戻ってきたアーシア、真っ赤になって煙を出すレイナーレを見る。
「火事ですか!?」
その反応はおかしい。ギャグ漫画並に煙を出すレイナーレもレイナーレだが、アーシアもかなりズレた思考回路してるよね! お前が言うな?
まあ俺が言えたことじゃないのはわかってるさ! 愉快な思考回路してるからな。
とまあそんなことがあって数日、再びレイナーレの部屋に遊びに行っている。暇があれば念話じゃなくて今度はレイナーレの所に遊びに来るようになったのだが、レイナーレが分かるやつでよかった。
猫が喋ったり小さな人形のようなのが喋ったりしても受け入れてくれたし。黒歌って人気なん? レイナーレがめっちゃビビッてたけど、一緒に部屋の外に出てからは別になんとも無かったが……。
あれ? もしかしてレイナーレ…真っ青だけど大丈夫? 風邪なのか? という感じになったが二回三回と顔を合わせると元に戻っていた。
『ということで諸君、緊急会議だ! 事件は会議室で起こっているんじゃない、現場で起こっているんだ! そして俺はおこなのだ!』
「題して、~アーシアに男の影!? 気になるあいつはいいやつか?~ にゃ!」
「うぅ…アーシア、なんで私に黙って彼氏なんか…そうよ、きっと騙されてるのよ!」
「我のビンタ、食らわせる?」
「それ星になるやつにゃ。自重自重」
「我の辞書に、自重という言葉はない」
啜り泣くレイナーレを羽で撫でて慰めながら今日の司会進行を努めさせていただきます、ミネルヴァこと空那です!
いやぁ、やってまいりました緊急会議。この会議は我らが癒やし、天然アイドルのアーシアちゃんに男の影が発覚し、それをレイナーレが俺に教えてくれたことが発端であります。
『では今一度、私達に説明してもらいましょう。レイナーレさん?』
「ええ…少し前、アーシアはフリードとか言う糞野郎に犯されかけたらしいんだけど…」
『ちょっとそいつ呪い殺してくるわ』
「待つにゃ空那。それは後でもできるでしょう?」
「皆で腹パン&金的」
「ええ、貴方達が居れば怖くないわ」
ちょっとした死亡フラグだけど確かに俺達が居れば怖くないな。
『ごほん、失礼しまいした…では、続きをどうぞ』
「こほん…クソフリードのことは置いておいて、実はアーシアは既にその男とデートをしたらしいんです。本人は遊びに行ったと言ってましたけど、男と二人で楽しそうに遊ぶ…デートしかないじゃないですか! アーシアに遊びを教えなかったクソ教会も悪いんですけどね…」
『なるほどなるほど、クソ教会とやらもいつか潰すとして……アーシアさんは既にデートも済ませていると。これはのせられて騙されたかもしれませんね』
「貞操は大丈夫なのかにゃ」
「ええ、それは大丈夫でしたね」
「…あれ? レイナーレ、男、騙してなかった?」
「あ、あれは! あれはあれよ…その、仕事だったから。全然タイプじゃなかったから。あの程度の男を落とすの簡単だったけど、タイプじゃないから! ここ大事よ!」
「大切なことだから二回言ったのね」
「タイプはもふもふした毛を持った白いフクロウだから大丈夫よ」
「「なかーま」」
話がズレてるけど、俺のことタイプってペットにするならフクロウがいいってこと?
そして忘れてたけど、こいつも一人騙してつき合ってたな…そんなことを言っていたと思う。お主も悪よのぅ…しかも殺したんだろう?
やだ…ここの仕事ってまっくろくろすけくらい真っ黒じゃないですか! ブラック企業だ、危ないぞレイナーレ! お前とんでもなく美人だからそのうち身体でも売って金持って来いとか社員の慰めになれとか危ないこと言い出すぞ!
