ドラゴ・マルフォイは聖28族に準ずる純血の名門である。敬愛する父と愛情をもって可愛がってくれる母、理想的な家族であり、ドラゴもそんな父と母の期待を一身に背負い、このホグワーツ魔法魔術学校への入学を決めた。
 そしてホグワーツ一年にとって最も大切な寮決めの時、ドラゴは自身がスリザリンに入寮すると信じて疑わなかった。その瞬間までは・・・・・・。

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 深夜テンションで描き切った、後悔はしていないはず。


獅子寮のフォイ

『グリフィンドォォォォォォル!!』

 

 わっと湧き上がる歓声の中、ハリー・ポッターは心底ほっとした気持ちになった。

 これから自分が所属する寮は列車の中であった少年ロンと同じグリフィンドールであり、自身の嫌味で陰険そうなスリザリンではなかったからだ。

 

 その後も次々と新入生たちは各々の寮へと振り分けられ、落胆、或いは笑いながら各テーブルに座っていく。

 

「これで全員の振り分けが完了しましたね。それでは・・・・・・」

 

「ちょっと待ってください!」

 

 副校長であり、グリフィンドール寮監のマクゴナガル先生がそう言おうとしたとき、その声を遮る声があった。

 

「・・・・・・貴方は?」

 

「今年度入学したドラコ・マルフォイです。いやはや少し催してしまいまして、順番をずらしてもらった手前ようやく一段落ついたところです」

 

「そうですかミスターマルフォイ。確かに私のところに所用でずらしてほしいと聞きました。いいでしょう、組分け帽子を被ってください」

 

「有難うございます先生」

 

 優雅に、しかし何処か慇懃無礼な様子でマルフォイは組分け帽子を被った。

 

「うげ、マルフォイかよ。あいつんちは純血主義のお坊ちゃんだからな、どうせ陰険なスリザリンだよ」

 

 マルフォイの顔を見たときから妙に不機嫌な様子のロン。かくいうハリーもマルフォイにはいい気はしない。

 初めて会ったときから何処か苦手であり、しかも両親の出身寮であるグリフィンドールをけなしたのだ。精神的にも幼いハリーにとっては公で嫌うことはないが何処と無く苦手であった。

 

『ムムムッ、これは』

 

「ふふふ、組分け帽子もわかっているようじゃないか、さあ、僕をスリザリンに・・・・・・」

 

『この子は、なんて勇気のある子なんじゃ・・・・・・!?』

 

「フォイ?」

 

 なにいってんだこいつ。マルフォイは酷く困惑した。

 

「いやいや、待つフォイ。待ってくれ。僕が勇気あるだって? そうじゃないだろ、僕はこう・・・・・・もっと理知的な人間で・・・・・・」

 

『いや、むしろ無謀無茶ばかりする愚者じゃ』

 

 何処と無く生徒たちの中から笑い声が聞こえてきたのをマルフォイは聞き逃さなかった。

 

「おいなんだ君らは! そんなに可笑しいなら聞こうじゃないか! 陰口を叩くなんて弱者のすることだぞ! それとも面を向かって言えないのかい? ああ、成る程。そういうことなら済まなかったか、僕の配慮が足りなかった。弱者は弱者らしく地にひれ伏し許しを乞えばいいさ!」

 

 突然として怒りの矛先を此方に向けたと思えば何故か最終的に煽りを入れ始めた。生徒たちのひそひそ話が大きくなる中、その行為を称賛する者がいた。

 

『な、なんと素晴らしい! やはりわしの目に狂いはなかった・・・・・・!』

 

「フォイ?」

 

 現在マルフォイが被っている組分け帽子。それが唯一彼を称賛したのだ。

 

『歯に衣を着せぬ言葉、多くの生徒を敵に回す行為。とても普通の生徒には出来ん! 人はそれを蛮勇という! スリザリンとは真っ向から違っている』

 

「先生大変です。どうやらこの帽子壊れているようです。でなきゃこんな出任せ言いません」

 

「静かにミスターマルフォイ」

 

 なんだが不穏な気配を感じる。どうしてこの帽子はこんなことを言うのか、マルフォイはどんどん不安な気持ちになってきた。

 しかし、勇気・・・・・・勇気といったかこいつ。あれ、それってことは。

 

『ほう、ようやく気付いたようじゃな』

 

「まさか、僕をグリフィンドールに入れるつもりじゃないだろうな!? ふざけるなよクソ帽子! 僕はマルフォイ家のドラコ・マルフォイだぞ! そんなところに行ってたまるか!?」

 

『ほほほ、わしに啖呵を切るとは益々気に入ったぞ』

 

「黙るフォイ!! くそ、駄目だこいつ早くなんとかしないと!」

 

 マルフォイはそれから必死にこれから送るであろうスリザリンの生活に想いを馳せてなんとかグリフィンドール入りを避けようとしていた。

 

「グリフィンドールは嫌だ・・・・・・グリフィンドールは嫌だ・・・・・・」

 

『ほう、グリフィンドールは嫌かね』

 

 当たり前だ、そんなシリウス・ブラックとおんなじ道を辿って堪るか。僕は父と同じ、代々のマルフォイ家が辿ってきたスリザリンに入りたいんだと強く強く願った。

 

『しかし良いのかい? 君はグリフィンドールに入ればどんな敵に対しても立ち向かうことが出来る勇気と互いに切磋琢磨し会える友人を手にいれることができる』

 

「うるさい、スリザリンにいけばそれこそ成功が約束されるものなんだぞ! 今の魔法省高官の何割がスリザリンだと思うんだ! グリフィンドールは嫌だ・・・・・・グリフィンドールは嫌だ・・・・・・」

 

『ふむ、そうか。そんなにもグリフィンドールは嫌か・・・・・・、ならば・・・・・・』

 

 その時、マルフォイはほんの少しだけ安心した。ようやく解ってくれたかと。安堵した。

 あとはスリザリンと、その口から言ってくれるのを待つだけ。

 

 だが、しかし。組分け帽子は甘くはなかった。

 

『グリフィンドォォォォォォル!!』

 

「ざっけんなクソがぁ!!」

 

 マルフォイは地面に思いっきり組分け帽子を叩き付けた。

 だかグリフィンドールである。

 こうしてドラコ・マルフォイは獅子寮への入寮が決まったのだった。




 グリフィンドールのマルフォイ。略してグリフォイ

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