やはり俺の戦車道は間違っている。【完結済み】   作:ボッチボール

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個人的に俺ガイルで好きな場面なんですが八幡が主要キャラ以外の人とちょっと絡む話って良いですよね?生徒会の副会長とか書記ちゃんとかとのちょっとしたやり取りがなんか好き、うん、わかる人居ないなたぶん。

ガルパンの生徒会ですが劇場版とか最終章にてちょくちょく河嶋さんが指示を出してる女子生徒何人か居ましたのであの三人以外にも居る感じの認識です、今後深く本編に絡ませるかは不明ですが。
四人と確定した自動車部、100人以上の風紀委員、生徒会は…実際どうなんだろ?



鍋をかこみつつ、彼と生徒会との悪巧みが進む。

「あぁ!なんだかだんだん近付かれて来てますよ!!」

 

「えぇ、やはり重戦車による盾が黒森峰の進軍を早めています」

 

高台から黒森峰を砲撃するも、重戦車がそれを受け止めながら前に進み、後続の戦車がそれに続く。

 

重戦車故に坂道でのスピードは遅い。だが、ジリジリと確実に黒森峰の戦車が迫って来ている。

 

「このままだと包囲されるわね」

 

「…ですね」

 

ゆっくりと首を絞められているようなものだ。そもそも姉住さんの対応の早さから、大洗がここを要塞にする事は最初から読まれていたのだろう。

 

そんな場所でこのまま戦い続けてもジリ貧で押し負けるだけだ。

 

「まぁそろそろ潮時でしょうし、撤退するんじゃないですか?」

 

聖グロリアーナとの練習試合の時も、似たような状況ですぐに市街戦に切り替えた西住だ。ここまで迫られ、何もアクションを起こさない訳は無いだろう。

 

「えー…撤退って逃げちゃうの?せっかく頑張ってあそこに移動したのに」

 

「あのな小町、世の中何事も潮時ってのがあるんだよ、人間関係とか勉強とか仕事とか」

 

「いや比企谷、そこは引いちゃダメな場面じゃないか!?」

 

安斎さんが即座にツッコミを入れてくれるが、小町の方はいまいち納得していないのか、うーんと首を傾げている。

 

「高台に陣取るのは攻撃面では有利になるわ、でも…」

 

「一度囲まれてしまえば逃げ場がなくなるのよ、今回みたいに数も戦力差もあれば尚更ね」

 

「あっ!言われてみれば確かにそうですね!!」

 

ダージリンさんとカチューシャさんの紅茶フレンズの追加解説で、小町もようやく納得したのかポンと手を打った。

 

「いやーお兄ちゃんの説明って正直回りくどくてわかりにくいので、助かります!!」

 

バッサリとお兄ちゃんを切っていくスタイルの小町。えぇ…そんなにわかりにくいかな?俺としては、ついでに世の中の真理も教えたつもりなんだけど…。

 

「でも、この状況から撤退も簡単じゃないわよ」

 

ケイさんの言葉に改めてモニターを見る。この高台から撤退する条件はというと…。

 

大洗を包囲せんと進軍する黒森峰の中を突っ切る。

 

ふむ、シンプルイズベストにして無理難題、突撃大好きな知波単の西なら瞳を輝かせそうである。

 

が、こちらは当然無策で突っ込む訳にはいかない。そろそろ…アレをやる頃合いか。

 

会場内の観客の視線がモニターに映る大洗と黒森峰の砲撃戦に集中する中、別方向から彼女達はひっそりと動き出した。

 

車体に書かれたカメのイラストと違い…いや、あのイラストのカメはなぜか走ってるんだけど。まぁ、軽快に黒森峰の陣中へと向かっていくのはヘッツァーである。

 

大洗学園生徒会、カメチーム。彼女達が試合開始からここまで、味方の部隊から離れて1両だけのぼっちでいたのは全てこの為である。

 

ふむ、やはりぼっちこそ最強とここは主張したいが、彼女達の向かう先は黒森峰の陣中、そこにたった1両で突っ込むのだ。

 

例えるなら、ぼっちがリア充グループの中へと突っ込むようなもので、それがどれだけ過酷なものであるかは説明する必要もないだろう。ほら、小町にはあぁ言われたが、例えはわかりやすいよね?

