「ついに完成したぞロック!転送マシンじゃ。ワールホールを人工的に作り出し異世界に飛ばすんじゃ。滞在期間は一週間が限界だが自動的に戻ってこれるのじゃ。帰れない心配はいらんぞ」
ライト博士がISの残骸で作り上げた、人間二人分入りそうな大きさの転送マシンをロックに見せつけた。
「これで千冬さんやラウラさんのいる世界に行けるのですね、でも他に誰を連れて行きましょうか・・・」
「今日はアイスマンが遊びに来るから、一緒に行ってはどうかの?」
うわさをしていると青の防寒着を纏った少年型ロボット、アイスマンが遊びに来た。ロックはアイスマンに転送マシンの話をすると、喜んで了承してくれた。
「気をつけるのじゃぞ、危険だと思ったら逃げてもよいぞ」
「博士大丈夫です、ちゃんとしますから」
旅立つ前にビートが飛んできて、ロックマンの腕の中に降りた。
「ビートも行きたいらしいのぅ。連れて行ってあげなさい」
結局、二人と一体で転送マシンに乗り込み、ライト博士はマシンのスイッチを入れた。
期待を膨らませながら数分後、建物の屋上に降り立ったロック達。見渡してみると何処かの建築物だとわかる。
「よーし、いろんなところに行ってもみようアイスマン!」
「気をつけてねロックマン、誰が出てきてもおかしくないよ」
さっそく誰か来る気配を感じ、死角に隠れた。白を基調にした制服姿の生徒達が弁当箱を持って芝生の上に座った。
「お昼時みたいだね。僕達には必要ないけど」
「だ、誰かこっち見てる!」
予想できない事態が起きた、ビートが生徒達の方に飛んで顔を見に行ったのだ。さすがのロックマンも驚いたが、完全に馴染んでいるビートの姿を見て安心して姿を現すことに決めた。
「こ、こんにちは」
「だ、誰だ貴様ら!」
「えっと・・・ロックといいます、彼はアイスマン」
「はじめまして」
「・・・どうして学園関係者以外の人間がここに?」
警戒心剥き出しの黒髪の女性が質問する。
「信じてくれるかわかりませんが、僕達は違う世界から来たロボットなんです。ロボットの証拠、ありますよ」
ロックは戦闘モードに切り替え、左手のロックバスターを見せる。その光景を見たアイスマンとビート以外は驚きを隠せないでいた。
「へ、変身した!?」
「すごい!」
「嘘じゃなさそうだな・・・」
「突然で悪いのですが、職員室に案内してくれますか?」
「・・・いいだろう、泥棒でもなさそうだしな」
最初に警戒していた女性、篠ノ之箒は彼らを職員室へ連れて行くことにした。
職員室に着いて早々、ロックは織斑千冬を呼んでほしいと箒に頼んだ。
「織斑先生、お客様です。会ったらわかると言ってますが?」
「?今は忙しくないから、会ってみるとしよう」
千冬は驚いていた。自分の世界にいるはずのない存在、ロックが目の前にいるのだ。
「ロック、どうしてここに!?」
「ご存知なのですか先生!?」
「あぁ、彼は見ず知らずの私を保護してくれたんだ。心優しい奴だぞ」
置いてけぼりのアイスマンも、ここで挨拶する。
「はじめまして、アイスマンです。ロックと同じく、ライト博士に作られました」
「お前も・・・ライト博士は元気か?」
箒が席を外し、多少の思い出話を終えたころ、予鈴が鳴った。
「すまないロック、アイスマン。今から実技の授業だからまた今度な・・・そうだ、入校証を持ってくれ。これなら不審者扱いされないぞ」
「ありがとうございます、気をつけてくださいね」
千冬は内心、小さな弟が二人増えたような心境になった。
(一夏もロックみたいな子だったらなぁ・・・)
再会もつかの間、暇になったロックは千冬の授業を見学することにした。先ほどの女性も授業に参加していた。
「これがISかぁ・・・女の人ばっかりだね」
「博士によれば開発者が意図的にそう作ったみたい。でも僕達の技術からみたら、かなり古いものらしいね」
「今さらだけど、ライト博士に作られてよかったよ・・・ん?ロックマン、誰か降ってくるよ!」
生徒達の頭上にISを纏った誰かが急降下してくるのを見たロックは全速力で駆け、落下地点で止まると、ガッツマンから得た特殊武器、スーパーアームを使い、片腕でそれを受け止めた。
「いた・・・くない・・・あれ?え?」
「大丈夫ですか?ケガはないですか?」
「え、えぇ!?男の子がIS受け止めてピンピンしてるなんて!」
「無事か山田先生!って、ロック無理をするな・・・ライト博士が心配するぞ」
「えへへごめんなさい」
ロックの性能の高さに驚く生徒達と千冬。特に千冬はライト博士から彼のことを聞いていたが、ここまで無茶をし自らの犠牲を厭わない性格だと思っていなかった。
「みんなも彼のようにとは言わないが、力を救うために使うべきだ。決して丸腰の人間に使わないように」
この後、ロックは千冬にみっちり注意された。
時同じくして、イギリスの豪邸の庭に何かが降ってきた。大きなクレーターができており、その中心には青いロボットが倒れていた。
「ワイリー博士ひどいど。オイラ少し休まないと動かないど」
青いロボット、エアーマンは起きたかと思いきや昼寝を始めた。