つい出来心だったんです…
はい…
衛宮 切嗣。
魔術師殺しと名高い正義の味方は、目の前の光景に唖然としていた。
かつて無いほどの動揺が全身を駆け巡る。
召喚陣は完璧だった。
触媒もちゃんと用意した。
詠唱など、間違える筈も無い。
ならば今、目の前で展開している光景は一体何なのだ。
何処で、一体何処で間違えたというのだッーーー!
現在進行形で衛宮 切嗣の精神を削っている諸悪の根源は、召喚陣の中央で、堂々と立ち、凛とした佇まいで高らかに名乗りを上げた。
黒いキャップ。
青いジャージ。
青いマフラー。
ホットパンツに編み上げブーツ。
大凡、過去に偉業を成したとは思えぬその容姿の人物。
その名はッーーー!
「サーヴァント、アサーーもといセイバー。コードネームはヒロインX。昨今、社会的な問題となっているセイバー増加に対応する為に召喚されたサーヴァントです」
絹の如き艶やかな金髪をポニーテールに纏め、特徴的なくせっ毛をキャップから飛び出させた彼女は、そう切嗣に向かって告げた。
よろしくお願いします、と口にするその姿は何処かの王の様でーーまあ、着ている服で台無しなのだが。
「ふぅっ」
フラッとアイリスフィールが気の抜けた様な声をあげ、地面に崩れ落ちる。体を地面に打ち付けるより前に咄嗟に切嗣が抱き留めるが、その表情は悪くなる一方だ。
「取り敢えず、付いてきてくれ」
痛む頭と、すり減る精神。1秒ごとに増して行くストレスと、気絶したアイリスフィールを抱えながら、切嗣はサーヴァントとの会話に用いようとしていた客間へと足を向けたのだった。
X
取り敢えずは、アイリスフィールをソファーに寝かせ、ほっと一息ついた切嗣は自身の後を追い、客間へと足を踏み入れた自らのサーヴァントへと向かって苛立たしげに吐き棄てる。
「一体お前は何なんだ」
「セイバーです。セイバーの決定版と名高い、セイバーの中のセイバー。それが私です、マスター」
「嘘を吐くな。お前のクラスはアサシンだろう。ステータスは視えている」
「アサシン? 何の事ですか?」
知りませんねぇ、とシラを切るアサシンに向かって切嗣は一歩踏み出す。
「お前の真名は一体何だ。そんなふざけた格好をした英雄に、生憎心当たりが無くてね」
愚かな僕に教えてくれないか? そう皮肉を飛ばす切嗣にも、全く動じず、アサシンはキッパリハッキリ言い切った。
「ヒロインX。それが私に与えられたコードネームであり、私の名でもある。嘘だと言うのは勝手だが、残念な事に私とてこれ以外に名乗る名前など持ち合わせて居ないのだ」
「…………ふざけている」
「ふざけてなどいない。マスター、貴方が私をどの様に思っているのかはその眼を見れば理解出来る。糾弾する気も無い。私はあくまでもサーヴァントなのだから。だがしかし、私とて叶えたい願いがあるかからこそ呼びかけに応えたのだ。そこを理解して欲しい」
切嗣の眼を見据えるアサシンの眼は、何処までも真っ直ぐで、純粋で、真剣だった。
その眼には、今は既に切嗣が失ってしまった輝きが宿っていた。
思わず僅かばかり眼を見開く。この存在そのものがバカバカしいとしか言いようの無いこのサーヴァントを此処まで真剣にさせる物とは一体何なのだろうか、一体どれ程の願いなのだろうか。
切嗣は気になった。聞いてみたくなった。
謎のヒロインXと名乗った少女の真の名を知らない切嗣は思った。
もし、彼女も自身と同じ願いを持っていたのならーー。
「聞かせてくれないか、君の願いを」
気づけば切嗣はそんな言葉を口に出していた。
バカバカしい、そんな言葉が脳裏をよぎる。
そんな事は理解している。
そんな都合よく話が進むはずが無いことも理解している。
だが、どうしても聞いてみたくなったのだ。たとえそれが自身を絶望させるものだったとしても。
そんな切嗣の心が、表情に出ていたのだろうか。
アサシンはゆっくりと頷くと、自身の願いを。
聖杯に懸ける願いを、語った。
「私の、願いはーー」
「君の願いは?」
「全てのセイバーをこの次元から駆逐する。私こそが唯一無二のセイバーとなる。私の願いはそれだけです。それだけの為に、私は宇宙を、時間を、空間を超えて貴方の元へとやってきた」
「は?」
切嗣の時間が凍りついた。
X
「此処が冬木市ーー! 成る程、此処から全てのセイバーを巡る争いは始まったのですね!」
瞳を輝かせながらそう告げるスーツ姿にマフラーを巻いたアサシンの横に飛行機のタラップを降りて並び立ったアイリスフィールは、只々苦笑するしか無かった。
自身が眠っている間に、切嗣と何かがあったらしい。
