刃金と血霞のグリムガル   作:足洗

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一週間くらいで書けるやろ→二週間経っても終わらねぇ……



自分がマジで無能に思えるこの頃。


第10話 報仇の刃

 

 

 

 

 

 今日も今日とて北門だった。

 お決まりの集合場所にぞろぞろとハルヒロ達が向かっていくと、そこには既に先客があった。

 白く素朴な神官服を美麗なドレスと見間違う。相も変わらずメリイは綺麗だった。

 朝の光に一箇所だけぽっかりと“虚”がある。その空間だけ濁った闇が滞留しているようだ。相も変わらずハバキはおどろおどろしかった。

 対照的過ぎる二人、そのあまりのコントラストに眩暈がしそうだ。

 近寄っていくとハバキがこちらを見る。どうやらハルヒロ達を待ち受けていたらしい。

 

「おはよう。早いね、ハバキ」

 

 そう言ってマナトは笑った。なんてことない挨拶だ。けれど、ハルヒロにはその声がどこか嬉しげに感じられた。

 不意に、ハルヒロとマナトの間を一房に結われた赤毛がすり抜ける。ユメだ。

 ユメは迷いない足取りでハバキに近寄っていった。

 

「むむむ~」

 

 そうして何をするのかと思えば、ユメはまずハバキの全身を上から下まで隈なく観察し、それに飽き足らずハバキの周りをぐるぐる回って360度余さず観察し尽くした。

 観察が終わってもまだ足りないのか、今度はハバキの身体をぺたぺたと触り、仕舞いには背伸びをして顎や頬や額にも指を這わせている。

 あまりの遠慮のなさにむしろ見ているハルヒロの方がハラハラした。ハバキもハバキで黙ってされるがままなのがまた可笑しいというか不気味というか。

 満足、にはまだまだ足りていない。見るからに不承不承、ようやくユメはハバキを解放した。

 

「ケガ、してへんよね? どっか痛いとこない?」

「どうした藪から棒に」

「だって……!」

「その為に神官を雇ったんだろうが」

 

 要領を得ない子供みたいなユメを、ハバキは、けれどその言い様ほど邪険にはしなかった。

 マナトがハバキを見て嬉しそうにしてたのは、つまりはユメと同じ。ハバキが無事なのを確認したからだろう。

 結局、昨夜はハバキと落ち合うことなく、かといってシェリーの酒場でも会うことはなかった。せめて宿舎に一度顔を出しに来てくれればここまでユメが心配することもなかったろうに。そんなマメなことをする奴じゃないのは、ハルヒロとて知っているが。

 ハバキの言葉を聞いてもユメは納得行かないようだ。じと、と上目遣いにハバキを睨んでいる。ユメがハバキに凄んだところで小動物が虎を睨むようなものだろう。ちっとも堪えやしない。

 

「進捗は」

「んんっ~」

 

 胸元くらいにあるユメの頭を撫で繰り回しながらハバキは言った。その扱い方はまるで子犬である。

 忍び笑いを堪えながらマナトが答える。

 

「昨日の成果は泥ゴブリンが六匹。黒狼の牙とか爪とか、装飾系の実入りがあったかな。硬貨は相変わらず状態が悪くてダメだった。そのあたりは特に以前と変わらない……帰り際、スケルトンを見付けた」

 

 そうマナトが口にした時だ。ふと、ハルヒロはメリイに目を引かれた。いや、無論彼女は際立って人目を惹く容姿ではあるけれども今はそうではなく。

 一瞬、その怜悧な無表情に変化が見えた、ような気がする。感情、色が。ただ、あまりに微かなそれをハルヒロは判読することができなかった。

 

「死んだ人間の成れの果て、だったか」

「うん、神殿で学びはしたけど、俺も実際に見たのは初めてだった」

「戦闘は」

「避けた。即時撤退」

 

 言葉通り、スケルトンの一団を遠目に確認した時点でマナトは即座に回避を選択した。アンデッドという未知の存在との戦闘を避けるのは勿論のこと、もっと単純な理由がある。

 果たしてハルヒロ達に、人の形をしたものを殺せるのか……という問題。

 ハバキならこう断言するだろう。

 

「無理だな」

「……やっぱり」

 

 未熟で未熟な見習い義勇兵。正式な団章さえまだ手に入れられない。ゴブリン退治でようやく首の皮を繋いでいるハルヒロ達。

 そんな自分達が――人を殺す。人、元人間、人でなくなったナニかを、殺す。

 重い。その事実が肩に圧し掛かれば最後、ハルヒロなど押し潰されてしまうだろう。

 

「今はまだ」

「え?」

「ダムローの方はどうだ」

 

 それは評価か期待か。どちらにせよハルヒロ達にとって不吉極まる呟きについて触れられることはなかった。

 

