艦娘哀歌   作:絶命火力

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補註など
補註


※この補註では、戦時歌謡なども「軍歌」と一括りにしています。ご了承ください。

※匪賊等の言葉が登場しますが、政治的意図はありません。

 

・COG

 歯車の歯、もしくは歯車そのものを意味する英単語の「cog」。もう一つの意味としては血縁者や親族、同種・同族のものを意味する英単語「cognate」の省略形。艦娘についてのエピソードの断片の集まりという構成だったので、話数代わりに使用した。……というのは半分事実だが、もう半分として、『灰羽連盟』という古いアニメのDVDのナンバリングがこれで、いつかどこかで使いたいと思っていた。COG、しーおーじー、塩爺即ち塩川正十郎ではない、というネタはもう多分通じない。

 

 

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【黒潮篇】

 

◆ COG.1 ◆

 

・『戦友』

 明治38年(1905年)に作られた軍歌。真下飛泉作詞、三善和気作曲。著作権消滅済。

「ここは御国を何百里」から始まる非常に有名な軍歌。作られた時期からわかるように、日露戦争を歌った軍歌。明治期の軍歌というのもあり、全14番と非常に長いが、その分戦場の情景や戦友との友誼、戦友を悼む心情がかなり緻密に描写され、一兵士の悲哀がより一層強調されている。有名な軍歌なので、数多の録音があるが、全部通して歌われているものはあまり多くない。作中では「禁歌」と言われるが、実際に歌詞はかなり厭戦的なものであり、日中戦争の時期から表立って歌うことはよろしくないとされたと言われている。

 作詞者の真下飛泉はこれ以外にも『出征』という唱歌(軍歌)や『露営』、『凱旋』等の軍歌の作詞を行ったりしている。なお『出征』は『戦友』よりも先に作られたものであり、言文一致の軍歌の先駆けとも言われている。

 ちなみに作詞者の真下飛泉の故郷である京都府福知山市大江町には『戦友』の歌碑があり、また真下飛泉についての資料室がある。更に蛇足だが、『戦友』の歌碑は京都府京都市の良正院にも建立されている。建立時期は良正院の歌碑の方が古い。

 

・艦札

 いわゆる認識票・ドッグタグのこと。鑑札に掛けて艦娘たちが自称しているだけで、正式名称は別にある。

 鑑札とは、かつては行政により発行された許可証や登録証等の証書の意味を有していたが、今日では専ら狂犬病予防の為の犬の届け出に際して交付される犬の鑑札くらいでしか使われない用語である。犬の艦札には登録番号が記載されており、まさしくドックタグとしての機能を有している。認識票の呼称の歴史をそのままなぞっているような形になっている。

 

・スキットル

 呑ん兵衛の友。

 

・『海底万里』

 昭和19年(1944年)に発売された軍歌。高橋掬太郎作詞、江口夜詩作曲。歌詞の著作権は存続している。

『轟沈』という軍歌のレコードの裏面であり、『轟沈』同様に潜水艦の活躍を歌う歌詞である。『轟沈』の明るいメロディとは異なり、こちらは格調高いものとなっている。どちらも潜水艦娘が愛唱しているが、著作権の関係上作中への登場は断念することとなった。

 

・『ラバウル小唄』

 昭和19年(1944年)頃に流行した軍歌。

「さらばラバウルよ」という歌い出しで有名な軍歌。元々は1940年に発売された『南洋航路』(若杉雄三郎作詞、島口駒夫作曲。著作権消滅済)という歌謡曲であり、そこに「さらばラバウルよ~」の歌詞が付け加えられている。非常に明るい曲調だが、流行した当時の日本軍の南方情勢は悲惨なものだった。

 

・『祖国は我らのために』

 1944年以降のその崩壊までのソビエト連邦の国歌。セルゲイ・ウラジーミロヴィチ・ミハルコフ作詞、アレクサンドル・ワシーリエヴィチ・アレクサンドロフ作曲。歌詞の著作権は存続している。

 1977年以後のスターリン色を抜いた歌詞に基づく録音(ボリショイ劇場合唱団のもの)が最も有名と思われる。非常に壮大な歌で、これを聴くとソビエト連邦の偉大さを感じる(個人の感想です)。ロシア連邦国歌にも旋律が受け継がれている。ちなみにロシア連邦国歌の作詞者は『祖国は我らのために』と同じミハルコフであり、ミハルコフは1944年の初版の歌詞(通称スターリン版)、1977年以降の歌詞(通称ブレジネフ版)、2001年のロシア連邦国歌と都合3度同じ曲に歌詞をつけていることになる。

 

 

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◆ COG.2 ◆

 

・「同期の艦」→『同期の桜』

 第二次世界大戦(太平洋戦争)中に歌われた軍歌。大村能章作曲。著作権上では西条八十が作詞者とされるが、厳密には作詞者ではない。歌詞の著作権は存続している。

「貴様と俺とは同期の桜」の歌い出しから始まる短調の軍歌で、重厚な雰囲気を持つ軍歌。別の軍歌に西条八十の作詞した歌詞を乗せた替え歌から自然発生的に広まったとされ、一般に知られているもの以外にも様々な歌詞が存在する。

 

・「兵隊は飯・酒・煙草・女が生活の全て」

『新・映像の世紀』より。

 

・スノーダンプ

 除雪には欠かせない道具。ショベルカーのバケットを浅くしたものにパイプの取っ手を装着したような形をしている。積もった雪をすくう→一箇所に集める・融雪溝に捨てる、といった動作が腰を屈めることなく立ったままできるため、除雪が非常に楽になる。これがあるのとないのとでは除雪作業の進行が大きく異なってくる。ちなみに「ママさんダンプ」は商品名である。

 

・中南海

 中華人民共和国で発売されている煙草の銘柄の一つ。日本でも発売されている。読みは「ちゅうなんかい」、本国での発音は「ジョンナンハイ(Zhōngnánhǎi)」。漢方の成分が添加されていることが大きな特徴の煙草。ちなみにタール値20mgのものは実際には存在しない。なお、「中南海」とは日本で言えば「永田町」「霞ヶ関」のような、政治の中心地のことを指す単語である。

 

・煙草に最も親しい名を持つ艦娘

 初春型駆逐艦3番艦の若葉のこと。「わかば」という銘柄の煙草が日本たばこ産業から発売されている。いわゆる「旧三級品」と呼ばれる銘柄の一つで、有り体にいってしまえば安煙草である。

 

・高額納税者

 通常の紙巻き煙草の場合、国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税と4つの税金がかけられている。おおよそ、これらの税金が煙草の価格の半分以上を占めている。お国は阿漕である。

 

 

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◆ COG.3 ◆

 

・「戦友の記憶を胸に抱いて」→『戦友の遺骨を抱いて』

 昭和17年(1942年)に発売された軍歌。辻原実作詞、松井孝造作曲。歌詞の著作権は存続している。

 シンガポールの戦いを歌った軍歌であり、第二次世界大戦(太平洋戦争)緒戦の勢いを感じさせるものとなっている。ただし戦友は最初から死んでいるので、歌詞はそこまで明るいわけではない。

 

・飴ちゃん

 異論は多々あると思われるが、大阪においては、いわゆる“おばちゃん”の飴玉の所持率は決して低くない。そして、通称「どんぐり飴」と呼ばれる大玉でザラメ(砂糖)がまぶされた飴を持っていることがしばしば見受けられる。黒潮の言う「大玉やったら~」の「大玉」とは「どんぐり飴」のことを指す。ちなみに「どんぐり飴」自体は素朴な味がする。

 

