ONE PIECEの世界へ~冥王の娘になりました。~   作:打出小槌

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 初めまして。打出小槌《うちでのこづち》と申します。

 これまでは、もっぱら読む側でしたが。

 書いてみたくなり。始めた次第。

 一話、1000文字~3000文字程で行きたいと思います。

 皆様に楽しんで頂けるよう頑張ります。

 どうぞ。宜しくお願いします。


 ご意見。ご感想。お待ちしております。


プロローグ

 何もない真っ白な空間に私はいる。

 

 一生を終えた後、私が一度は必ず戻ってくる場所。

 

 私は前世の一番最盛期の姿のまま。この空間に在る。

 

 私の前世ですか?

 

 第十四代目比古清十郎ですよ。

 

 あのリアルチート・・・。もとい父上殿。13代目の娘でしたが・・・。

 

 名前は比古 楓《ひこ・かえで》。

 

 当然、飛天御剣流免許皆伝です。

 

 歴代最強の・・・。

 

 なんせいろいろと+αがありましたから。

 

 ちなみに私。次で七回目なんですよね・・・転生するの・・・。

 

 もう転生特典。 いらなくないですか?・・・。

 

 これまでの知識と経験といろんな技能を使いこなせるスペックさえあれば。

 

『そちらはデフォルトでご用意します。ですがそれ以外にもお渡しします』

 

 え!?くれるの?

 

『ええ。今回はいろいろと変則的な要素がありますのでね』

 

 そう、意思を伝えてくるのは、見た目20歳程の青年。

 

 名前をジョウリという。私の契約神である物語の神だ。

 

『お久しぶりです。マトイ。随分と可愛らしいお姿になりましたね』

 

 ふふ。転生人生初の女性でしたが。良い一生を歩けたと思うよ。

 

『そのようですね。私も楽しみながら見させて頂きました』

 

 それはなにより。

 

『さて。話を戻します。・・・実は、ある物語の中へ5人の転生者が送られたようなのです。その世界の東西南北の海に一人づつ。あと中央に一人。また、転生時の能力特典として一人あたり3つまで、物語の世界観を潰さない程度のものを渡してあるらしいのです』

 

 ・・・ああ、そうなんだ。

 

 ん? ・・・らしいってことは君じゃないの?送ったのは・・・。

 

『ええ。私ではありませんよ。とある神々が、それぞれ別々の人間を送り込んだようです』

 

 ふう~ん。そうなんだ。で?なんで私をその世界に?・・・別にいらないんじゃ・・・・。

 

『それはそうなんですけどね。面白そうだから、飛び入り参加して来て下さい。ってことです』

 

 ・・・。はぁ~マジですか・・・。

 

『真剣《マジ》です』

 

 真剣なんですね。 分かりました。

 

 仕方がないです。逝きますよ。

 

『ありがとうございます』

 

 で?ホントのところはどうなの?・・・単純に、面白そうってだけじゃないでしょ。

 

『・・・わかります?』

 

 わからいでか・・・。

 

『まぁ、何と申しますか・・・。ご存知のように神々にもいろいろな方がおりますので。今回は己のミスで殺してしまった者を転生させたようなのですが。転生者の中にはちょっと性格に難のある方や癖のある方が含まれておりまして・・・』

 

 困ったような、それでいて呆れたような表情で言葉を濁すジョウリ。 

 

 んで。具体的に言うと・・・。

 

『ニートで引きこもり。30代後半、無職で親のすねかじり。自称、俺様最強オリ主』

 

 おい。頬が引きつった私は悪くない。

 

『強姦・窃盗・殺人の常習犯で政治家の息子、親の権力で揉み消していた20代の確信犯』

 

 ちょっと。眼を見開いた私は悪くない。

 

『苛められっ子の中学生の女の子と苛めていた側の主犯の女の子。因みに二人は元親友』

 

 えぇ~と・・・。困惑した私は悪くない。

 

『車に撥ねられそうな子供を庇って死んだ高校生。性格いたって真面目。誠実な雰囲気の子』

 

 やっとまともなのが来た。安心した私は・・・。うん。普通だな。

 

 って!! 最後以外、まとも子がいないじゃん!?

