やはり俺の戦車道は間違っている。【完結済み】   作:ボッチボール

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【※前回のルール違反について】

戦車道のルールについて。

戦車の搭乗員が全て降車した戦車は失格となる、失格となった戦車の操作は、以後一切してはならない。
公式のルールにあるこの二つのルールなんですが…、はい、恥ずかしながら全然知りませんでした。

展開からいえばどっちにしろ大洗の反則負けに変わりは無いんですが、相手側のダージリンさんがノリノリで戦っているのには違和感しかありません。

なのでこのルールに関してはこの小説では全員降車した瞬間即失格…では無く、降車後、一定の猶予があり、戦闘の意志が無いと判断されれば逃亡扱いで失格、としようと思います。

どっちにしろ八幡が一年チームに接触して戦いの意思を復活させたので反則には変わりありませんが、知識不足の作者で申し訳ないです。


迷う事無く、彼は元来た道を選ぶ。

「………」

 

「………」

 

「………」

 

練習試合も終わり、これでようやく自由の身に…などという事は当然なく、大洗からは俺と西住、そして聖グロリアーナからはダージリンさんとローズヒップ、この四人は蝶野教官のアナウンスに従って本日の練習試合を行うにあたって用意された日本戦車道連盟が借りてる応接室みたいな所に集められ、蝶野教官を待っていた。

 

しかしもって空気の重さがハンパない、まぁあんな試合の後では当たり前だが、試合の結果は大洗学園の反則負け、華道や茶道と並んで伝統を重んじる戦車道においてあってはならない結果だろう。

 

つーかやらかしたのは俺なんだけどね、間違いなく一番怒られる、何で怒られるのわかっててここで蝶野教官来るの待ってんだろ?俺ってそんなにドMだった?

 

ダージリンさんは静かにお茶を飲んでるし、西住はさっきから顔を下に俯かせたままだ。

 

「かぁー、美味いですわ!普段お紅茶やマックスコーヒーばかりでしたので、たまにはこういった渋〜いお茶がよろしいですわね、すいませ〜ん、おかわりお願いしますわ!!」

 

うん、一人だけ例外が居たわ、出されたお茶をごくごくと一気に飲みほしてお茶菓子を頬張るお嬢様が、いろんな意味で大物だな。

 

「みんな、待たせたわね、ちょっと事後処理に手間取っちゃったわ」

 

ようやく蝶野教官がやって来てくれる、事後処理か…、まぁあんな結末だもんな、クレームとかも来そうなものだ。

 

「さて、大洗学園の隊長、西住 みほさん、そして聖グロリアーナ隊長のダージリンさん」

 

「…はい」

 

「何でしょう?」

 

まず蝶野教官は俺達に向き合うように椅子に座るとまず二人に声をかける、西住の方の返事は暗いものがあるがダージリンさんの方は涼しい顔だ。

 

「両校とも、ベリーナイスな試合だったわ!この調子で戦車道全国大会も頑張ってね!!」

 

「え?あ…、はい、ありがとうございます」

 

意外にも蝶野教官から出た言葉は労いのものだった、いやー、良かった、あんまし怒ってないっぽいな、んじゃ、お褒めの言葉も頂いた事だし、解散!!

 

「それで、比企谷君」

 

蝶野教官の顔がにこやかに微笑みながらも俺の方を向く、あっ…、これ駄目な奴だわ。

 

「戦闘中の妨害行為、降車した搭乗員の呼び戻しと作戦の伝達、おまけに緊急時用で使用厳禁とした無線の使用、何か言いたい事はあるかしら?」

 

「数え役満ですね…」

 

「フフッ、比企谷さん、怒られてございますわ」

 

「いや、戦闘妨害はどっちかと言えばお前だからね、そこら辺わかってろよ」

 

まぁあのクルセイダーの接触が悪質なものと判断されればあの場で試合終了もあっただろうし、そこまでの処置がされなかった事を考えればさほど問題ではなかったのだろう、実際、露骨に進路を妨害とかはしてなかったし。

 

「二人共よ?しっかりと反省なさい、まぁ元々クルセイダーを観戦用に許可した私の責任でもあるけど、それはそれ、これはこれよ」

 

「…すいません」

 

「ごめんなさい…ですわ」

 

「しかもどうせ壊れた建物の建て直しやら住民への謝罪は戦車道連盟がやってくれる、構うな、存分にやれ?電信柱一本辺りの値段いくらするかわかってるの!?」

 

…いや、そこら辺はどっちかっていうと私情じゃないですか?

