やはり俺の戦車道は間違っている。【完結済み】   作:ボッチボール

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久しぶりに早めに更新出来た気がします、あっ、最終章見ました。

もうなんつーか最高ですね、新キャラも素晴らしい、そしてなにより続き早う!!(笑)
こういうののネタバレっていつから大丈夫なのかな?まだ見てない人は当然居るでしょうし。


少しずつだが、大洗に希望が集う。

「それでは、改めて準決勝に向けての作戦会議を始めます」

 

翌日、昨日と同じ空き教室に集まった俺達は二度目の準決勝に向けての作戦会議をする事になった。

 

とはいえ、前回のあれは西住が話をするより先に突撃案が出たので、実際は作戦会議とも言えないものであったが。

 

さすがに今回は誰も口を挟んだりはしてこない、負ければ廃校になる事を知り、皆表情が真剣だ。

 

「相手の主な戦力はT-34/75、85、そしてKV-2、IS-2です」

 

プラウダ高校はロシア戦車が中心、主力であろうT-34はもちろんだが、IS-2とKV-2が厄介すぎる。

 

「どんな戦車なんですかー?」

 

まだ戦車知識の浅い一年共が手を上げて質問してくる、うーむ…、これから戦う相手の戦車すら知らないのはまずいな。

 

「これだ」

 

スマホを操作して画像一覧からロシア戦車を出し、一年共に見せてやる。

 

「おー!KV-2かっこいい!!」

 

阪口がテンションを上げている。かっこいいのには同意だが相手にするならたまったものじゃないのが本音だ。

 

そういやダージリンさん情報じゃ相手のプラウダの隊長もKV-2がお気に入りなんだよな、チビッ子に大人気、ギガントとか街道上の怪物とまで呼ばれてるのに。

 

「比企谷先輩の携帯の画像…戦車ばっかり」

 

「インスタ映えすんだろ?」

 

羨ましいだろ?昨今の女子高生なんてインスタ映えするかどうかでしか写真撮らないだろうし、いや、インスタとかやってないけどね。

 

「もっとこう…普通の画像とかないんですか?」

 

「は?普通だろ、なぁ秋山」

 

「そうですね、私もたくさん持ってますし」

 

「俺の方が珍しいの持ってるけどな」

 

「私のは写り方にこだわりがあるんです、それに比企谷殿のはマニアックというか…」

 

ピリッと俺と秋山が空中で視線を交わらせた、歴女チームが好きな歴史がバラバラなように、趣味は同じでも好みが同じとは限らないのだ。

 

「はいそこ、ゆかりんも比企谷も張り合わない、作戦会議が進まないでしょ」

 

と、おかん武部に指摘され渋々引き下がる。ぐぬぬ…、いつか俺の戦車フォルダが火を吹く時が来るからな。

 

その時はもう一方のシークレットフォルダにしっかりとロックをかけておこう。

 

「…まぁそんな訳でこの二両の重戦車には特に注意だな」

 

IS-2はドイツのティガーⅠやパンターに対抗する為に生産された122㎜戦車砲搭載の重戦車、KV-2にいたっては152㎜の榴弾砲、その絶大な火力を前にしたらうちの戦車なんか爆風だけで吹っ飛ばされる可能性もある。

 

KV-2はその砲弾の重さもあって装填に時間はかかるだろうから、上手くその隙を狙えればいいが。

 

「準決勝のレギュレーションでは15両までですから、相手は当然15両で来ますね…」

 

「こちらも1両チームが増えたが、それでも15対6、か」

 

「多対一とは新撰組の得意戦法ぜよ」

 

「くっ…、こんな時にまで人数不足に悩まされるとは!!」

 

まずこの戦力差をどう埋めるかだ…、フラッグ戦とはいえ、この火力の差はどうにかする必要がある。

 

「武部達の見つけたアレは使えないんですか?」

 

アレこそ現状の大洗の火力の無さをひっくり返す事も可能な汎用人型決戦兵器にでもなり得そうだが、あぁいや、人型じゃないけどね、使ってみたかった日本語ってあるでしょ?

