やはり俺の戦車道は間違っている。【完結済み】   作:ボッチボール

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活動報告のアンケートに答えてくれた皆さん、ありがとうございます、いろいろ悩んでましたがもう完全に吹っ切れましたんでこのまったりペースでフリーダムにやる事に決めました。

そんな訳で突然ですが…、お気に入り1600人突破記念としてずっと練っていたある計画を実行します、詳しくは今回の話しを最後まで読めばわかります、あとは後書きでも詳しい事を書こうかと。


選択とは、時として人生を大きく左右したりする。

「えっと…、どうもです」

 

「比企谷君?あなたが自分から来るなんて珍しいわね、ようやくその目を矯正する気になったのかしら?」

 

そりゃ俺だって来たくて来た訳じゃないんですけどね。

 

風紀委員室に入ると当然だが大洗学園風紀委員の代表とも言える御三方が出迎えてくれた。

 

うちの風紀委員は百人以上の大所帯だが全員同じ髪型なので見分けがつきにくい、最初見たとき影分身の術かと思った程だ、もしくは6つ子、お粗末様です。

 

最初こそ誰が誰だか全く見分けがつかなかったが朝学校に冷泉を送ってく関係で何度かお小言を言われたせいか、何となくこの代表の三人の見分けくらいはつくようになった。…なんだこのいらないスキル?

 

風紀委員長の園 みどり子さん、まぁ冷泉がそど子と呼んでるのがすっかり耳に残ってしまい俺も内心ではそど子さんと呼んでるが、このそど子さんと。

 

他の二人はそど子さんより少しだけ髪が長い後藤 モヨ子、逆に髪が短い金春 希美、風紀委員の間ではそれぞれゴモヨ、パゾ美と呼ばれてるらしい、結局冷泉の付けたあだ名と大差ないじゃねぇか…。

 

「それで比企谷君…、何の用?」

 

「もしかして…うちの風紀委員に入ってくれるの?」

 

「入らねぇよ…、外艦届けを提出しに来ただけだ」

 

ゴモヨとパゾ美が話しかけてくるが俺が風紀委員になんかなってみろ?この目もあって風紀が乱れに乱れまくるぞ、つか、まずおかっぱが無理です、勘弁して下さい。

 

「待ちなさいよ!ちゃんと理由を言わないと受け取る訳にはいかないわ!!」

 

さすが風紀委員長、ここら辺はうるさいなぁ、どっかのト・ラブルばかり起こしてる風紀委員とは訳が違う、是非とも俺にも起こして下さい。

 

「えと、戦車道関連でちょっと…、一応会長の許可は貰ってますけど」

 

許可っつーか、もう強制だったんだけどね。

 

やはりと言うかなんというか、もう予想通りだったけど、アンツィオの偵察任務を仰せつかった訳である。

 

ただ前回は俺と秋山がほぼ独断でやったが今回は一応、生徒会からのバックアップもある、つーか生徒会が行けって言ってるからね。

 

なので授業を免除させてもらうのに必要な書類やらを提出する為にこうして風紀委員室に訪れた訳だ。

 

「またあの生徒会が…」

 

そど子さんは頭を悩ませているがこればっかりはどうしようもない、誰だよ、あの人に権力与えた奴。

 

「ところで比企谷君、最近冷泉さんと一緒に学校に来てるようだけど、まさか風紀が乱れるような事はしてないわよね?」

 

面倒な書類をせっせと書いてるとそど子さんが俺を睨みながらとんでもない事を言い出した。

 

「…してるわけないでしょ、つーか風紀の乱れる事って何ですか?」

 

「なっ!それを私に言わせるなんて…、不潔よ!不潔!!」

 

あぁもう面倒臭い…、だからあんまり風紀委員の所って来たくなかったんだよ。

 

「じ、自転車の二人乗りよ!不純異性交遊なんだから!!」

 

「………」

 

ごめんなさい、めっちゃしてます、つーかそれ以外に冷泉を送る手段ないし。

 

