やはり俺の戦車道は間違っている。【完結済み】   作:ボッチボール

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一つの締めくくりには番外編を、しかし今回は小説じゃなくて完全に台詞のみ、全編会話形式のドラマCD感でお送りするので苦手な人は要注意。

簡単にいえば本編で出せないような小ネタ集、息抜きに書くつもりがこれはこれで結構長くなった…。


【番外編】第1回茨城県横断お悩み相談メール、他二本。

【第一回茨城県横断お悩み相談メール】

 

八幡「…なにこれ?」

 

みほ「えと…、会長が『比企谷ちゃん暇ならうちの生徒会に来たお悩みメールの解決でもしててよねん』…って」

 

八幡「また仕事押し付けてきやがった…、もう戦車道関係なくね?」

 

みほ「ま、まぁまぁ、私も手伝うから、一緒に頑張ろ?」

 

八幡「つーかそんな悩みの相談来てんの?俺だったら悩んでても生徒会には絶対相談しない、弱み握られるだけだ」

 

みほ「えっと…茨城県、大洗学園のペンネーム、タカちゃんからの質問です、『私は戦車道をやっているのですが、練習試合の時、戦車に付けている旗のせいで敵に見つかり、撃破されました、やはり旗は外した方が良いでしょうか?しかしアレは我等の魂、そう簡単に外す訳にはいきません』です」

 

八幡「外せ、はい、終わり」

 

みほ「えと…、八幡君、それはどうかと…」

 

八幡「つーかこれ、間違いなくⅢ号突撃砲の事だろ、このメール、歴女チームの誰かか?」

 

みほ「たぶん…、タカちゃんって、本名の方からとったのかな?」

 

八幡「普段がペンネームみたいな名前で言い合ってる連中なくせしてなんでペンネームが本名からとってるの?アホなの?」

 

みほ「えと…、回答どうしよう?」

 

八幡「いや、普通に外すだろ、西住だって隊長としてその方が良いだろ、今後の試合考えても」

 

みほ「それは…、えと、うん、でもCチームの皆さんが納得してくれるかなぁ」

 

八幡「そこは書き方だ、知り合いにこういった中二病全開の奴がいるから対処法は大体わかる」

 

『旗は外した方が良いでしょう、魂は自分の胸の中に秘めておき続けた方が格好いいです、秘めておき続け、今から十年後、二十年後くらいに爆発させましょう、たぶん、過去の自分に悶えて床を転がり回るとは思いますが』

 

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

【聖グロリアーナの紅茶道】

 

優花里「あ、あの!お帰りになられる前に一つ聞きたい事があるのですが!!」

 

ダージリン「あら、何かしら?」

 

優花里「聖グロリアーナの方々はどんな走りをしても紅茶を溢さないというのは本当でありますか?」

 

沙織「え?何それ?」

 

優花里「戦車道における有名な話なんです、聖グロリアーナの戦車道は優雅にして端麗、試合の最中でもティータイムを忘れず、その紅茶が溢れる事はないと」

 

華「さすがに…無理があるんじゃないですか?」

 

沙織「そうだよ、だって最初私たちが戦ってた所なんて道もガタガタな山道だったじゃん?おまけに撃ち合ってたし紅茶なんて飲んだら絶対溢れちゃうよ」

 

オレンジペコ「えーっと…それは」

 

ダージリン「…………………………本当よ」

 

オレンジペコ「ダージリン様!?」

 

麻子「えらく間があったな」

 

ダージリン「どんな走りをしようとも、我校の戦車は一滴足りとも紅茶は溢しませんの」

 

沙織「えー…、ねぇみぽりん、そんな事できるの?」

 

みほ「んーと、どうだろう…、私もそんな事試したことなかったし、でもやっぱり難しいんじゃないかなぁ」

 

オレンジペコ「ダージリン様、ここは素直に認めた方が…」ひそ

 

ダージリン「…そうね、西住流のみほさんが居る以上、すぐにわかる事ね」ひそひそ

 

ダージリン「その、実は…」

 

八幡「あぁ、それはマジだった、クルセイダーのローズヒップの飲み物は一滴も溢れてなかった」

 

ローズヒップ「当然ですわ!私に出来てダージリン様に出来ないはずがありませんわ!!」

 

ダージリン「…実は、そうなの、みほさんの居た所と違って、聖グロリアーナの戦車道は優雅にですわ、ただただ戦車に乗って訓練するだけではなく、紅茶を溢すなんてはしたない事はせぬよう、みな訓練されていますの」

 

オレンジペコ「ダージリン様!?」

 

優花里「スゴい!流石は聖グロリアーナ!戦車訓練だけでなく、そのような訓練までしているとは!!」

 

華「訓練って…、どのような事をされているのですか?」

 

ダージリン「…それは、えぇっと、そうね」

 

麻子「単純に紅茶を溢さないようにするなら、紅茶の揺れに合わせて自分も一緒に動くしかないな」

 

