OTOKOなら最強を目指したい・・・そうは思わないか?

1 / 1
時系列は原作1巻終了数日後
具体的に言うと2巻でベルがリューさんの威圧にガチビビリした日



まぁベル君の出番なんて殆ど無いんですけどね!


ダンジョンで腕試しをするのは間違っているだろうか?

 その日、神・ヘスティアはいつもの様にバイトに励んでいた。

 

 数日前にこのダンジョンを有する都市『オラリオ』に置いて毎年開催される『怪物祭(モンスターフィリア)』で自分の眷属であるベル・クラネルが脱走したモンスターを辛くも撃退したあの日から早数日、オラリオはすっかりといつもの空気に戻っており、ヘスティアも普段の様にバイト――ジャガ丸くんの屋台での売り子だが――をしていた。

 未だにモンスターが脱走した経緯は謎ではあるが、当時に負った怪我もすっかり良くなった彼は快気祝いとばかりにダンジョンに繰り出し、自分も生活費を稼ぐ為にバイトに精をだしているのである。

 

 

 「しかし、いくらベル君が強くなったからといっても1人でダンジョンは進めないだろうし、そろそろウチのファミリアも人数を増やさないといけないなぁ・・・」

 

 

 ヘスティア・ファミリアは未だにベル1人。現状ではベル1人では深い階層に潜ることは出来ず、ひいては彼の成長を妨げてしまう。

 何故なら冒険者達の成長には『経験(エクセリア)』と呼ばれる、文字通りに“人生の経験”を糧として、“神の恩恵(ファルナ)”と呼ばれる神々の恩寵によって成長していく。

 この経験はモンスターと戦うだけではなく、知識を得ることでも獲得できるが、上質な経験――格上のモンスターを撃破する等――を得る為にはやはりダンジョンに深く潜った方が効率が良い事は確かだからだ。

 

 

 (あまりベル君には危険な事はさせたくないんだけれども・・・でも彼が強くなりたいって決心した事を妨げる訳にもいかないし、やっぱりファミリアを増強するのが一番良いのかなぁ・・・)

 

 

 愛しの眷属が心配で仕方が無いヘスティアは彼の為に自分が出来る事をしようと決意した、そんな時であった。

 

 

 「店員さん、これはなんて食べ物だい?」

 

 

 1人の青年が現われたのは――――

 

 

 

 

 

 ■◆■◆■◆■◆■◆■◆

 

 

 

 

 

 「へぇ、それで君はオラリオまで来たって訳かい」

 

 「あぁ、外で戦えるモンスターは一通り倒しちまったしな。だから折角だしオラリオで腕試しがてら冒険者になりに来たって訳よ」

 

 

 青年――アッシュと名乗った――はオラリオの外から先ほどやって来たばかりの流れのモンスター狩りらしい。

 どうやら彼は自分の腕を試したくてオラリオに来たようだが・・・

 

 

 「でもさぁ、ダンジョンに入る事ができるのは神の恩恵を受けた冒険者だけだよ?後は18階層のリヴィラって街で商売を営む人くらい。ファミリアに入らないとまず無理だよ?」

 

 「えっ、何それ聞いてない」

 

 

 しまったー!と頭を抱えるアッシュを横目にヘスティアは考える。――どうやって彼を自分のファミリアに勧誘しようか――と

 

 

 「店員さん?おーい?」

 

 「ん?おっとごめんよ。少し考え事をしてしまってね」

 

 「いやまぁ良いんだけどよ。んでどっかさぁ、良さ気なファミリアとか教えてもらえない?出来れば人少な目な所とかがいいんだけど」

 

 「ほうほう?キミは実に運がいいなぁ!」

 

 「は?」

 

 「何を隠そう、僕も神の一柱、その名もヘスティア様だ!今ならウチはメンバーも1人だし、キミの希望には添えると思うぜ?」

 

 「マジかよ・・・」

 

 

 なんたる僥倖か、彼からファミリアについて聞かれたのはこちらとしても運が良い。これで彼が首を縦に振れば後はトントン拍子に勧誘、眷属としてベルと一緒にダンジョンに潜る仲間が出来る。

 眼前ではこんなガキが・・・とか神ってバイトするんだ・・・とか言ってるが気にならない。ならないったらならないのだ。

 

 「さぁ、どうする?勿論一度ギルドに行って他のファミリアを紹介してもらうって手もある訳だし、直ぐに決める必要はないんだけれども・・・」

 