風紀委員に見つかるといろいろうるさいので基本的に学校付近までだが、さすがにそこから先は歩かしてる、…冷泉の寝起きのいい日はだけど。

 

不純異性交遊?あるわけないだろ、そもそもあいつは朝っぱらから人が必死こいて自転車漕いでる後ろで寝てやがるし、こっちはケイデンス上げっぱなしだぞ。

 

しかし、自転車の二人乗りが不純異性交遊とか…、やっぱりこの人すっげぇ真面目なんだよなぁ…、わりかしズレてるけど。

 

「まぁでも、あなたと来るようになって冷泉さんの遅刻も減ったし、感謝はしてるけどね」

 

「でもそど子、…少し寂しかったり?」

 

「そ、そんな事ないわよ!」

 

冷泉もそど子さんも基本的に顔を合わせたら言い合いしかしてないが、別段仲が悪いというわけでもなさそうだ。

 

…つか、後輩にそど子って呼ばれてるけどそれはいいの?

 

「不純異性交遊は風紀の乱れる一番の要因よ、比企谷君、あなたも注意する事、いいわね?」

 

「いや…、まずないんで安心して下さい」

 

付き合う相手も居ないのに、不純異性交遊も糞もないでしょ…、もしかしてこれは喧嘩売られてるのかな?

 

「…そういえば、風紀委員の人達って戦車道に興味あったりしません?」

 

なんか会長についでにこれ聞いといてって言われたのを思い出した。

 

「戦車道?…健全な女性を育成する為の武道なんだし、興味ないって事はないけど、それがどうかしたの?」

 

「あぁいや…、どうぞ、書けました」

 

なるべくさらりと流してそど子さんに外艦届けを渡してさっさと風紀委員室から出ようとする。

 

「…ちょっと待ちなさいよ!なんで外艦届けが二枚あるのよ!!」

 

…普通にバレた、いや、これで誤魔化せるとは思わなかったけど。

 

「えと、俺ともう一人、その日ちょっと外出するんで」

 

「…もう一人って、これ!女子生徒じゃない!不純よ!不潔よ!不純異性交遊よ!!」

 

あぁもう、だから嫌だったんだよここ来るの、なんならサンダースの時みたく黙って授業サボればよかったのに、河嶋さんがうるさいから。

 

…話はほんの少しだけ遡ってーーー。

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

「だからこその秘密兵器かー、まっ…いっか、そのうち分かるし」

 

武部の開いた結婚情報誌【ゼクスィ】であるが、さすがにアンツィオ校が新たに購入した新型戦車の情報は載ってなかった。

 

しかし会長は干し芋を食べながら呑気に話す。

 

「えと…、それはどういう意味ですか?会長」

 

「だってほら、また偵察、行ってくれるでしょ?」

 

あー…、また悪い顔してるなぁ、何となく嫌な予感はしてたんだけど。

 

「今回は我々生徒会も全面的にバックアップする、授業単位については心配しなくていい」

 

「前回も相談してくれたら協力したんだからね、あまり無茶しないでね」

 

「はい!偵察任務ならこの不肖、秋山優花里にお任せ下さい!!」

 

秋山の奴は相変わらずやる気充分みたいだが、…またあれをやるのか、前回危うく捕まりかけたのに。

 

「…比企谷殿、またお付き合いしてもらってもよろしいですか?」

 

「…まぁ、授業サボる口実にもなるし」

 

つーか、そんな遠慮がちに言われたら断るにも断れんだろうが…。

 

「…いや、待て、アンツィオは女子校みたいだぞ、男の俺が行ったら余計に目立つんじゃないか?」

 

【ゼクスィ】のアンツィオ特集の中にそんな事が書いてあった、サンダースは共学だったからまだよかったが女子だらけの学園艦で俺が居るのは目立つしヘタすりゃ捕まるぞ、警察に…警察にかよ。

 

「その点は心配いりません、どうやらアンツィオの学園艦は観光名所としても有名だそうなので、今回は観光客に変装しましょう」

 

