愉快な邪眼は月輪を越えて異世界に飛ぶ   作:きりがる

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この作品は邪眼は月輪に飛ぶという作品のミネルヴァを主人公としますが、中身はまぁ…本文で。
がちりんをどうしても変換出来ないからつきりんって打ってます…意味的には月のことらしいです。多分。

この作品はシリアスなんて無く、東方憑鴉録と同じような作風なので文才には期待しないでください。変わらず駄文なので。
暇つぶし程度に読んでくださればと思います。

では、少ないですがどうぞ!


第壱話 邪眼はまだまだこれからだ

 

 「むかしむかし……」、美術史家エルンスト・ゴンブリッジが書いたように、全ての物語は「むかし むかし」で幕をあける。

 

 故に、今から語るこのお話もむかしむかしで始まるのだ。

 

 ――むかしむかし、あるところに恐ろしい鳥がおった。

 

  それは、一羽のフクロウだったそうな。

 

  どこで生まれてなんでそんなことになったやらわからんけど、それに()()()()生きモンはみな死んでしまうのじゃった。

 

  それを撃ち殺そうとした猟師はみんな死んじまったが、中に一人だけ………

 

  ………その男の名は鵜平。鵜平に撃ち落とされたフクロウの名は『ミネルヴァ』と名付けられた。

 

「え、えー…ちょっと待ってくれ、これまさかのまさかで……あれ? なんで……」

 

  『ミネルヴァ』の飛ぶ速さときたら、常識を完全にくつがえしとった。

 

  瞬間速度、時速三四〇キロメートル。それは動物の中で最速を誇るハヤブサの落下速度と同じじゃった。

 

  『ミネルヴァ』は姿形こそフクロウに似ておっても、もはや鳥という動物ですらなかったのかもしれんて。

 

「おいおいおいおい、冗談じゃねーぞ! マジでどうなってやがる! ありえねーだろこれ!」

 

  『ミネルヴァ』はただ「殺意」の方向を()()()()んじゃ。

 

  そしてただのひとにらみ。その目のひとにらみでどんな生き(モン)も死んでゆくんじゃ。

 

  全ての物語は「むかし むかし」で幕をあける。

 

  では幕切れは……? この邪眼の鳥と老猟師の戦いの幕切れは……

  

  最後にフクロウはこんなことを思ったそうな。

 

  ……ああ、こわいよ。こわい目がくるよ。――

 

「そうだ、どう◯つの森とでも思えばいいんだ。あいつらも動物のくせに人型してるからな。俺も人型に…………」

 

 月に向かって、どこまでも上がっていったフクロウのお話はおしまい……のはずだった。

 

 なぜ頭を穿たれた邪眼の鳥が生きているのか、どうやって生き返ったのかすらわからない。しかし、ただわかるのは……

 

「………なれねえ! 目からなんか垂れてるし……え、呪毒? 記憶が…猟師?ミネルヴァ? うわなにこれ怖い…欠陥品ですかコノヤロー!」

 

 此度はさぞ、愉快なフクロウになるじゃろうて……。

 

 儂が話せるのはここまでじゃ。ここからこのフクロウのお話は、みなが見て語り継いでおくれ。

 

「早く人間になりたーいッ!!」

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ 

 

 

 

 

 

 駄目だ、どうしても俺はどう◯つの森の住人にはなれないらしい…あそこにもフクロウ居たじゃねえか。なんで俺だけ駄目なんですかねぇ? 教えて! グー◯ル先生!

 

「キエエ……」

 

 はぁ…と小さくため息を吐く。

 

 お前らにいいこと教えてやろう。俺は実は人間でした! あ? いいことじゃないって? うるせー、俺がいいことだと思ったらそれがいいことなんだよバッキャロー。

 

 まぁ…俺は死んだはずだったんだけどな。普通に交通事故ってやつなんだが……気がつけばこんなことになってたのさ。

 

 身体はフクロウ、しかも中二病よろしく邪眼持ちのフクロウとか……笑えねえんだよ、これがな。

 

 この邪眼、ひと睨みでどんな生き物も殺してしまう。写真越しなら大丈夫なんだが、テレビ越しだとアウトらしい…どうやって呪毒送り込んでんの?

 

 しかも右目が疼く……! なんてこと言えないほど恐ろしい見た目であり、大きく開いた両目から呪毒を血涙のように無限に溢れ出させ、目を合わせるどころか此方が一方的に見ただけで殺すことが出来るんだから質が悪い。

 

 直死の魔眼とかのほうがまだ優しいよ…見ただけで殺すわけじゃねーんだろ? 殺したくなくても殺しちまう俺の目って……ていうか色々おかしいから!