 

「自動車部の人達に聞いてみたんだけど、まだ整備が間に合わないんだって…」

 

「全くたるんどる!!」

 

河嶋さんはそういうがこればかりは仕方ない。そもそもまともに動くかどうかも怪しい代物なのだから。

 

「西住ちゃん、ちょっと良い?」

 

「あ、はい、会長」

 

「次の試合なんだけどね、フラッグ車、他の戦車にしてもらっていいかな?」

 

一回戦、二回戦と続けて生徒会、カメチームはフラッグ車を担当していた。 

 

その主な理由は操縦手の小山さんの腕前もあるが一番は河嶋さんの砲撃が悲しい事に当たらないからである、フラッグ車は積極的に戦うものではないので、それが適任だった。

 

「カメさんチームが攻撃に…、大丈夫なのか?」

 

「あの、河嶋先輩の砲撃って…」

 

「あ!でも昨日の模擬戦、カモさんチームを撃破したのって…」

 

「河嶋先輩…だ」

 

「む、言われてみれば確かに…」

 

「素晴らしいアタックでした!!」

 

「脳ある鷹は爪を隠す…ぜよ」

 

あー、知らない人からしたらやっぱそう見えるのね、河嶋さん覚醒!!とか。内情知ってると悲しくなってくるけど。

 

「あれは会長のお力だ」

 

「やっぱり~、なんか変だなぁと思ってたんですよね」

 

「うんうん」

 

「それはどういう意味だ!!」

 

どうもこうも…そういう意味だと思いますけど。

 

とはいえ、会長が自分からこう言い出すということは…。

 

「会長、やっとやる気になったんですね」

 

「おや比企谷ちゃん、厳しいね、最初からやる気だったんだけど」

 

どの口が言っているのか、いい加減戦車の中に常備してある干し芋没収していいかな?

 

「まっ…比企谷ちゃんもようやく観念したみたいだし、私も少しはね」

 

「…どもっす」

 

これでようやく38(t)も戦力として数える事ができそうだ、となると代わりのフラッグ車は。

 

「では、準決勝のフラッグ車はアヒルさんチームにお願いします」

 

「私達ですか!!」

 

まぁ一択だよね、準決勝は雪原だし、八九式にはソリがついてるから何かの役に立つ事もあるかもしれない(火力が無いとは言わない優しさ)。

 

「よーし、みんな!今回は私達がフラッグ車だ!相手の砲撃を絶対に受けない様、逆リベロするぞ!!」

 

「「「はい!キャプテン!!」」」

 

ふむ、意味は全くわからんがやる気は充分なので任せても問題はなさそうだ。

 

「それで作戦なんですが、プラウダは引いてからの反撃、包囲戦を得意としています、皆さん、何か意見等はありますか?」

 

プラウダの基本戦術を伝え、みんなで作戦を考える…、その根本的な部分を変えないのは西住らしいといえる。

 

もちろん、今の西住であれば駄目な意見や無謀な作戦についてはきちんと否定してくれるだろう。

 

つーかあれ?俺結構西住から却下された作戦多かったんだけど…、この違いはなに?

 

「引いてからの包囲…、スターリングラードの戦いでソ連軍が用いた包囲戦法だな」

 

「いや、九州戦国大名、島津義久の釣り野伏せじゃないか?」

 

それはどっちでも良い、とにかくプラウダ側が何か罠を仕掛けてくる事は確実だろう。

 

「じゃあやっぱりここは西住隊長が最初に言った慎重に相手の出方を見る作戦が一番って事ですか」

 

そんな訳で結局は最初に考えていた慎重に行く作戦がベストだろう、昨日の作戦会議と違って他のチームメンバーからも異論は出てこない。

 

「西住、俺から一つ提案があるが、いいか?」

 

「はい、お願いします」

 

…とと、隊長やってる西住はこういう口調なんだよな、当たり前だが一緒に戦った事なかったんで違和感がすごい。

 

「あぁその…、準決勝な、最初は突撃したらどうだ?」

 

場が凍り付いた、わかりやすく言うならば「こいつ、何言ってんの?」とでもいう雰囲気だ。

 

「ヘルマン…話を聞いてなかったのか?」

 

「それじゃあ最初の作戦と何も変わらんぞ!!」

 

まぁみんなの言いたい事もわかる、あれだけ否定してた俺本人がこんな事を言い出したのだから。

 

