しかし、短命であるが故に妖怪や神などよりも忙しく、儚く、喜怒哀楽する。
そんな幻想郷にある、紅魔館での1人の人間の死の話
たったの3200文字しかありません。低クオリティでもお許しください。
この幻想郷に来てからもう何十年……
私はすっかり年老いてしまった。
霊夢や魔理沙達も同様に年老いてしまったが、この紅魔館はほぼ私1人で切り盛りしてるようなものだった。
美鈴にも務まることは務まるがそうすると門番がいなくなる。
小悪魔にも務まるがそうすると図書館の司書がいなくなりパチュリー様は不満だろう。
仕事の出来も私が一番であり住民からも頼られていた私が年老いて使い物にならなくなってしまったら紅魔館はどうなるのだろうか。死んでしまったらどうなるのか。私は、自分が何も出来なくなることが怖くて夜も眠れない……。
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とある日の未明
咲「お嬢様……お茶が入りました…。」
レミ「あら、咲夜。まだ働けるのかしら?私達としては有難いけど自分の体も大切にしなければ元も子も無いのよ?」
咲「お嬢様、有難いお言葉感謝致しますがこの十六夜咲夜、この短き生涯はお嬢様と紅魔館に捧げました。自分の体なんて二の次です……ゴホッ、ゴホッ。」
レミ「咲夜、貴女もう80歳じゃない。普通の人間ならば今頃老後の楽しくのどかな時間を送っているはずよ。」
咲「いえ、お嬢様に捧げたこの身、死ぬまで…ゴホッゴホッ……お仕えさせて頂きます……。」
レミ「……そういうのなら止めないわ。その命尽き果てるまで尽くして頂戴。」
咲「承知しております。」
そう。咲夜の寿命。
いつか来るとはわかっていた。
私達吸血鬼や、魔女、妖怪の類は半永久的に生きれる。
だが人間は?
そう、とても短い時間の中で喜怒哀楽、儚き時間を過ごす種族。
だけど、そんな短い時間でも咲夜との別れが惜しい。
少しでも長く生きて欲しい。
そう思い、週に一度永遠亭に通わせたり、寝る場所を地下に変えたり休暇を増やしている。寿命が近いのなら残りの人生を咲夜には好きなように生きて欲しいから。
美鈴やフラン、パチェも咲夜の事を思って行動してくれている。
このまま、生き続けて欲しい……
そう思い続けたとある日の深夜……。
パチェ「レミィ、今すぐ地下へ来て。今すぐよ。」
パチェからの鋭い眼光の中に隠れた悲しげな目を見て私は悟った。
覚悟はしていた。
けれど、無理だった。
私は見て絶句した。
泣き崩れた。
嘘だ…絶対嘘だ……。
嘘と信じたかった……。
咲夜が、
咲夜が、死んだ……。
死んだ
しんだ
シンダシンダシンダシンダシンダシンダシンダシンダ……
私の中で死んだ、という言葉が駆け巡る。
きっと私は絶望した顔をしているだろう。
今までの紅魔館当主なら躊躇わず一人のメイドなど切り捨てていただろう。
だが、私はそれが出来なかった。
最上級クラスの妖怪、吸血鬼。
吸血鬼でありながら…。私は人間という最低クラスの強さの種族の、しかもたった1人の「死」に号泣していた。
この時私は思った。
永く生きていてこんなに辛い思いが何回もあるのなら、人間に生まれ、短き時間を忙しく、喜怒哀楽を繰り返し生きた方が幸せだったのではないか、と。
そんな感情が駆け巡る中親友の声で私は我に帰る。
パチェ「レミィ…。確かに咲夜の死は悲しいことだわ。だけどメイド1人の死如きで紅魔館当主のあなたがそんなになってちゃいけないわ。あなたのカリスマや誇り高きプライドはどこへ行ったのよ。」
レミ「う''わ''ぁ''ぁ''ぁ''ぁ''ん''
さ''く''や''ぁ''ぁ''ぁ''」
なんて情けない構図なのだろう。泣き崩れ、プライドなど微塵も感じない館の当主と、それをなだめる親友の魔女。
しかし、こんな悲しい出来事の数日後……
私は一つの日記を発見した 。
私は、あの悲しい出来事の数日後の咲夜の部屋にいる。
そう、遺品整理だ。
そこで彼女の日記を見つけた。
私はパラパラとページをめくっていった
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〇月×日
今日から私がここのメイド長になった。一応、私の成長記録としても日記を残しておく。
〇月△日
お嬢様が私の事が気に入らないようで、弾幕勝負を強いられた。当然私の負けであって、お嬢様はそれを当然ね、と嘲笑う。だけどその笑いの中に素の笑みが見えた。とても可愛らしい顔だった。