・ピース

 日本たばこ産業が発売している煙草の銘柄。非喫煙者でもその名前は一度は聞いたことがあると思われる。男が持ってきたのは通称金ピース(金ピ)やロングピース(ロンピー)と呼ばれる「ピース(20)」(数字は本数を指す)。他に「ピース(10)」(通称ショートピース、ショッピ)や「ピース(50)」(通称缶ピース、缶ピ)などがある。

 非常にバニラの甘い香りが強い銘柄。しかし全体的にタール値は高い。特に上に挙げた三種はどれもタール値が20mgを超える、非常に“重い”銘柄である。

 余談だが、空の青さを表す「ピーカン」という単語は、ピース(50)の缶詰が濃紺色をしていたことに由来する。

 

・紫煙

 実際に紫色(あくまで表現の問題で実際には青みがかった白)に見えるのは、煙草の先から出る煙であり、一度吸って吐いた煙は紫色に見えることはない。煙の粒子の大きさがファクターになっている。

 

・ブリキの笛

 次篇に登場する舞風が持っているティンホイッスルのこと。次篇にあるように、実際には舞風が持っているティンホイッスルはブリキ製ではない。

 

・ライター

 モデルはオーストリアにあるIMCO(イムコ)社が製造していたオイルライター、イムコ・ストリームライン。平べったい形をしている。イムコ社のオイルライターというとジュニアやスーパーのような円形のオイルタンクを持つタイプが有名で、こちらはマイナーとの印象がある。残念ながらイムコ社は既に製造を停止している。日本の柘製作所が「イムコ」の商標を引き継いでおり、ジュニアやスーパーが生産されているが、このライターの再生産の話は未だ出てこない。悲しい。

(追記)2017年3月に柘製作所により復刻され販売されている。

 

・デュープ

 複製を意味する英単語「duplicate」の省略形の「dupe」。

 

・ザ・ウォール

 ベトナム戦争戦没者慰霊碑。ワシントンD.C.の中心部に位置する国立公園、ナショナルモールに存在する。ベトナム戦争を戦った58,000人を超える兵士たちの名前が刻まれている。老いた帰還兵が壁越しにかつての戦友と手を合わせて項垂れている有名な絵画があるが、そこで描かれた壁はこの慰霊碑である。

 

・平和の(いしじ)

 第二次世界大戦中の激戦地、沖縄での戦没者の名前が全て刻まれた石碑。刻銘された者の数は24万人を超える。「いしじ」とは沖縄の方言である。

 

・『Old soldiers never die - they just fade away』

 アメリカ陸軍元帥、ダグラス・マッカーサーが1951年にアメリカ上院下院の合同議会における退任演説で述べた言葉。「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」と訳される非常に有名なフレーズだが、かなりその意味合いは独り歩きしてしまっている感は否めない。

 

 

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◆ COG.4 ◆

 

・「蒼空眩し南洋の」→『桜井の訣別』(別名『青葉茂れる桜井の』『大楠公の歌』)

 明治32年(1899年)に作られた唱歌。落合直文作詞、奥山朝恭作曲。著作権消滅済。

 鎌倉時代末期~南北朝時代の武将、楠木正成のことを歌った唱歌。湊川の戦いへ向かう楠木正成とその息子楠木正行の別れ、そして湊川の戦いにおける楠木正成の奮戦の物語を全15番もある歌詞で歌い上げている。厳密には軍歌とはいえない。

 

・心的外傷後ストレス障害

 いわゆるPTSD。戦場における兵士の心の問題は第一次世界大戦において顕在化し、それから第二次世界大戦、ベトナム戦争、イラク戦争等を経て現在に至るまで軍における兵士の健康管理の大きなファクターとなっている。

 

・89式小銃

 正式には「89式5.56mm小銃」。自衛隊の制式小銃である。

 

・艦娘用梯子

「艦娘用」とあるが、実際のところ、パイロット(水先案内人)が貨物船や客船に出入りする時に使用する梯子、パイロットラダーとさほど構造は変わらない。

 

 

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◆ COG.5 ◆

 

・ヘアゴム

 実のところこの黒潮、この時までずっとヘアゴムで髪を結っていたのである。

 

・「IGNORANCE IS STRENGTH」

 ジョージ・オーウェル著『1984年』より。オセアニアを支配する“党”のスローガン。それぞれ、

 IGNORANCE IS STRENGTH(無知は力なり)

 WAR IS PEACE(戦争は平和なり)

 FREEDOM IS SLAVERY(自由は隷属なり)

 

・ダブルシンク

 上記『1984年』に登場する概念及び思考方法。相反する2つの意見を持ちながら、その矛盾を認めつつ、それらの意見を信奉することを指す言葉。オセアニアという国家体制を維持するために行われる、非常に難解な思考方法である。

 

 

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【舞風篇】

 

◆ COG.1 ◆

 

・『Foggy Dew』

 1919年に作られた歌。チャールズ・オニール作詞。古いアイルランドの民謡から曲を流用しているので作曲者は不詳扱い。歌詞の著作権は消滅済。

 直訳すると『霧の露』。1916年にアイルランドのダブリンで発生したイースター蜂起を歌った歌。イースター蜂起周辺の事情は書き始めると長くなるので省略。アイルランド語では『An Drúcht Geal Ceo』という。ややこしいことに同名のフォークソングもある。ダブリナーズが歌ったりしているが、自分はチーフタンズのバージョン(シネイド・オコナーが歌っているもの)が好き。

 

・「何度かループを繰り返し、いつの間にか同じような曲調の別の曲になり~」

 アイリッシュ・トラディショナルで有名なのはダンスチューンだが、これは基本的には前半8小節の繰り返し(合計16小節)、後半8小節の繰り返し、そしてまた前半8小節の繰り返し……という風に32小節の短い曲を適当にリピートしつつ、更に別の曲に移行し、そこでまた曲をリピートしつつ更に別の曲に……という構造になっている。ダンスチューンのようなアップテンポの曲でなくとも同じような構造である。

 つまりは演奏の終わりは演者の自由になっているので、その気になればいつまでも演奏が続けられる。CDではあまり見ないが、ライブ演奏などでは30分ほど一切止むことなく演奏し続ける場合もある。

 

・「前触れもなく曲は終わった」

 アイリッシュ・トラディショナルには通常のコード進行とは異なった曲もままあり、人間が曲の“終わり”を感じるコード進行で終わらない曲もある。そのような曲は本当に唐突に終わったように感じる。例としては、『Eleanor Plunkett』などがある。(ただし演者のアレンジにより変わる)

 

・ティンホイッスル

 アイリッシュ・トラディショナル音楽には欠かせない楽器。縦笛。別名ペニー・ホイッスル。映画『タイタニック』のテーマ曲で有名。かつては名前にもあるとおり、ブリキで作られた安価な(ペニー・ホイッスルの別名もここから)笛だが、現在ではプラスチックや真鍮、木材など様々な材質のものがある。

 ティンホイッスルを特徴づけるのは独自の演奏技法であり、それにより奏でられる楽譜には表示されない(=演奏者それぞれの)装飾音がティンホイッスルをティンホイッスルたらしめているといえる。

 

新知島(しむしるとう)

 千島列島中部に位置する島。千島列島中部の中では大きな島の部類に入る火山島。南西から北東に向かって細長い形をしている。

 基地は島北部の武魯頓(ぶろとん)湾内部にある。実際に、武魯頓湾にはソ連海軍の潜水艦基地が建設されており、今も放棄された遺構が残っている。また、「三日月の電探(レーダー)」という語が登場するが、これは武魯頓湾南部にある三日月山という小高い山のことを指している。山腹に海上用のレーダーサイトが設置されている。