「それじゃ私達、包囲されちゃうんじゃないですか?」

 

「包囲されればな、でも向こうだって最初から包囲なんて作れないだろ?」

 

これは西住と二人で作戦会議していた時に思い付いたものだったが、言うつもりはなかったものだ。

 

あの時の俺は、もう作戦を考えるつもりなんてなかった。皆に嫌われて、あとは西住と逆の意見を言って西住の作戦を採用させていくつもりだったのだから。

 

今にして考えてみると酷い思考の停止だったと思う。

 

「プラウダは引いてからの反撃が得意、つまり、最初は向こうはわざと引いてくれるんだ。これはこっちにとっちゃチャンスでもある」

 

だが、今は違う、俺にできる事なんてこれくらいだから、とにかく考えろ、却下されればそれで良い。

 

「上手くいけば俺達を釣る為に何両か″撃破させてくれる″車両もあるかもしれない、それは美味しく頂こう」

 

出された料理を食べないのはもったいない、もともと戦力差は大きいのだ、それで少しでも相手の数が減らせれば御の字である。

 

「つまり…包囲されるギリギリまで、相手の戦術にのっかる、という訳ですね」

 

「んで、包囲される前に撤退、西住、お前ならそのタイミングはわかるだろ?」

 

失敗したら包囲は完成され、それこそ取り返しはつかなくなるだろうが。

 

「うん、やってみるね」

 

その2つ返事がなんとも頼もしい。

 

「相手が罠にかかってるものかと思ったら、罠にかかってるのは自分達だった…ってのは端から見てて爽快で気分良いしな」

 

あのチビッ子隊長の憤慨する姿が目に浮かぶようで少し微笑ましい、なんかもう微笑ましいって表現が出てくる時点でチビッ子なんだよなぁ…。

 

だが俺のそんな微笑ましい表情を見た戦車道メンバーの皆さんは若干引いたご様子、おや?

 

「えと…なんと言ったらいいのかな?」

 

「性格が悪い?」

 

「あ、そうそう!それそれ!!」

 

おい、一年共、陰口はせめて相手の聞こえない所でしなさい、傷付くから。

 

「いやー、比企谷ちゃんも変わらないね」

 

「まぁ、うちの連中はお人好しが多いですからね、俺や会長みたいなのが居てちょうどバランスがとれてるんじゃないですか?」

 

「ありゃ?私も?」

 

今さら何しらばっくれってんのかねー、この人は。

 

「…会長」

 

「ん?」

 

でも…まぁ。

 

「ありがとうございます、俺を戦車道に誘ってくれて」

 

感謝は…してる、一応、うん。

 

「いいよ」

 

会長はそれだけ答えてくれた、むしろあれこれ言ってこないのが嬉しかった。

 

さて、これで序盤は上手く戦果を上げれればいいが、あとは…あれはあいつに頼んでみるか。

 

「冷泉、ちょっといいか?」

 

「なんだ?」

 

さて、冷泉だが、ちゃんと起きてた!いや、そこは驚く所じゃないか。

 

「お前ロシア語、わかるか?」

 

「わかるが…、それがどうかしたのか?」

 

わかるのかよ、やはり天才か…。

 

だが助かった、おかげで辞書やらなんやら引っ張り出して調べなくて済む。

 

「ちょっと教えて欲しいロシア語がある」

 

ダージリンさんと行ったお茶会でわかった事がある。

 

後にやって来たクラーラとのやり取りを見るに隊長のカチューシャさんはロシア語がわからないようで、副隊長のノンナさんが通訳をしていた。

 

つまりだ、俺がロシア語で何を言いようとカチューシャさんには伝わらない、必ずノンナさんに通訳を求めるはずだ。

 

だったらとびっきりのロシア語を披露してやろう。

 

「ーーーーーってのはロシア語でなんていうんだ?」

 

「は?何だそれは?」

 

あ、冷泉が目を丸くして驚いている、え?そんな変な事言ったかな?うん、言ってるな、間違いなく。

 

だが、ノンナさんがこの言葉を通訳した所で、カチューシャさんは信じないだろう。

 

カチューシャさんとノンナさん、あの二人の仲は強固だったが、これで不和の一つでも生んでもらえれば幸いだ。

 