 

…それでもここはやって貰わねばならない。だが、不思議と不安を感じないのはなぜだろうか?

 

はてと首を傾げてすぐに納得できた。イベント事が大好きで、やると言った事はどんな無理難題も大抵実現させてきたのがうちの生徒会だもんな。

 

普段のあの人達を見ているのだ。いったいどこに不安に思う必要があるという?

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

西住との作戦会議を終えた後、用事があると告げてそのまま学校に残った俺はパソコン室を借りてカチャカチャッターンとキーボードを軽快に叩く。

 

パソコン室を出る頃には辺りはすっかり暗くなっており、放課後と呼ぶのはもう憚れる時間帯である。

 

窓から運動場を覗いても、もう活動している部活動は無い…と思いきや、自動車部のガレージの明かりが見えた。あの人達どんだけだよ。

 

俺の足取りはとぼとぼと暗くなった廊下を歩く。端から見るとゾンビィにも見られそうだが、ここはゾンビランドイバラギではないので安心して欲しい。

 

向かう先は【生徒会室】、これだけで俺の足取りが重い意味はよくわかってもらえた事だろう。

 

生徒会からの呼び出しで何度か強制召集された事こそあれど、自分からここに出向く事は少ない。なぜなら、ここに来る用事の大半は面倒事ありきだからだ。

 

当然生徒会からの呼び出しも面倒事にカウントされるので、もう生徒会室が面倒事の固有結界みたいなものである。

 

これから話す内容も考えるとより一層億劫になってくるが…この時間だ、さすがに生徒会のお三方も帰っているだろう。

 

とりあえず今日はパソコン室の鍵を返して話は明日に回そう、明日やろうそうしよう。

 

コンコンと軽くドアをノックすると、ガチャッと向こうから誰かがドアを開けてくれた。つまり、残念ながら生徒会にはまだ人が残ってるという事だ。

 

「あ…」

 

ドアを開けてくれたのは…えと、誰だったか?生徒会企画のイベントで何度か顔を合わせた事はあるが…名前が出てこない。

 

「うす…」

 

とりあえず生徒会女子A子さんとでも心の中で名付けておくか、まぁ向こうも俺の事知らないだろうし。

 

「えと…比企谷さん、どうしました?」

 

…そんな事はなかった。うわー…超気まずい、A子さん呼びとか申し訳ないから、今後は英子さんと仮に呼ぶ事にしよう。

 

「あー…その、会長は?」

 

とはいえ向こうもせいぜい俺の名前を知っている程度の認識だろうし、お互い気まずい事に変わりはない。さっさと本題に入るか。

 

英子さんに案内され生徒会室の奥の部屋、いつも会長が椅子に座って干し芋をよく食べてる部屋へと入る。

 

「あれ?比企谷ちゃん、まだ残ってたんだ」

 

会長はいつもと同じように椅子に座っているが、その手に干し芋でなくペンがあるところを見ると、なにやら書類仕事の最中のようだ。

 

「それはこっちの台詞ですよ、忙しそうですね…」

 

英子さんの他にも、数人の生徒がこの時間まで残っているのを見るとなかなかに修羅場ってそうだ。締め切り間近のラノベ作家のようである。

 

「そうね、今年は戦車道の事もあるからいつも以上に忙しいかも」

 

小山さんが書類の束を机にトントンとまとめると、ふぅとため息をついた。

 

聖グロリアーナやプラウダ、サンダース等に比べるとどうしても小さく見えるうちの学園艦だが、それでも住民数でいえば三万人を越える。

 

簡単に言えば学園艦とは海を進む都市なのだ。もっと簡単にいえば超時空要塞的なあれである、いっそ人型に変形とかしねぇかな…。

 