 

「今後はこういった軽はずみな行動はしない事、これが公式戦なら大洗学園の出場停止だって有り得るのよ」

 

「…はい」

 

あぁ、そりゃそうだわな…、そんな事、初めからわかっていたはずなのに。

 

結局試合が始まれば、俺に出来る事なんて何もない、それ所か、この試合は俺のお陰で大洗の敗北、厄介者もいいところだ。

 

「………」

 

なら…、俺のやる事はもう決まってるな。

 

「…比企谷君?」

 

「…あぁ、いや、それより教官、大洗を反則負けにしたのは、まぁわかるんですが、それなら逃亡した一年チームに俺が接触した時点でアウトじゃなかったんですか?」

 

「え?そ、そうね…、もちろんアウトよ!」

 

…なんだか歯切れの悪い返事だな。

 

「なら何でその時さっさと試合終了のアナウンスをしなかったんです?」

 

「そうね…、ちょっと比企谷君の考えた作戦に興味があったから、かしら」

 

おいそれでいいのか審判…、いや、公式戦なら間違いなくすぐ止めたでしょうけど。

 

「私もそこは聞きたい所ですわ、今回のM3リーの作戦、あなたが考えましたの?」

 

「え?えーと…、まぁ」

 

突然ダージリンさんが話に入って来た、やっベーな、この人も絶対怒ってるよ。

 

「どうして私達が逃げるM3リーを追わずに、あの道を通ると思ったの?」

 

「それは…、ダージリンさんくらい優秀な指揮官なら、あそこまであからさまに罠だと思える道は通らないと思えたんで」

 

「あら、私とあなたは今日が初対面のはず、そこまで私の事を調べてくれたのかしら?」

 

「あぁ、いや、ローズヒップに聞いたら自慢気にあなたがいかに優秀であるか話してくれたんで」

 

「…ローズヒップ?」

 

「はい!任せて下さいませダージリン様、ダージリン様の活躍ぶりを比企谷さんにもたっぷりと伝えましたわ!!」

 

「…そう、ありがとう」

 

あー…うん、ダージリンさんの気持ちがすごいよくわかる、ここまで慕わられていたら怒るに怒れないよね。

 

「なんで俺はローズヒップがそこまで信頼するダージリンさんを信用して、あそこに罠を仕掛けました」

 

「私を信用…?フフッ、まさか相手のチームにそんな事を言われるとは思わなかったわ」

 

何が可笑しいのか、ダージリンさんは微笑んでいる。

 

「もしマチルダが残っていたら?」

 

「その時は相手がチャーチルからマチルダに変わるだけですよ、例えあの分かれ道でM3リーを追いかけてきても、マチルダの車体の大きさならあの裏道も使えませんし、とりあえず逃げる事は出来ますから」

 

おおよその最終戦の予想は出来ていたが、それでも一年チームにはそこら辺の事は伝えてある。

 

「ですがまぁ…、それはないだろうとは思ってましたけど」

 

「あら?どうしてかしら?」

 

「こっちの隊長は西住ですからね、敵戦車絶対倒すマンの西住なら…まぁ何とかやってくれるとは思ってましたし」

 

「…えーと、比企谷君、それってあんまり嬉しくないんだけどな」

 

「先程から気になってましたけど…、あなた、もしかして西住流の?」

 

「あ…、えと、はい…」

 

「そう…、ずいぶんお姉さんとは違うのね」

 

「…そうですね」

 

「兄弟姉妹で違うのなんてそう珍しいものじゃないでしょ、うちも妹が居ますが俺と違って社交性は抜群ですし超可愛いですし、あと可愛いですし」

 