 千島列島の他の島々同様、気候は非常に寒冷。夏場でも最高気温が平均して摂氏15度程度である。一方で冬の寒さは大陸ほどではない。もう一つの特徴として、日照時間が年間平均して1,100時間程度しかない。冬場は特に短く、11月から2月にかけての平均はなんと約42時間/月。一月の大半を太陽を見ることなく過ごしていることになる。デスメタルにでものめりこまないとすぐに気が滅入ってしまうこと間違いない。

 

・「完全にダメなセリフ」

「やったか?」→やってない。

 

・ボーナスステージ

 実際には、ラッパ手などは通常の課業に加えられる形になっている。ボーナスステージなどという話ではない。難易度が上昇したエクストラステージである。

 

・歓喜艦隊・喜び艦隊

 ベートーヴェンの交響曲第9番、第4楽章の第一主題である『歓喜の歌』から……であるが、後者については某国の女性集団から名前を取ったものとも言えるかもしれない。

 

・抽籤器

 ガラガラ、ガラポンと言われる福引きでよく見かける例の六角形・八角形のアレ。原型は新井式廻轉(かいてん)抽籤器という。通常の大きさのものは数万円と、意外と値が張る商品である。

 

 

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◆ COG.2 ◆

 

・WAVE

 Women Accepted for Volunteer Emergency Serviceの略称。第二次世界大戦中のアメリカ海軍婦人部隊を指す言葉だが、日本では女性海上自衛官の略称として使われる。見てのとおり、語の本来の意味からすると用法としてはかなりおかしい。そもそも本来ならは「WAVES」となる。

 ここに出てきている「高崎」は以前は艦娘としていて活動していたという設定があったものの特に活かされることはなかった。

 

・際どい身長

 女性自衛官の身体検査合格基準は150cm以上である。つまり舞風の身長もその周辺ということになる。ちなみに男性では155cm以上。成人の平均身長(男性:約170cm、女性:約157cm)を考えると、女性の方が相対的に見て基準としては厳しいかもしれない。

 

・ずっと目を閉じていた

 ライブに行くとたまにそのような光景に遭遇する。

 

 

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◆ COG.3 ◆

 

・「秋の日の」

 ヴィオロンの ためいきの ひたぶるに 身にしみて うら悲し(上田敏訳)

 

・テト攻勢

 ベトナム戦争中に北ベトナム人民軍及び南ベトナム解放民族戦線が行った、南ベトナムにおける一斉蜂起による攻勢。「テト」とはベトナムにおける旧正月のことを指す。その名のとおり、旧正月に行われた。旧正月の時期は休戦するのが慣行であったが、それを破った形になる。

 攻撃は一時的には成功し、サイゴンにあったアメリカ大使館が占領されるなど南ベトナム側は打撃を受けたが、最終的には南ベトナム及びアメリカの反撃により攻勢は失敗した。しかし、アメリカ大使館占領のニュース報道やピューリッツァー賞を受賞した写真『サイゴンでの処刑』など、テト攻勢がアメリカ世論へ与えた影響は大きく、解放戦線は戦略的・政治的には勝利を得たと言える。ハートマン軍曹で有名な映画『フルメタル・ジャケット』の終盤はテト攻勢下のフエが舞台である。

 本来秘匿され温存されていた筈の「特異日」を攻撃の期日にしていることと、その目的の政治的側面が強いことから、「テト攻勢」に喩えている。

 

・そう言うと司令は眼鏡を外し~

 何をやっているのかというと、手巻きタバコを作っている。赤の箱にはペーパー(巻紙)が入っており、黒の箱はローリングボックスと呼ばれる自動巻き機である。蓋を開けてペーパーとシャグ(煙草の葉)、人によってはフィルターをセットし、蓋を閉じると手巻きタバコの完成品が蓋から出てくる仕組みになっている。

 ちなみにこの時の司令はフィルターをセットしていない。フィルターをセットしていないので、煙草の葉がこぼれて口に入らないように両端を押し固めている。また、本来ではシャグは品質の劣化を避けるために別に保管すべきであるが、横着にもローリングボックスに入れたままにしてある。

 

・特異日

 気象の統計の結果、前後の日と比較して偶然を超えるような確率で特定の気象(晴れ、雨等)が見られる日のこと。

 有名な例として東京オリンピックの開会式である10月10日が晴れの特異日と言われるが、特異日と言うほど晴れの回数は多くない。

 なお、司令は「気象用語」と言っているが、気象学上の概念ではなく、あくまで統計の結果そのような日が出現する、というだけである。ちなみに、特異日は定義からして相対的な概念であり、単純な天気の出現確率ならば天気出現率を参考にしたほうが正確である。

 

・『Operation Poseidon Awakening』

「Operation Odyssey Dawn(オデッセイの夜明け作戦)」と「Operation Spring Awakening(春の目覚め作戦)」を元ネタにした名前。前者はリビア内戦でのアメリカ軍の作戦名、後者は第二次世界大戦のドイツ軍による東部戦線における攻勢の作戦名(Operation Frühlingserwachen)の英訳。ちなみに、後者はアドルフ・ヒトラーの政治的介入によりなされたものである。

 

・「ダーツで決めたほうがまだマシだ」

 作戦名というのも奥が深く、防諜の為に無造作に単語を組み合わせて作られることがしばしばある(例外も多々ある)。とはいえあまりに素っ頓狂な名称にすると不評を買うこともある。

「砂漠の嵐作戦」「不朽の自由作戦」など近年のアメリカ軍では特に“格好いい”作戦名になることが多いが、「作戦名を考案する担当者は、ホワイトボードに単語を書き並べて、その名前になるまで何度もダーツを投げたに違いない」と揶揄する言葉も存在する。

 

・アッツ島

 第二次世界大戦(太平洋戦争)中、アッツ島の戦いが起きた島。上陸するアメリカ軍と日本軍守備隊との間で激しい地上戦が繰り広げられた。最終的に守備隊は「玉砕」し、キスカ島が孤立、そして有名なキスカ島撤退作戦へと繋がる。

 

・「星条旗でも立ててくるのかね?」

 アメリカ海兵隊の象徴でもある有名な写真、『硫黄島の星条旗』を念頭に置いた言葉。ちなみにあの写真は二度目の星条旗掲揚の場面の写真である。

 

・見よう見まねで覚えた

 ティンホイッスルの楽曲、というよりかはアイリッシュ・トラディショナルの楽曲には楽譜のないものも多い。また楽譜というベースはあるものの、装飾音が特徴というのもあり、演者によって演奏のバリエーションがかなり異なるということもままある。なので、楽譜がなくとも見よう見まねで覚えることも不可能ではない。どこまで楽曲を頭にストックできるかがミソとも言える。

 

 

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◆ COG.4 ◆

 

・クレア

 アイルランド中西部にある州。音楽やダンスが盛んな州として知られる。アイリッシュ・トラディショナルの著名な演奏者を数多く輩出している。鄙びた土地であり、古い時代の城塞や教会が今も残っている。

 

・ドニゴール

 アイルランド北西部にある州。風光明媚な土地。ドニゴール・ツィードが名産品。世界的に有名なニューエイジのミュージシャン、エンヤの出身地でもある。

 

・「雪が七分に海が三分少々」

 元ネタは『激動の昭和史 沖縄決戦』(1971年)より「船が七分に海が三分」。

 

・置き魚雷

 とある海戦ゲームではよく使われる雷撃手法。

 

