあ初姫。お前の出身はどこだ?」

 

「出身、ですか?」

 

「ああ。それで少しはわかるんでな」

 

「……………………」

 

冷や汗をかいて目をそらす初愛。まさかと思い、十六夜は顔を歪めて恐る恐る尋ねる。

 

「お前、自分のいたところがわからなかったのか?」

 

「い、いえ、分かります!ええと…………お父様に聞けばわかるのですが………」

 

「は?お前の父親に?」

 

「はい。名高い人でしたので」

 

「へぇ、誰なんだ?」

 

「藤原道長です」

 

初愛がそう言い放った瞬間にその場が凍りつく。

 

「ははは…………、いいジョークじゃねえか。で、お前の父親は?」

 

「藤原道長です」

 

「「「「はぁ!!?」」」」

 

四人が驚愕の声を上げる。それもそうだ。藤原道長とは、現代ではかなり、いや誰もが知っている平安時代の人物なのだから。

 

「じゃあ、あなたは平安時代から来たというの!?」

 

「平安………?あ、都の名前ですか?」

 

「………びっくり。超びっくり」

 

「おいおい、有名人の娘さんがここにいていいのかよ………」

 

「???」

 

三人が戦慄し、状況が全く読めていない初愛は頭上に『?』を浮かべている。だがそのうちの一人、颯人だけは真剣な顔をして考え込んでいた。

 

「(まさか……いやでも、そんな………)」

 

颯人は考えを巡らせるが、最悪な答えしか思い浮かばなかった。

 

「(とりあえず、様子見かな)」

 

そう思い、初目に目をやるのだった。

 

そんな中、茂みの奥でも戦慄している人物がいた。

 

「な、なんかまずい人を呼んでしまったのですよぉ!!」

 

そう嘆いて震えるのだった。

 

 




はい、新キャラ登場しました。
日陰颯人君です!
それと伏線をガンガン入れていってます。まあ、簡単にわかるのが大半ですけど……。
それでは、次回もお楽しみに!
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