それだけの規模の学園艦をまとめる必要があるのだ、そりゃ生徒会が忙しいのは当然といえる。

 

「比企谷ちゃんも来たしちょっと休憩しよっか、みんなにも伝えといてー」

 

「わかりました」

 

そんな気を使う事もないと言おうと思ったが、そういややけに静かだと思ったら河嶋さんが何も喋っていない。いつも俺が部屋に入ると大抵怒鳴り付けてくるのに。

 

「もうダメだぁ、間に合うはずがないよ、おしまいだぁ…」

 

そう思って河嶋さんを見ると、机に突っ伏してぶつぶつとなにやら呟いていた。口から魂でも漏れてそうなレベルである…あっ、これ駄目なやつだわ。

 

「かーしま、休憩」

 

「…ふぇ?はっ!か、会長!?それに比企谷まで、な、何の用だ?」

 

「あー…どうも」

 

慌ててキリッとした表情を見せる河嶋さんだが、もう何もかもいろいろと手遅れだという事は言わないでおくとしよう。

 

「そろそろ良い時間だし、ご飯にしよっか?比企谷ちゃんも食べてってよ」

 

「いや、俺は別に…」

 

「何か話があるんでしょ、ご飯食べながら聞くよ」

 

まぁ、確かに話はあるんですが、別にご飯食べる必要は無いと思う。

 

だが会長は俺のそんな言葉は聞くつもりがないのか、手際よく晩御飯の準備を進めるので、仕方なく小町に連絡を入れた。

 

この手際の良さからも見てとれるが、この人こう見えて料理が趣味だったりするのだ。

 

「河嶋、アレ出して」

 

「はっ!!」

 

会長の指示にすっかり回復した河嶋さんも合わさり、テキパキと晩御飯の準備がされる、アレで通じる辺りこの人も相当仕込まれてんな…。

 

「いや…なんでこたつ?」

 

だが河嶋さんが引っ張り出してきたものには疑問を感じざるを得ない…こたつである。

 

比企谷家でもつい最近までこたつを出していたが、それはあくまでも準決勝戦である雪原フィールドへ向かう学園艦の気候に合わせた為なので、さすがにもう撤去済みだ。

 

「やっぱ鍋といえばこたつだよ」

 

いや、それ答えになってない気がするんだけど…。

 

「わ~あんこう鍋ですか!!」

 

と、ここで残ってるメンバーに休憩の話を伝え戻ってきた小山さんが嬉しそうな声をあげた。あんこう鍋好きなのか、可愛いなこの人。

 

「そ、せっかく比企谷ちゃんも居るしね」

 

手早く鍋の準備を済ませると、生徒会の三人はそのままこたつの中に入る。ちょっとは抵抗とかないんですかね…。

 

「ほら、比企谷ちゃんも座った座った」

 

「…お邪魔します」

 

この状況で自分だけこたつに入らないのもアレなんで、のそのそと入る。このぬくぬくとした感じ…ふむ、なんだかんだ言ってもこたつってやっぱ神なんだよなぁ…。

 

こたつの中央に置かれた鍋はコンロの火にかけられ暖められている、食べるとなればもう少し待たないといけない。

 

「そういえば西住ちゃんともこうやって鍋食べたっけ」

 

「あの時は結局、廃校の話は言えませんでしたね…」

 

そうなると必然的に雑談タイムになってしまう。あぁ、準決勝の前に西住が生徒会に呼ばれたのはこれか。

 

廃校の件を西住に伝えようとしたが、やはり伝えられなかったのか。まぁ…仕方ない。

 

特に黒森峰の頃から、西住流として常に勝利の重圧と戦ってきた西住の事を考えると、余計に言い出せない事だったのだろう。

 

それはきっと、西住を戦車道に巻き込んだ生徒会が出来る、最大にして最小限の配慮のようなものなのだ。

 

世の中言えない事、言いたくない事、言わなくて良い事なんてのは山ほどある。

 

だが、それと同時に言わなければいけない事だってあるのだ。何も言わなくても話が通じるなんて考え方は、傲慢でさえある。

 