「噂は本当だった。旧市街のゴブリン、明らかに“質”が変わってきてる」

 

 マナトの言に、ハルヒロは頷いた。

 ハルヒロ達はマナトの退院までダムロー旧市街を一度も訪れなかった。どうもその一週間の内に、旧市街の様相に変化があったらしい。

 曰く、ゴブリンの数が増えた。

 曰く、ゴブリンの装備が良くなった。

 曰く――ゴブリンが強くなった、と。

 ダムローは元々人間族が居を構える広大な街だった。全盛のその規模はオルタナなど比べ物にならなかったそうだ。不死の軍勢により人間は駆逐され、不死の王の崩御とそれに合わせたゴブリンの反乱の末、今やここは彼らの支配地となっている。

 ゴブリンの本拠地はさらに北西の新市街だ。旧市街は新市街の権力争いに破れた、またそもそも闘争の舞台にすら上がれない、謂わば都落ちした下級のゴブリンが追いやられる場所である。粗末な装備と貧相な身体、ハルヒロ達のような見習いでも狩ることができた。というよりゴブリンを狩るのは見習いぐらいだ。

 それが変わった。

 シホルが杖を抱くように握り締める。

 

「昨夜、皆で酒場で聞き込んだら、ここ一週間何組かのパーティが帰って来てないって……」

「へっ、全滅だよ全滅。腐って骨になってんの見たろうが。ま、所詮はそこまでの腕だったって話。ゴブリンスレイヤーたる俺ら以下のへなちょこだったんだろ」

 

 いかにも悪ぶってランタは鼻を鳴らした。ランタの意見に便乗するのは途轍もない屈辱だけれど、多分あのアンデッド達はそういうことなのだろう。今までダムロー周辺でアンデッドに出会ったことなんて一度もなかった。つまり彼らはごく最近現れた。いや、ああなった(・・・)

 おずおずとモグゾーが口を開く。

 

「その戻って来なかった人たち、普段はオークも相手にしてた、らしいんだ」

「そ、それはあれだ。俺らは知らず知らずオークさえ凌駕する力を手に入れていた……のかもしれない!」

「侮る訳じゃない。でも、ゴブリンがちょっとやそっと強くなったからって、実力の確かなパーティがいきなり全滅するなんてありえるのかな? ハバキ」

 

 ランタの世迷言を流しつつ、マナトが言った。

 ダムローの現状については昨夜から皆で考察している。一向にそれらしい予測も立たないが。

 しかし、思い出すこともある。

 

「……やっぱり、あの鎧兜のゴブリンと関係あるのかな」

「なくもねぇだろうな」

 

 ハバキは腰に吊るした刀の柄に手を置いた。

 あの日、巨大なホブゴブリンとそれを従えた鎧兜のゴブリンをハバキが斬り殺した。間一髪のところをハルヒロは救われ、マナトも九死に一生を得た。たかだか一週間と少し前の出来事が随分昔のことのように思えてしまう。そんな濃密過ぎる体験。

 

「新市街で上層階級に上り詰める為に一旦旧市街に勢力を築こうとしてる……?」

「その戦端がお前を殺しかけたあのゴブリンだったのかもしれん。ゴブリン共の旧市街への流入が早まったのは人間に対する戦力の逐次投入が無駄だと覚ったからか……とはいえ反応が早すぎる。あるいは、そも新市街での権力闘争など眼中にない統率者、扇動者がいたのか」

「新市街が目的じゃない? ……旧市街での戦力動員。まさか、オルタナを? でも、そんな。今更ゴブリンが人間側に戦争を仕掛けるなんて。近くにはオークも布陣してるのに」

「流石にそれは飛躍が過ぎる。だが人間族の領土近くでありえないにせよ戦争準備染みた動きをしている。驕るだけの“何か”があるんだろうよ」

「……全面的な戦争じゃなく、散発的な略奪が目的だとしたら」

「呵呵、騎馬民族のようにか! 面白れぇ」

 

 マナトとハバキ、なにやらひどく込み入った話になってきている。戦争だの略奪だの物騒な用語に事欠かないのがまたハルヒロの不安を煽った。対してハバキは実に楽しそうである。

 

「ごめん。長くなったけど、ダムローの現状と俺たちの成果はそんなところ」

 

 マナトはそう締め括り、頬を掻いた。

 

「ハバキは今日もサイリン鉱山?」

「ああ」

「そっか。気を付けて」

「他人を慮る余裕があるとは驚きだ。病み上がりが油断するんじゃねぇぞ」

「うん、わかってる……ありがとう」

 

