「フフフ、どうじゃ、ワシの鍛え抜かれた肉体は!大瀑布で修行して得たのじゃ!」
「は、博士どうしたんですか?」
「ロックや・・・ワシがまるで変人みたいじゃからそんな目で見ないでくれんか?」
ライト博士が自分の引き締まった肉体をみせつけたりするなど、最近ワイリーが悪さしないためロックにとって穏やかな時間が流れていた。しかし、代わりにISと呼ばれるパワードスーツを着た女達が各地に突然現れては街や森などを破壊するため、なおさら貴重な時間でもあった。
「は、話は変わるがこのISとやらは、どうして生まれたのかのう。数値からして、まるで世界を壊すための機械じゃから評議会が黙っていないじゃろうに」
「僕達と比べては?」
「比べていいのかわからんが、人間が乗って使うんじゃ、少なからずパイロットの肉体に負荷をかけ最終的には思考停止か、最悪廃人じゃな」
ロックが破壊して集めた部品を新しく彼以外のライトナンバーズのパーツを作っている。良いリサイクルだ。
「博士、洗濯物取り込んできますね」
「すまんなロック」
彼が庭の干し場へ向かうと、何者かが背後から襲い掛かり気絶させようとするが逆に腕が折れてしまった。
「な!?」
「ん?どなたですか?」
彼を襲ったのは左目に眼帯をしている、銀の髪色でロックより高いが一般的には小柄な少女だった。背後から襲われたにもかかわらず笑顔で応対するロック。
「ロボットに当身したら骨が折れますよ。家で手当てしますから入ってください」
「き、貴様は警戒心がないのか?」
「悪い人に見えません。大丈夫ですよ、ちゃんと心得ています」
彼女を家に招き入れ的確な処置を施す。暖かく迎えてくれたロックやライト博士、遊びにきた鳥型ロボット、ビートの存在が警戒心を解いてくれた。
「変な子じゃな、ロックにチョップして大丈夫な人間はおらんのに」
「ろ、ロボットだって知ってたらそんなこと・・・」
「博士落ち着いてくださいよ。ところでお名前は?」
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。IS学園の生徒なんだが」
「あれ、もしかして千冬さんの知り合いですか?」
自分の教官の名前を未知の世界で聞くとは思っておらず、動揺してしまう。
「実は以前、家の前で倒れていたので保護したんです。その時に名前を」
「・・・信じがたいが、嘘ついてはいないな」
「くだらんことで嘘つかんぞ。ロックはいい子じゃからな」
それから多少会話が弾んだ。彼女の学園生活での小さな事件から、亡国企業と呼ばれる怪しさ全開の組織に狙われていることなどロック達に話し、ロックも昨日アイスマンが遊びに来た際に冬じゃないにもかかわらず霜や降りたり家が非常に寒かったらしい。
「家全体が凍りつくなんて、アイスマンとやらはすごいな」
「ファイアマンが来てくれたおかげでちゃんと溶けたが、ちゃんと反省していたぞ。ワシの作ったロボットなんじゃ、愛情持って接しないといかんじゃろ」
「ここの世界のロボットは、心があるんだな。素晴らしい家族愛だと思うぞ」
「ラウラさん、家族いないのですか?」
「戦闘用機械のように育ったから、ロック達みたいな感じの家族はいない。だが、友人や嫁ならいるぞ!」
ロック達は一瞬、時間が止まったかのように動かなくなった。
「どうした?」
「・・・嫁っていうのは女性かの?」
「何を言っている、男に決まってるだろ」
「・・・博士、正しい意味教えてやってください」
「それがいいのう」
ライト博士は正しい言葉の意味を丁寧に教えてあげた。当のラウラは驚愕の連続で落ち着きがなく、最初に言葉を教えた姉貴分、クラリッサを多少恨んだ。
「そのクラリッサとやらは、どうやらいろんな意味で間違った認識があるみたいじゃ、正しく教えてあげなさい」
「くぅ・・・ん、なんだこれは!?」
「千冬さんと同じように透けてますね。もしかしたら帰れるかも」
「そうか。短い間だったが、楽しかったぞ」
ゆっくりと消えていったラウラを見届けると、それぞれやることを思い出し、持ち場に戻っていった。
また後日、ラウラはクラリッサに連絡し、言葉の意味を正しく教えてあげたという。