白き鋼のアルペジオ   作:神奈翔太

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遅くなってすいませんでした!(土下座)
言い訳をさせてもらいますと実は学校の修学旅行がありましてその準備やら何やらで忙しく更には修学旅行につい最近まで行っていたもので投稿が遅れました。(ちなみに修学旅行先は沖縄です)
これから再び投稿を再開するのでまだ見てもらえるならどうぞよろしくお願いします。


番外編 新たな敵

未だ煙が燻ぶっているミッドウェー島のドッグの中で何かが起こっていた。

 

「何をしているんでしょう?」

 

「分からんよ。しかも時折中が光っているし」

 

誰もが紀伊のしているのを予想をしては裏切られていた。修復すると言っていたが一体どうするのかが気になったのだ。

 

「だが見てはいけないと言われているし・・・」

 

この口約束のお蔭で誰も中を見たくても見られないのだ。確かに昔の昔話みたいに約束を破って見ることはできるが相手を怒らすと何をするかわからない。気が付けば砲弾と墳進弾の雨が降っていたなんてことは笑い話にもならない。

 

「とにかく作業に集中だ!手を休めて見ている余裕はないぞ!」

 

御坂教官が注意を逸らそうと大声で作業を促す。皆は渋々作業に着いているが時折目線をドッグに移していてそのたびに御坂教官に怒られていた。

 

「とりあえず艦艇は何とかなりそうだな」

 

しかし艦船の問題は解決できてもまだまだやることはたくさんあった。島に駐屯している陸軍への対応、無線機を修理して本国との通信を確立すること。そして敵の襲撃に万全を以て挑めるようにしなけらばならないこと。特に現状では陸軍への対応が一番苦労しそうだった。何せお互いは未だに仲が悪いのだ。その中の悪さにアメリカなど兵士達に失笑されていた。

笑い話で済めばだいぶマシなのだがなにより恐ろしいのは陸軍の強行側だった。あの紀伊を敵のスパイか何かと勘違いをしているようで一時間おきに紀伊を捕えよという言葉を海軍の仮拠点に送ってきているのだ。

 

(まったく今はそれどころじゃないのに・・・・)

 

今は時間、人材、資源と何から何まで足りないのだ。そんな陸軍の頼まれごとをしているほどの余力は海軍には無かった。ましてや捕えるなんてことをすればあの巨大なお船体についている巨大な砲や艦のそこらじゅうにある墳進弾でこちらが全滅しかねない。

 

「今は守りに徹するしかないということか・・・・」

 

「艦長手を動かしましょう」

 

考えに耽っていると横から堀江が注意してしぶしぶ考えを中断して作業に移る。その間にも着実に紀伊の手によって艦艇は修復されていった。

 

 

 

 

 

ミッドウェイ島 一番ドッグにて

 

「ふふふ~ん♪」

 

紀伊はその姿に見合わない鼻歌を歌っていた。しかし現場はそんな鼻歌が似合わないような場所だった。周りには修理するためのドッグな為クレーンやハンドアームなどの機具がずらりと並んでいた。しかもその機械に囲まれTれている中心には紀伊と米戦艦「オクラホマ」がいた。

 

「ええっと後はオクラホマ、扶桑、日向かな?」

 

ナノマテリアルで作ったリスト表を見ながら紀伊は言う。既に駆逐艦、軽巡、重巡洋艦、空母と戦艦の一部はナノマテリアルで欠損箇所を修復している。しかし紀伊はそれだけでは終わらなかった。全ての艦にナノマテリアルを使ってある細工を施した。強くする為に。今までの紀伊では出来なかったり、知らなかったりしたことを今の紀伊は巧みに技術を使ったり、知識を知っている。まるで中身が入れ替わったかのように。

 

「まずはオクラホマだがどうしようかな?」

 

