銀時が女体化で名前が、銀子になってます。
土方が意を決しプロポーズしますが、銀子ちゃんは応えずにいて……それには理由があり……。

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「結婚してください。」

万事屋を営んでる女主人・坂田銀子と恋仲になり2年になる。最初のうちは、万事屋のガキ……特にチャイナに嫌われていたけど、長年かけてなつかせていった。

だから、そろそろいいかなぁって思うわけで……。

気に入るかはわかんねぇけど、アイツの髪色に合わせてダイヤを埋め込んだ婚約指輪を胸ポケットにしまい、銀子をデートに誘った。

 

万事屋を営んでるっと言っても、そんなに毎日依頼もあるわけではなく、毎日お金に困っている銀子。

デートって言っても今まで、居酒屋とかだったしこんな高級料亭なんか来たことないし、縁もないのだろう。さっきからキョロキョロしてる。

 

「今日、どうしたの?今まで、こんなとこ連れてきて貰ったこと無いんですけど?なに、自慢なの?」

 

「そんなんじゃねぇよ。」

 

いきなり怪しまれた。やべぇ、手汗がヤバイんだけど……。

 

「とりあえず、飯にする?」

 

「だな。」

 

離れの個室。机の上に次々と料理が運ばれてくる。予約を入れた時に注文もしてたからなぁ。

 

「今日、なんかの記念日だっけ?」

 

「違うって、たまにはこういうところで食べるのもいいかなぁって。」

 

「高そうだけど、大丈夫なの?」

 

「あぁ。」

 

「いつもこんなとこで、接待とかしてるの?」

 

そう言いながらも、食べ始める銀子。どうしよう、いつ言おうか……。

 

「食べないの?これ貰っていい?」

 

「お前好きだよな。」

 

里芋と海老のあんかけ・刺身(鯛・鮪・鰈・湯葉)・茶碗蒸しに豆乳のしゃぶしゃぶ、全て銀子の好きなもので揃えた。

俺の茶碗蒸しを頬張って嬉しそうに食べてる。

 

「この後、ケーキもあるからな。」

 

「マジ?」

 

「あぁ。特別に用意させた。」

 

「ほんと、今日どうしちゃったの?なんか変。優しすぎて怖いんですけど……。」

 

「いつも優しいだろうが。」

 

他愛もない話をして、ついに食後のケーキが来てしまった。銀子のしなかないそれをゆっくり銀子がフォークを入れていく。

 

「欲しいの?」

 

「へぇ?」

 

銀子が欲しいです。

 

「ケーキ、ずっと見てるから……はい、あ~ん。」

 

銀子が、俺でも食べれるように上に乗った苺をフォークに刺し俺の目の前に差し出してくる。

恥ずかしいが、出されたソレを口にする。途端に甘酸っぱい果汁が広がる。俺が苺好きなのは、銀子のkissの味に似ているからって言うのは、本人には内緒の話だけど……。

 

「美味しい?」

 

美味(うま)いよ。」

 

「この後、どこか行くの?まだ、昼だし買い物とか?」

 

「いや……。」

 

向い合わせで食べていたが、席を立ち銀子の隣に座り直す。

 

「銀子。」

 

銀子の手を掴む。

 

「なに?」

 

わからない感じで、首をかしげてる。

 

「俺たち、付き合って2年経つだろ?」

 

「うん、この間記念日だったもんね。」

 

「それでな、そろそろいいかなぁって。こんなこと思ったのお前が始めてで、今までそんなに意識したことなかったんだけど………率直に言うな。俺と結婚してください。」

 

「…………。」

 

無言が痛い。顔が赤いのが自分でもわかるくらい熱い。銀子の顔を見れずにずっと畳を見てる。

 

「…………帰る。」

 

「へぇ?」

 

帰ると言われ思わず、顔をあげる。

銀子は、俺の手をほどきバタバタと部屋を出て行ってしまった。

俺は、フラれたのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、どうやって屯所に帰ったのかわからなかった。

 

「副長?今日は帰らないんじゃなかったんですか?」

 

空気の読めない山崎が、聞いてくる。余計なお世話だ。そりゃ、あの後銀子とホテル行く予定だったからな。

 

「はぁ~。」

 

今日の為に、貯まっていた仕事も終わらせたから暇でしかたがない。自室の畳に寝転び指輪を取り出した。

俺じゃぁ、ダメなのか?