兄より優れた妹なんてものはいっぱい存在するのだ、どこぞの千葉の兄妹とか特に。

 

「とりあえず…比企谷さんが妹さんをすごく可愛がっている事だけは伝わりましたわ」

 

「あはは…」

 

「それじゃあみんな、今日はお疲れ様、比企谷君、結果は残念だけどあなたの考えた作戦は面白かったわ、いっそのこと女装して大会に出てみたらどう?」

 

「…勘弁して下さい、というか、それこそ反則じゃないですか」

 

全国に向けて戦車道に女装して潜り込んだ男子として晒し者にされる事は間違いない。

 

「…いずれあなたが評価される日がきっと来るわ、それまで戦車道、楽しんでちょうだいね」

 

「…?」

 

最後に蝶野教官の付け加えた言葉の意味がわかるはずもなく、俺達四人は応接室から出た。

 

…一つ付け加える、そんな日は確実にやって来ないと確信をもって言えるが。

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

「西住殿!?大丈夫でしたか?」

 

「急に呼び出されたからビックリしたよ!!」

 

「怒られませんでしたか?」

 

建物を出た俺と西住…、というか西住をⅣ号戦車のメンバーが迎える、ダージリンさんとローズヒップの方にはチャーチルの方々が迎えに来ていた。

 

どうやら俺達のお説教が終わるのを待っていてくれたようだ、みんなちょっといいやつ過ぎない?

 

「ううん大丈夫、みんな…ありがとう」

 

「いやぁ、あの場で一年生チームが戻って来たのにはビックリしました」

 

「惜しかったよね〜、あとちょっとだったのに!!」

 

「まぁ、結果はどっちにしろ反則負けだけどな」

 

「悪かったな…誰も見てないと思ってたんだよ」

 

「さすがにあの審判の方々に対してそれは無理があるのでは…?」

 

「いや、本当に悪かった、もう二度としないから安心してくれ」

 

…本当にマジで、文字通り二度としない。

 

「そうね、私も相手の反則負け、なんて結果は初めてですわ」

 

「ダージリンさん…」

 

あー、うん、さっきは蝶野教官の手前にこやかだったけどやっぱり怒ってますよねー。

 

…仕方ない、最悪本気出すか、俺が本気を出せば土下座も靴舐めも余裕で出来る。

 

「その…すいませんでした、せっかくの試合が俺のせいでこんな風になって」

 

「…そうね、あなたには罰が必要ね、罰として聖グロリアーナの戦車道チームで執事でもやってもらおうかしら」

 

「…はい?」

 

「比企谷さん、聖グロリアーナに来る気はない?来るのならマックスコーヒーの名前をプレゼントしますわ」

 

「何それいじめですか?」

 

「スゴい!聖グロリアーナで紅茶の名前を貰えるのは一部の認められた幹部だけなんですよ!!…あれ?紅茶?」

 

秋山は興奮気味だが、えー…、それってそんなスゴい事なの?

 

まぁ過去の俺に付けられたあだ名とかよりはずっとマシなんだけどね、ヒキガエルとか。

 

「何かよくわからないですけど冗談なら…」

 

「あら?冗談ではなくてよ、聖グロリアーナはティータイムを大切にするわ、極上のマックスコーヒーを用意しますわよ」

 

「極上のマックスコーヒー…だと?」

 

ゴクリッ…。

 

「って…、だ、駄目だよ!比企谷君!?比企谷君は大洗のチームメンバーなんだから!!」

 

「いや、チームメンバーでもないけどな」

 

西住が慌てて止めに来るが、たぶんこれはダージリンさんの冗談だろうし、気にする必要はないだろうに。

 

「だいたい、俺を聖グロリアーナに入れるメリットがないでしょう、というかデメリットしかないまでありますよ?」

 

本当、今回の練習試合の結末忘れちゃったのこの人、自分からわざわざ寄生虫パラサイトデッキに加えるとかどこぞの虫野郎もひょっひょって笑うもんだ。

 

「あなたはもっとご自分の評価を改めた方がよろしいわね、少なくても今日の試合、あなた一人に私達は良いように動かされたわ、戦闘に参加しないあなたが即興で考えた作戦にね」

 

「その結果が反則負けなんですが、というか反則したからこそ上手くいっただけですよ」

 

搭乗員が逃亡して失格を待つだけだったM3リーを復活させたり、使用禁止の無線使って足止めしたり、今思い返すと我ながら酷い。

 

「イギリス人は恋愛と戦争では手段は選ばないものよ、あなたのやり方も誉められたものではないけれど、おかげで楽しめたわ」

 

あぁ…うん、でもあなた日本人ですよね?

