言霊の巫女は食の世界へ?   作:セシア

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また2年以上も更新が遅れて申し訳ありませんm(_ _)m
少しずつ更新するよう努力していく所存なのでこれからもよろしくお願いいたします。



動き出す白夜、近づく運命の時

トリコがこの場から離れた事に気づいてない小松は騒ぐ観客達にキョロキョロしていた。

「大判狂わせで皆興奮しているんですかね?トリコさん!・・・・・あれ?」

小松がトリコに声をかけながらそちらを見る。しかし、そこには当然トリコの姿はない。そしてガウチがもっと深くバトルウルフに噛みつこうした時・・・

「二連釘パンチ!!」

トリコの技がガウチに炸裂し、ガウチはそのまま倒れた。あれは痛そうだけど、トリコなりに加減したのだろう・・・

「恨みはないがちょっと大人しくしててくれ」

そう言ってガウチのことをポンポンと叩くトリコに観客の視線が一気に集中する。

「えぇ!?トリコさん!?」

「あのアホ・・・」

驚く小松と呆れるマンサム所長をよそに、白夜は計算通りというような笑みを浮かべた。

「トリコだ!」

「美食屋トリコが乱入したぞ!」

二人も含めて全員の視線がトリコに向かっているのを確認した白夜は立ち上がる。

「白夜、行くの・・・?」

「あぁ、連中の視線はトリコに釘付けだ。俺一人がこの場から消えようと気づかねぇだろ」

おそらく白夜はこの騒ぎに乗じて自分が動きやすい位置に移動し、その時が来るまで隠れているつもりだろう・・・予知を覆すために

「・・・気をつけて」

「おう」

それだけの言葉を交わし、白夜はその場を離れた。私はそのままコロシアムの方に目を向ける。この先の未来を見定めるために・・・

「なんでトリコがここにいるの!?」

そう意気込んだのはいいが、聞き覚えのある声がしてそちらを見る。そこには、ピンクのスーツを着たティナがいた。あれ?ここに入れるのはごく僅かな人だけって聞いてるんだけど・・・どうやって入ってきたんだろ?

(白夜がここにいたら絶対苦虫潰したような顔してただろうな・・・;)

白夜は前からティナのことを知っていて(虹の実を取る前に会ったらしい)、ティナの呆れるほどしつこい性格に嫌気をさしている。私は別にそこまで嫌いじゃないけど、カメラを向けられるのはごめんだ。私がそんなことを考えている間にも、トリコはバトルウルフに挨拶していた。当のバトルウルフは警戒しているみたいだけど・・・

《焔、あそこの影の所に白夜がいるよ?》

ポーチの中からひょっこり顔を出していたシリーが見ている場所・・・観客も猛獣たちでさえも気づかないであろう場所に白夜がいた。うっすらとしか見えない事から幻術を使っているのだろう・・・

(よく気づいたね?私でもどこにいるか分からなかったのに)

《えへへ・・・俺、普通より目がいいから。あと、白夜がいる場所少しモヤモヤするの》

モヤモヤというのは白夜の幻術・・・それを見極めることもできるようだ。それはバトルウルフ本来の力なのか、それとも実験によるものなのかは分からないけれど・・・。実験のことを思い出して私の表情が僅かに曇ったのを見たからか、シリーがこっそり私の指を舐めた。

《そんな顔しないで!昔はすごく辛かったけど、この力があるから今の俺は焔の事を守れるんだ!》

(うん・・・でもね、シリー。私だけじゃなくて自分のことを守るためにも使って?)

もしこの子の身に何かあったら・・・私も悲しい。だから、自分の身を守るためにも使って欲しいのだ。

《んー・・・焔がそう言うならそうする!》

(ありがとう)

私とシリーがそんな会話(心の中で)を繰り広げている間、小松とマンサム所長はトリコがどこから入ったのかと言う会話をしている

そのことに関して私も同意見だった。一体どこから・・・そう思いながら私は上を見て目を丸くした。そこには、大きな穴が一つあったのだ。間違いなくトリコはそこから入ったのだろう・・・

「な、なぬ!?厚さ2.5の特殊超強化アクリルだぞ!!?」

マンサム所長が言った専門的な言葉に首を傾げながらも、あのガラス(?)は凄いものだと言うことを理解する。それに穴開けたトリコはかなり凄いと思うのは仕方ないだろう・・・

 

白夜side

俺はなるべく観客やカメラに映らない場所で幻術を使って姿をくらましてた。元々、俺は戦闘よりも観察したりする方が得意なのだ。まぁ、それなりには戦えはするが・・・面倒だしあまり好きじゃない。

(しかし、どうやって助けるべきか・・・)

大掛かりな術を使えばあのおっさんが言っていたロボの映像で知られる可能性もある。正直、これ以上詮索されるのは好ましくない・・・鬱陶しいし面倒極まりないからな。体を張って守ってもいいがそれだと後で焔が泣きそうだ・・・いや、絶対泣くし怒るな;

「なんかいい方法は無いものか・・・あ」

ふとあるモノの事を思い出した俺はポーチの中から布で包んだそれを取り出した。それは鏡の欠片・・・自分と同じ奈落の分身で、奈落が一番初めに作った分身である神無が持っていた死鏡の欠片だ。あの場に残ったものをこっそり持ち歩いていた。

(なんかに使えるかもしれないと思って持ち歩いてたものだが・・・これは使えるな)

神無の鏡・・・それは、映した者の魂を吸い取る力と自分に放たれた攻撃を跳ね返す力・・更に対象の力を写し取る力を持っている。一番最初の力は使えないが、今回必要なのは2番目の力だ。カケラとなってもその力は健在だから回収しておけと言ったのは奈落だし、間違いなく使えるだろう・・・

(よし、タイミングを見計らってコイツを使うとするか・・・)

その後は奴の視界からバトルウルフ親子の存在を隠せばいい。奴等もその程度は織り込み済みだろう・・・先にGTロボの情報を探っといて正解だったな。そんな事を考えていると、トリコが自分が入ってきた穴に向かってエレファントサウルスを投げ飛ばして・・・

「5連釘パンチ!!」

見事に即席の特大花火打ちあがった。今ので武器を持たない金持ちどもは我先にと逃げていったし・・・情けない連中だ。そんな中、見覚えのある奴がバトルウルフに近づいて行くのを見て顔を引き攣らせる。カメラを手にバトルウルフに近づくのはティナだったのだ。何でここにいるんだよ・・・;

バトルウルフをカメラに収めようとしていたようだが、親子の姿に何を思ったのか撮るのをやめた。へぇ・・・いい所もあるんだな。少しだけ見直した・・・さてと

(バトルウルフも生まれたことだし、いよいよ大詰めだ・・・焔の予知を覆してやるか)

俺は次の行動ができるようにGTロボの位置を確認すると、すぐに動ける場所・・・バトルウルフの近くに移動した。それにしても・・・・

(一国の大統領に化けるって恐れ多いことしてるな・・・いや、奈落も若殿様に化けてたから似たようなもんか)

 




今回は白夜がとうとう動き出しました。どうやってバトルウルフを助けるかいろいろ悩んだ結果、神無の鏡を使う事にしました。
次回はいよいよ、母ウルフの救済です。
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