キャラクターの誕生やクリスマス、新年、ハロウィーンなどのイベントの時に番外編の短編小説を投稿します。
※Control Slave本編の警告タグと同じ警告タグを付けています。
※小説本編で登場していないキャラクターが登場します。
登場キャラクター▽
絢瀬絵里・
謹賀新年
紅白に彩られた芽依の自宅。
いつもとは違い、和を思わせる雰囲気を漂わせている。
それだけでも異様なのに、それに加えて芽依がいない。
「め、芽依……?ちょ、何してるのよ……?趣味悪いわよ?こういう悪戯……。やるなら堂々と——」
「あぁっ、絵里ちゃ〜んっ!来てたの!?」
出た。
階段を駆け下りてきたのは、この家の家主でもある
一応、芽依の姉……らしい。
芽依と舞依さんが言うには。
まぁ、私は信じてないけど。
「は、はい……まぁ……」
作り笑いになっているかすら微妙な作り笑いを返す。
10歳にも満たないであろう芽依にくらべ、舞依さんは私のひとつ下。
普通なら敬語を使うのは舞依さんの方で、私は敬語を使わなくて良いはず。
なのに、何故かこんなことになってしまっている。
「うわあっ、来てるなら言ってくれれば良いのにぃ!お正月だから!?」
「いや、違いますけど」
舞依さんの問いを、キッパリ否定する。
そもそも、今日が元旦であるということすら今言われて思い出したくらいだ。
「芽依のヤツ……絵里ちゃんを独り占めしようとしてたんだな……?」
多分それは無い。
芽依が私を好いているなんて、地球が逆回転したりでもしない限りはあり得ないだろうから。
と、パッと部屋の奥が明るくなる。
「おはよう絵里ちゃん。今年もよろしくね」
いつもの様子で芽依が言う。
挨拶の前に、この家の状況を説明してほしい。
「あ、そうだ。はいっ、お年玉」
芽依はニッコリ微笑むと、両手で丁寧にぽち袋を差し出した。
こういう時、必ず何か仕込むのが芽依。
恐る恐る封筒を開くと、中に入っていたのは一万円札。
それも何枚も。
「……どういうつもり?」
「睨まないでよぉ。ただのお年玉。さすがにこんなところにまで何か仕込んだりしないから」
「はぁ……じゃあ、遠慮無く頂くわ」
「ふふっ、どうぞ〜」
今笑ったのは何故だろう。
それを考えるより先にお札を取り出したのが間違いだった。
お札を取り出した瞬間、部屋の照明が全て消えた。
「あっ……やっぱり何か仕込んだんじゃない!」
「あははっ、そうみたぁ〜いっ」
真っ暗。
なんだかこの景色には既視感がある。
自然と身構える。
恐怖心。
私の心になだれ込んで来たのは、そんな感情だった。
と、目の前だけがパッと明るくなる。
それがスポットライトかのように、真ん中に芽依が立っていた。
「ちょっ、本当になんなのよ!?」
芽依はくすくすと笑うと、ポケットからカチューシャを取り出した。
……ただのカチューシャではなく、猿の耳が付いたカチューシャを。
この子が考えることは本当にわからない。
「あけましておめでとうございますっ!」
芽依はカチューシャを取り付けると、ニコニコ微笑んだ。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。