「…決勝戦の作戦が決まりました」

 

だから俺は口を開く、告げるのは西住とも話した決勝戦での作戦。

 

高地に陣を構えて黒森峰を迎え撃つ、それは良い。だが問題はその後だ。

 

本命はあくまで市街戦であり、どうしても必要になってくるのはその高地からの撤退方法。

 

…隊長として自分が話をすると言っていた西住には後で怒られそうだが、わざわざ試合を前に揉めるのもなんだしな。

 

「カメチームの皆さんには、単機で黒森峰に突っ込んで撹乱をしてもらいます」

 

たった1両で敵陣へと突っ込み、黒森峰のヘイトを集めるだけ集めてタゲ取りをしてもらう。それがどれ程危険な話か。

 

囮になれ、なんてレベルの話じゃない。下手すれば黒森峰の全戦車から集中砲火さえ浴びかねない。

 

「ん、りょーかい。あ、鍋そろそろ良い感じじゃない?」

 

「そうですね」

 

「では、食べましょうか」

 

生徒会の三人は鍋の蓋を開け、割り箸をパキッとすると、それぞれ思い思いに自分の茶碗に具をよそう。

 

…え?あれ?

 

「えと…それだけ?」

 

リアクション薄ッ!!言い出しといてなんだけど、わりと無茶な作戦だよこれ。

 

「ん?あんこう少なかったならもうちょい入れる?」

 

いや、それだけって具が少ないって意味じゃなくて…。比企谷家の肉があんまり入ってない鍋じゃないんだから。

 

「いやその…不満とかないんですか?」

 

「勝つ為に必要なのだろう?」

 

「まぁ…はい」

 

「うん、だったら…頑張ってみるしかないよね」

 

毒気を抜かれたというか…あんだけ気合い入れてた自分が馬鹿らしく、同時に恥ずかしい。

 

「なにも死ぬ訳じゃないからねー」

 

あぁ…うん、ヤークトさんにパンター君、ティガーどんやエレファントちゃん、その他諸々に集中砲火浴びても大丈夫。何故なら戦車道は安全には充分配慮されてますから!!

 

…いやそれ、本当に大丈夫かよ?

 

「それに、本当に危ない作戦なら西住ちゃんが止めてるでしょ?」

 

「なるほど…」

 

そう言われれば納得してしまう。もちろん、こちらとしても別に生徒会に恨みがあって私怨で特攻紛いの突撃をしろと言っている訳じゃない、ホントデスヨー。

 

西住がGOサインを出したのだ、きちんと勝算だってある。

 

「あえて突っ込んだ方が安全だったりするんですよ。相手は同士討ちの恐れもありますし、下手に手が出せない」

 

それは、たった1両で敵陣に切り込むからこそ取れる戦い方とも言える。

 

エリート集団の黒森峰だって、フレンドリーファイアの可能性とか考えちゃうとどうしても攻撃の手は緩まるはずだ。しかしフレンドリーファイアって字面だけ見るとひでぇな…。

 

「だって嫌でしょ?味方撃っちゃったら今後のそいつとの関係は気まずいし、チームには居づらいしで。そうなると簡単には撃てなくなるはずです…まぁ同士討ちしてくれれば、それはそれでラッキーですけど」

 

「比企谷君、言い方…」

 

「あとその顔止めろ、どこの悪キャラだお前は」

 

ほら、こんな風に味方攻撃すると傷付いちゃうでしょ、主に俺が。

 

「それに、マニュアルがしっかりしている分、それが崩れればパニくってくれる可能性が高いです」

 

「ふん、それくらいでパニックになるようでは黒森峰もまだまだという事だな」

 

ほんと、この人すげぇブーメラン投げてくるよな。戦車道よりブーメランで大洗盛り上げても良かったんじゃないの?

