自分が二次創作に入る切欠となったキャラの幻想入り嘘予告です。設定しかないキャラなのに、その設定が一人歩きした作品を読んで好きになってしまったキャラ。
どうして好きになったのだろうか。我ながら不思議。
日本の何処かにあると云われる幻想郷。其処は、『非常識』なる存在達にとっての最後の楽園。嘗ては存在を認められていたが、発展した科学によって存在を否定されてしまった存在達にとっての唯一の拠り所。現代の非常識こそが『常識』である場所。
今宵、その地に一つの存在が舞い降りる。
「ふむ。此処が幻想郷でよいのか?噂には聞いていたが…」
そう呟くのは、漆黒のドレスを身に纏う齢十四、五歳の少女。
幻想郷へと迷いこんだ者達が最初に示す反応は戸惑いが多いのだが、この少女には戸惑いが一切なく、どこか愉しげで、期待に満ち溢れているかのようで…
「霧に覆われた湖か。ただの霧ではなく、魔力が込められているか。それにこの気配……ふふふ。中々に愉しめそうではないか」
黒の少女は口の端を歪め、戸惑う事なく歩き出す。その足取りには一切の躊躇いも不安もない。
霧で視界が塞がれている筈の地形を把握していると言わんばかりに歩き、この地にて待ち受けるであろうモノ達に期待する。
やがて少女の姿は、完全に霧に呑み込まれーー
「…まさか、貴女のような存在が幻想郷に来るなんて」
「なに、暇潰しの余興よ。あちらでは何の代わり映えもしない世界に飽いていてな。それにあちらでは、口煩い騎士達に挟まれ少々窮屈なのだ。故に此方に来た。妾を愉しませてくれよ?」
「余興で幻想郷の秩序を乱されたら堪ったものではありませんわ!」
「ふふふふ。で、あろうな。ならば、如何様にする?幻想郷の管理者よ」
「そんな事…答えるまでもないでしょう!」
「この世界を愛していると言うのであれば、その行動は必然よな」
月下の下、妖同士による舞踏会が開かれようとしていた。その舞踏会は、弾幕ごっこという遊技ではなく……純然たる殺し合い。生きるか死ぬかを賭けた、決闘。
その舞踏会に招かれるように、幻想郷の秩序を担う勢力の
「ふむ。どうやら役者は揃ったようだな?どれ、ここからは愉しく踊ろうではないか!」
「踊るのは貴女のだけで十分。早急に元の世界に帰っていただきますわ!黒の姫君!!」
斯くして、幻想郷を舞台とする新たな物語が紡がれようとしていた。
その物語の主軸となるのは、暇潰しという名目で、自ら幻想郷へと訪れた異端な存在。とある世界の裏社会では、名を知らぬ者がいないほどの存在。
その者はーー
死徒と呼ばれる吸血鬼。その中でも、最古参の死徒を三体配下に従える規格外の存在。吸血鬼達の頂点に君臨せし存在。事実上における、死徒の王。『血と契約の支配者』、『黒血の月蝕姫』、白き吸血姫と対となる、『黒き吸血姫』ーアルトルージュ・ブリュンスタッド。
「今宵は月が美しく輝いておる。つれない事を言わず、存分に舞踏会を満喫いていくがよい!」
この物語がどのような結末を迎えるのか。
それは、誰にも分からない……