殺しもさせる企業なんだから絶対にあるって! フリードが居るっていうのが何よりの証拠だぜ。
『仕事が終わったらレイナーレは貰うとして…話を戻しましょう』
「えッ…!?」
「何照れてるのにゃ。こんなブラック企業にずっと置けるわけないじゃないの」
「さよならブラック…ようこそホワイトへ」
『呼んだ?』
「シロフクロウだけに…?」
『「HAHAHAHAHAHA☆」』
「この二人はもう…くだらないにゃ」
フィアの何でもない誘いに乗って返事をしてみればフィアもちゃんと乗ってくれた。そして二人で米式笑いをしたら黒歌に呆れられた。
黒猫におすわり状態で溜息吐かれた。なんかショック。
ゲフンゲフン、おやじギャグはここまでにしといて。レイナーレさん、いつまで赤くなってるんですか。起きてくだしあ。
「ハッ! あ、話の続きだったわね。だからその男を確かめましょうって話なの」
「悪ければ腹パン、良ければ金的、最悪であれば一夫多妻去勢拳にゃ」
『呪い繋がりで俺に任せろ! フクロウだけどな!』
「…我、ビンタから腹パンに変える」
「どっちにしても星になるにゃ」
破裂させればいいんでしょ? 余裕余裕!
そして立ち上がった俺達は確かめるために勢い良く立ったわけなのだが、俺の上にフィアが乗った時に、レイナーレが顔を俯かせてるのを発見した。
それをみて黒歌が話しかける。
「レイナーレ? どうかしたかにゃ?」
「その…そういえば言わなければいけなかったことがあったの…怒らないで聞いてくれる?」
「……聞くだけ聞く。話して」
「じゃあ言うけどね……」
神妙そうな顔で口をゆっくり開くレイナーレに、俺達はゴクリと喉を鳴らす。
「実はね…今日、これからアーシアを殺して神器を奪うという儀式が……」
「まさか…」
「………………」
『おいおい、まじかよ……無いんだよね? そうだと言ってよ…』
「儀式が……………ありますぅぅぅぅぅぅッ!!!」
「「『それを最初に言え馬鹿野郎ッッ!!!!』」」
「ごめんなさぁーーいッ!!」
珍しくフィアまで怒鳴りつけた。と言うかこいつマジで何言っちゃってくれてるの? え? マジで? ウソダドンドコドーン!!
いつも神父が居るからこの教会の気の多さはこれくらいなのかと思ったけど、騙されたわ。そう言えば今日はいつもより多いじゃないですかやだー!
8時だよ! 全員集合ッ! ってか!? そうです、今は丁度夜の8時です!
急いでレイナーレの肩に乗り、黒歌が反対の肩に乗る。と、そこでここに向かって来ている気を複数発見した。
『黒歌!』
「ええ、悔しいけど…私はここで待ってるわね」
「え!? どうしてよ! 黒歌、貴女が一番の戦力じゃないの!」
「私がはぐれっていうのは知ってるわね? 妹とその仲間がこっちに向かってきてるのよ。だからいけないわ」
「そんな…」
「それに…私より空那とフィアの方が強いにゃ。私も前よりは二倍以上、空那の物になってから強くなっちゃったけど、束になっても敵わないにゃ」
「…本当なの?」
「にゃん。だから二人共、私の代わりに絶対にアーシアを連れて帰って来るのよ!」
「『任せろ!』」
黒歌の代わりに絶対に助けだす…絶対にだ!
………実を言うと、黒歌はアーシアに会ったことはない。しかし、俺の動きを見ているのか、遠見の術でアーシアを何回も見たことはあるのでよく知っている。
なんならもうアーシアもレイナーレの顔も俺は知っている。直接見たり、テレビやレンズ越しで俺が見ると相手は必ず死んでしまうが、写真なら大丈夫だから撮ってもらって見た。
アーシア? 見た目も笑顔も聖女でアイドルでしたが何か?
レイナーレ? 美人だしスタイル良すぎだった。生前の地球だったらモデルもアイドルも裸足で逃げ出すね。結婚して!
いや、フィアも超美少女だよ? うん、だからその持ってる羽を離そうか。いや、話せば分かるって! なんか姿変えてスタイル抜群の絶世の美女になったけど、いつもの方がいいから!