 

 言いながらも後半は声も弱々しくなり、若干ながら震えてしまったが。

 

 

 「んー、そうだなぁ。でもイチイチあっちこっち観て廻るのもメンドクセェしなぁ」

 

 

 幸いアッシュは気付いてないようだが、ヘスティアのその無駄に実った胸の内では同じく無駄に貼った見栄の所為で絶賛困惑中。澄ました顔に冷や汗を流しながらもどうか入るって言ってくれ、と必死に願っていた。

 

 

 「うっし、んじゃここで会ったのも何かの縁って事で、アンタのとこのファミリアに加入させてもらうかな」

 

 「ほ、本当かい!?後でやっぱりやーめた、とか無しだよ!?」

 

 「流石にそんなマネしねーって」

 

 「絶対だよ?特にロキのトコに行くとか言い出したら思いっきり泣いてやるんだからね!」

 

 「わーったよ・・・っつーかロキって誰さ・・・」

 

 

 ロキはホンット嫌な奴でさぁ! はいはい、後でゆっくり聞きますってば

 そんなこんなでヘスティアファミリアに新たな眷属が加入する事になったのだった。

 

 

 

 

■◆■◆■◆■◆■◆■◆

 

 

 

 

 

 「さぁ、ここがボクらの拠点だ!」

 

 「なんつーか・・・ボロいな。ここに住んでるってマジ?」

 

 「流石にストレートに言われるとヘコむなぁ・・・」

 

 

 ヘスティアのバイトが終わるのを待って2人でヘスティア・ファミリアの拠点へといざ向かうもののその実態はボロボロの廃墟同然ともいえる教会。これは酷い。素直にそう思ったアッシュだった。

 

 

 「まぁ実際に生活しているのは地下の書くし部屋なんだけどね」

 

 「へぇ。そいつぁロマンがあっていいな」

 

 「ま、ここで話ててもしょうがないし、入って入って」

 

 

 そう言って階段を下りて部屋に入ればそれなりに人が生活出来そうな一室に。

 だがしかし

 

 

 「え、ベッド一つしかねーの?」

 

 「あ、はい」

 

 「ちなみにセンパイって性別は?」

 

 「男です・・・」

 

 「ソファーも一つ?」

 

 「うん・・・」

 

 

 アカン。

 この瞬間2人の胸中はシンクロしたのだった。

 

 

 「とりあえず神の恩恵とやら貰ったら適当に毛布でも買ってくるかなぁ」

 

 「悪いね・・・こんな貧乏ファミリアで」

 

 「いや、数ヶ月野外でモンスター狩りで野宿とかしてたし別にいいけどね?」

 

 「それが普通になってるのもどうかと思うけどね・・・」

 

 「まぁその辺は後にして早速やってもらってもいいか?」

 

 「そうだね、それじゃあ上を脱いでベッドにうつ伏せになってくれ」

 

 「あいよー」

 

 

 言われた通りにするとヘスティアは腰の辺りに乗り神々の古代文字、神聖文字(ヒエログリフ)を用いて神の恩恵―ステイタス―を刻み込む・・・刻み込む、のだが

 

 

 「あん?もう終わったのか?」

 

 「・・・ぅえ!?あ、いや、ちょっとまだかかるかな」

 

 「ふぅん・・・」

 

 

 やや焦った様な、緊張した様な上ずった声に、アッシュはヘスティアを観察する。

 焦りや緊張・・・この場合初めて神の恩恵を刻む訳ではないはずだしその線ではないだろう(もっともヘスティアが経験豊富かと考えればこの拠点を見ればそれは無いと言えるだろうが)

 と、なると自分のステイタスが存外に高かったのか・・・それとも最低値を記録したのか。どちらにせよ。

 

 

 (ま、なるようになるだろ)

 

 

 この男、結構楽天家であった。

 

 

 

 

■◆■◆■◆■◆■◆■◆

 

 

 

 

 

 「さてさて、これがキミのステイタス!・・・なんだけど」

 

 「もったいぶらないで早く見せてくれよ」

 

 

 ステイタスを書き終えたヘスティアが口ごもるのを見て多少困惑すれども、そこは年頃(24歳)のオトコノコ。ワクワクしてしまうモノである。

 

 

 「いや、何て言うかさぁ・・・キミホント今まで何相手にしてきたの?って話なんだけど」

 

 「何ってそりゃモンスターだけど・・・後たまに山賊とか」

 