八幡「つまりアレだな、カップの中の紅茶が右に動いたら右に、左に傾いたら左に、カップの持ち手に合わせて身体をくねくねさせるって事だな」

 

沙織「じゃあダージリンさんは試合の最中、ずっと身体をくねくねさせ続けてたんだね!!」

 

華「戦車の中で…ですか?なんかそんなオモチャが昔ありましたね、音に反応して踊るやつです」

 

ダージリン「………」

 

八幡「ならオレンジペコもそうなのか?」

 

オレンジペコ「…私は装填手なので、試合の最中に紅茶は頂きません」

 

ダージリン「ペコ!?」

 

オレンジペコ「はい?何でしょうか?ダージリン様?」ニコッ

 

ダージリン「………」

 

アッサム「お話の最中ですが、大洗の皆さま、少しよろしいかしら?」

 

みほ「えっと…はい?何でしょう?」

 

アッサム「割れ物を捨てられる所を探しているのですが…、どこかにないでしょう?」

 

華「なら私が後で捨てときます…、あら?これは」

 

麻子「…ティーカップだな、粉々に割れてるぞ、しかも二つ」

 

ダージリン「………」

 

大洗メンバー「………」

 

ダージリン「こほん…、皆さん、こんな格言をご存知かしら?完璧主義では、何も出来ない」

 

八幡「何も出来ないのはあんたでしょ…」

 

オレンジペコ「ダージリン様、すぐそうやって格言に逃げる癖、なんとかしませんか?」

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

【第二回茨城県横断お悩み相談メール】

 

みほ「茨城県のペンネーム、東洋の魔女さんからの質問です『部活が部員不足で廃部となってしまいました、その後も数人が体験入部してくれたものの一日で辞めていってしまいます、どうすれば部員が入ってきてくれるでしょうか?やっぱり根性ですよね』です」

 

八幡「バレー部か、つーかこれ、自己完結してね?」

 

みほ「バレー部の皆さん、バレー部復活の為に戦車道頑張ってるよね、どうすれば部員集まるかなぁ」

 

八幡「西住、お前が入ってやったら良いんじゃね?」

 

みほ「私?む、無理だよ、私運動とかすっごく苦手だし…、ユニフォームも、その、似合わないかなって」

 

八幡「うん。知ってる、しかし体験入部の奴等が何人か来てるんだろ?何で一日で辞めるんだ?仮にもバレーに興味があるから体験入部するんだろ」

 

みほ「………」

 

八幡「どうした?西住」

 

みほ「…なんでもないよ、この前磯辺さんに興味があるなら来てくれって体験入部のメニュー貰ったんだけど」

 

【バレーボール部!体験入部メニュー!!】

 

AM5時、朝練開始、根性の早朝練習!!

 

朝練終了後、授業開始まで、根性のチームワーク研究!!

 

授業中、根性の空気椅子で筋トレだ!!

 

戦車道授業中、根性の戦車道訓練!!

 

授業終了後、根性の居残り訓練!!

 

八幡「…なんかもう根性がゲシュタルト崩壊しそう、何?バレーってこんなブラック企業なの?ワタミンバレーなの?誰がこれ見て入ろうと思うのよ?」

 

みほ「でもバレー部の皆さん、早朝とか居残りの訓練の時バレーだけじゃなくて戦車訓練も一緒にやってるみたいだし、なんとかしてあげたいなぁ」

 

八幡「素人にしちゃあの錬度の急上昇は異常だとは思ったが…、んな事してたのか、あいつら」

 

みほ「八幡君、回答どうしよう?」

 

八幡「ようは部員が入れば良いんだろ?一度入ってしまえば後はこっちのもんだ」

 

『部員の募集の際、部員同士で仲の良い、アットホームな職場と強調してみてはどうでしょう?未経験者歓迎!!や人間的な成長が出来る、等とアピールすると良いかもしれません、体験入部の方がやってきたら体験入部の間は軽めの練習メニューを組み、入部が確定したら正規の練習メニューを渡せば良いと思います』

 

みほ「…八幡君、これ?」

 

八幡「嘘は書いてない、嘘は」

 

みほ「えと…次は、神奈川県のペンネーム、セイロンさんからの質問です」

 

八幡「西住、ちょっと待て、ストップ」

 

みほ「はい?」

 

八幡「なんで神奈川県から相談メール来てんの?茨城県横断お悩み相談メールでしょ?」

 

みほ「会長がせっかくならいろんな学園艦にも宣伝しようって…」

 

八幡「あの会長、マジろくなことしねぇ」

 

みほ「えとっ、お便り読むね、『アニメでもわりかし最初の方に登場してるのに出番が全然無いどころかまともな台詞も無いまま最終回になりました、同じ校の後輩に出番を取られるのはまだ良かったんですが、劇場版でパッと出てきたキャラの方が目立っている始末です、データ収集やブラックジョーク好きという個性まであるのに何故でしょうか?』です」

 

八幡「切実だなぁ…」

 

みほ「うーん…、私、人前に出るの苦手だからよくわからないかな」

 