 厳しいというか、ひたすら荒っぽいハバキの言葉にけれどマナトは微笑んだ。ハルヒロなら首を竦めつつ反発しそうなものだが。

 言うだけ言った時にはもうハバキは歩き出していた。一方的に話は済んだと、マナトの感謝も聞いているのかいないのか。

 メリイもまたその後に続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サイリン鉱山第三層。

 ここまでエルダーの襲撃が三度。いずれもフォロア三匹から四匹を連れた一団。全て殺し切る。

 装備、練度共に然程の変化はなし。個体により若干の身体能力差あり。

 三層のレベルの程は知れた。ハルヒロらの現状戦力でも攻略は可能であろう……ダムローでの狩りが儘ならぬ今、奴らがどこに河岸を移すかなど己の頓着する所ではないが。

 階層を移る。

 仄暗い洞の道を歩けば、程なく“穴”がハバキ達を待ち受けていた。ヒカリバナの淡い灯火が縦穴を壁伝いに下へと続いていく。

 井戸。義勇兵共の間で呼び習わされる通称であるが、不吉な響きでしかない。井戸の底とは本来、人の踏み入るべき場所ではないのだから。

 

「……」

 

 穴の縁の縄梯子を伝い下りる。階下までの高さは精々五、六メートルといったところ。

 坑道を進む。背後からは控えめな足音を聞く。神官の娘は大人しく、ただハバキに随った。昨日と比べても大人し過ぎるほどだ。今のところ一言とてハバキはこの娘と言葉を交わしていない。取り立てて必要だとも思わない。それは彼方とて同じ筈だ。

 ――しかし、懸念が絶無かと言えば嘘になる。

 “ここ”がこの娘にとって平穏無事な場所である訳がないのだから。

 

「……?」

 

 やや下りに傾斜する道を進み続けること暫時。狭い坑道が終わり、途端視界が一挙に広がった。

 広大な空洞である。どうやらドーム上の空洞に空いた一個の横穴から出たらしい。僅かに小高いこの場所からは空洞の全貌を望むことができた。

 第四層、ここは謂わば農場であり牧場。畑の畝に整然と種々の植物が植え育てられている。石で組まれた垣の中には家畜と思われる動物も見て取れた。豚か鼠かも判らない毛のない獣。手足を持たぬ爬虫類とも昆虫とも言えぬなにか。

 奇怪な生物だった。が、驚いたのはむしろコボルド共に農耕、畜産技術があったことである。まあ、武装し、冶金技術まで用いる者らに対して今更何をか言わんや。奇怪奇妙など初めから事足りている。

 視界内にコボルドの姿はない。あるいは家畜番が垣根の陰に立っているやもしれん。

 見付かれば奴らは鳴声で仲間を呼ぶ。とは、メリイの言である。今のところそれを許してはいない。

 

「五層へ下りる」

「……」

 

 娘は沈黙を貫いた。反駁さえないなら委細問題もなし。

 こちらの言葉が伝わっている内は返答など不要だった。

 

「……私が付いていく意味、あるの?」

 

 そう思っていた矢先、娘が呟いた。それは問いかけの体ではあったがその実、独白に近い。

 

「依頼内容が不満か」

「別に……ただの疑問。あなたには神官も、まして他の仲間だって必要には見えないけど」

「こんな捻た野郎と組みたがる物好きが、生憎と見付からなくてな」

「……」

 

 皮肉を返されたとでも思ったか、娘からは冷えた視線を背中に感じる。今言ったことも一面的な真実ではあるのだが。

 

「今回に関して言えば、マナトの思惑に乗ってやっただけだ」

「思惑……?」

「そもそも、戦闘要員が一人のところへ神官を一人付けた程度で、本当に安全が買えると思うか?」

「それは」

「むしろ逆に、己自身と背後に庇う神官とでリスクが増している。戦闘役(アタッカー)は護衛対象がある為に動きを制限され、治癒役(ヒーラー)の危険度などはもはや語るに及ばない」

「じ、じゃあ、なんで……」

 

 背後の足音が止まる。錫杖の環が場にそぐわぬ涼しげな音を奏でた。

 振り返った先で、その娘は立ち竦んでいた。俯き垂れた髪の下、その表情を窺い知ることはできない。

 何故。問われたなら答えるまで。

 

「俺の行動を封殺する為だ。神官を連れ歩く以上危険は冒せず、結果、安全策を執らざるを得ない」

「……」

 

 果たして、娘はそれをどのように捉えたろうか。愉快である訳がない。

 何故ならば彼女は詰まる所、ハバキの足手纏いとなるよう雇われた(・・・・・・・・・・・・・・・・・)のだから。

 一般的な感性を持ち合わせた人間なら憤慨して然るべき事実であろう。無能たるを買われた、それは屈辱以外の何ものでもない。

 相も変わらず娘の感情は読めず……いや、髪間にその瞳を見付けた。暗く、淀み、光も僅かな双眸を。

 

