もしSKYRIMの世界にはくのんと紅茶が召喚されてしまったら   作:ヤステル

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オープニングだけは実験的にめちゃくちゃ区切っていこうかな、と。
不評ならある程度纏めちゃいます。

それにしても、なんか文章がへたくそになっているのでは? と思っているのですが、あれ? 何でなんだろうか……。


オープニング② ―自我確認―

  * 

 

 ――――記憶の閲覧

 

 わたしは今までどこにいたのだろう? と、記憶を洗い出す。

 

 ――――記憶の流出

 

 わたしのキャラクター(からだ)は一体どこにあるのだろう? と、手探りで探し出す。

 

 ――――記憶の削除

 

 わたしのAI(こころ)はどこに仕舞ってしまったのだろう? と、胸に手を当てる。

 

 ――――記憶の改竄

 

 わたしのチャート(おもい)はどこに向かって行くのだろう? と、自身に問いかける。

 

 ――――記憶の混濁

 

 わたしのトーナメント(たたかい)はどのような結末を迎えたのだろう? と、誰かに問いかける。

 

 しかし、振り向けば誰もいない。

 体は鉛の如く重く、水に浮かぶように軽い。

 大海に静かに体を任せ、そしてゆっくりと溶けるように沈んでいく――。

 それはまるで水に溶ける氷のようだった。

 

 ――氷が水に溶けるように……砂糖が蜜に溶けるように……。

 

 誰かが――誰かの心の深層でそう聞いた気がする。

 少しばかり小さな怒りの炎が灯るのは、何故かは分からないが、単純な比喩が実際に体験できるとしたら――。

 今が正に、その瞬間なのだろう。

 

 わたしは水に溶けていく。

 熾天の檻に沈むわたしを、誰も見る者はいない。

 全ての戦いが終わったのだ。

 もう万能の願望器を求める理由も無くなった。

 壊されたものが元に戻っていく――。

 全てが正しい道筋になるように戻っていく――。

 全ては、確かに終わり、そして正しい始まりに向かって修正されていった。一人の自我を持った岸波白野という少女の手によって――。

 全ての願いを叶える願望器は――ムーンセル・オートマトンは地上との繋がりを断ち切る。観測機械は、夢見る機械へ戻っていった。

 それが、全てだ。

 それが、結末だ。

 

 それが………たり……の……ージだ……。

 

 ノイズ。

 

 劈くような不快な機械音。

 水泡が割れる音が大海に響く中にその音は鳴り響いた。

 

 ――……や……だ……。

 

 声が聞こえる。

 

 ――…………で……り………ない…………。

 

 誰の声なのだろう。どこにも聞いたことのない声だ。

 

 ――………………………………………………。

 

 声はやがて小さくなっていく。

 

 ――……………………………。

 

 わたしは耳を傾ける。

 

 ――………………。

 

 でも、声は聞こえない。

 

 ――…………。

 

 一体誰なのだろうか。一体どうして、わたしに声をかけるのだろうか。

 

 ――……。

 

 声は、わたしの声を聞いてくれるのに、わたしはその声が聞こえない。

 

 ――…。

 

 ああ……本当に。本当に御免ね。わたしは声に向かってそう呟いた。

 

 ――

 

 もう声は聞こえない。

 全てがまるで幻のように消えていく。苦しい戦いも、失っていく悲しみも、絶望に打ちひしがれたその心も――

 全て消えてなくなっていく。

 そう。消えてなくなっていった。全部終わったのだ。もう、声なんてどうだっていいじゃないか。

 だから称賛しよう。

 おめでとう、わたし。

 わたしが勝ったのだ。

 もうこれ以上、何も思い悩むことはない。

 だからわたしは眠ることにする。

 ――おやすみなさい。

 と、囁く声と同時に、わたしの目蓋が落ちていく。

 ――お眠りなさい。

 と、わが子に深い愛情を注ぐ母親のような声が、わたしの眠る部屋の明かりを消していく。

 わたしの世界はここでお終いだ。

 長かった道のりも、ここで終わり――わたしの人生はここで帰結(ゲームクリア)だ。

 

 ……。

 本当に?

 

 とくん、と小さく胸を打つ。

 

 本当にそうなのだろうか?

 

 どくん、と心臓が脈打つ。

 

 わたしの全てがここで終わるということに対して、それは疑いようのないことだろう。

 ただ、待ってほしい、とわたしは思った。

 まだ、いない。まだ、そこにいない。

 何かが欠けてしまっている――そんな気がしてならない――いや、そんな気しかしないのだ。

 あの声が一体何だったのか、わたしには分かっていない。

 わたしに欠けているのが何なのか、わたしには分かっていない。

 そして、何より、ここで『終わり』という帰結に納得してしまった自分の存在が何故いるのか、わたしには分かっていない。

 

 ――――記憶の混乱

 

 わたしと共に戦ってくれた相棒(サーヴァント)は一体どこに行ってしまったのだろう? と、手を伸ばす。

 

 深く青いその底で、わたしは手を伸ばす。

 たとえ誰もが届かなくても、たとえ誰もが無駄だと諦めても――。

 手を伸ばせばきっと――。

 きっと応えてくれるはずだから。

 ここからだ。わたしはここからだ。この胸の高鳴りは、きっと始まりを告げている。わたしのために告げている合図なのだ。

 なら、まずは準備を整えよう。足りない欠片を手に取って、もう一度、ここから始めてみよう。

 

 *    

 

 そうだ。

 例え聞こえなかったとしても、その声は確かに届いた。

 偶然の出来事とはいえ、ここまでドラマティックになってきたのは、正に彼女の才能なのだろう。

 もう自分の役割は終わった。

 後は見守るだけだ。

 彼らが、このスカイリムを救ってくれる英雄――竜の血族(ドラゴンボーン)となるその時まで、ここで静かに見守っていよう。

 




やはり下手になってるな、これ
すみませんね
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