人間社会が円滑に回るためにはコミュニケーションというものが必要で、
その長ったらしい横文字を邪魔するものに障壁という要素があるんだとさ。

例を挙げてみようか。

『今日、ウチに冷蔵庫が届いた』

どうだろうか。そう聞いた俺が想像するのは、ある男が家電製品を買ったか貰ったかだ。とにかく幸せで短い物語が生まれただろう。だが手品のようなもので、今かたったものは障壁越しに見える映像でしかない。

俺はいま、いくつかの情報を省いた。そこで、一言加えてみよう。

『今日、ウチに届いた冷蔵庫にはバラバラの女の子が入っていた』

さぁ、一気に面白くなってきた。猟奇的な殺人事件の幕開けか、それとも病的なボーイミーツガールの始まりか。中々におどろおどろしい。

さらにトドメを加えよう。


『今日、ウチには冷蔵庫が届いた。中にはバラバラの女の子。開けた瞬間、彼女は大声を上げた』


「――はっぴー、はろうぃん!」


本当、面白くなってきたと思わないか?


俺に起こった出来事じゃなければもっと楽しめたんだけどな。
終わらないハロウィン
  1.ゾンビ・ミーツ・マミー()
  2.ナイト・オブ・ザ・リビングデッド()
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