大和撫子も異世界から来るそうですよ?【更新停止】   作:夜明けの月

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非常に遅れてしまって申し訳ありません……。



少女、月の兎と邂逅す

「んで、一体ここはどこなんだよ」

 

「そうね。それが分からない事には動きようがないものね」

 

「二人ともこの事態に落ち着きすぎ」

 

「君が言えないよねそれ」

 

「一体ここはどこなんでしょう?」

 

「まあそれが分からないと動きようがねえしな」

 

「まずこの事態に落ち着きすぎよ」

 

「そうは言えないと思う」

 

「ちょっと一旦ストップ。このままだと無限ループになるからやめて」

 

初愛達によって出来上がろうとしていた無限ループは颯人によって止められる。五人は全員が全員落ち着いていた。

 

「はぁ、仕方ねえ。とりあえずあそこに隠れているやつにでも聞くか?」

 

「ええ、それが得策ね」

 

「お?何だ、お前らも気づいてたのか?」

 

「当然よ」

 

「風上に立たれたら嫌でも分かる」

 

「まあ、あれだけ分かりやすかったらね」

 

「音には敏感な方なんです」

 

「へぇ、面白いなお前ら」

 

そう言って草むらを見る五人。だが、初愛以外は睨んでいるようにも見える。

 

「い、嫌だなぁそんなに睨まないでくださいよ。そんな怖い顔で見られたら黒ウサギは死んでしまいます。古来より孤独と狼はウサギの天敵でございますよ。ここは、そんな脆弱な心臓に免じて穏便に話をーーー」

 

「断る」

 

「却下します」

 

「以下同文」

 

「右に同じ」

 

「………兎ということは月の兎さんですか?」

 

「あっは、取りつくシマもないですね♪というかなぜ黒ウサギのことを知っているのですか!?」

 

十六夜達四人が黒ウサギを睨む中、初愛だけは平然と告げる。その言葉に黒ウサギは眼を剥いて驚く。

 

「………?」

 

「いえ、可愛く首を傾げられても困るのですが……」

 

キョトンとして首を傾げる初愛を見てウサ耳を呆れたようにへにょらせる黒ウサギ。その背後にはゆっくりと近づく影が一つあった。

 

「てい」

 

「ふぎゃああぁぁ!?」

 

耀が背後から近づき、黒ウサギの頭上にあるウサ耳の根っこから引き抜きにかかる。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!!触るだけならまだしも、遠慮無用に引っこ抜きにかかるとはどういう了見ですか!?」

 

「好奇心のなせる技」

 

「自由にもほどがありますっ!!」

 

黒ウサギが耀から逃れている間に、その背後に回る三つの影があった。それに気づいた黒ウサギは顔を青ざめ、ゆっくりと振り向く。

 

「へぇ、これ本物なんだな」

 

「そうみたいね」

 

「珍しいね」

 

十六夜、飛鳥、颯人の三人が黒ウサギのウサ耳を引っこ抜きにかかる。

 

「ちょっ、ちょっとお待ちを………!!」

 

黒ウサギは未だ行動に移していない初愛に視線で助けを求めるが、

 

「すぴーーー………」

 

「何寝ていらっしゃるんですかこの自由人様!?」

 

「むにゃむにゃ……、黒ウサギはもう食べられない、よ………」

 

「どんな夢を見ていらっしゃるんでーーーー」

 

木に寄りかかって寝ている初愛にツッコミを入れていた黒ウサギだが、十六夜と颯人が本気で引っ張ったため、女性とは思えない絶叫をった。そして、事態が収拾したのはその一時間後だった。

 

 

 

 

 

♠︎

 

 

 

 

 

「あ、あり得ないのですよ……。事態が収拾するまで小一時間もかかるなんて……。学級崩壊とはこのことを言うのですよ……」

 

「早く説明してよ」

 

項垂れている黒ウサギに元凶の一人の颯人が催促する。

 

一方、先ほど黒ウサギが助けを求めたにも関わらず、能天気に寝ていた初愛を起こすために十六夜は初愛の方を揺すっていた。

 

「おいコラ起きろ。説明が始まるぞ」

 

「むにゃー……」

 

「起きやがれ」

 

「んん………」

 

十六夜の声に反応したのか、身じろぎする初愛。十六夜は初愛がなかなか起きないため、揺する力を強くする。

 

「さっさと起きろ」

 

「むぅー………?」

 

揺すっていると、初愛が起きたのか、十六夜の手をするりと抜けて十六夜にもたれかかる。

 

十六夜はそんなことも予期していないわけで、

 

「おわっ!?」

 

後ろに倒れ込む。頭を打った十六夜は、頭を抑えながら顔を上げる。

 

すると、至近距離に初愛の顔があった。初愛は起きたばかりなのか、 半目を開けて眠そうにしている。

 

「あ、れ……?逆廻さん………?」

 

「…………っ」

 

初愛の吐息が十六夜に伝わる。十六夜は鼓動が跳ね上がり、すぐさま初愛のしたから這い出る。

 

そして初愛立たせて服に付いた土を払う。

 

「どうかしたんですか?顔赤いですよ?」

 

「何でもねえ!黒ウサギの話聞くぞ!」

 

「……?」

 

初愛はそっぽを向いてヤケクソ気味に言う十六夜を見て首をかしげることしかできなかった。

 

 

 

 

 

♠︎

 

 

 

 

 

「初姫様、初姫様!?どちらにいらっしゃられるのですか!?」

 

京の都より離れた場所にある初愛の住む屋敷では、初愛が行方不明となり従者達は混乱していた。

 

「どうしたのだ日陰よ。何かあったか?」

 

「み、道長様……!?」

 

そこには初愛の父である歴史上に名を馳せる人物、藤原道長がいた。その姿を見るとすぐさま控える日陰。

 

「すみません。私としたことが、初姫様を………!」

 

「よい。顔を上げろ」

 

心からの謝罪をすぐに流す道長。すると、とんでも無いことを口にした。

 

「早かれ遅かれ、初愛はこうなったのだ。今どうこう言っても仕方あるまい」

 

「……それはどういうことですか?」

 

「日陰には教えておろうが。初愛に我々では()()()()()()()()()力を持っていると」

 

「は、はい。初姫様にお仕えする際に少しばかりは」

 

「その力は、この世界では身に余るものなのだ。単純に言うのであれば、初愛は住む世界が違う。ここでは無い、別のどこかが初愛の世界なのだから」

 

「それでは………」

 

「初愛は見つからん。お主は以前いた官職に就くがよい。私が配慮しよう」

 

そう言って立ち去る道長。その後ろ姿を見ながら日陰は呟く。道長本人から聞かされた初愛の知られざる力を。

 

「神降ろし……やはりそんなに危険なものなのか?」

 

日陰は雲ひとつ無い空を見上げて悔しそうに、そして悲しそうに目を細める。

 

「初姫様……どうか、ご無事で……」

 

突如消えた自分の主人の無事を祈り、日陰は歩き出した。初愛とまた相見えることを願って。

 

その時、日陰は知らない。その意思が未来へ引き継がれていることを。

 

 




さて、シリアスかコメディかはたまたどちらでもないのか作者にもわからなくなった。

颯人「おい」

すみません。さて次回の内容をざっくり言うと、十六夜と初愛が………。

颯人「なんなのさ?」

ということで次回もお楽しーーー

颯人「ちゃんと言おうな?(ニッコリ」

ひゃ、ひゃい……。簡単に言うと、十六夜が初愛を拉致ります。以上!

颯人「……なんか嫌な予感が」

ということで、次回もお楽しみに!
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