・サッチ・ウィーブ

 第二次世界大戦(太平洋戦争)中に、アメリカ海軍のジョン・スミス・サッチ少佐(当時)が考案した、零式艦上戦闘機に対する航空戦術。零式艦上戦闘機1機に対してF4F戦闘機2機で相互支援しつつ対処する戦術であり、その見た目が機織り(ウィーブ)のように2機がS字を描きつつ交差する形状であることから、サッチ・ウィーブとの通称が定着した。

 この戦術と一撃離脱戦法の採用により、零式艦上戦闘機に対するF4F戦闘機のキルレシオは大幅に向上した。

 

 

 * * *

 

◆ COG.5 ◆

 

・新知富士

 新知島中部にある火山。「富士」の名を冠するだけあって、富士山のようにどこから見ても優美な形をしている。

 

・秘境

 かつてまだ新知島に日本の統治が及んでいた時代に、緑湖カルデラを訪れた学者がこの地を「秘境」と表現していた。

 

・64式小銃

 正式には「64式7.62mm小銃」。自衛隊の制式小銃である。まだ新知島基地では89式小銃に更新が進んでいない。89式小銃より重たく、また全長が少し長い。旧日本軍の三八式小銃ほどではないが、舞風の体格でこれを持つのは少なからず苦労すると思われる。

 

・安全装置

「ア」(安全)、「タ」(単発)、「レ」(連発)の順番で切り替えを行う。「レ」から「ア」への直接の切り替えはできないようになっている。

 

・MSの頭文字から始まる合計十一桁の認識番号

「Maritime, Ship(“海”所属、艦船)」という感じの設定だった気がする。

 

・『島の湖』

 アイリッシュ・トラディショナルの演奏者のバンド、Lúnasa(ルナサ)のアルバム『Lá Nua』(2010年)に収録されている『Island lake』が元。バンドメンバーの一人、ケビン・クロフォードの父親の葬儀で演奏された曲である。ケビン・クロフォードによるアイリッシュフルートの音が哀愁を醸し出す曲である。ただ、哀愁はあるが、そこまで暗い曲でもない。ちなみに、ケビン・クロフォードの出身はアイルランドではなく英国である。

 

・MIA

 Missing in actionの頭字語。「戦闘中行方不明」の意味。

 

 

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【川内篇】

 

◆ COG.1 ◆

 

・『討匪行』

 昭和7年(1932年)に作られた軍歌。関東軍参謀部(八木沼丈夫)作詞、藤原義江作曲。作詞の著作権は消滅済。

 作詞にもあるように、関東軍参謀部の依頼で作成された狭義の意味での軍歌に該当する。いわば“公式ソング”だが、歌詞の内容は明るさ・士気高揚一辺倒というわけでもなく、中国大陸での匪賊討伐に苦労する兵隊の姿を全15番にも渡る写実的な歌詞で歌い上げた、ともすれば厭戦的ともとりうる一曲となっている。「敵にはあれど遺骸(なきがら)に花を手向けてねんごろに」と、敵兵(ただし討伐後の遺体)に対して直接的な慈悲の心を見せるという珍しい歌詞が入っているのが特徴。作曲者である藤原義江はこの歌詞に感動して作曲を行ったとされている。ただし、この歌詞が歌われていない録音もあったりする。

 ちなみに作曲者である藤原義江は有名なテノール歌手でもあり、『討匪行』のレコードでは歌手として吹き込みを行っている。

 

・『抜刀隊』

 明治18年(1885年)に発表された軍歌。外山正一作詞、シャルル・ルルー作曲。著作権消滅済。

 発表年度からもわかるように、最初期の軍歌の一つ。抜刀隊という、警視庁が編成した警視隊から選抜された部隊の西南戦争での戦いを描いた軍歌。作詞者が「『ラ・マルセイエーズ』に倣って」と発表時に書き記していることからも伺われるが、歌詞、曲とも非常に士気を高揚させるようなものとなっているのが特徴。

 また、同じくシャルル・ルルーが作曲した『扶桑歌』と『抜刀隊』を編曲して作成された『陸軍分列行進曲』のメロディとしても有名。現在でも陸上自衛隊や警視庁の観閲式で演奏されているため、一度は聞いたことがあるという人は少なくないと思われる。

 これも地上部隊の軍歌なので、確かに「陸さん」の歌である。

 

・『モグラ叩き』

 あっちを叩くとこっちが出る、こっちを叩くとあっちが出る……。

 

・最後は味方が来る

『討匪行』は一人中国大陸を彷徨する兵士が途中友軍の飛行機と接触し、友軍の火力支援の下で匪賊を倒し、最後には友軍との合流を果すというストーリー仕立てになっている。

 

 

 * * *

 

◆ COG.2 ◆

 

・「南洋の決死線」→『暁の決死隊』

 昭和14年(1939年)に発売された軍歌。佐藤惣之助作詞、細川潤一作曲。歌詞の著作権は消滅済。

 日中戦争における騎兵部隊の戦闘がモチーフ。特徴として、歌の途中に詩吟が挿入されている。

 

・モーターボート

 QinetiQ Target Systems社が開発した無人水上標的の「Barracuda」がモデル。海上自衛隊にも「自走式水上標的システム」として導入されている。「カジキ」と呼んでいるのはこのモーターボートの製品名を「Swordfish(メカジキ)」という設定にしているからである。

 

・小型帆船のような見た目の標的

 海上自衛隊が使用している「高速小型水上標的1形」がモデル。実物はIHIマリンユナイテッドが製造している。実際にはディンギーよりも大きく、Barracudaではなく護衛艦等が曳航して使用する。

 

・バミューダトライアングル

 フロリダ半島とバミューダ諸島、プエルトリコを結んだ線で囲われる海域のこと。船舶や航空機の遭難が多発するという伝説がまことしやかに語られるが、いわゆる都市伝説であり、事実ではない。

 

・カッパーフィールド

 著名なマジシャン/イリュージョニスト、デビッド・カッパーフィールドのこと。瞬間移動や空中浮遊など、非常に大掛かりなマジックを手掛ける。ちなみに名前は芸名であり、ディケンズの同名の小説(『デイヴィッド・コパフィールド』)から取られている。

 

・奇襲上陸作戦

「海が~」のセリフから、沖縄戦を連想して口にしたセリフ。

 沖縄戦の緒戦は慶良間諸島へのアメリカ軍の上陸であったが、これは日本軍にとっては予想外の上陸だった。日本軍は慶良間諸島には殆ど陸上部隊を配備しておらず、僅か数日で慶良間諸島はアメリカ軍に占領された。

 

・KIA

 Killed in actionの頭字語。「戦死」の意味。艦娘でいえば「轟沈」ということになる。

 

・ゴーストバスターズ

 そのまんま『ゴーストバスターズ』(1984年)がネタ元。マシュマロマンも同じく。

 

 

 * * *

 

◆ COG.3 ◆

 

・「決戦の大海原へ」→『決戦の大空へ』

 昭和18年(1943年)に発売された軍歌。西條八十作詞、古関裕而作曲。歌詞の著作権は存続している。

 同名の海軍予科練の宣伝映画『決戦の大空へ』(1943年)の主題歌として、同じく映画の劇中歌である『若鷲の歌』(別名『予科練の歌』)と同時に(レコードの表裏)発売された。予科練の宣伝映画の主題歌だけあって、航空兵をモチーフにした勇壮な歌詞と明るい曲調が特徴。れっきとした主題歌だが、後年まで有名・人気となったのは劇中歌の『若鷲の歌』であり、こちらは比較すると少々マイナーといえる。

 