 

 この体の持ち主も頭撃ち抜かれて死んだはずなのになんで生きてんだっつ―話だ。頭に穴は空いてないし…俺が入ったから?

 

 というかこの森何処だよ!! お家返してーー! …あ、死んでたんだから家ねぇわ。じゃあこれからどうしろっていうんだよ……

 

 この山の中で目を覚ましてから辺りを見渡しただけで小動物は目と口から血を吹き出して死んだ。その悍ましい光景と血の匂いに慣れてしまっている俺はおかしい訳じゃない。ミネルヴァが慣れているから仕方ねーの。

 

 もう一度、辺りの惨劇を見渡した時、一枚の紙切れが綺麗な状態で落ちているのに気がついた。

 それは俺の近くに落ちていた。それにこんな森の中に人工物が落ちてるのも不自然だよな。ふむ…いっちょ見てみますかね。

 

 バササっと地面に降り立って覗き込んで見ると、そこには文字が書かれていた。

 

『いきなりフクロウになって戸惑っているだろう霧軽空那ちゃんへ』

 

 オーケー、これ俺宛だわ。霧軽空那って俺のことだもん。つーかちゃんじゃねーよ、男だよ。男の娘してたけど男だよ。胸がなくて息子がある以外は女にしか思えなかったけど男だよ!

 

 あれだ、胸のないあきつ丸だった。友人とか学校の奴らがうざかった件について。

 

『そのフクロウ、ミネルヴァは君の新しい身体だよ。死んだ君の魂がミネルヴァの体に引かれて、止める間もなく融合しちゃったんだよね。ミネルヴァは面白い体してたから回収して調べようと思ってたんだけど…ま、もう諦めたからいいけどね』

 

 名も知らぬお前のことが気になりだしたよ。神様とか言わねえよな?

 

『で、せっかくだからその体で新しい人生を楽しんで欲しいんだけど…流石に邪眼で生活するのは酷だろうと思って……』

 

 邪眼無しにしてくれたのか!?

 

『他の転生者がクジで引かなかった余った力をあげたよ! 安心して、そこそこいいものだから! あ、邪眼はそのままね』

 

 そのままなのかよッ!? そこは邪眼があると生活できないだろうから消してあげるね。とか、オンオフ可能にしてあげるね。とかだろうが!!!!

 

 あーもう、なんだかなーッ! …いや、待てよ? その能力とやらに期待すればいいんじゃ? 

 

 というわけで続きを覗くことにした。

 

『能力は、え~っと……何がいいかな?』

 

 何がいいかな?じゃないだろうが! そこは事前に決めておくところなんじゃねーのかよ!

 

『そこは事前に決めておくところなんじゃないのとかツッコミを入れてるだろう姿が目に浮かぶよ』

 

 ………出てこい、睨み殺してやる。

 

『まあ冗談は程々にしておいて…能力だけど本当に邪眼があると世界の敵認定されかねないから…目を瞑っても生活できるようにしておいたよ! やったね!』

 

 やったね!

 

 いやまて、その眼を瞑った状態がどのようなものかが知りたい。よくある気を探って気配を得るのか、それとも目を閉じていても開けている時と同じような視界が得られるのか。

 

 断然後者がいいです!!

 

 早速閉じ閉じ…………………………………………なんか、仙人になった気分だぜ。周りの気というか生命力というか…そういうのが見えるし、それらが物の形を象っているのもわかる。

 

 無機物の石でさえ何かを小さく出しているが…もしかしたら生命力や気以外の何かかもしれない。二次創作とかである魔力とかな。いや、しらねーぞ?

 

『まあこれは所謂応用ってやつさ。本当は魔力や気を与えて自在に扱えるようにしたんだよ。無機物から出ているのは魔力だね、多分!』

 

 多分なのかよ…でも魔法が使えるようになるのか…いいな、おい。気? あっちは仙人よろしく気配察知とか治癒とかに使うわ。かめはめ波はまた来週! ドラゴンボール知らねえし! マジ恋くらいしか知らねー。後は仙人よろしく仙術でも頑張るか? 長生きできるし。

 

『もう話すことはないかな~。第二の人生は大変だろうけど楽しんでみてね!  神様より』

 

 結局神様かよてめーは! 

 

 そんなツッコミを最後に目の前の紙は燃えていき、跡形もなく無くなってしまった。これから邪眼持ちのシロフクロウ、ミネルヴァとしての人生か…上手くやっていけんのかよ、俺。

 

 




相変わらず文字数が少ないのは気にしないでください。
まあいつも通りのこのテンションでいきます。

こんな感じのミネルヴァで良かったらこれからもお付き合いのほど、よろしくお願い致します。

あ、漫画は単行本一冊だけなので知らない方はぜひとも読んでみてください!
絵が少し古めかしいですが気にならないほど面白いので!
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