 

「比企谷君…本当に聖グロリアーナに行っちゃうの?」

 

「いや行かないから、つーか聖グロリアーナは女子校だし、無理に決まってんだろ」

 

転校したら男子は俺一人だった件について…、とか何それ?新しいラノベなの?

 

「あら…残念ね、ならせめて、マックスコーヒーとお呼びしても?」

 

「まぁ…それくらいなら」

 

よくわからんが、これが聖グロリアーナの流儀なのだろうか。

 

「ではマックス、今度聖グロリアーナのお茶会にご招待するわ、カチューシャさんも紹介しますわよ、紅茶友達なの」

 

「…カチューシャ?」

 

「地吹雪のカチューシャの二つ名を持つ、プラウダ高校の隊長ですね」

 

俺の疑問に秋山がすぐに答えてくれる、戦車、戦車道に関する秋山の知識力はスゴいな、さしずめ秋ペディア先生だ。

 

プラウダ高校といえば去年の戦車道全国大会で西住の黒森峰に勝った優勝校だな。

 

それにしても地吹雪のカチューシャね、その二つ名を聞く感じだととんでもなくデカい大女なんだろうな…、どうしよ、全力で会いたくないんだけど。

 

「まぁ…そのうち、適当に」

 

こう返しておけばいずれ自然消滅するだろう、学園艦も違うし、今後会う事もないだろうしな。

 

「えぇ、楽しみにしてるわ」

 

「ずいぶん俺の事を買ってくれてますけど…」

 

「そうかしら?聖グロリアーナは女子校で男性の方で戦車道が好きな人も珍しいから…かもしれませんわね」

 

んー…、また来たかぁ、この手のやり取りはもう何度目だ?さすがにもう飽きてきたんだけど、俺もみんなも。

 

…みんなって誰だろ?

 

「あぁ、いや…戦車道は大嫌いなんですよ、俺は」

 

「えぇ、蝶野教官から聞いてるわよ、マックス、こんな言葉を知っているかしら?」

 

「…はぁ?」

 

試合始まる時から思ってたんだけど、この人、こういう事言うの好きなのかな?周りの人達苦労してそう、特にあのオレンジペコって言ってたちっちゃい子。

 

「一日だけ幸せでいたいなら床屋に行け、一週間幸せでいたいなら車を買え、一ヶ月だけ幸せでいたいなら結婚しろ、一年だけ幸せでいたいなら家を買え、一生幸せでいたいなら正直でいる事だ」

 

「…春日部在住の野原さん一家の親父の名言ですか?知ってますか?あれ、ファンが勝手に捏造したんで本人はそんな事言ってないんですよ」

 

いやー、ネットで実際に調べたら衝撃な事実だったわ。

 

しかし昔は何とも思わなかったけどあの親父、あの若さで女房に二人の子供、家、車持ちとか人生の勝ち組だよなぁ…。

 

「誰の事を言っているのかよくわかりませんが…、これはイギリスのことわざよ、この意味がわかるかしら?」

 

「結婚しても幸せは一ヶ月くらいしかないんですよね、真理だと思いますよ」

 

全く、結婚は人生の墓場だ、とは誰だか知らんけどよく言ったもんだわ、働けど働けど給料は取られ数少ないおこづかいで一ヶ月をやりくりし、たまの休日でさえ家族サービスで潰される、あぁ…働きたくないなぁ。

 

「そんな事ないよ!比企谷!!」

 

「うわっ!?」

 

突然、武部が吠え出した、しまった…、面倒な奴を召喚しちゃったよ。

 