「そんな……それじゃあ私……わたしはっ…………」

 

 怒りと言うには脆弱、悲しみと呼ぶには静謐に過ぎる。それは、おそらくはもっと救いようのない情念(モノ)

 

「……何を考えてるか知らんが、お前は――」

 

 何を口走る気であったのか、小娘のご機嫌取りでも考えたかよ。どうであれ幸いにして己の愚昧な言動は――“彼ら”のお陰で実現を免れた。

 一歩で娘に接近し後方へ押しやる。彼女は反応もできず、その身体は実に従順にこちらの腕力を受け入れた。細く軽い。抱えたまま早駆けようが何程の支障もあらぬ。

 

「なん……!?」

 

 たっぷり一秒間を要して少女は自失から醒める。当然そこには驚愕困惑苛立ち等目まぐるしい感情が想起された。人がましく大変結構。

 次の瞬間、先程まで娘が立っていた場所に陰が差す。覆い、塗り潰し、遂には着弾(・・)した。

 

「!?」

「……」

 

 十メートルも離れればその全容は即座見て取れた。

 逆巻く土埃の中からそれは身を起こす。人間では長身の部類であろうハバキを見下し嘲笑う巨躯。そもそも体格が、質量が違い過ぎる。どのような突然変異を経ても人類が純粋な肉体のスペックでこの異形(モンスター)に勝ることは不可能であろう。

 純粋無比。巨大であるということは、ただそれだけであらゆる優位性を獲得する。

 二足で立ち、歩行する故に奴らは両の手で武器を操る。例に漏れずそれは片手に長大な剣を握っていた。棟があり片刃だが反りは無く、形状は鉈か包丁に近い。近しいなにか(・・・)だ。生憎、刃渡りだけで自身の身の丈ほどもある包丁などハバキは見聞きしたことがない。

 コボルドであるらしい。身体的特徴はほぼ相違ない。単に各部のスケールが二倍から三倍に巨大化しているだけだ。

 目を引くのは黒と白、その斑の被毛。

 

「ッッ……デッド、スポット……!」

「なるほど、こいつがそうか」

 

 聞き覚えはあった。

 義勇兵、人間だけを執拗に殺戮する巨大なコボルド。遂にはその首に賞金という輪を掛けられた犬畜生。

 それが突如として降ってきた。比喩でもなく事実として、見上げたドーム上の空洞、そこには無数に穴が穿たれている。そうして今も続々と武装した犬共が穴倉から這い出て来ているではないか。見た目通り穴掘りはお手の物らしい。奴ら自分達専用のトンネルをこさえていたのだ。

 盛大な金属音を響かせ降り立つコボルド、コボルド、コボルド――際限もない。このまま大人しく待っていればこの階層を埋め尽くすまで増えるかもしれない。

 鯉口を切る。

 そろりと二十匹を超え始めた。もとより奴輩の殺意は万端研ぎ澄まされている。

 とりわけデッドスポット、彼奴のそれはどこか常軌を逸している。

 人をこよなく憎む者。相手に取って不足なし。

 張り詰め、解れ始めた糸を幻視する。この場を辛うじて制止させている見えざる糸。千切れたが最後、殺合いが始まる。双方いずれかが死に絶えるまで決して終わらぬ死合いが幕を開ける。

 それはハバキとコボルド共による暗黙の合意であった。その瞬間が訪れたなら、存分に、心置きなく。そのような了解事項が言葉無く空間を蔓延していく。

 ――――しかし、ただ一人。

 流れに飲まれぬ者がいた。阿呆共の愚昧な都合など知ったことかと、ただひたすらその情念に飽かせて踏み出す者。

 

「!」

「っっ!!」

 

 自身の横合いからその少女は跳び出した。両の手で握った錫杖を大きく振り上げ、無謀にも、かの死の斑目掛けて。

 突貫。特攻。その結末は見るまでもない。死するは一人。

 

「ちぃっ……!!」

 

 小娘。

 矮小で脆弱なその人間をデッドスポットは歓待した。巨大な肉切り包丁が天井を差す。出来上がるのはなんだ。小間切れか? 挽肉か?