 

『そのようですね。・・・だからまぁ、貴方に監視や助力。ついでにフォローを頼みたいのです。又、あなたが必要だと判断したならば、排除していただいても構いません。』

 

 了解。出会い次第、・・・切る! 特に最初の二人。

 

『消すこと前提ですか!?』

 

 何か問題でも?(笑顔で)

 

『いえいえ。なにも問題ありませんよ。なにも・・・・』

 

 必死に首を振って否定するジョウリ。顔に浮かんだ汗は見なかったことにしてあげよう。

 

『肝心の、逝き先なんですけど・・・。ONE PIECEという名の原作漫画の世界です』

 

 ・・・今度は海賊ですか・・・。

 

 過去の記憶から引っ張ってくる。

 

 原作は58巻までしか知らないけど・・・。まぁ~、何とかなるでしょ。

 

 それにしても・・・。

 

『何か問題でも?』 

 

 いえいえ。良いですけどね~。別に・・・。

 

 たまには普通の恋愛ものとか。そういう世界でのんびりしたいかも。って考えていたからさ。

 

 だってそうじゃないですか。

 

 私ってば。行った世界で戦ってばかりなんですよ。

 

 異世界で仙人になったり。

 

 新宿でスイーパーになったり。

 

 傭兵王国で真修闘士になったり。

 

 三国志で無双したり。

 

 滅亡寸前の平衡世界で頑張ったり。

 

 さっきまでは、幕末の動乱期や明治維新でチャンバラしてましたし。

 

 ふふふふ。

 

 ふとジョウリを見れば何故か震えていらっしゃる。

 

 え?なに?

  

『これが終わったら普通の世界へ逝ってもらいますから。それでご勘弁を』

 

 ほんと? 約束だよ。 嘘ついたら、いくら君でも・・・・。

 

 ふふふふ。

 

『えぇ~と。・・・その笑顔がもの凄く怖いのですが・・・』

 

 誰のせいだと思ってやがりますか。

 

『すみません』

 

 自覚があるならいいよ。

 

 本気ですまなさそうに謝る彼に苦笑いで返す。

 

 んじゃね。また、百年後ぐらいに・・・。

 

『あのぉ~。まだ欲しいものを聞いていませんが?』

 

 やっぱりいるの?

 

 これまでの知識と経験を活かせるスペックはデフォルトで付いてくるんでしょ。

 

『これまで培ってきた者は全て貴方自身のモノですので当然、残せます・・・。』

 

 まぁ、いいでしょ。

 

 じゃあ、サイヤ人の成長力。限界突破、無限大。大猿化と尻尾はナシで。

 

 それに流派東方不敗マスターアジアの知識と経験。

 

 あと一つは保留でお願い。

 

『三大覇気や六式。悪魔の実などはいらないのですか?』

 

 いらないでしょ。ONE PIECEの世界の覇気が、原作通りなら。

 

 たぶん、普通に使えます。武装色はわかりませんが、似たようなものなら可能ですし。

 

 悪魔の実も、気の性質変化で自然系相手でも対応出来ますし。

 

 六式ですか? 元仙人であり真修闘士であった私に必要とは思えません。

 

『それもそうですね。・・・わかりました。それでは、特典はOKで。あと保留分はあちらで決まり次第、ご連絡ください。今回は特例ですので、私との回線を原作開始時期まで開けておきます。それまでの期間であれば、意識すればいつでも話せますよ』

 

 OK♪ その時は宜しく。

 

 うん。それじゃあ、ホントにもう逝くよ。

 

 またね。ジョウリ。

 

『ええ。ではまた。・・・・良い人生を』

  




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