 

 

 

 

「トシ、居る?」

 

あの日から1回も連絡を取っていなかったのに、1週間振りに銀子が俺に会いに来た。

冷や汗が背中を流れる。

 

「どうしたんだ?」

 

声が上ずらないように、応える。

 

「仕事中、悪いんだけど少し抜けれる?」

 

「まぁ、そんなに忙しくねぇから少しなら。」

 

「じゃあ、行こう♪」

 

「行くってどこに?」

 

もう、逢えないと思っていたから嬉しく思う。銀子に連れられ屯所を後にする。暫く歩いていると、ガキ達が待っていた。

 

「遅いネ。マヨラー。」

 

「早くしてくださいよ。」

 

「銀子?何すんの?」

 

「買い物行ったらね、トイレットペーパーが安くて御一人様二個までなんだよね。お金と人数で屯所が近かったから……。」

 

「あれ?副長?」

 

店の中に入ると山崎に出会(でくわ)した。

他にも隊士たちが居る。

 

「何、ジミーくんもペーパー買いに来たの?」

 

「姐さんもですか?」

 

「うん、トシ持ちだけどね。」

 

「じゃあ、俺たち帰りますんで。」

 

山崎たちが、店を後にする。

 

「お前、アイツらに“姐さん”って呼ばれてるのかよ?」

 

「うん。知らなかった?」

 

「マヨラー、これ食べたいネ。」

 

俺の持っているカゴにシュークリームが入れられる。

 

「いいなぁ、私も……。」

 

銀子もシュークリームを入れる。

 

「ペーパーだけじゃないのかよ?」

 

「買い物って言ったじゃん。食材も買ってね。」

 

結局、カゴ2つにいっぱいとペーパーを8個も買わされた。まぁ、苦ではないんだけど……。

 

「なぁ~、銀子。この間の話なんだけど……。」

 

「じゃあ、今日はありがとね。」

 

俺が持っていた荷物を銀子が持ち、万事屋の階段を上がっていってしまった。

その日からだった、普通に銀子は逢ってはくれるがプロポーズに関してはのらりくらりとかわされる。

 

銀子の為に買った指輪は、小さな箱の中で光ってる。

 

「はぁ~。」

 

まさかフラれるなんて思ってなかった。

 

「トシ?」

 

「………。」

 

万事屋のソファに、銀子と向かい合わせになるように座ってる。

 

「………別れようか。」

 

「えっ?」

 

さすがにここまでフラれ続けられると、キツイ。

もう、銀子の事は忘れよう。そう思い意を決し、やって来た。

 

「本気で言ってんの?」

 

「お前こそなんなんだよ。俺が冗談でプロポーズしてると思ってんのかよ。全然、返事くれないし、それってダメってことだろ?だったら、はっきり言ってくれよ。

今の関係ってなんなんだよ。」

 

こんなこと言いたくないのに、今まで貯めに貯めていた感情が爆発する。

 

「………ごめん。」

 

銀子が泣き出す。

 

「ごめんなさい。怖いの、私。」

 

銀子が、大粒の涙を流しながらゆっくり語り出す。

 

「昔ね、結婚してたの。」

 

「えっ?」

 

結婚してた?

どういう事だ?てっきり、独身だと思っていた。いや、過去形だから独身なのか。

 

「好きだったんだけどね。相手のこと。………今は、もう居ないけど……。」

 

「居ないって?」

 

始めて聞く、銀子の話しに拳を作っていた手に力が入る。

 

「死んだの。正確には、殺されたんだけど……。」

 

「………。」

 

殺された?誰に?

 

聞けなかった。あまりにも、銀子が泣いていたから……。

それから、銀子は喋らなくなった。

銀子は、結婚したら相手が死ぬと思っているのか?この時はまだ、本当の理由を知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「トシ、ちょっといいか?」

 

いつも勝手に入ってくるくせに、今日に限って断りを入れて部屋へと入ってきた近藤さんは銀子と一緒だった。

 

「銀子?」

 

銀子の突然の告白から約一ヶ月、俺たちは連絡はおろか逢ってもいなかった。逢えば銀子を泣かしてしまいそうで、1度でも惚れた相手だ。泣かれるより、笑っていて欲しいに決まってる。

だから、このまま別れようと……忘れようと努力してきたつもりだ。

 

「ちゃんと、最後まで話そうと思って。」

 

銀子が、座ると隣に近藤さんも座った。

 

「最後って、この間話したろ?お前とは別れる。それでいいんじゃないのかよ。これ以上、話すことなんてない。」

 

席を立ち、近藤さんの横を抜けようとするも手を捕まれ叶わなかった。

 

「待て、トシ。銀子ちゃんは、お前をフッた訳じゃない。……「もう、いい。」」

 

銀子が、近藤さんの言葉を遮る。

 

「結局、みんな一緒ってことじゃん。こんな奴好きにならなきゃよかった。」

 

泣きながら、銀子が部屋を出ていった。

 

「トシ、追え。」

 

「けど……。」

 

なんて声をかけたらいいかわからなかった。

 

「銀子ちゃん、今まで誰にも話さなかったことをお前だからって言って話そうとしてたんだ。これは、俺からじゃなくて銀子ちゃんから聞いてやってくれ。もしも、その指輪を捨てるって言うなら2度と銀子ちゃんに逢うことも話すことも俺が許さん。