オクラホマは第二次世界大戦初期に日本海軍が仕掛けた奇襲作戦「真珠湾攻撃」によって多数の損害を受けて沈んだがどうやらこちらでは史実とは違いオクラホマはあまり傷は深くなく早い段階で復旧させることが出来たらしい。しかし乗員は全て他の艦に移籍してしまい艦の乗員がいない。その為新規に搭乗員を乗せて訓練をさせるのと動作テストをするための訓練航海の名目で来ていたのだ。

 

「さすがに戦艦で終わらせるのもつまらないな」

 

いらぬ事を考え始めた紀伊だった。確かにオクラホマは史実でも真珠湾攻撃で沈んだまま戦艦としての生涯を終えてしまった。しかもそれ以前にもオクラホマは蒸気エンジンの代わりにレシプロエンジンを搭載した最後の米戦艦であった為、真珠湾攻撃で生涯を終えるまでずっと振動問題に悩まされ続けたのだ。

そこまで考えた事であることを思いついた。そして頭の中に一気に発想が構築されていく。

 

「良しこれだっ!」

 

指を鳴らして巧みにナノマテリアルの使いながら一気に作り上げていった。

 

 

数時間後・・・・

 

 

 

「これで良しっ!」

 

満足した様子で出てきた紀伊だった。既に第一ドッグの照明の光も落とされている。

 

「もう夜か・・・」

 

ドッグの中でずっと作業に没頭していたため気が付かなかったが既に時刻は夜を迎えていた。

 

「あと二艦もあるのか・・・・」

 

いかにもしんどそうな顔をしながら再び、明かりがまだともっている仮宿舎に背を向けて「扶桑」、「日向」がいる第二、第三ドッグの中に入っていった。

 

「あまり時間も無いしなぁ。それに外はどうやらおもしろくなっているみたいだし」

 

そんな言葉を呟くきながら再びドッグの中に消えていった。そして第二ドッグ、第三ドッグでも再び光と作業音が響き渡った。

 

 

 

 

 

翌日

 

 

「ふぁ~~昨日は疲れたなぁ」

 

大きな欠伸をしながら仮宿舎から出てきた日柳であった。紀伊が作業に没頭している間に何とかこの仮宿舎とその他の施設は復旧させることに成功していた。しかし未だに通信施設などの重要施設のいくつかはどうする事も出来なかった。

 

「おはよう。昨日は眠れたかね?」

 

その声に振り向くと勝也艦長がいた。慌てて眠い目を擦り敬礼をした。それを勝也艦長は笑いながら止めさせる。

 

「いかんよ。そんな若いもんが朝早くから肩苦しい事をしていたら身が持たんぞ?」

 

「は、はい!」

 

さすがにそう言われると思い日柳は敬礼の手を下した。それを見ながら勝也は言葉を続ける。

 

「君はどう思う?」

 

「どういう意味でしょう?」

 

いきなり切り出された話題に日柳は動揺を隠せなかった。

 

「いや、悪いね。主旨を述べていなかったね。君は彼の事をどう思う?」

 

「彼の事ですか・・・」

 

その話題に言葉を詰まらせる。勝也艦長の言う”彼”とはおそらく紀伊だろう。確かに彼の事は信用してはあげたい。しかし彼いや人間ですらない彼はどのように扱っていけばいいのかが分からないのだ。日柳だって紀伊の説明を全てはい、そうですかと鵜呑みに出来たわけでは無い。心のどこかでは彼が昨日襲ってきた敵と同じで我々の情報を調べようと敵が送り込んできたスパイなのかもしれない。しかしそれも昨日の行動で間違いかもしれないと思い始めていたのだ。だから日柳は正直に言った。

 

「自分には分かりかねません」

 

「そうだろうな。私も御坂君から聞いたが彼が未来から来たとはまだ信じられないのだよ」

 

「自分もです」

 

「その答えを待っておったよ。そういえば彼から伝言を預かっておる」

 

「自分にですか?」

 

「みたいだな」

 

日柳はめずらしく思った。わざわざ自分に対して伝言とはどうしたのだろうか。

 