・ヘリコプター

 南洋には“陸”さんはいないものの、“空”さんは進出してきているという設定があった。「所属違い」というのはその名残である。特に活かされることはなかった設定の一つ。ここで“空”所属扱いなのはCH-47Jである。

 

・ヘリコプターに乗るために完全装備ではないものの

 さすがに戦艦艦娘は艤装を装着したままヘリコプターには乗れない、大きさ的に。だからといって吊り下げて“輸送”するのはちょっと……となった結果の産物。

 

・濃紺の迷彩を纏った、スリムな形をしたヘリコプター

 モデルはUH-60J。洋上迷彩仕様である。

 

・キャビンから座席がすっかり取り払われていた

 艤装を装着したまま座席には座れない。背中の艤装が邪魔になる。当たり前といえば当たり前である。

 

・海上でヘリボーン

 当初の予定ではエアボーンだった。いずれにせよ無茶である。

 

・『B・H・D!』

 映画『ブラックホーク・ダウン』(2001年)より。ちなみに、題名の元となった実際の無線交信は「We got a Blackhawk going down, We got a Blackhawk going down!」である。

 

・政治的なアレコレで立てられた計画なり作戦

 フィクションではよくあるが、現実でも上に挙げた春の目覚め作戦など枚挙に暇がない。

 

 

 * * *

 

◆ COG.4 ◆

 

・「涯なき戦い」→『涯なき泥濘』

 昭和13年(1938年)に発売された軍歌。徳土良介作詞、能代八郎作曲。歌詞の著作権の存否は確認できなかった。

 日中戦争において中国大陸を行軍する兵隊を歌った軍歌。題名どおり、歌詞が泥臭い。聞いているだけで行軍の苦労が偲ばれる軍歌。「涯」は「はて」と読む。

 

・テレ、アーティ

 テレスコープ(望遠鏡)の略……ではなく、一〇〇式観測挺進車の名称「テレ車」から取った。

 アーティはそのままアーティラリー(砲、砲兵隊)から。

 

・チャーチル、キスカ

 いずれも「撤退」に通じる言葉。ウィンストン・チャーチルは英国首相就任後すぐにダイナモ作戦(ダンケルク撤退)を発動させた。キスカは言わずもがなキスカ島撤退作戦である。

 

・「霧が出た」

 かの有名なキスカ島撤退作戦では濃霧に紛れて日本軍のキスカ島守備隊約6,000名が撤収した。

 

・エルベ、ダンケルク

 こちらも「撤退」に通じる言葉。

 第二次世界大戦末期、ソ連軍に包囲されたベルリンから脱出した避難民とそれを保護したドイツ国防軍第9軍・第12軍は何重にも施されたソ連軍の包囲網を突破して、西方にあるエルベ川対岸に布陣するアメリカ軍の元へ向かった。最終的に25万人がエルベ川を渡河し、アメリカ軍に投降した。

 ダンケルク撤退においては、漁船から遊覧船に至るまであらゆる船舶が動員され、約33万という兵士がダンケルクから英国への脱出を果たした。

 

・忠誠心、責任感、連帯意識

 上記にもあるベルリンの戦いにおける避難民救出の為の出撃に際して第12軍の司令官、ヴァルター・ヴェンク中将が行った訓示を聞いたとある兵士が書き残した言葉。

 

・ヴェンク

 上記にもあるドイツ国防軍第12軍司令官、ヴァルター・ヴェンク中将のこと。川内は「ベルリン包囲突破の英雄」と言っているが、厳密には包囲を突破したわけではない。とはいえ、兵士を含む避難民25万人のエルベ川西方への脱出は彼なくしてはなし得なかったことには間違いない。

 

 

 * * *

 

◆ COG.5 ◆

 

・『Leave No Man Behind』

「誰も置き去りにはしない」の意味。『ブラックホーク・ダウン』の宣伝ポスターのキャッチコピーとして、また劇中でも同趣旨のセリフが登場し、加えて言えば劇中BGMのタイトルにもなっている象徴的な言葉。モットー/概念としては新しい方で、ベトナム戦争後、アメリカ軍の兵士一人の価値が上昇し、またその死が一人一人の個人の死のニュースとして大衆の目に登場することで急速に発展した概念といえる。アメリカ陸軍のジェシカ・リンチ元上等兵やボウ・バーグダール軍曹の事例など、近年では特に顕著といえる。(ただし例に挙げた事例には色々と問題が含まれている)

 同様の意味を持つ語として『No Man Left Behind』がある。この名を冠した、二人の兵士が重傷を負った一人の兵士の両肩を左右から担いで支える写真(イラク戦争時にファルージャで撮影された)がモチーフの銅像がある。

 

・ダバオ

 フィリピン南部・ミンダナオ島の都市。フィリピン南部の中心都市で、国際空港や国際港などがある物流・商業の一大拠点。日系人も多く住んでいる。

 

・『ランボー』

 ご存知1982年公開のあの映画。

「俺にはシャバの人生なんか空っぽだ。戦場じゃ礼節ってもんがあった。助け合い支えあっていた。ここじゃ何もねえ!」

 

・怪しいペンライトの光

 真っ黒なサングラスを掛けてスーツを着込んだトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスが持っている例のアレ。

 

 

――――――――

 

 

【響篇】

 

◆ COG.1 ◆

 

・『Священная война』

 1941年に発表された軍歌。ヴァシーリ・イヴァーノヴィチ・レベジェフ=クマチ作詞、アレクサンドル・ヴァシーリエヴィチ・アレクサンドロフ作曲。著作権消滅済。

「聖戦」「聖なる戦い」と訳される。侵攻してきたドイツ軍に対する力強い怒りと憎しみが滲み出る歌詞に、荘厳な音楽が加わっており、全体的にかなり物々しい軍歌である。性質としては、『ラ・マルセイエーズ』や『抜刀隊』のような士気高揚の軍歌といえるかもしれない。

 第二次世界大戦開戦直後に制作され、初演としてモスクワから列車で西方へ向かう兵士に対し演奏され、五度もアンコールされたというエピソードを持つが、それから暫くは注目されることなく埋もれていた。しかし、モスクワまであと少しというところまでドイツ軍に追い詰められる状況下に至り、士気高揚の為にラジオやプロパガンダ映画において盛んに流され、最終的に第二次世界大戦の終了後も愛される伝説的な軍歌となった。

 ちなみに「伝説」の名は今も残り、ロシア国内のコンサート等でこの歌が歌われると、しばしば観客が暗黙の了解の下で自発的に立ち上がるという光景がみられる。いわば歌自体が「聖なる」ものになっている。現在でもロシアの戦勝記念日のパレードでは必ず演奏される曲である。ちなみに、2015年の戦勝記念日のコンサートの中に、この歌をバックに兵士のキャストが恋人と別れ、列車に乗る、という一幕(小芝居)があった。まさしく「伝説」の再現である。

 

・命の水

 ウォッカ。ヴォートカ。生命の源。冬の生命線。飲む暖房。

 

・懲罰大隊

 第二次世界大戦中のソビエト軍で運用された部隊。文字通り、軍規違反等で処罰されたり敵に捕らえられ捕虜となっていた(※元捕虜は敵の内通者と見なされていた)兵士や、犯罪者、政治犯などで構成された部隊。600以上の部隊が編成され、その多くは兵士と共に使い潰され、消滅した。ちなみにドイツ軍も同様の趣旨の部隊である執行猶予大隊を運用していた。

 ロシアのテレビドラマ『Штрафбат』(2004年)(日本では『捕虜大隊 シュトラフバット』として販売)を観ればだいたいどんな感じの部隊だったのかの一端を見ることができる。

 