 

嬉しかったんだよ?銀子ちゃん、お前にプロポーズされて……けど、自分は応えられないって。そんな資格ないって自分を責め続けてるんだぞ。

 

だから、行ってこい。」

 

近藤さんに背中を押され、廊下に出された。

 

「ほんとは、受けたがってるんだ。お前との結婚。」

 

その言葉で、重たく動かなかった足が動く。

銀子を捜さなきゃ。

屯所の正門を抜けると、脇の路地に見慣れた波模様の着物が見えた。

 

「銀子。」

 

声をかけると、目を真っ赤にしながらこちらに振り向き見上げてくる。

 

「トシ?」

 

俺がなんで、追いかけてきたのかわからない感じに目を擦る。

 

「あんまり、擦んな。赤くなってるから。」

 

俺もしゃがみ、銀子にハンカチを渡す。

 

「近藤さんに怒られた。お前を追えって。ごめんな、あんなこと言うつもりなかったんだ。お前に泣かれてビビったって言うか、追いかけたくても足が動かなくて……。

 

けど、お前と別れるのに泣いたままじゃ嫌で、お互い笑って別れよう。今は、辛れぇかも知れねぇけどさ。」

 

そっと抱き締める。

 

「…………ぃ。」

 

「えっ!?」

 

空耳かと思うぐらい小さな声で、こんなに近くに居るのに思わず聞き返した。

 

「別れたくない。近藤さんに全部聞いてないの?」

 

「お前から聞いた方がいいって、話してくれなかった。まぁ、お前が誰にも話さなかったことを俺だから話そうとしてたんだって言うのは聞いたけど。

でも、だからだよ。誰にも言わなかったんじゃなくて言いたくないんだろ?

そんなことを無理矢理聞き出してまで結婚したいとは、思わないよ。」

 

「結婚しないって言ったら、別れなきゃいけないの?付き合ってたら駄目なの?」

 

「俺だって別れたくないよ。」

 

強く抱き締める。

 

「聞いて欲しいの。トシとずっと一緒に居たいから。」

 

「わかった。俺の部屋に行くか。」

 

二人でゆっくり部屋へと向かう。近藤さんは、自分の部屋に戻ったのかすでに居なかった。

 

「天人だったの。前の旦那さん。周りからは反対されたんだけどね。」

 

部屋に入ると、銀子が遠い目で話し出した。

 

「お互い、愛してたし反対押しきって結婚したの。けど、それが間違いだった。最初はね、優しかったんだよ?だけど、嫉妬って言うのかなぁ?理不尽なことで怒られて、殴られて、蹴られて……その人の子を妊娠してたんだけど、結局流産しちゃって……。」

 

「……………。」

 

なにも言えなかった。

 

「まだね、それだけならよかったの。好きだったし、我慢できた。あの人が怒るのは自分が悪いんだって、言い聞かせてたし……。だけど、私がごみ捨てに行った時に近所のオバサンと話したら怒られて、クスリ使われて。」

 

「クスリ?」

 

「麻薬、みたいな?」

 

「大丈夫なのかよ。お前。」

 

「うーん、なんとか。何回か打たれたけど………近藤さんがね。助けてくれたんだ。」

 

なんで、そこで近藤さんが出てくるんだろう?

 

「もう、真選組出来てたし。なんかね、後で聞いた話なんだけど、ずっと張られてたんだって……。クスリの売人でさぁ。」

 

「売人。」

 

独り言の様に呟く。

 

「危うくね、売り飛ばされる所だったの。その時に来てくれて、あんなゴリラみたいだし、すぐに脱いじゃう人だけど、カッコいいって一瞬思っちゃったんだよね。“ご用改めである”ってカッコよくてさぁ。」

 

「銀子。」

 

思わず抱き締める。

 

「ありがとうな、話してくれて。」

 

「こんなんだけど、いいの?中古なんだよ?」

 

「なんだよ、中古って。物じゃないんだから……。俺と結婚してください。」

 

あの日から引き出しに直していた小さな箱を取り出す。ふたを開け、シルバーリングを見せる。

 

「……………よろしくお願いします。」

 

小さく頷き、小さな声で言った。

指輪を箱からはずし、銀子の左の薬指に填めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終わり。

 




自分で書いてて、思わず泣いてしまいました。銀子ちゃん可哀想。幸せになるんだよって感じで、まるで、我が子を送り出すような感覚。続き、というか、「ラブラブ?夫婦」の別プロポーズみたいになっちゃった。
因みに、元旦那は蛙みたいな天人だと思ってください。
全然要素ないけど……。

蛙みたいな天人と銀子ちゃんの夫婦生活、いつか書きたい。

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