八幡「嫌味に聞こえるから止めとけ」

 

みほ「えぇっと…、そうじゃなくて、どうやったら解決出来るかなって」

 

八幡「確かに難しい、無理に話に絡ませたらストーリーの破綻にも繋がるしな」

 

みほ「何の話してるの?」

 

八幡「だが問題の解決は出来なくても解消くらいは出来る」

 

みほ「え?どうやって?」

 

八幡「人間は自分より下の人物を見てホッとするもんだからな」

 

『今だに出番の無いチャーチルの操縦手に比べたら全然マシです、世の中下には下が居ます、もっとポジティブに考えましょう』

 

みほ「ポジティブ…なのかな?これ」

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

【不肖、比企谷 八幡のぼっち講座】

 

※戦車講座のBGMをセルフでお願いします。

 

八幡「ぼっちのぼっちによるぼっちの為の、明日使えるぼっち講座の時間だ。え?自分はぼっちじゃないから必要ない?いつから自分の地位が揺るがないものだと錯覚していた?

 

人の悪意にかかればどんなリア充でもあっという間に孤立させられる、この講座ではそんな人達の悪意から身を守る術を教えよう。

 

さて、今回の講座は『一人で買い物中にたいして親しくもない知り合い連中を見かけたらどう行動すべきか』だ。

 

まだ店についたばかりで何も買ってないなら悪い事は言わない、連中に見つからぬようそのまま店を出て買い物は後日にするか店を変えろ。

 

あぁいう連中は一人で買い物をしている=友達が居ないぼっちという謎方程式が出来上がっているからだ、いや、俺とかぼっちだし間違っちゃないけど。

 

第一、一人で買い物する事の何が悪いというのだ、誰に口出しされる訳でもなく、自分の買いたいものをじっくりと吟味できる、買い物こそ一人で行うべきである。

 

服屋の店員等もぼっちにとって天敵である、「何をお探しですか〜?」から始まり「こちらなんて似合うと思いますよ」と友達か!?とでも言いたくなる、こっちは話しかけんなオーラ全開だというのに。

 

閑話休題、さて、問題はすでに自分が買い物を終えていた場合だ、まず、自分の持ち物を確認しよう。

 

アニメ、漫画、ラノベ、ゲーム、これらの品物で買い物を終えていたら要注意である。

 

奴等は必ずこう聞いてくる、「何買ったん?」と、俺が何を買おうがどーでも良いだろ、何でヘタに無理矢理話題作ろうとするかね?

 

そんな連中の前で先に述べた品物を出したら翌日からクラスのネタキャラになるのは必須、さて、ではどうやってそれを回避するか。

 

プランA、声をかけられても聞こえない、気付かなかったふりをする、あまりおすすめしない。

 

だいたいはあの野郎、無視するとか調子のってるなと思われ、目をつけられるからだ。

 

ヤンキー同士の喧嘩ではナメられたら終わりとあるがぼっちの場合は調子にのってる、と思われた時点でアウトである、何それ崖っぷちかよ。

 

プランB、電話をしているふりをして逃げる、演技力に自信があるならおすすめしておこう、電話中の相手には誰だって声はかけづらいものだ。

 

ただしやりすぎるとどこかのマッドサイエンティストのようになってしまうから要注意である。

 

さて、では俺がこれ等の危機をどのように回避すればいいか、特別に教えよう。

 

買い物はアマゾーンさんで済ませるべきである、出掛けなければ危機に会う事もない。

 

降りかかる火の粉は降り始める前に鎮火するのが、ぼっちとしての正しい判断である、これでみんなぼっち率120%!!」

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

【第三回、茨城県横断お悩み相談メール】

 

みほ「茨城県のペンネーム、やってやる♪やってやる♪やってやるぜ〜♪さんからのお悩みです『お友達になりたい男の子がいるのですが、断られてしまいます、どうすれば仲良くなれるでしょうか?』です、どど、どうかな?八幡君?」チラッ、チラッ

 

八幡「とりあえず男の子とかわざわざ書いてる以上、このメールの主は女子だな、とりあえず男の方は爆発四散してくれねーかな」

 

みほ「…そうだね」

 

八幡「…え?ちょっと今西住殿の口から出てはいけない言葉出てこなかった」

 

みほ「それより八幡君、回答をお願いします」

 

八幡「リア充爆発しろ」

 

みほ「わかりました、今度Ⅳ号戦車を持ってきます」

 

八幡「…冗談だ、まぁ、この男子の気持ちもわからんでもない」

 

『きっとあなたが思ってる以上に思春期の男の子は繊細な生き物なんです、繊細すぎていろいろ考えてしまうのです、決してあなたの事が嫌いではないと思うので暖かい目で見てあげて下さい』

 

みほ「…そうなの?八幡君」

 

八幡「いや、俺は知らんけど、まぁ思春期真っ盛りの年頃の男の子なんてみんなこんなもんだろ、わかったか?西住」

 

みほ「そっか、そういうもの…なんだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みほ「あれ?ひょっとして今のって…?」


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