やはり俺の戦車道は間違っている。【完結済み】   作:ボッチボール

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更新空いちゃった上に短めですいません、最近ちょっと忙しくなってきて…。
たまにはこういう俺ガイル的な話が書きたくなる、そういえば最近戦車戦も書いてないんで次は久々に書こうかな…。

なお、今一番書きたいのは大洗の制服を着た家元の話である、ついに公式がやりやがったよ…。


これが彼と彼女達のラーメン道である。【前編】

「という訳で、ラーメン三銃士を連れて来たよ」

 

「整備を終えた後の一杯が堪らないとの事だ、自動車部のツチヤ」

 

「ドリフト後のラーメンも格別だよー」

 

「元気にラーメンを食べる姿がとても可愛らしい、ウサギさんチームの阪口 桂利奈さん」

 

「あいー!やったるぞー!!」

 

「んで、一人でラーメンを食べている姿をよく見かける比企谷ちゃん」

 

「いや、人をオチに使うの止めてくれません?」

 

開幕早々何言ってんだこの人達は?ツチヤと阪口はノリノリだがそのノリについていける気がしない。

 

「ラーメン三銃士…って何?」

 

それは同じく突然呼び出されたであろう武部も俺と同じ気持ちだったのか、手を上げる。ほんとだよ、なんだよラーメン三銃士って。

 

「とりあえず大洗でラーメン好きな三人を呼んでみたんだよ」

 

「…帰っていいですか?」

 

それもうただのラーメン好きな三人じゃねぇか。せめて麺の専門家とスープの専門家と具の専門家を呼べよ。

 

「まぁ待て比企谷、これは生徒会からの正式な依頼だ」

 

うわ出たよ生徒会案件、そもそも俺生徒会じゃないんですけどそこら辺わかってます?

 

「あのー、私生徒会じゃないんですけど」

 

というか武部もツチヤも阪口も生徒会じゃない、それなのに一体なんの権限があって俺達に仕事を押し付けるというのか。

 

「わかってるわかってる、んで、お願いなんだけどさぁ」

 

お願い(強制)。…忘れてました。生徒会って権限があるんですよね、ほんと誰だよ、この人達に権力与えたの。

 

「比企谷君、そんな嫌そうな顔しないで話だけでも聞いて、ね?」

 

小山さんがやんわりと話を聞くように促す、口調こそやんわりしたものだがこの場合やんわりとした圧なのだ。

 

「そうだ、話を聞けばお前にも得がある話かもしれんぞ?」

 

「はぁ…、で、なんですか?」

 

「学食のラーメンなんだけどさぁ、みんなは食べた事ある?」

 

「あー、まぁ…一度くらいはですけど」

 

基本的に学食は人が多くて利用を避けてはいるが、この学園にも一年以上通っている。さすがに一度も使っていない…という事はない。

 

購買部で目当てのパンが売り切れたり、いつも飯を食べているベストプレイスが雨で使えなかったり、そんなやむを得ない時に渋々選択肢に入れた事はある。

 

そこでメニューにラーメンがあるのだ、せっかくの機会だし食べてみるか…となるのはラーメン好きとしてはあるあるだ。

 

「私もあるよー」

 

「私も!!」

 

「うーん…私はそうでもないけど、華がよく頼んでますね」

 

そこはラーメン好きとしてツチヤと阪口にも通じるものがあるのか、二人共食べた事はあるようだ。五十鈴は…ラーメン好きというか、ほら…アレだから、スープ代わりかな?

 

「それで、味はどうだ?」

 

「…普通かなぁー」

 

「うん、普通」

 

ツチヤと阪口が答えてくれたので俺も頷いておく。なお、この場合の普通はわりと気を使っての普通という場合が多い。

 

美味くもなければ特別不味いという訳でもない、言ってみれば記憶に残らない味だ。俺も食べた事はあるがどんな味かと言われれば普通と答えるぐらい感想に困る。

 

あえて言うならよくあるありふれた昔タイプのあっさり醤油ラーメン。ラーメン好きならそれだけで「あぁ、それね…」とか通ぶれるだろう。

 

「うーん、やっぱりそうよね」

 

「事前に調査した食堂のアンケートでも似たようなものだったしな」

 

机に置かれていたアンケート用紙を見て河嶋さんが答える、中身は知らんが多分どの意見も似たようなものだろう。

 

「学食ラーメンなんてそんなもんでしょ」

 

これがちゃんとしたラーメン店なら容赦ない酷評が食べログに書かれるだろうがしょせんは学食の一メニュー、もちろん俺も味に期待なんてしなかった。

 

「だが食堂のメニューの中でラーメンの売り上げが伸び悩んでいるのは事実だ」

 

「麺だけにね、河嶋に座布団いっちまーい」

 

山田くーん、河嶋さんの座布団全部もってっちゃってー。

 

「私はよくわかんないけど、ラーメンを食べたいって時もあるんじゃないですか?」

 

「今はカップラーメンも豊富だからな、わざわざ高い金払って食堂のラーメンを頼む必要はないだろ」

 

学食メニューなんでそりゃ普通のラーメン店よりは安いが、それでもカップ麺のコスパにはかなわないだろう。

 

同じラーメンを食べたいなら購買のカップ麺で事足りる。

 

「あー、最近はどんどん進化してるよね」

 

「うん、この前食べた新作も美味しかった!!」

 

例えばこれが丼物や定食なら食堂で食べるしか選択肢はないがラーメンとなればお手軽に種類も多いカップラーメンで済ませられる。

 

「じゃ、お願いってのはそのラーメン絡みですか?」

 

「うん、だから食堂のメニューからラーメンを外そうかって相談を栄養科の子達から受けたんだけど」

 

「使わない材料を置いといてもコストが悪くなると、農業科と水産科からも相談があった」

 

…貧乏が世知辛い、廃校問題が解決しても大洗が貧乏なのは変わらないって事なのね。戦車道連盟さん、優勝校に寄付金とかくれません?