あぁ、確かにそのやり方ならサンダースの時のコンビニ店員よりかはよっぽど紛れ込みやすいかもしれん、あの時はコンビニ店員が適当な人だからなんとかバレなかっただけだし。

 

「そっか、さっきの雑誌にも書いてあったもんね、観光客の人が多いって」

 

「恋人向けの新たな聖地ってまで呼ばれてるんだよ!当然だよ!!」

 

「恋人の方々の聖地…ですか」

 

「…恋人」

 

…え?何この雰囲気、みんな急に静まりかえっちゃって。

 

「…でも私思ったんだけど」

 

そんな雰囲気をなんとかしようとしたのか、武部が声をかけた、こういう雰囲気をすぐに察してなんとかしようとする辺り、こいつの気配りの良さがわかるな。

 

「ゆかりんばっかり危険な目に合わせるのはどうかと思う」

 

「えっと…、それはどういう意味ですか?武部殿」

 

「優花里さん…、前回も相手に見つかって捕まりそうになりましたし、それだけ偵察は危ないと思います」

 

「だよね!偵察に行くなら私達みんなで行こうよ!!」

 

「…うん!そうだね、みんなで行こう!!」

 

「西住殿、武部殿、五十鈴殿、ありがとうございます!!」

 

「気にしなくていいよ!友達だもん!!」

 

「それに、潜入偵察ってとってもアクティブで、私も少し憧れてたんですよ、お料理もとても美味しそうでしたし」

 

「華はそっちがメインなんじゃないの?」

 

「沙織さんこそ、将来お付き合いする方が出来た時の下見に…ではないんですか?」

 

「あはは…、私も基本的な事は知ってるけどやった事ってなかったから、優花里さんの迷惑にならないように頑張るね」

 

まさかのあんこうチームで偵察に行くつもりなのか、いや、冷泉の奴は寝てるから知らんが。

 

つか西住殿、潜入偵察の基本的な事は知ってるって、西住流潜入偵察術とかあるの?西住流ぱねぇな。

 

「これは心強いですね!比企谷殿!!」

 

「いや、もう俺はパスだな」

 

「な、何故ですか!?」

 

だってもう俺が行く必要ないじゃん、あんまり大所帯で行っても仕方ないし、つか女子のグループに混ざってどっか行くってのがまず無理だし。

 

「お前らで楽しんでこいよ」

 

なんかもう潜入偵察ってか、女子グループで旅行に行くみたいなノリだな、武部はデートスポットの下見、五十鈴は料理目当てみたいだし。

 

「お前達馬鹿も休み休み言え!全員で行ってまとめて捕まったらどうするんだ?」

 

あんこうチームが崩壊します、んで、大洗学園戦車道チームが崩壊するな。

 

…そういえば戦車道って試合前の偵察は認められてるけど捕まったらどうなるのか知らなかったな。

 

やっぱり「くっ…殺せ」、みたいな展開になるのだろうか?いや、なる!なるに違いない、捕まった女騎士の末路なんてそれしかないし許さない。

 

しかし残念ながら女騎士はここには居ない模様。

 

「…捕まったらどうなるの?」

 

「ルール上では交換学生扱いとして試合が終わるまで相手の学園艦で過ごす事になりますね、当然、試合には出られません」

 

…アンツィオってイタリア風なんだよな?本当か嘘か知らんがイタリアって捕まえた捕虜にフルコースの料理振る舞ったってぶっ飛んだ話があるんだけど、俺、捕虜になろっかな?

