とある鳥によって東京という街は誰もが味わったことのない、恐ろしい七日間を経験した。
 その恐ろしい鳥の掟はただ一つ…その鳥、《ミネルヴァ》に見られた者はみな死ぬ。
 そんな恐ろしい鳥も最後は一人の猟師にサジナワセられた。誰もがその決着を、ミネルヴァが月輪まで昇っていくのを見ていた。

「いいさ。どこまでも……上がってけ……」

 その言葉の通り、ミネルヴァはどこまでも上って行った。やがて力尽きるはずだった身体は再び力を取り戻して空を飛ぶ。
 その身体に新しい魂を入れて、愉快な邪眼となりながら―――。

 愉快な邪眼が月輪を越えて別世界で飛ぶ、新しい人生のお話。

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