・ウラジヴォストーク

 ロシア、沿海地方の中心都市。シベリア鉄道の始発駅がある。軍港都市でもあり、ロシア海軍太平洋艦隊の根拠地である。ソ連崩壊までは閉鎖都市だったが、崩壊後は沿海地方の玄関口として発展している。

 

Бедовый(ベドーヴイ)

 ロシア帝国海軍の駆逐艦(艦隊水雷艇)であるブイヌイ級駆逐艦のうちの一つ。日露戦争時、日本海海戦において鹵獲され、「皐月」として日本海軍に編入された。また、ソ連海軍の駆逐艦(艦隊水雷艇)である56ME号計画型駆逐艦(NATOコード:キルディン級駆逐艦)の艦名としても使用されている。

 元の語は形容詞であり、「大胆な」「勇敢な」という意味を持つ。

 

・『兵士の半分は来た日と同じ曜日を(中略)残りも二回目を迎えることはない』

 第二次世界大戦期でのソビエト軍の戦車跨乗兵にはしばしば懲罰大隊の兵士が割り当てられた。彼らは寿命が2週間程度しかなかったとしばしば言われるが、俗説にすぎない。とはいえ攻撃の先鋒たる戦車に跨乗して敵地へ真っ先に突入する部隊の兵士であることは間違いなく、それ故に死傷率は高かったと考えられる。

 

・『軍でヘマをやらかした』

 上官といざこざを起こして懲罰大隊に送られた事例も多々あると言われている。響が何をやらかしたのかはお察しください。

 

・十三階段

 処刑場、また処刑そのものの比喩。絞首台への階段が13段という俗説に基づく言葉。

 

 

 * * *

 

◆ COG.2 ◆

 

・「誓いの島」→『誓いの休暇』

 1959年にソビエト連邦で制作された映画。原題は『Баллада о солдате』(兵士のバラッド)

 独ソ戦の真っ只中で戦功を上げ、特別に帰郷を許された一兵士が道中様々な人々と触れ合いつつ帰郷し、最終的に再び戦場へと戻っていくというストーリー。スターリン死後に制作されたのもあって、「祖国万歳!ファシストに死を!」というような偶像的英雄よりは、しみじしみとした人間的兵士が描かれている。

 

・借りて来た

 ロシアで深夜の酒類販売を禁止したところ、「酒のレンタル業者」が登場したという。

「酒を貸したらカラになって返ってきた」

 

・イスホート

 Исход。英語にするとExodus、つまり「出エジプト」のこと。

 

・アメリカ産

 ウォッカといえばロシアだが、アメリカでもウォッカは生産されており、それなりの市場規模がある。日本でも有名なスカイウォッカやスミノフはアメリカで生産されている。(ただし日本向けのスミノフは韓国で製造)

 

 

 * * *

 

◆ COG.3 ◆

 

・「ともしびに向かって」→『ともしび』

 第二次世界大戦中にソビエト連邦で歌われた軍歌。ミハイル・ワシリエーヴィチ・イサコフスキー作詞、作曲者不明。原題は『Огонёк』。歌詞の著作権は存続している。

 前線の兵士、後方の恋人という対比がなされている軍歌。「огонёк」(ともしび、灯り)という単語が象徴的に何度も登場する。作詞者のイサコフスキーは日本でも有名な軍歌『カチューシャ』の作詞者でもある。

 

・スローガン

 第二次世界大戦期のソ連軍の戦車には所属部隊の記号以外にもスローガンが描かれていることがしばしばある。有名なものでは、「За Родину(祖国のために)!」「За Сталина(スターリンのために)!」「Бей Фашистов(ファシスト共に死を)!」「На Запад(西へ)!」「На Берлин(ベルリンへ)!」などがある。他にも人名だったり都市名だったり戦車の製造に寄付をした団体の名前だったり新年の挨拶だったり色々なスローガンがある。

 

・Беспощадный

 形容詞。「無慈悲な」「容赦ない」という意味を持つ。

 ロシア帝国海軍の駆逐艦(艦隊水雷艇)であるブジーテリヌイ級駆逐艦、ソビエト海軍の駆逐艦である7号計画型駆逐艦(NATOコード:グネフヌイ級駆逐艦)及び30bis号計画型駆逐艦(NATOコード:スコーリィ級駆逐艦)の艦名としても使用されている。

 

・戦車

「Беспощадный」のスローガンが描かれた戦車は実在する。ククルイニクスイ(芸術家グループ)、グセフなどのソビエト連邦の著名な詩人・芸術家らの寄付で製造されたKV-1重戦車1941年型がそれである。この戦車にはスローガン以外にも寄贈者の名前が砲塔側面にペイントされ、またアドルフ・ヒトラーが砲撃されてバラバラになっているカートゥーン(ククルイニクスイ作)と詩がペイントされている。パーヴェル・ホロシーロフ中尉の指揮の下、1943年3月に損傷し後送されるまでの約9ヶ月間に700kmを走り抜き、27輌の戦車の撃破をはじめとして多数の戦功を上げ、祖国戦争勲章1等と赤旗勲章を受賞している。

 ちなみにペイントされている詩は以下の内容である。内容は独ソ戦真っ盛りというのもあり非常に愛国的なものとなっている。

Штурмовой огонь веди,

Наш тяжёлый танк,

В тыл фашисту заходи,

Бей его во фланг.

Экипаж бесстрашный твой,

Не смыкая глаз

Выполняет боевой

Сталинский приказ.

 

・「Урааа」

 ロシア的突撃の掛け声。

 

・『H.I.J.M.S. Nagatsuki』

 言わずもがな『女王陛下のユリシーズ号』が元。

 

・国有財産、皇室財産

 前者は自衛隊の備品には「国有財産」というラベルが貼ってあるという真偽不明のジョークが元。後者は言わずもがな。

 

 

 * * *

 

◆ COG.4 ◆

 

・「スラブ娘たち」→『スラブ娘の別れ』

 第一次世界大戦期のロシア帝国、ロシア内戦時の白軍、更には第二次世界大戦期のソビエト連邦で歌われた(演奏された)軍歌。ヴァシーリ・イヴァーノヴィチ・アガプキン作曲。歌詞は時代により変化している。

 元は行進曲として作曲されたものであり、最初から歌詞があったわけではない。非常に哀愁を誘うメロディであり、ロシア帝国、白軍、そしてソビエト連邦、そして現在と体制を超えて演奏され続けていることからも、ロシアの人々に受容され、愛されている曲であることがわかる。ソビエト連邦で制作された映画『鶴は翔んでゆく』(別名『戦争と貞操』)をはじめとして、様々な映画で使用されている曲である。現在でもロシアの戦勝記念日のパレードでは常連の曲。

 

・“連邦英雄”

 ソ連邦英雄、ロシア連邦英雄両方の意味とも取れる。両方とも、国家における最高位の勲章である。映画『スターリングラード』(2001年)の主人公である伝説的狙撃手のヴァシーリ・ザイツェフはソ連邦英雄を授与されている。

 

・名誉勲章

 アメリカにおいて軍人が授与される最高位の勲章。大統領が直接授与する。有名な例では、映画『ブラックホーク・ダウン』に描かれたモガディシュの戦闘において、墜落したMH-60ブラックホーク《スーパー64》の乗員救出にヘリから地上に降下した二人の兵士(ランディ・シュガート一等軍曹、ゲイリー・ゴードン曹長。いずれも戦死)に対し、死後授与されている。

 

・唸り声を上げるガスタービンエンジン

 艦艇のモデルは海上自衛隊で運用されているはやぶさ型ミサイル艇。エンジン型式はそのまんまである。

 