 分かりきった末路だ。

 それはどこまでも、分かりきった――――

 刹那その小さな背中を追い抜いた。肩口で突き飛ばす。位置が入れ替わる。眼前を埋め尽くす巨剣。切先。

 既に、刀身は鞘を走っている。

 最悪の位置関係。彼は上位。我は下位。覆し難き重量差、そして重力的劣位。

 事ここに至ってはもはや速度など意味を成さず、もとより機を逸している。

 砂一粒の時の狭間、取り得るはただ一手。

 肉体のスペックでは断じて敵わぬと今しがた認めたのだろうに。

 膂力と膂力。

 その愚を。

 冒す。

 

「ガァハァァァアアアアアッ!!」

 

 抜き打つ。下方より弧月を描き。

 斬。

 

「おおぉぉぉぉおおおおお!!!!」

 

 視界に咲き誇る火花、散り行く鉄の粉雪。

 衝突。激突。刃金が劈く。

 脚先が地を抉り砕いた。全身の筋と骨が悲鳴を上げた。

 そして、瞬く。刀身が砕け散る。

 

「ぐぉあっ……!」

 

 肉体の芯を貫く激痛に腹腔より苦悶が漏れる。が、対手の驚愕に比ぶれば己のそれなぞささやかなもの。

 

「ゲハァァァアァァアア!?!?!?」

 

 ――斑毛の怪物が飛んでいる(・・・・・)

 全長二メートル超の巨体が宙を舞う。それは驚きより先に失笑を伴った。奇天烈極まる光景だ。

 その衝撃は、どうやら相手方こそ一入である。勢い勇んでこの場に現れ出でたエルダー共は、開始早々空を飛んだ頭目の姿に唖然と動きを止めた。

 好機。

 まともな(・・・・)左手を駆使し、ジャケットの内側に指を這わせる。金属の冷えた手触り。投擲用(スローイング)ナイフ。その数本を指で挟み込む。

 腕全体の脱力、前腕を撓らせるように――擲つ。

 

「ギャッ!?」

「グルォ!!」

「キャウンッ!?!?」

 

 過たず、前方で密集していた数匹のコボルドへ、手足、肩、顔、区別容赦なく突き刺さった。好都合にも数に飽かせてぞろぞろと集まってくれている。投げ打った分だけナイフは命中する。

 (むしろ)にされたコボルド共は堪らずパニックを起こした。

 混乱によって生じた猶予はごく短い。他のエルダーを下敷きにしたデッドスポットがいつまでも大人しく寝ている訳がない。

 一寸の間を惜しんだ。ハバキは手始めに己の後ろで蹲る少女を肩に担ぎ上げた。

 

「っ……!」

 

 抗議も何もかも一切聞く耳は持たん。

 この場、この状況、もはや戦闘続行は不可能である。

 逃げるに如かず。

 疾駆する。当然、後塵を踏み散らし奴らは追ってくる。鎧われた甲冑の(かね)が鳴り響き、続いてそれを消し飛ばす凄まじい地鳴り。咆哮。デッドスポット、彼奴が迫っている。

 ハバキ達が使った坑道は――確認するまでもない。既にコボルド共が先回りを済ませ待ち受けている。

 ならば行く道は一つ。

 下層へ。

 足元に次々着弾する(ボルト)。一瞬でも足を止めれば今度はこちらが矢の筵だ。

 垣を一つ過ぎ、跳び越え、豚蚯蚓共の合間をすり抜ける。どうやらこいつらにとって(ねぐら)に入り込んだものは全て餌であるらしい。足先に齧り付こうとするそれを躱し、時に蹴り飛ばしながら垣の外へ。

 包囲の間隙の先。見付けた。小さな井戸。

 梯子を手繰る暇はない。

 井戸の縁に足を掛け、踏み出す。浮遊感、重力の手が身体を掴む。暗闇へ。

 僅かな光さえも、そうして消え失せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒と白、相反する二色。混ざり合わず、濁り、薄汚れた――斑。その色彩を目にした瞬間、気付くと走り出していた。手には錫杖を握り締めて。噛み締めた唇は鉄錆の味。視野は狭まり、全身の血が沸騰してるみたいに熱い。

 何故そんなことをしたのか。

 その結果どうなるのか。

 知っている。分かりきっている。だのに、断行した。

 そうせずにはいられなかった。

 ああ、でも、きっと。

 これも所詮、諦めに過ぎない。自分の中でどろどろと粘性を持った黒いもの。それはいつも吐き気や不快感、死ぬほどの倦怠感でメリイを蝕んだ。でも実際には、こんなもので死ねやしない。人は、こんなもので死ぬんじゃない。

 人が死ぬには、そう、“これ”だ。“これ”がいい。

 とてもとても(おお)きなこの剣なら、ざっくりざっくり死ねるだろう。簡単に、あっさりと。死ねる。

 やっと……そうか。やっと(・・・)、終わるんだ。

 自分がこんなにも、それを待ち望んでいたなんて。

 驚きは少なかった。溜息のような納得だけがある。

 ムツミ。

 オグ。

 ミチキ。

 

 ――もう、いいよね

 