ばりばり毟られた。丸焼きにされるかと思った……。変身した美女のフィアに見惚れたのは内緒な。照れて毟られるから。
「レイナーレ、行って…」
「ええ! 私だけじゃ難しいから二人共頼むわよ!」
『任せないさい! 俺が殺せないのなんてフィア位だから!』
「え、なにそれ怖いにゃ……」
黒歌を部屋に残し、扉を閉める瞬間そんな声が聞こえてきた。なんかガチでドン引きしてる声だったんだけど、そんなこと無いよな?
で、ダッシュで教会の地下まで行こうとするが、行く途中で神父が居る。ここは任せようか。
「レイナーレ様! 急いでおられますが、どうなされたのですか?」
「通して頂戴。ここに敵が向かってるわ。だから貴方達は今から警戒をお願いね?」
「敵!? わかりました、ここは我らに任せてどうぞお行きください」
「ありがとう」
そんな会話をしてレイナーレは地下に続く階段で地下へ向かう。レイナーレのくせになんか上司してたんだけど、ここは真面目にしてたレイナーレを笑うところ?
アーシアの気がどんどん近くなるが、さっきからアーシアの近くに居る奴が面倒なんだよなぁ…誰だよこいつ、他の奴より気が少し大きいぞ。
他がBB弾だとしたらこいつはビー玉だな。少しだろ?
「アーシア!」
「れ、レイナーレ様…」
「む……アーシア、片胸ぽろり」
『マジで!? 見た…目が開けねえ! 開いたらアーシアごと皆殺しじゃん!』
フィアが小さく俺の羽の間からそんなことを呟く。どうやら肌着姿で吊るされていて、胸がぽろりというかもろりしているそうだが、俺は吊るされているのと服はどんなものかくらいしかわからん!
なにせ気や魔力によって世界を把握しているから、どんな顔かがわからないように胸なんて膨らんでるなぁ、あ、この人巨乳だなぁとかくらいしか分かんないんだよ!
そんな大きさわかったって興奮しません。服から覗くであろう谷間の肌色も見えないんだぞ? 下乳さんが次作で年齢上がって露出も多くなっても、下乳も見えないんだぞ?
へぇ、こんな服でここまで胸出してるんだな、くらいしか分かんねぇんだよ! 泣ける!
例えるなら無修正だと思って見たら修正のモザイクがあった時くらいの萎え。そりゃ息子もがっかりして項垂れるわ。って、前世の思い出や男だったらあるんじゃないかっていう話はいいんだよ。
「あ、アーシア…立派に育って……うぅ」
「どこ見てるんですか!? ちょ、これ外してください! 若しくは私のおっぱい隠してください!」
「おっぱいなんて言うんじゃなありません! はしたない!」
『自分の姿見てー! お前さんボンテージだから! 凄まじい露出だから!』
「うっ…そういえば人のこと言えないわね」
というかなんで一気にシリアスムードがぶち壊れちゃってるの? 元気なかったアーシアも元気いっぱいになってガチャンガチャンと抵抗している。そんなに隠したいんだね。
ま、まぁレイナーレよりは小さいけど、フィアよりは大きいから良いじゃないか。
「…………………」
―――ブチィッ!――――
「キエェェェェッ!!?」
『ふにゃぁぁぁぁぁぁぁッ!!!?? いきなり毟るなんて駄目ぇ!!』
「ッ!? 吃驚した! 何叫んでんのよ」
『痛い、痛いよぅ…フィアが思いっきり羽毟ったの……ローストチキンは嫌だ……』
「なんか嫌なこと思われた……」
勘良すぎだろこいつ…しかも躊躇いないし。
それと自分の姿を恥じたのか服を一瞬で変えたレイナーレ。服装としてはミニスカートにサイハイソックス、ノースリーブのタートルネックセーターだな。
俺の足の爪当たってるけど痛くないの? と思ったけど、俺が気でコーティングしてるから痛くないんだった。
よーし、アーシア今から助けるからなー!
やあ久し振りだね(´・ω・`)
そうさ、消えただろうと思われた私だ。書くことも書けなくてアイデアも全く思いつかないから読み専に戻ってしまった私だ。(´・ω・`)
長くは語るまい。ボロが出るからね。
じゃあ、またいつの日にかお会い……できたらいいね。