 

「ちなみにその間にかかる費用その他諸々は当然、元の学園艦が支払わなければなりません」

 

「で、出来れば大所帯の偵察は止めて欲しいかな…」

 

小山さんがその話を聞いて慌てる、…よっぽどうちの学園艦って貧乏なんだな、なんか悲しくなってきた。

 

「んー、じゃあやっぱり比企谷ちゃんと…、あと一人誰にしよっか?比企谷ちゃん、選びなよ」

 

「…は?え?いや、俺は誰でも、つーか一人でもいいですし」

 

あと何で俺は確定なの?うん、知ってる、捕まっても影響ないからですよね。

 

「いやー、さすがに比企谷ちゃん一人に行かせるのは心配だしね、あっ、なんなら私が一緒に行ってあげよっか?」

 

「勘弁して下さい」

 

即行でお断りさせてもらった、この会長と四六時中一緒とか油断も隙も出来なさ過ぎる。

 

「えー、面白くないなぁ…」

 

本当に面白くなさそうに会長は机に肘をついて手に頬を乗せる。

 

まぁこの人も試合中は基本的に干し芋食ってるだけだし、捕まっても一番問題ないかもしれんけど。

 

「か、会長、会長が居ないと学園艦の運営そのものがですね…」

 

とはいえ、こんな人でも大洗学園を束ねる生徒会長だ、学園艦の運航にこの人は欠かせない…はず、普段仕事してるのかな?

 

「んじゃ比企谷ちゃん、誰と行くか選んでよ」

 

「いや、選べって言われても…」

 

チラリとあんこうチームのメンバーを見ると何故かみんなそわそわしている、そりゃそうか、仲の良いメンバー同士で旅行に行けると思ってたら俺なんかと一緒に潜入偵察だもんな、そりゃ選ばれるの嫌だわ。

 

「そうですね、比企谷殿の判断に従います!」

 

「私もそれでいいと思いますよ、お好きな方を選んで下さい」

 

「…私は面倒だからパス」

 

「麻子!?起きてたの!!」

 

「…なんだか面倒な予感がしたからな」

 

…こんな時でもブレない冷泉に感心しつつ、うん、イラッとくんな、こいつに仕事のありがたみ(笑)を教えてやるのもいいかもしれん。

 

「そうだね、八幡君の好きにしていいと思うよ」

 

…いや、だからね西住殿、君のその無自覚な言動が男子高校生には毒な訳よ。

 

「…とりあえず、西住以外だな」

 

「えぇっ!?…なんで?」

 

「いや、だってサンダース戦で顔バレしてるし、元々有名な分、潜入とかしても顔見られたら一発でバレるぞ?」

 

第一君がもし捕まっちゃったら誰が大洗学園の戦車道チームの指揮取るの?我等が頼れる副隊長の河嶋さんしか居ないよ?

 

戦車道チーム崩壊、待ったなし、そんな最悪の展開だけは避けねばなるまい。

 

「それは…そうだけど、でも…」

 

西住は何か言いたげだが、隊長である西住はこの中でも一番仕事が多いんだし、更に仕事を増やす訳にもいかない。

 

人間、たまには休まないとな。

 

…となれば、残るは武部、五十鈴、秋山、あと本人は嫌がってるが冷泉か、みんなじっ…と俺を見ている視線がもう、なんかツラい。

 

…え?本当に?マジで俺が選ぶの?どうするよ俺…、どうするよ!!

 

「…そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《以下選択》

 

【冷泉の奴に社会の厳しさを教えてやるか…】

 

【五十鈴なら落ち着いた感じで行けるだろう…】

 

【慣れてる秋山が一番だな…】

 

【武部を連れてかないと後でうるさそうだしな…】

 

【みほ「あ、あのね!八幡君!!」】




はい、そんな訳でお気に入り1600人記念のある計画とは八幡と読者が選んだあんこうチームでのアンツィオ潜入偵察です、これからの更新で順次、各あんこうチームの面々と八幡のinアンツィオの潜入偵察話しを書きます。

ちなみに…こんな小説書いてて言う身ではありませんが、個人的に八幡にハーレムは無いと思ってます、つか、八幡本人がそういうの一番嫌いだと思いますし。
なので全部世界線が違うパラレルワールドみたいなものだと思って下さい、むしろ男なら自分が選んだあんこうメンバー以外の話しは見ないのも全然有りですね。

~追記~

ちょっと書き方がわかりにくかったですがこれから順次あんこうメンバー全員とのそれぞれのアンツィオ潜入偵察話しを書くって計画です、西住殿ルートについては活動報告を読んで下さい。

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