 時間を喪失した。ほんの刹那の間、メリイの意識は確かに消え、死を受け入れた。

 しかし、メリイという少女は今なお生きている。

 その背中が、メリイを生かした。

 もはや絶体絶命。完全不可避と思われた窮み。それすら、彼は――赦さない。

 決して、赦してなどくれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 不意に、身体が投げ出される。まるで巻き藁でも放るような乱暴さ。

 仄明るい場所だった。ヒカリバナの淡い光だけではなく、建ち並ぶ朽ちた列柱の白さ、それがこの地下らしからぬ明るさに一役買っている。ここは教会だ。長い時間を地下で過ごす鉱夫達の為に造られたルミアリスの祈りの場。コボルドにはコボルドの信仰するまた別の神が存在する。奴らがここに寄り付くことは滅多にない。

 そして、だからこそここはメリイ達の休息の場所だった。敵の追撃を逃れここに辿り着いたのは当然の結果と言えた。

 それでも思わずにはいられない――何故よりによって今、ここに、と。

 

「っつ……」

 

 強かに背中を地面に打ちつけ、メリイは痛みに顔を顰めた。

 それを睥睨する視線。氷柱のような烈火のような、相反する印象。あるいはどちらでもない。

 ハバキ。黒い男の冥い眼光がメリイの身体を貫いた。

 思わず目を背ける。叱られた子供の有様で。そうして逸らせた視線は男の右手を捉えた。小刻みに震えている。(おこり)というより、それは壊れた機械を思わせる。

 何が原因かなど、それが解らないなら自分の頭はいよいよまともじゃない。

 デッドスポットの強烈無比な一撃。人外の腕力に巨大な包丁剣の重量を加えた恐ろしい破壊力。それを正面から受け止め、あまつさえ弾き返した。

 その代償がこれだ。筋か骨を痛めたのだ。あるいは麻痺している。握力もほとんどないのかもしれない。そういえば刀は。彼の唯一の武器は。

 あった。左手に持ち変えられている。しかし、その刀身、刃は、半ばから折れ、砕けていた。

 メリイは、言葉を失った。

 けれど滲み出す罪悪感に酔うよりも先にやるべきことがある。

 

「ち、治療を」

「どういう心算(つもり)だ」

「え……?」

 

 静かな声音が問いかけてくる。こちらの申し出など切って捨てられた。

 

「先刻のあれは何の真似かと聞いている」

 

 硬質な、まるで鋼の冷たさを湛えて。

 メリイは咄嗟に答えを返せなかった。何を言っても言い訳染みていて、何を言っても真実から程遠い、そんな気がする。弁解すら思い付けない自分は不遜だろうか。

 ――――違う。言えないのだ。言いたくない。“それ”を知られたくない。

 

「……」

 

 男はメリイの沈黙をどうのように受け取ったのか。陰に沈んだ貌からは判読不能だった。

 

「そんなに死にたかったか?」

「!?」

 

 何の前触れなく、男はメリイの核心を衝いた。微塵の手心もなく、あっさりと。

 息が詰まり、全身が硬直した。顔を上げられない。その目を直視できない。

 しかし、やはり、男はそのような甘えを許しはしなくて。

 胸倉を掴まれ、引き起こされる。有無など言えない凄まじい力。無理矢理に上げさせられた両目とその両目が交差する。

 鬼火。幽かな光が、しかしゆらりゆらりと瞳の中で燃えていた。

 焼き付く。メリイは自分の瞳の中にその光が刻まれるのを感じた。

 心臓を鷲掴みにされるかのような、恐怖。背筋を冷たい汗が伝った。

 

「デッドスポット……あいつは、皆の……私の仲間の仇、だから……」

「仲間の仇討ちの為に、死を覚悟して挑んだと」

「……そ」

(いいや)、違う」

 

 肯く間さえ与えない。ハバキの目は、メリイの奥底を既に捕えていた。

 

「当ててやるよ。手前(てめぇ)はな」

「やめ、て……」

 

 うわ言のように拒む。駄目、嫌。その先に続く言葉は、それを聞いてしまったら。

 

「手前は、ただ死んで楽になりたかっただけだ」

「っ……」

 

 息が詰まる。呼吸ができない。だのに、心臓は早鐘を打ち続ける。耳にじくじくと血の流れる音がする。

 手を放され、そのまま身体は崩れ落ちた。立ち上がるだけの力もない。蹲り、冷えた地面を見るともなしに見ている。そこへ点々と何かが落ちては土を黒く染めた。零れた涙が、土を汚した。

 

「下らねぇ」

 

 男は不快げに吐き捨てた。

 

「下らねぇ命の使い方しやがって。溝に捨てる方がまだマシだろうよ。えぇ? 小娘」

 

 嘲笑。罵倒。その悪意を隠そうともせず、ハバキはメリイを嗤った。その無様を。その愚行を。

 事実だ。メリイが何を思い、どうしてあのような強行に走ったか。この男の言う通り、反論の余地はない。理解できる。これ以上にない実感を伴って。

 けれど。

 