「ほら私って尽くすタイプじゃん?夫婦円満、一生幸せな家庭を作ってみせるんだから」

 

「いや、知らんけど…、じゃあもし相手が専業主夫希望だったらどうすんの?」

 

「え?そうだなー、夫に家を任せてバリバリ働くキャリアウーマンかぁ、仕事で疲れて帰って来たら夫が出迎えてくれてラブラブな生活…、でも会社でも凄くモテて私の為に争いが起きたりしたらどうしよー!!」

 

相変わらず妄想力が達者なようで感心するわ…、将来武部に養ってもらおうかなぁ、まぁこいつが俺に好意を持つ事なんて有り得んけど。

 

「あら?私だって負けてませんわよ、淑女として良き妻になれますわ、ねぇマックス、そうは思わなくて?」

 

「むむ、ダージリンさん、やるね!!でも私の方が絶対いい奥さんになれるんだから、料理だって出来るし!!ね!?比企谷も食べたでしょ?」

 

「あら、私も料理くらい出来ますわよ、オムライスにフィッシュ&チップス、ローストビーフも作れますわ、ねぇ、ペコ」

 

「……………………………そうですね、ダージリン様」

 

「つーか君ら何で張り合ってるの?」

 

あとオレンジペコの解答にすっごい間があったような気がするんだけど…俺の気のせいかな?なんか本人めっちゃ遠い目をしてるし。

 

「イギリス人は恋愛と戦争では手段を選びませんの」

 

それさっき聞いた、あとあなた日本人でしょ?

 

「マックス、さっきのことわざの意味をよく理解する事ね」

 

「俺にピッタリですね、俺ほど正直な奴はそう居ませんし」

 

「フフッ…、それでは私達はそろそろ帰りましょうか、大洗の皆様、私も今日の試合結果には満足していませんわ、決着は公式戦、戦車道全国大会でまた会いましょう?」

 

「いや、出来ればもう戦いたくないですね」

 

「あら…、つれないのね」

 

「聖グロリアーナが強いのは充分わかりましたから、強いのは強いの同士で戦ってて下さい」

 

戦車道全国大会はトーナメント戦だし、黒森峰とかプラウダとか聖グロリアーナとか、強い人らはそこら辺で固まって潰しあって下さい。

 

「ふふっ…、確かに正直ね、またお会いしましょう、マックス、大洗の皆様」

 

「比企谷さん…、じゃありませんわね、マックスコーヒーさん、また今度、ですわー!!」

 

ダージリンさんがオレンジペコ、ローズヒップともう一人、誰か知らんけど付き人っぽい人を連れて帰っていった。

 

…まぁ、もう会う事はないと思いますけどね。

 

「やーやー、西住ちゃん、負けちゃったねー」

 

「約束通り踊ってもらおうか、あんこう音頭」

 

聖グロリアーナの面々と入れ違いに今度は大洗の生徒会がこっちにやってくる、あー、やっぱりそう来ますよねー、素直に聖グロリアーナに行っちゃえばよかったかな?

 

西住達Aチームのメンバーも露骨に嫌そうな顔をしている、あんこう音頭がよくわかってない西住を除いてだが。

 

まぁまぁ、Aチームの皆さん、そんな暗い顔をする必要はないから安心してくれ。

 

「まぁ、待って下さいよ会長、今回の試合結果に西住達は関係ないでしょ?」

 

「んー?そりゃどういう意味?比企谷ちゃん」

 

「だって試合結果は大洗の反則負け、その反則負けをやらかしたのは俺ですから、西住達は関係ない、違います?」

 

試合の結果による罰なんて、その試合の戦犯に全部押し付ければいいんだから。

 

「確かに…、試合の結果だけで言えばそうだが、ならば比企谷、貴様が一人で踊るというのか?あんこう音頭」

 

「まぁ、それが妥当でしょ?全部俺が勝手にやった事ですし、西住達までそれに巻き込まれたら理不尽でしょ?」

 

…そろそろ厄介者はここいらで退場した方が良いだろう。

 

「んで…、終わったらの話なんですけど、戦車道、やめても大丈夫ですよね?」


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