・ナホートカ

 ロシア、沿海地方の都市。日本では同名のタンカーによる重油流出事故の方で覚えられていることが多いと思われる。ソ連崩壊まではウラジヴォストークが閉鎖都市だったので、こちらが海の玄関口だった。ウラジヴォストークまでは車で3~4時間程度の距離にある。「かなり」かはともかく、そこそこ遠い。

 

・「Ноль целых и хуй десятых」

 直訳するとあまりきれいな言葉にはならない。男性器を意味するхуйが入っている時点でお察しである。意味合いとしては、「ゼロ」を更に強調する意味合いがある。言葉の意味は違うが、日本語で言うと「クソの役にも立たない」における「クソ」と同様であると思われる。

 

・ダーチャ

 ロシアにおける別荘のようなもの。ただ、保養地というよりか家庭菜園といったほうがいいかもしれない。

 

・ヤラスラーヴリ

 ロシア西部の都市。シベリア鉄道が通るが、メインルートではない。

 

・『ロシア』

 シベリア鉄道をモスクワからウラジヴォストークまで運行する列車、「ロシア」号のこと。ユーラシア大陸を横断し、走行距離は9,000kmを、所要時間は140時間を超えるという文字通り世界最長の列車。かつてはヤラスラーヴリ経由のルートで運行されていた。

 

・「В путь!」

 意味としては間違ってはいないと思うが、「Вперёд(フペリョート)」(「前進」「前に」の意味)の方がよかったかもしれない。ちなみに、戦後にソビエト連邦で作られた軍歌に同名のものがある。独特な軍歌で、行軍中の兵士がやって来て去っていくことを表現するために歌い出しが非常に小さな声で始まり、だんだんと歌声が小さくなっていくことで曲が終了する。

 

・「歌を歌おう」

 上に挙げた『Штрафбат』の第一話にこれと同じようなシーンがある。

 

 

 * * *

 

◆ COG.5 ◆

 

・秘密兵器

 アレ。

 

・イスス・ハリストス

 いわゆるイエス・キリスト。この表記はロシア正教会の古儀式派における表現。通常の表記法だとイイスス・ハリストスになる。別に響やベドーヴイが古儀式派というわけではなく、表記の問題。

 

・Дерьмо

 ロシア語における罵倒のスラング。意味はそのまま「クソ」となる。

 

・Чёрт

 ロシア語におけるスラング。「しまった」や「畜生」という意味になる。

 

・Соси хуй

 ロシア語における罵倒表現。хуйが入っているのでまあどんな意味かはお察しください。хуйが入った表現なのは単装砲をアレに見立てて顔面に捩じ込んでいるから……かもしれない。

 

・Подумаешь

 ロシア語におけるスラング。「大したものだ」という意味になる。おそらくただの賞賛にも皮肉にも両方使える。

 

・こうすることが一番

 とあるFPSゲームでの体力回復手段。命の水はポーション。

 

 

――――――――

 

 

【幕間篇】

 

◆ COG.1 ◆

 

・青色のキャップ

 所属部隊の予算で買ったもの。部隊のお揃いでマーク入り。

 

・点滴バッグを移し替え

 車椅子に点滴を吊るす用のポールが装着されている。

 

 

 * * *

 

◆ COG.2 ◆

 

・護国神社

 かつては招魂社と呼ばれていた。国家に殉じた人々や戦没者を祭神として祀る神社。現在は殉職した自衛官や警察官などが祀られている。

 

・靖国

 靖国神社のこと。第二次世界大戦までの日本における軍人軍属等の戦没者を主祭神とする。

 

・千鳥ヶ淵

 千鳥ヶ淵戦没者墓苑のこと。第二次世界大戦における戦没者のうち、遺族に引渡されなかった遺骨が安置されている。こちらは軍人に限らず民間人の遺骨も安置されている。

 

・どこぞの神様

 マルコによる福音書第6章より。

 

・御楯

 大元は万葉集にまで遡る言葉である「醜の御楯」。防人歌の一つ、「今日よりは かへりみなくて 大君の 醜の御楯と 出で立つ我は」(巻二十・四三七三、今奉部(いままつりべの)與曾布(よそふ))から。

 

・死は鴻毛より

『軍人勅諭』より。「義は山嶽よりも重く死は鴻毛よりも軽しと覚悟せよ」

 

 

 * * *

 

◆ COG.3 ◆

 

・医師の誓い

 いわゆるヒポクラテスの誓い。医療倫理についての心構えの原典ともいうべきもの。西欧の医学校、医学部では卒業時に宣誓を行うことが慣わしとなっている。とはいえ内容が古いので、独自の宣誓文に差し替えているところもあるという。

 

・服務の宣誓

 公務員が任用に際し署名を行う宣誓書。憲法に規定する公務員の憲法尊重擁護義務に基づくもの。一般の公務員、警察、消防、自衛官では文言が異なる。自衛隊ではこれに署名した後は“お客さん”待遇から“隊員”として扱われるようになるという。

 

 

――――――――

 

 

【由良篇】

 

◆ COG.1 ◆

 

・『海鷲だより』

 第二次世界大戦(太平洋戦争)中に歌われた軍歌。正確な制作時期、作詞者作曲者共に不明のため、著作権はない。

 前線もしくは後方のおそらくは航空基地で自然発生的に作られた軍歌と思われる。南方戦線、ソロモン諸島において戦う航空兵を歌った内容の歌詞である。歌詞の内容から推測すると、ガダルカナルの戦いの最中、もしくは日本軍のガダルカナル島撤退後に制作されたものと考えられる。戦時中の録音はないが、戦後に録音されたものがいくつかある。いずれにせよ、詳細が不明の軍歌である。「愛機もろとも体当り」など、限界にある前線のやけっぱち感の漂う歌詞には悲壮感を感じずにはいられない。

 

 

 * * *

 

◆ COG.2 ◆

 

・「艦なら」→『男なら』

 昭和12年(1937年)に発売された軍歌。西岡水朗作詞、草笛圭三作曲。歌詞の著作権は消滅済。

 男の心意気のようなものを歌った歌詞となっている。歌詞の軍隊色は薄く、軍歌(戦時歌謡)というよりは純粋な戦前の歌謡曲である。とはいっても歌詞の内容は軍人精神に親和的であり、軍隊内部ではしばしば好んで歌われたという記録が残っている。題名は山口県萩市の民謡(別名『オーシャリ節』)から取られているが、歌詞も曲も一切関係がない。

 

・栗田

「くんだ」と読む。京都府北部、宮津市の地名。

 栗田湾は若狭湾の西端にある。湾内には由良川が注ぐ。栗田半島を挟んで西側には宮津湾があり、有名な天橋立がある。また、金ヶ岬を挟んで東側には舞鶴湾がある。栗田湾自体は湾口が広いのと近辺に舞鶴湾という天然の良港があったこともあり、港湾としてはあまり発展しなかった。

 

・ゴーマー・パイル

 映画『フルメタル・ジャケット』においてヴィンセント・ドノフリオが演じたアメリカ海兵隊レナード・ローレンス二等兵のあだ名、“微笑みデブ”の原語。ゴーマー・パイルとは当時(映画の年代設定であるベトナム戦争当時)放映されていた海兵隊が舞台のコメディドラマの主人公の名前である。その主人公が非常におっちょこちょいなのと、レナード・ローレンスの鈍臭さを掛けてハートマン軍曹に名付けられたものと思われる。それを“微笑みデブ”と翻訳したのは翻訳者の才能が光るところである。

 