「……」

 

 けれど、でも、どうしても。納得できない。得心が行かない。

 何故なのか。今更胸に湧いて出るこの、反発。反抗心。

 

「……そう、かもしれない。でもっ」

 

 それは徐々に、燻っていく。熱を放ち、遂には赤々と火を上げた。

 それは怒りだった。純然とした憤り。

 メリイは顔を上げた。今頬に流れた涙に滲むのは悲しみではない。歯を食い縛るほどの悔しさだ。

 

「あなたに……あなたなんかに何がわかるの」

「解らんな。報仇の為に死ぬ覚悟もできない、そういう輩の性根はよ。解りたくもねぇ」

「っ!」

 

 小さな火は一気に燃え上がる。怒りは炎となってメリイの心胆を焼いた。

 持ち上げた視線の先、変わらずその冷徹な両目はメリイを見下ろしていた。でも、今度は決して逸らさない。

 

「うるさい! うるさいうるさいうるさい!!」

 

 この勝手自儘に言葉を弄する男が、メリイは許せない。自己嫌悪と無力感、それらに苛まれ続ける日々。罪悪の記憶を引き摺りながら、我を殺し、感情を封じてきたメリイにはハバキの在り方が妬ましかった。

 己の思うまま、その圧倒的な力を振るう。それが許される強さを持った男。翻って自分は、自身のこれまでとこの今はなんだ。なんで自分には力がない。何故、このような無頼漢に嘲られ、見下されなければいけない。

 ぐつぐつと煮える腸。何一つ整理のつかない脳髄。心はさっきからぐちゃぐちゃだ。

 悔しい。憎らしい。妬ましい。悲しい。辛い。混ざり合いもせず、斑模様に薄汚れていく。

 

「わたしっ、わたしに……わたしがもっと強かったら! 力があったら……! でも無いの! そんなもの持ってない! だからっ、どうすればいいの!? どうしたら、どうしろって言うの!? わたしじゃ、わたしのせいで皆、誰も! っ、うぅ、ぅ、くっぁああ……!」

 

 もう抑えられない。限界だった。今までずっと、何としてでも封じ込めてきたあらゆるもの。それが全部、零れ、決壊していく。

 台無しだ。全て、自分に科してきた罰が。安息も、慰めも、誰かの温かみも全て断ち切って、独り、たった一人孤独に生きていようと悲壮を気取って、何もかも遠ざけてきたのに。

 そんなもの無駄だ。無意味だ。この男はメリイの努力全てを否定し、詰り、台無しにした。

 

「諦めに耽溺するな。そこに救いはない。そして、最期(おわり)も無い。永久に沈み続けるだけだ。死した後も、永遠に。断じて、逃がれることなどできん……お前もそこへ逝く心算か」

「わかんないっ! わかんないよ! わたしなんかじゃ、もう……!」

「どうすればいいのか、そう言ったな」

 

 心は千々と砕けて、理性の網をすり抜け出て行く。子供のような駄々、そうして喚き、叫ぶ。

 まるでその合間を縫うかのように、男の声はメリイの耳朶を打った。

 

「お前の目の前には何がある」

 

 一瞬、その問いの意味を理解できなかった。言葉の表す意味ではなく、その意図が。分かりきったことの筈だ。今、メリイの目の前にいる彼は――――。

 

「――――え」

 

 濡れて滲んだ視界、薄闇と相まって判然としない。霞に巻かれたかのような朧げな瞳……だと言うのに、何故、なんなのだ。

 メリイの目の前には彼が、その男がいる筈なのに。

 朧を塗り潰す影。

 黒く、冥い影を羽織って立つ人型。それは確かに一瞬前まで“人”だった。ハバキという名の人間だった。

 ――――これは誰だ。これは、なんだ。

 今、自身の眼前にある“これ”はなんだ。

 背筋を伝うこの寒気は、いつから感じていたのだろう。硬く重い空気、一吸いするだに喉を塞ぎ肺を圧迫する。全身が小刻みに震え、涙さえいつしか止まっていた。

 冷気。涼やかさからは程遠い、身を切る極寒。痛みを伴うほどの凍て付き。

 それを目の前の影は発散している。無遠慮に無慈悲に、触れるもの、近寄るもの全てを目の敵とするかのように。

 メリイはその冷気に覚えがあった。それは義勇兵となってから途端に身近な脅威として降りかかって来た。メリイはいつも、それと戦ってきた。時には仲間を背に庇い、それを受け止め、己を盾とした。けれどいつだってそれは恐怖の対象だった。間近にその存在を感じるだけで言い知れない戦慄が全身を襲った。