□月☆日
お嬢様が風邪でお倒れになられた。ひどい高熱で、歩くことすらままならない状態であり、館総出で治療に当たる。私が看病していた時、お嬢様は「ねぇ、咲夜……。ごめんね…?館のみんなも大変だよね…?」と仰った。
しかしその心配は的外れ、いや、もはや的から離れすぎていると言ってもいい。
何故なら館の皆はお嬢様をどんな形であれ愛しているから。
お嬢様、この十六夜咲夜死ぬまでお嬢様と一緒でございます。
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……うっ、ひぐっ、えぐっ。
私は日記の半分ほどを読んでいたところで既に号泣していた。
こんなにも私のことを見ていてくれたのだと。
こんなにも私のことを愛していてくれたのだと。
こんな幸せ者はそうそういないだろう。と私は思う。
そしてまた日記をめくる……
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☆月▼日
私の寿命が近いことがわかった。
とても名残惜しい事だ。
まだお嬢様の寿命は永い。なのに私はもうすぐ先立ってしまうのだ。メイドとして主の死を見届けることができない、主に死を見届けられる等あってはならないと私は思う。
しかし種族の関係上仕方ないと思い、私はお嬢様と共に、あと少しの短い時間を一緒に歩むことにした。
○月■日
どうやら私はもう死ぬらしい。
パチュリー様が急いでお嬢様を呼びに行ったみたいだ。
なので私はここに、遺書を残しておく。
お嬢様、貴女の最後までお仕えできず大変残念です。
しかしお嬢様がたと過ごした日々、とても充実しており、素晴らしい日々でした。
感謝してもしきれません。
最後に貴女のお顔を拝見し、一言言えればいいと思いましたが……。そんな時間はないみたいですね……。本当にありがとうございました。またいつの日か会えればいいで……
そこで日記は終わっていた
私は崩れ落ちた。
もう何も喋れないほどに泣いた。
喉が枯れるまで叫び、喚いた。
嘆いた、悲しんだ。
なぜ咲夜がここまで思っていてくれて私は何も気づかなかったのだろう、と。
私等のためにその生を使い果たしてまで尽くしてくれた。感謝してもしきれない。
きっと、永く生きる者の代償なのだろう。この悲しみは。
私は涙を拭きながら遺品整理を再開した……。
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私は四季映姫・ヤマザナドゥ。本日も小町を叱ってから職務についている。
今日も何事もなく終わると思っていた。だが最後の霊が来た時に私は驚愕を隠せなかった。
そう、紅魔のメイドである。
咲「閻魔さん?早く判決を出してくれない?」
そう急かす彼女の瞳はどこか悲しげである。まあ死んだのだから仕方ないだろうし、忠誠心の塊のような彼女だ。そして彼女と何の縁もなかったわけではない。なので、一つ提案を出すことにした。
映姫「ねぇ、メイドさん。私から一つ提案があるわ」
咲「何かしら?」
映姫「貴女……転生してみない?」
咲夜「つまり?」
映姫「私が上司に頼んで、そのままの姿形…いや、赤ん坊には戻るけど、記憶を保ったまま幻想郷に新たな命として転生させてあげられるわ。」
咲「!?本当なの!?」
映姫「ええ、前に貴方には異変の時にやられてるから、これでチャラよ?」
咲夜「ええ、その転生っての、頼むわよ。」
こうして彼女を転生させた…。
生まれ落ちた場所はいうまでもあるまい。
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十六夜のある晩の日。
私はいつものごとく門番をしながら寝ていた。
美鈴「ひっ!?咲夜さんすみまs……」
ああ、そうだった。
咲夜さんはもうこの世にいなかったんだ。
なんだか、悲しいなぁ。
そう思いながら門の前に立っていると、遠くから赤ん坊のような声が聞こえる。
美鈴「誰…?」
そこには、銀髪の可愛らしくも端正な顔立ちをした、懐かしい顔をした赤ん坊がいた。
美鈴「なんだか咲夜さんにそっくりな赤ん坊ですね。お嬢様に聞いて育てていいか聞いてみようかなぁ」
こうして私、十六夜咲夜は転生した。
初作品です。
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