「今から読むぞ。”旗艦「比叡」、「赤城」を含む全艦艇の修復が終わった。今から皆を集めて第一ドッグに来てくれ”以上だ」

 

「今からですか?」

 

「どうもそうらしい」

 

「分かりました」

 

 

こうして皆が第一ドッグに集まることになった。

 

「どうしたんだ?」

 

皆が不思議そうにしている中で紀伊は話始めた。

 

「さっき聞いた通り艦艇の修復が出来たよ。いやー大変だった」

 

「前置きはいい。さっさと見せろ」

 

紀伊の言葉を冷たく返す山口提督。

 

「もうせっかちだな。仕方ない。それではお披露目です!」

 

心底嬉しそうにお披露目をしよいとする紀伊。次々と現れた艦艇達。

 

「おおっ!」

 

皆が感嘆した。それもそうだろう。出港前と何も変わらない姿になっていたからだ。しかし違う姿になっている艦が三隻いた。その三隻である「オクラホマ」、「扶桑」、「日向」はもはや・・・・

 

「一体どうやって・・・」

 

「それは企業秘密です」

 

紀伊はニコニコしながら言う。どうやら教えてはくれなさそうだ。

 

「あっ!それと言わないといけないことが」

 

「どうしたんだ」

 

「実はあなた達の船を・・・・」

 

そこまで言った途端に倒れこんできた。

 

「おい!どうしたんだ!」

 

いきなり倒れ込んで来たため慌てる。

 

「どうやら時間みたいだ。後は彼に任せるよ・・・」

 

「何を言っているんだ?」

 

意味不明な言葉を残して彼は眠るように目を瞑ってしまった。いや、実際に寝ているのかもしれない。

 

「おそらく寝不足だろう。誰か医務室・・・」

 

その時だった。再び、警報音が辺りに響いた。

 

「どうした!?」

 

「大変です!」

 

兵士が一人走ってくる。

 

「だからどうした!?」

 

山田提督が怒鳴る。

 

「この海域に一隻の艦艇を確認。わが軍のものではないとのことです」

 

「では何だ!?アメリカかソ連か?」

 

「いえ、敵は日本の戦艦に近いとのことです。そして途轍もなくデカイらしいです」

 

「敵の形は!?」

 

その言葉に兵士が息を飲む。そして言った。

 

「双胴型だそうです」

 

 

 

 

 

 

 

 

場所不明

 

そこはどこだか分からなかった。ただ分かるのはそこがとても暗く太陽の光が来ていないことは確実だった。

そんな場所に不釣り合いに置かれたカフェなどに置いてありそうな机と椅子そして紅茶があった。

その紅茶の入ったカップを持ち上げておいしそうに飲んでいる人物がいるが部屋が暗く、顔が見えない。

 

「これはいいお茶ね」

 

何もない空間で一人しゃべっていた。しかしどこからか声が聞こえてきた。

 

「司令官報告を持ってきた」

 

その声にその人物は驚くどころか振り向きもせずに話を続けた。

 

「あら随分早かったですね?」

 

クスクスと笑いながら声の報告を聞く。

 

「先程敵空母四隻を含んだ敵艦隊にヴィンベルヴィント含む第一先遣艦隊が接触した」

 

「ほぉ、それで結果はどうなったの?まぁ、聞かなくても分かるけれど」

 

「報告をまとめたのがこれだ」

 

リストが目の前にいつの間にか置いてあった。カップを置いてそのリストを見る。それに合わせて声の主は報告のリストと同じ内容をしゃべり始めた。

 

「報告によれば戦艦二隻、空母四隻、巡洋艦八隻、駆逐艦十三隻、輸送船十七隻の艦隊だった。まずはこちらの空母と前衛艦隊の攻撃で右舷の艦隊を殲滅。航空攻撃で多数の艦を中破か航行不能にさせた」

 

「予想どおりね。あの子も出る必要性も無さそうね」

 