 

「えー!ラーメン無くなっちゃうんですか!!」

 

阪口がぶーぶーと文句をたれる、お前もさっき味普通だったとか言ってただろうが。

 

「それは最終手段だ、その為に今日、お前達に集まってもらった」

 

「つまり、食堂のラーメンが売れるようなアイデアが欲しい…って事ですか?」

 

「ツチヤさんと阪口さんと比企谷君はラーメンが好きだし、武部さんは料理が上手でしょ?なにか良いアイデアが浮かぶかと思って」

 

つまり、食堂ラーメンの売り上げを伸ばす方法を考えろ、という事らしい。いや、そういうのは専門家に任せろよ、ラーメンコンサルティングしてる発見伝だか才遊記だかの人いないの?

 

「料理が上手いって話なら会長もそうじゃないですか?」

 

さらっと仕事を押し付けようとしている会長に文句をたれる、もちろん、こんな面倒な仕事を好んで引き受けるつもりもない。

 

「干し芋ラーメンってのを考えたんだけど」

 

…なにそれ美味いの?干し芋パスタがありなら同じ麺類繋がりでラーメンもありって理屈?

 

「でも干し芋材料に使っちゃうと普段食べる分が無くなっちゃうよね?」

 

「いや…よね?って言われても…」

 

さも当然のように結論つける会長、この人普段どんだけ干し芋食う気だよ、頭まで干し芋に染まってない?

 

「…むー」

 

そんな会話をしていると武部が面白くなさそうに俺を見ていた。いや、俺も仕事押し付けられそうで面白くないんだけどね、それなら俺じゃなくて生徒会を睨みなさいよ。

 

「…なんだよ?」

 

「なんで比企谷が会長が料理上手なのを知ってるのよ?」

 

「…いや、なんでって」

 

ほんとなんででしょうね?いや、あんこう鍋とか振る舞って貰った事あるんですけどね。ほとんど生徒会の仕事の残業代みたいなもんですよ、あれ。

 

むしろ会長が料理作る=まだまだ仕事はたくさんあるよーって図式でうんざりさえする。いや、料理自体は大変美味しゅうございましたけどね。

 

「武部ちゃん、ちょいちょい」

 

「はい?」

 

なんか一気に不機嫌になった武部を会長が手招きする、こそこそとなにやら耳打ちをすると武部は顔を赤くしながらチラリとこちらを見た。

 

「…なんだよ?」

 

「比企谷って…そんなにラーメン好きなの?」

 

「は?まぁ…好きだけど」

 

「そっか…じゃあ私、ちょっと作ってみようかな。い、言っとくけど、食堂!食堂の為だから!!」

 

なんだかわからんがやる気らしい、相変わらずお人好しというか…面倒見が良い奴だ。

 

「それに成功の暁には特典も付けるぞ、食堂の食券100枚だ」

 

「おおー!ほ、ほんとですかー!!」

 

「ありがたいねー、浮いたお金で新しいパーツも買えそう」

 

成功報酬を言われて阪口とツチヤもやる気を出したようだ。食堂の食券100枚といえば戦車道受講者特典にもあったあれ、つまり生徒会のいつもの手である。

 

「そっか、じゃお前ら頑張れよ」

 

普段食堂を利用するものなら昼飯代が浮くので当然ありがたいのだろうが生憎食堂を利用しない俺にとっては無価値でしかない。

 

「えぇ!?この流れでやらないの!?」

 

「むしろなんでやる流れだと思ったんだよ、普段食堂使ってないだろ、俺」

 

「え?じゃあ比企谷先輩いつもどこでお昼食べてるんですかー?」

 

おい、止めろ阪口。その手の質問は人によっては特攻入るから、俺は平気だけどクリティカルにささる人多いからね?

 

とにかく、食堂のラーメンが改良されようが普段学食を利用しない俺にとっては関係ないし、食券を貰っても使い道はない。

 

…使い道はない。は言い過ぎたな…、戦車道特典の食券、あれはあれで有効に活用させてはもらったが。

 

「比企谷ちゃんにも良い話だと思うんだけどなー」

 

会長が不敵に微笑む、こういう表情をこの人が見せると録な事がない。

 

「はぁ、なにがです?」

 

「ところで最近、我が校で不正に食券を購入する方法があると聞いている」

 

…ギクッ。

 

「なんですかそれー?」

 

「ネットで食堂より安い値段で食券が買えるらしいの」

 

「あー、フリマアプリだね、私もたまに自動車のパーツないかチェックしてるけど」

 

…ギクギクッ。

 

「生徒会として、そういった転売行為を見過ごす訳にもいかないが…」

 

「この事が風紀委員の園さんの耳に入ったら、風紀委員総出で捜査されるかも…」

 

「ほんと!転売とかする奴にろくなの居ませんよね!!」

 

マスクやら最新ゲーム機やら映画入場者特典やらほんと、転売ヤーにろくなのいない!うん!!

 

「で、引き受けてくれるよね?比企谷ちゃん」

 

これは脅しというのでは?いや、この場合は司法取引といった方が良いのか…。

 

「…はぁ、了解です」

 

やはり、この人達は油断ならない…。みんなも転売!ダメ!絶対!!




ところで戦車道受講者特典にもあった食券って一枚いくらなんだろ?
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