 「いや、うーん・・・まぁとりあえず見てみようか。ほれ」

 

 

 

 

     アッシュ・W   Lv4

 

   力 :I 0

   耐久;I 0

   器用:I 0

   敏捷:I 0

   魔力:I 0

 

   <スキル>

  異形殺し(ヴァリアントキリング)

  ・己が異形と認識した相手への殺傷率を高める

  ・相手が多ければ多いほど自己への能力値補正

  ・アイテムのドロップ率が高くなる

 

   <魔法>

 

 

 

 

 「へぇ。最初からLv4って凄い感じ?」

 

 「相当凄いからね?変に言いふらしたら他所の神から手出しされちゃうかもね」

 

 「ふーん」

 

 「いや、ふーんってさぁ・・・」

 

 「いや、ウザかったら殺すし、問題無くね?」

 

 

 問題大有りだよ!うがー!等と叫ぶヘスティアを他所目に思考を重ねる。

 これでも10年近く修羅場をくぐったし、それなりに死にかけた事もある。ぶっちゃけこれくらいなってても可笑しくはない・・・きっと・・・多分・・・メイビー

 

 

 「一体君は何と戦ってきたんだい・・・?」

 

 「だからモンスターだってば・・・」

 

 「いや、種類をだね?」

 

 「種類って言われてもなぁ・・・メジャーなとこだとゴブリンやらコボルトやらオーク、後は・・・ドラゴンとか?」

 

 「ファッ!?」

 

 「いやぁドラゴンって肉美味いんだよなぁ。特に尻尾の辺りは結構コリコリしてて焼いて良し煮て良しと最高の食材だぜ?」

 

 「知らないよ!そもそも普通ドラゴンは食べないよ!」

 

 「マジかよ。オラリオ遅れてんなー」

 

 「ダメだこいつ。なんともならない」

 

 「そう言えば片目の真っ黒いドラゴンは強かったなぁ。アレは勝てるイメージが浮かばねーし」

 

 「へぇ、そんなに強いのもいるんだ?」

 

 「おう、武器が全く通じなくてあん時は困ったぜ。かろうじて鱗数枚剥ぐ事が出来たからそれは今武器に使ってるんだけどな」

 

 「そういえばキミが提げてるのは直剣かい?」

 

 「おう。材料が材料だから加工にも一苦労あったらしくてな、70Cくらいにしかならなかったんだよなぁ」

 

 

 なんかそれ禍々しいんだけど・・・ なにおう!?

 そんな風に2人が交友を深めているとアッシュが言う所のセンパイ・・・ベル・クラネルが帰ってきた。

 

 「神様ー!ただいま戻りました!」

 

 「おぉ!お帰りベル君!」

 

 「ただいまです。っと、そちらの方は?」

 

 「あぁ、今日ウチのファミリアに加入したアッシュ君だよ!」

 

 「ドーモ。ベル・クラネル=サン。アッシュデス」

 

 「あ、どうも初めまして、ベル・クラネルです」

 

 「さてさて、ベル君も帰ってきた事だし、早速歓迎会といこうじゃぁないか!」

 

 「わぁ、それは良い考えですね!今日は腕によりをかけてご馳走を作りますよ!」

 

 「ゴチになりやす!」

 

 「アッシュ君は調子いいなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

 こうして、アッシュのオラリオ初日は平穏無事に終わりを告げる。

 

 

 これは己が腕がどこまで通用するのかを知りたくてダンジョンに挑む、一人の青年を中心とした眷属の物語(ファミリア・ミィス)

 進む先は修羅の道か、はたまた別の道なのか・・・

 

 

 

 余談であるが、この日毛布を買いに行けなかったアッシュはタオル一枚に包まって寝たそうだ。




アッシュ
俺そこそこTUEEE系オリ主
戦闘狂っぽい所もあるがそこそこ常識人
最後辺りに言ってた片目の黒い竜はアレですアレ

ヘスティア
原作だとこの辺りでは確かベルと両想いとか勘違いしてたような気がしないでもないっすね(ウロオボエー)
割りとコイツってツッコミ役にするとちょくちょく動いてくれるのでスゲー楽

ベル
影が薄(
お前の出番無ぇから!

リリ
合法ロリって最高じゃないっすか?


それなりに高評だったら続くかもしれないし続かないかもしれない、そんな短編
ここまで読んでいただきありがとうございました。
指摘やら感想やら貰えると嬉しいです。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。