自分を作ったワイリーによってふたたびセシリアのいる世界に旅立ったエアーマンは、墜落早々昼寝をしていた。
「むにゃむにゃ・・・扇風機じゃないど・・・」
それを見た屋敷の使用人達は彼が起きないように慎重に運び入れ、動けないように鎖で手足を縛る。
「何でしょうかこの手足の付いた扇風機みたいな奴は?見たことありませんよ」
「襲撃者にしてはのんびりしてますし、起きたら尋問しましょうか」
扇風機もとい、エアーマンが目を覚ます。いつの間にか自分の手足が拘束されていることに驚きを隠せないでいた。
「ど・・・どー!縛られてるど!何もしないから開放して欲しいど!」
「その前に、あなたは何者ですか?亡国機業の回し者には見えませんが」
「亡国機業なんだそれ?オイラはエアーマンだど。ここは何処だど?」
「ここはオルコット家の屋敷にございます。エアーマン、あなたは何者なのです?」
「ワイリー博士が作った空中戦用ロボットだど・・・ん、オルコット・・・もしかしてセシリアの知り合い?」
「セシリアお嬢様をご存知なのですか?」
「この世界に飛ばされたときに仲良くなったど、連絡してくれたらわかってくれるど」
彼の喋った、この世界というキーワードに引っかかるメイドの女性、チェルシー。彼によればISが存在しないかわりにロボット工学が発展した世界からやってきたという。さっそく主に連絡し、エアーマンを知っているか否か問いただすと、意外な返答が返ってきた。
「チェルシー、エアーマンがいるのですの?」
「えぇ、非常におとなしくしております。しかし、心を持つロボットなんて聞いたことありません。試しにくすぐったのですが、いいリアクションしてくれました」
「彼に替われます?」
「えぇ。エアーマン、お嬢様の無礼にならないように」
ネット電話に出たエアーマンの姿を見て、セシリアは改めて彼が自宅に堕ちてきたことを理解する。
「元気だったど?」
「本当に、エアーマンなのですね・・・」
「あの後ちゃんと帰れたけど、ワイリー博士が転送マシン作って、それの実験でここに飛ばされたんだど。でも墜落現場がセシリアの知り合いでよかったど」
「・・・そう言えば、最近ロックマンとアイスマンと名乗るロボットが学園に来たのですが、知り合いですの?」
「あの二人が?彼らはワイリー博士のライバル、ライトによって作られたロボットだど、非常に良い奴らだから仲良くするといいど」
「察するに敵同士だけど今は休戦状態ってこと?」
「そうだど。IS使う悪い奴らをやっつけるだけの実力はあるど」
のんびり話をしていると、サイレンが鳴り響く。チェルシーが慌てた様子で駆けつけてきた。
「お嬢様大変です、亡国機業が攻めてきました!」
「戦闘員全員配置につけて!エアーマンと他の方々は撤退を」
「オイラも戦うど、セシリアを困らせる奴は許さないど!」
エアーマンは庭に出、空を見上げた。参考書で見たパワードスーツを纏った女達が空を飛んでいる。
「空中戦はオイラの十八番。絶対負けないど!」
竜巻を発生させ、空を飛んだ。
「お前ら誰だ?吹き飛ばすどー!」
彼の活躍には誰もが驚いた。右手の発射口から攻撃力のある無数の竜巻、エアーシューターを発生させ攻撃を弾きながら、腹のプロペラで台風並みの突風を発生させコントロールを奪う。それだけではない、風に乗りながら近接戦も行い、確実に敵を落としていく。
「あれ?本で読んだより弱いど」
敵の増援も来たが、それらもあっさり地面に叩き落すと、地面に降りてきた。死傷者こそいないが、IS全て大破しており、修復が難しい状態。つまり完全に無力化したのだ。
「せ、扇風機のオバケめ・・・」
「扇風機のオバケじゃないど、エアーマンだど。命奪うつもりはないからISのコアを寄こすど、さもなくば」
右手の発射口が顔面に向けられる。
「全員大西洋のど真ん中に吹き飛ばすど」
「わ・・・わかった、さっさと持っていけ」
チェルシーとともにコアを回収し終えると、彼女達を警察に引き渡した。
「ところでエアーマン、コアをどうするつもり?」
「壊すに決まってるど。ワイリー博士がISについてこう言ってたんだど、こんな3秒で出来そうなチンケなものじゃなくて、エアーマンみたいなロボット作る方が面白いわいって」
「あなたの開発者って不思議な方ですわね」
この一件でエアーマンは信頼を得、オルコット家に居候するようになった。