…さっき一年共にも言われたが、やっぱり俺は性格が悪いのだろう。

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

「試合の日なんですが、天候はかなり荒れそうですね」

 

さて、作戦会議は一通り終わり、残っているのはあんこうチームとカメチーム、そしてなぜか俺である。

 

だが仕方ない、作戦うんぬんよりも前に、どうしてもぶち当たってしまう問題があるのだから。

 

秋山が携帯で天気予報を確認してくれたが、試合開始当日は晴れとはいかなかった。

 

「大丈夫です、どんな場所でも花は咲けますから」

 

「いや…そういう問題じゃないでしょ、華」

 

戦車道の試合には雨天中止は基本的にないと聞く、雪もよほどの豪雪にでもならない限り試合が中止になる事はないだろう。

 

大洗にとって初めての寒冷地での戦い、そしてそれは同時にプラウダにとっては得意な戦場という事だ。

 

「でも、こればかりはどうしようもないよ…」

 

天候だけはどうしようもない、そりゃ基本的な雪原での戦いは西住も知っているが、熊本が本家の西住流だ、雪原での戦いとなると厳しい面もあるだろう。

 

「練習でだいぶ慣れたとはいえ、いざ試合となるとねぇ」

 

うーんと全員で頭を悩ます、いや本当に試合会場ルーレットで決めたのかよ?不正の匂いしかしないんだけど?

 

「あ、あの…失礼するにゃー」

 

と、そこでコンコンとドアを叩いて誰かが教室に入って来た、というか猫田、ももがー、ぴよたんさんのオンライン三銃士か。

 

選択授業を戦車道に変更してくれたは良いが筋肉不足で筋トレを余儀なくされた三人である。

 

「猫田さん達、どうしたの?」

 

「あの、僕達、山で鍛えていたら行き倒れになってる人を見つけてね」

 

「話を聞いたら戦車道の人達に用があったみたいなり」

 

「だからここまで連れて来たっちゃ」

 

ちょっと待て、ツッコミ所はいろいろあったが、姿が見えないとは思ってたけど山籠りしてたの?君達。

 

そんな三人それぞれがその行き倒れた遭難者を背負っている。

 

「た、大変!こっちにストーブあるから!!」

 

武部が慌てて教室にあるストーブに誘導する、言い忘れてたけど置いてあるのよ、寒いからね。

 

「…あ?」

 

「やぁ…また会ったね」

 

猫田達に担がれてる三人組にはなんとも見覚えがあった。

 

「こんな状況でもカンテレは持ってるんですね…」

 

「手離すのは簡単だよ、でも、大事な物はなくした後で気付くものさ」

 

「いいからさっさとストーブにあたって下さい…」

 

というか継続高校のミカさん、アキ、ミッコの三人組である、何この人達、うちの学園艦に遭難しに来たの?

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

「はぁ~…、あったまるねぇ…」

 

「さすがにあの船でここまで来るのは寒かったからなぁ、おかげで生き返ったな」

 

さて、ストーブでぬくぬくしつつあったかいお茶をすすり、ようやく回復した継続高校三人組である。

 

「あの…ミカさん、どうしたんですか?」

 

「わざわざこんな北の方まで…貴様ら何の用だ?ここにはお前達に渡す戦車は無いぞ」

 

「雪が降っているなら、サンタが来ても不思議じゃないさ」

 

「遭難してましたけどね、サンタ」

 

「旅をするのに荷物は軽い方がいいからね、少し置かせてもらってもいいかな?」

 

「なにー!うちの学園艦は荷物置き場じゃないぞ!!」

 

とりあえず河嶋さん、この人の言うこと真面目にとらえていたら話進まないからね。

 

「んで、なにしに来たんだ、アキ」

 

「はぁ…やっぱり私なんだ」

 

そりゃ、通訳が必要なんだから仕方ない。

 

ロシア語のわからないカチューシャさんには通訳のノンナさんが必要だが、ミカさんのいちいち哲学的な物言いにはアキの通訳が不可欠である。

 

「えと…その、とりあえずついてきてもらえないかな?」

 

アキを先頭に継続高校の三人に案内されたその場所に置いてあるのは…。

 

「おぉ!これは三式中戦車、チヌじゃないですか!!」

 

戦車である、早速秋山がテンション高めに近寄っている。

 