 刃。

 肉を骨を斬り、命すら絶つ。

 ああ、丁度その影もまた持っている。折れ砕けながら、それでもなお鈍くぎらつく一刀を。

 同じ。

 影はその()と同じだ。同質同様のものだ。

 その理解は余計にメリイを混乱させた。

 

「お前に敵を屠るだけの力はない。独力では、仇を殺すこと決して(あた)わぬ。ならば、殺せるだけの武器を取れ」

 

 硬質な声音は変わらない。決定的に違うのは、そこに人がましさのようなものが微塵も感じられないことだ。

 正しく鋼。無機質な刃。

 

「お前の目の前にあるのがそれ(・・)だ。敵を斬り、殺す為だけの兇器(まがきもの)だ」

「っ……そん、な、そんなこと……」

 

 メリイは頭を振った。否定、それとも拒絶? わからない。自分が何を認められないのか。何を拒んでいるのか。

 

「何が足りない。お前を塞ぎ止めるものを破壊するには何が必要だ。憎悪か? 憤怒か? 悲哀か? 哀惜か?」

「違う……だって、あなたは……あなたを頼ったってそれは、今までの私と、同じことでしかなくて……」

同じこと(・・・・)だ。お前の手で振るうか、お前の意志が振るわせるのか。結果齎される事象は一つきりなのだから」

「わたしの、意志……?」

 

 鬼火の()がメリイを縛る。肉体も、心も、雁字搦めに捕え放さない。

 

「そうだ。お前の意志を寄越せ。お前の意志全てで以て、兇刃(おれ)を振るえ」

 

 その時だった。

 凄まじい音を響かせて岩壁が砕け散る。柱は折れ、飾り床も捲れ上がった。無惨な破壊によって溢れ出した土砂と塵埃の中、巨大なモノが侵入してくる。己達にとっての異教の神の間を踏み荒らし、そこへ逃げ込んだ矮小な獲物を求めて。

 

「ゲェェハハァァァアアーー!!」

 

 煙に巻かれたくらいでどうして見間違えようか。その死の斑(デッドスポット)を。

 あいつの空けた穴倉からは続々とコボルドが湧き出してくる。先の焼き直し。そしてここは袋小路。逃げ場はない。

 絶体絶命。どうすることもできない。今度こそ、自分達はただ死を待つだけ。その筈だ。その筈なのに。

 だのに、ああ、どうしてだろう。

 彼は背後を振り返ることすらしない。今まさに迫り来る脅威に一瞥もくれず、ただメリイを、メリイだけを見据える眸。その双眸は待っている。

 何を?――決まってる

 もう引き退がれない。かといって進むこともまったく容易じゃない。遥か地下深くの袋小路で、前からは武器を手に手に化物達が大挙する。こんな、どうしようもないぎりぎりの時に。

 

「メリイ」

 

 てめぇとか小娘とか散々な呼び方してた癖に。

 

(名前、初めて……)

 

 そんな下らないことを思う。

 これは現実逃避だろうか。それとも遂に自分は正常な思考さえできなくなったのだろうか。

 いいえ、考える必要がないのだ。

 心は、もう決まってるから。答えはずっと目の前にあったから。

 男がその銀光を振るう。空を裂く(おぞ)ましき音色。

 そう、それこそが。

 

「お前が振るうべき刃金はここにある!」

 

 足音がする。エルダーコボルドの一匹。剣を振りかぶりながら。

 

「……って、そいつらを……」

 

 ――気付けば舌は言葉を紡いでいた。頭ではなく胸の内から、それはきっと、血を吐く心地に似ていた。

 

 駆けて来る。犬のような様に恥じない俊敏さ。見る間に距離は縮まり次の瞬きの後には男の後背、踊りかかる。

 

 ――鉄錆の味。死の臭い。今より自分が願うこと。今より犯す罪の宣誓。叫ぶ。

 

「斬って……! そいつらを! お願いっ……ハバキ!!!!」

 

 襲来した獣は直剣を振り下ろす。同時、不動を貫き続けた男が、動く。

 反転、時計回りに。

 身体が沈む。

 下方から掬い上げる。

 半欠けの刀で。

 左手で握った柄、そこへ、右手が、加わり。

 閃、斬線が走る。それは半月を描いて。

 

 ――――斬った

 

 重い音が二つ。水気に富んだ。地面に転がる歪な形。犬の上半身と下半身。

 獣は胴体を二つに断たれた。

 鮮血が降り注ぐ。男の全身を紅が染めた。舞い散る血飛沫の向こう側で、その背中は振り返りもせず、けれどたった一言。

 

「応」

 

 そのたった一言で。

 全部を受け止められてしまった。

 メリイの願い、苦悩、痛みさえ――

 

 

 

 

 





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