・単装砲に『チャーリー』なんて~

 軍隊での訓練の中で人間性を破壊された“微笑みデブ”は、自分に貸与された自動小銃に対し(それまでに命令に基づき『シャーリーン』と命名していた)語り掛けるようになるほどまで精神を病んでしまう。ただし、あくまで語り掛けるのが異常なのであり、命名自体はハートマン軍曹の命令によるものなので異常なことではない。これ以降の「ドーナツ」なども同じく『フルメタル・ジャケット』でのエピソードである。

 

・「これは訓練でない」

 太平洋戦争の緒戦、真珠湾攻撃において発された電文の言葉。原文は「AIRRAID ON PEARL HARBOR THIS IS NO DRILL」(真珠湾に空襲。これは訓練ではない)。フィクションでもしばしば同様の言葉が使われる。

 

・金ヶ岬の向こう

 舞鶴湾。言わずもがな基地がある。

 

・防衛心理学

 いわゆる軍事心理学、戦場心理学のことをぼかした言い方として出した言葉。戦場における人間の心理については第一次世界大戦から現在まで様々な知識の蓄積と、戦間期の知識の散逸が幾度となく繰り返されながらも現在まで発展してきている。特にアメリカにおけるイラク帰還兵の問題が取り沙汰されてからは注目度・重要性が上がってきているとも言える。

 

 

 * * *

 

◆ COG.3 ◆

 

・「艦はここに在り」→『義人村上』(副題:日本人は此処に在り)

 昭和9年(1934年)に発売された流行歌。佐藤惣之助作詞、古関裕而作曲。著作権消滅済。

 満州において列車強盗に誘拐された折、「日本人はここにいる」と叫んで助けを呼び、同じく誘拐された人々を救った代償に誘拐犯の凶弾に斃れたという村上久米太郎(粂太郎とも)という人物を賞賛する歌。事件は大きく報道された後、かなり早い段階で歌がつくられ、この歌に加えて『日本人はここにいる』という歌も作られている。当時の世相がなんとなく見えてくる歌でもある。歌詞に軍隊色はないが、愛国色の非常に強い歌ではある。

 

・由良

 和歌山県日高郡由良町のこと。由良港には戦前に紀伊防備隊が設置され、その後は海上自衛隊由良基地として海上自衛隊阪神基地隊由良基地分遣隊が駐留している。由良基地自体はあまり広いとはいえない。

 

・七尾

 石川県七尾市のこと。七尾は加賀藩の領地だった。

 

・電動ノコギリや刈払機のような耳障りな振動音

 この時の刺青はいわゆる機械彫りである。電磁石やモーター駆動など原理は様々だが、いずれにせよ高速で針を上下に振動させるので耳障りな振動音がすることは避けられない。

 

 

 * * *

 

◆ COG.4 ◆

 

・「人なら」→『男なら』

 同上。

 

・ハツシバ、ロッテ

 この時に設定されていたコールサインは某時期の日本プロ野球の球団名と選手名の組み合わせになっている。多分「セイブ」と「マツザカ」とか「ヤクルト」と「フルタ」みたいな組み合わせがあったに違いない。単純に言いやすいのと覚えやすい、種類が設定しやすい、上層部に野球好きがいるという理由からこうなった。

 

・山風

 これを書いた時はまだ実装されていなかった。ちなみに筆者の泊地には未着任である。

 

・哨戒艇“あいらい”

 名前はパラオにある州の一つ、アイライ州から。一応“海”所属だが、命名基準からするとまるで海上保安庁の巡視船のようである。船体も巡視船に準じたものを設定していたが特に活かされることはなかった。ちなみに、現実においては海上自衛隊の運用する哨戒艇は海上保安庁の船舶の充実などにより役目を終え、1990年代に全て退役している。

 

・RV

 合流地点を意味する略語。「合流、待ち合わせ」を意味するフランス語(転じて英語)「r()endez-v()ous」(ランデブー)から。

 

・ETA

 Estimated time of arrival(到達予定時刻、到着予定時刻)の頭字語。軍事以外でも一般的に使用される。

 

 

 * * *

 

◆ COG.5 ◆

 

・魚雷発射管

 由良は艦これアーケードでは魚雷手投げ勢力である。作中では特に言及していないが、手投げ勢力ではない。単純に慣れた魚雷発射管を使用する目的で装備している。

 

・三次

 広島県三次市のこと。広島県北部の中心都市である。

 

・可愛川

「えのかわ」と読む。中国地方で最大の河川、江の川(ごうのかわ)の上流部分の川である。

 

・『雨水の泣き別れ』

 三次市の西隣、安芸高田市向原町にある水田の海抜205m(210mとも214mとも)の地点にある分水嶺のことを指す。ここに降った雨は、南は太田川へ北は可愛川を経由し江の川へと流れてゆく。少し落ちた場所が違っただけで二度と相まみえることのなくなってしまった雨水の心情を慮って「泣き別れ」と称されるという。ちなみに安芸高田市での公式名称は「分水界泣き別れ」

 

・兵庫県の丹波に~

 兵庫県丹波市にある「水分れ」のこと。海抜95mであり、本州一低い(日本一は北海道千歳市にある)中央分水嶺である。近隣には水分れ公園という公園があり、わかりやすい水路の分岐点(由良川系統と加古川系統の分岐点)が設置されている。

 

 

 * * *

 

◆ COG.6 ◆

 

・「娘たちは海へ」→『僕は空へ君は海へ』

 昭和19年(1944年)に発売された軍歌。サトウハチロー作詞、佐々木すぐる作曲。歌詞の著作権は存続している。

 いわゆる少国民歌、つまり国民学校(尋常小学校)に通う少年少女向けに作られた軍歌である。少国民歌というのもあり、平易な歌詞で海軍(含海軍航空隊)のプロパガンダを行っている。希望のある楽天的な歌詞だが、この歌が発売された時期(10月)にはレイテ沖海戦が勃発、日本海軍は壊滅的打撃を受け、ほぼ同時に神風特別攻撃隊の出撃が始まった。

 

・龍は水神

 龍は水神の具象化として一般的である。例えば、神社の手水舎には龍を象った像が置かれていたりすることが多い。そもそも古来から水神として信仰されてきたのは蛇であり、それと古代中国の想像上の生物である龍が結びつき、龍神信仰が生まれている。

 

・第三種非常呼集

 陸上自衛隊において大規模な災害発生時等の緊急事態に発令される非常呼集。端的に言えば臨戦態勢である。陸上基地なので登場したが、本来の用法からは外れている気がしなくもない。

 

・レーダー

 基地にあるレーダーサイトのこと。艦娘が対深海棲艦用のレーダーの要員として詰めている設定があった。

 

・避難命令

 日本では現実には存在しない。ただし類似したものとして、災害対策基本法63条1項や原子力災害対策特別措置法27条の6第1項に基づき設定される警戒区域では、警戒区域内からの退去を命じることができる。事実上の避難命令といえる。他に国民保護法にも同様の規定が存在する。

 

 

――――――――

 

 

【終篇】

 

・『カンムス: いかにして、どうして艦“娘”は海で戦うのか』日本版

 非常にややこしい構造だが、“男”が海外で出版→その日本国内版に“男”が書いたあとがき、という体裁になっている。あとがきだが、別これまでの各篇の内容がそのまま出版された本の内容となっているわけではない。

 

・海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の 辺にこそ死なめ かへりみはせじ

 軍歌『海行かば』としても有名な詩の一節。

 

・UNHCR

 国連難民高等弁務官事務所。

 

・ヤップ島コロニア

 ミクロネシア連邦にあるヤップ州の州都。

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