三式中戦車チヌ、サンダースの主力であるM4シャーマンに対抗する為に日本が開発した戦車である。

 

装甲こそ薄いが火力は75㎜砲、更には砲の命中精度も高い。

 

「おまけにうちの方でいろいろ弄ってあるから雪原での戦いも折り込み済みなんだぜ」

 

きっちり魔改造済みですか、そうですか、しかも準決勝のフィールドにも合わせてくれてるとは。

 

「これ、私達が使ってもいいの?」

 

「私はこれをここに置いていくだけだからね、それをどう使おうと君達の自由さ」

 

「…どういう風の吹き回しですか?」

 

「風は気まぐれなものだからね」

 

上手いこと言ったつもりかな?

 

「それに、前にこの借りは返すとも言っただろう」

 

「…ところで、元々うちに1両あった戦車がなくなってたみたいなんですけど?」

 

「さぁ?風に吹かれたんじゃないかな?そしてまたここに戻ってきた」

 

そこまでいくともう竜巻レベルの災害だろ…、全く、この人は。

 

「これで準決勝に向けてもう1両…、西住、チヌには当然…」

 

「はい、猫田さん達、お願いできますか?」

 

「え?私達がなり?」

 

「大丈夫かにゃー…」

 

「不安だっちゃ…」

 

三人は自信無さげだが俺と西住は心配なんてしていない。

 

継続高校の三人を担いでここまで来たのだ、以前の彼女達とは比べる必要もないだろう。

 

どんな筋トレをしていたのか知らないが、戦車に乗る為に努力していたのはすぐにわかる。

 

「と、とりあえず砲弾を持ってみるっちゃ」

 

ぴよたんさんが75㎜砲弾を手に掴んだ。

 

片手で軽々と…。

 

「…うぇっ!?」

 

変な声が出た、いや、マジで。

 

「本当だ!持てるっちゃ!!」

 

「これで私達も戦車に乗れるにゃー」

 

「憧れのリアル戦車なり!!」

 

75㎜砲弾を振り回しながらわいわいとはしゃぐオンラインゲーマー達。

 

「…なぁ西住、75㎜砲ってあんなぶんぶん振り回せるものだったっけ?」

 

「…あはは」

 

あ、笑って誤魔化しやがった。

 

そりゃ筋トレはした方が良いとは言いましたが、誰がここまでしろって言ったのよ…、腕相撲とかやったら絶対負けるぞこれ。

 

…本当にどんな筋トレして来たんだろ?

 

「大洗の人達も面白いね…」

 

「そうだね」

 

まさか継続高校の人達にまでそう言われると思わなかった、何かと否定から入るミカさんが頷くレベルである。

 

「んで、ミカさん達はどうするんですか?」

 

これで準決勝に向けて更に戦車が増え、戦力も上昇した。

 

「風の吹くまま、流れていくさ」

 

だが、重要な事はもう1つある、それは彼女達が継続高校だという事だ。

 

「なら…、もう少しだけ大洗に居ません?飯と寝床の保証はしますよ(生徒会とかが)」

 

継続高校の得意な戦場は湖沼地帯、そして寒冷地。

 

「かわりと言っちゃなんですけど、ちょっと教えて欲しい事がいろいろとあります」

 

まさにそれは準決勝のフィールドであり、大洗にとって不慣れな戦術を知る機会でもあった。

 

…もしかしたらいけるかもしれない。

 

力の差は今でもまだ明確だが、それでも運はこちらにあると思えた。

 

これもひとえに俺の日頃の行いの良さだな。…違うか、うん、違うな。

 

このまま何も起きなければいいけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

「奥様、ただいま戻りました」

 

西住本家に戻った菊代は深々と西住しほに頭を下げる。

 

「そう、おかえりなさい」

 

しほは机に向き合い、戦車道関連の書類に筆を走らせながら答える。

 

「みほお嬢様とお会いして来ました、お元気そうでしたよ」

 

「…そう」

 

しほはそれ以上言葉を続けない、筆を走らせる手も止めず、ただそれだけ答える。

 

「…男の子と一緒でしたよ、とても仲睦まじいご様子でした」

 

「………………………………そう」

 

ピタリと、しほの筆の動きが止まった。

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