 

「じゃあなんとかなりそうだね。ほら、比企谷ちゃんも早く食べなよ」

 

「あぁ…まぁ、いただきます」

 

いや、本当軽いな。楽観的というか…でも考えてみたらこの人の場合はいつもそうか。

 

「それで、作戦名はどんなの?」

 

「【「これマニュアルね、わかんない事あったらこれ見てね」って言って放置する職場の先輩作戦】といってこれは…」

 

「あっ、西住ちゃんの方ね」

 

「…【おちょくり作戦】ですけど」

 

「おちょくり良いねー」

 

俺のは?いや、マジでこういう人って居るのよ。普段マニュアルマニュアル言ってるけど、大抵こういう人はマニュアルにとらわれてて思考が【AT(オートマ)限定】なんだよなぁ…。

 

「んで、これ…黒森峰側で挑発に乗りそうな奴と、そいつの乗りそうな戦車です。西住の情報からまとめてみました」

 

作戦用にさっきパソコン室を借りて作っていた資料を渡す。

 

「やたら遅い時間に来たと思ったら、こんな物作っていたのか…」

 

「まぁその、仕事ですし…とはいえ確証はないんで参考程度ですが」

 

「ん、後で見とくよ、あんがとねー」

 

「あぁこれ、俺が勝手にやった事なんで…」

 

「西住ちゃんには内緒って事?」

 

理解が早くて助かるが…それは同時に俺の考えてる事なんてお見通し、とでも言われてるみたいで少し癪にも感じる。

 

西住にはもちろんその気はないだろうが、結果的にかつてのチームメイトの情報を売ったような形になっているのだから。

 

「また変な所で気を回すんだね」

 

「…そんなんじゃないですよ、ただの独断専行です」

 

話題をさっさと終わらせ、そこからは黙々と鍋をつつく。四人でつつけば鍋もあっという間に空になるので、鍋とこたつを片付けると三人はそれぞれのポジションの椅子に座った。

 

しかし…会長の作るあんこう鍋マジ美味いな、隠し味とかあったりすんだろうか。

 

「まだやるんですか?」

 

そういやこれ、休憩って言ってたっけ。それにしても晩御飯食べてまた仕事って、生徒会ってやっぱブラックなんだよなぁ…。

 

「もう一踏ん張りかな、戦車道もそうだけど二学期の事もあるから」

 

「後任への引き継ぎの段取りも、そろそろ始めないといけないな」

 

「後任…」

 

そうか…大洗が廃校になるにせよ、ならないにせよ、生徒会の任期として考えれば、今年の一学期で終わりなんだよな。

 

「なんか会長って、ずっと会長やってるイメージでしたから、あんま想像つかないですね」

 

去年俺が入学してからずっと、大洗生徒会といえばこの三人だ、それが当たり前すぎて代替わりにはいまいちピンとこない。

 

「そう?まぁ私達って一年からずっと生徒会やってるからね」

 

…マジで?一年で生徒会会長とか、どこのあざと可愛い生徒会長だったのだろう?

 

しかし生徒会の後任ね。この生徒会を引き継ぐって、普通に考えてプレッシャー半端ないし仕事量ヤバいしで、生徒会選挙やるにしても、そもそも立候補するような物好き居るのか?

 

「比企谷ちゃん、生徒会とかどう?」

 

「落選確定な選挙に出るほど冒険野郎じゃないんで、遠慮しますよ」

 

面白い冗談に少し笑いそうになってしまったが、ここで曖昧に答えるといつぞやの風紀委員長さんのように、いつの間にか生徒会の人員に数えかねられない。誰も立候補者居ないと人数合わせでそれはあり得そうだし。

 

あ、でもダルマに目を入れるのとかは少しはやってみたい気がせん事もないが…それくらい。

 

…思えば入学から今日まで、あの交通事故からずっと、この人達は変わらず俺の先輩だったのだ。

 

こうして一緒に鍋をつつく機会がまたあるかわからないが、この人達は俺より先にこの学園艦から卒業し居なくなる。

 

だったら…せめて、この人達の満足いく形で送り出したいと思う。廃校を撤回し、大洗学園のOBとして。いつか、生徒会を三年間続けた事を自慢話に出来るくらいには。


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