切嗣は、あれ以来アサシンなど眼中に入れず、完全に居ない者として扱っていた。
「アサシンーー」
「セイバーです!」
「セ、セイバー。聖杯戦争迄はまだ時間が有りそうだし、少し観光でもして行かないかしら?」
「観光ーーですか。うん、それはいい考えです。私も日本食は食べたいと思っていたのです」
善は急げとばかりにアイリスフィールの手を引き、ウィンドウショッピングから、あちこちの食事処を回るその姿は、とても英霊とは思えぬ姿だったとか。
その日、冬木市の殆どの食事処で台風の如く食材を根こそぎ喰らい尽くしていく
X
波風がびゅぅと吹く。
コンテナ倉庫が立ち並ぶ港の一角。
そこには、人ならざる気配が大量に渦巻いていた。
そして、その者達は暗闇の中から自身と矛を交える
「フッ…。私の誘いに乗り、ノコノコとおびき出される愚か者共がこんなにも沢山現れるとは……。実に愚かだが、気に入ったぞ。喜べ、思う存分蹂躙してやろう」
灼熱の如き息を吐き出す白馬に乗って、姿を見せるのは金髪金眼の圧倒的な威圧感を全身から発する、手に槍を携えた槍兵。
「うむ、余は嬉しいぞ。聖杯戦争初日にこの様な余興が催されるとは、中々愉快な奴らよな。どれ、先ずは小手調べと行こうか」
荘厳な赤きドレスを纏て姿を見せるのは、手に火を吹く大剣を携えた、世の華美を集めたかの様な華々しさを持つ剣士。
「わ…私は、母の教えに従い正々堂々と騎士らしく、そして父の様に一切の容赦なく一撃で正確に仕留めるのみ…です!」
黒いプレートアーマーの上に白い外套を纏った、白髪灰眼の弓兵は、街灯の上で其処に姿を現す全員を射止めんと、大弓を構える。
「ふっ、こんなに沢山の
黒き
「セイバーに遭えば、セイバーを斬る。神に遭えば、神を斬る。主にセイバーばっかり増やす神をッーー!」
そう叫びながら姿を見せるのは我らがヒロイン、ヒロインX。通常の聖剣とは明らかに違うであろう青色の光を放つ聖剣を振り回しながら、堂々と宣言する。
「■■■■■■■■■■■■ーーー! ■■■■■■■ーーグハッ!」
袖口をダンダラ模様に染め抜いた羽織を羽織った何者かは、一頻り叫ぶと、唐突に吐血した。それでも、立ち続けるのは何かの意地なのだろうか。
そして、全員が全員。
顔を合わせた途端に、
「「「「「「え?」」」」」」
眼をまん丸に見開いて、呆然とした声を上げた。
なお、この後ジャージ姿の某戦士が特攻効果により無双したのは言うまでも無い。
セイバーーーーーッ!
セイバーーーーーッ!
セイバーーーーーッ!
X
「おお! ジャンヌ! 我が愛しの聖処女ーーよ?」
「ん? どうしたんだい旦那?」
「ジャンヌ! 此方にもジャンヌ⁉︎ おお! 何ということか! 神は、神は私にこの様な試練を齎すとは! おのれェェェェエ! ジャンヌの偽物を用意するなど、何処まで彼女を冒涜するつもりだァーーーーーーーー!」
「うぉあ⁉︎ 旦那が壊れたーー⁉︎」
X
ーーーみんなには内緒だよッ!
ーーーー
ーーーーー
はい、タグにもついてちるアルトリアーチャーというのを気になった方もいらっしゃると思います。
え? 気にならない?
すみません、聞こえません。
はい、アルトリアーチャーというのは、とある時空でアルトリアとエミヤが結婚して子供を作ったらーー。
というのをコンセプトにして作りました。捏造です、ハイ。
真名 : アルトリアーチャー( エミヤ ■■■■ )
性別 : 女性
属性 : 秩序・中庸
筋力 : C
耐久 : D
敏捷 : B
魔力 : B
幸運 : B
宝具 : A++
対魔力 : B
単独行動 : C
千里眼 : B
魔力放出 : C
直感 : C
偽・神造兵器矢( えくすかりばーあろー )
ランク : A++
種別 : 対城宝具
レンジ : ???
最大補足 : ???
詳細 : ばーんってやってちゅどーーんってなる
ほんとに、やらかした感しか無いZE!
まあ、連載用じゃなく一時間ほど前に思いついて突発的に書き出したんでこれっきりのお話です。
いや、でも評価が高くて感想もたくさん来たら……
まだ先も書くかもな〜( 壁|ω・`)チラッ(笑)
あ、使いたかったらアルトリアーチャー二次創作に使っても良いですよ?(笑)(笑)
タグを付けてくれさえすれば!
タグを付けてくれさえすれば!
大事な事なので二回( 略 。
ちゃんと、ロリギル様の方も書いてるんだぜ⁉︎
ただ、テストが悪いんだ!
あと、おき太ゴメンね! バーサーカーにするつもりはなかったんだ!
愛してるぜおき太!
それでは。