「しかし結果としては負けていた」

 

「・・・・どういう事?」

 

その人物の声、いや雰囲気が変わった。静かに怒っていると言っても良かった。

 

「それについては集計中だがその敵艦隊ともう一隻戦艦が増援として来たそうだ。それから艦隊旗艦である彼女が出たらしいのだがそれからどうなって負けたのかは依然として不明だ」

 

「どうしてなの?」

 

「その前に報告用の艦が消し飛んだみたいだ」

 

その言葉におもしろくないようなため息をつきながらすぐに雰囲気がさっきのに戻った。

 

「まぁ、いいわ。生き残りの艦艇は」

 

「いない。全滅だ」

 

「ふ~ん。まぁ、彼女も艦艇もいくらでも代えが利くしね。私の手にかかれば」

 

「以上で報告は終わりだ。司令官」

 

その人物の雰囲気の変化にも一切に興味が無いかの様に声の動揺などは見せなかった。

 

「あ!そうそう」

 

「どうした?」

 

「その艦隊は今どこへ?」

 

「進路からすればミッドウェー島だ」

 

ミッドウェー島あそこはなぜかは分からないが司令官直々に攻撃中止命令を出していた。

 

「あそこに爆撃を行っておいて」

 

「いいのか司令官?」

 

「ええ。”彼女”がもしかしたら動き出したかも」

 

「?」

 

その言葉の意味は声には分からなかった。しかし命令とあらば従うのが下の務め。

 

 

「了解した」

 

「まだ終わってないわよ」

 

「?何だ司令官?」

 

「爆撃を行った後に逃がした艦隊はそのままでいいわ。爆撃隊には一回の爆撃だけで済ませればいい。そして後片付けはあの東洋方面の旗艦殿にしてもらいましょう。”東亜の魔人”にね」

 

「分かりました。しかしたかだか3艦隊程度にそれほどの戦力を・・・」

 

「油断は禁物よ。ヴィンベルヴィントは他の超兵器に比べて初期型だけど通常の艦艇が倒せる相手では無いわ。私的にはもう一隻の戦艦が気になるわ。それに新たな世界への進出もある。早急に片付けないといけないわ」

 

「分かりました。最後にもう一つだけ質問が」

 

「最後よ。これから忙しいし」

 

「その戦艦とはもしかして・・・・」

 

「本来は言う事はないけれど・・・・あなただけは特別よ?”摩天楼”」

 

どこかなつかしむようにポツリと言った。

 

「あなたは戻ってきたのね。超戦艦キイ」

 

 

 

 

 

ミッドウェー島近海 

 

 

夕日に海が赤く染まる頃に一隻の巨艦が海をかき分けて進んでいた。双胴であり外見はどこか戦艦大和を思い浮かべる。しかしその戦艦よりはるかに大きくそして武装も強力なこの艦で一人の女性がいた。

髪は短く纏められておりいかにも運動が出来そうな女子という感じである。

 

「来た来たぁ!」

 

 

彼女は一人広い甲板で喜んでいた。

 

「最近までずっと艦隊旗艦なんてつまんない仕事していたけれどいよいよ砲火を交えれる!」

 

日々のストレスを発散する目的もどうやら彼女にはあったらしい。

 

「さぁ、どんな相手が待っているのかな?どんな敵が来ようとも・・・・」

 

拳を両方ぶつけながら楽しそうに言った。

 

「この超巨大双胴戦艦ハリマが相手をしてあげる!」

 

夕日が照りつける中でハリマは楽しそうにまだ見ぬ相手を待った。




今回はいろいろと詰め込み過ぎた感が多数あります。次回は紀伊が用意したある仕掛けも発表します。
おそらくあと次回か次の次で蒼き鋼の世界に帰れると思います。


次回 紀伊が不在の中、日柳艦隊だけで敵を迎え撃つことになった。
果たして勝つのは双胴戦艦ハリマかそれとも日柳艦隊か!
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