やはり俺の戦車道は間違っている。【完結済み】   作:ボッチボール

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ガルパンキャラ多すぎ問題、本当はこの宴会を1話で締めようと思ってましたがいろいろキャラ登場させると無理だと悟りました、話進まねぇ…。
基本的に自分は四千文字くらいを越えたら後はキリの良い所まで書く感じでやってます、一万文字とか書ける人ってすげぇ、そんなに集中力が持たない。
集中力が無くなって書かない期間が長くなると結果的にエタりそうな気もしますし…。その分更新スピードはそこそこ早く出来る…はず?なので。

今話の賭け事の結果、皆さんはどう予想しますかね?


宴会が始まり、しかし彼には特に行く宛はない。

「会長」

 

「んー?」

 

宴会も盛り上がりを見せている中、とりあえず俺はダージリンさんを生徒会メンバーの所に連れて来ていた。

 

出来ればあまりこの二人を絡ませたくなかったんだよなぁ…、ベクトルこそ違うが悪知恵働くお二人だ、また何か良からぬ事を企まなければいいけど。

 

「やーやー、ダージリン、盛り上がってるぅ?」

 

「えぇ、たまにはこういうのも悪くありませんわね」

 

「比企谷ちゃんは?盛り上がってるぅ?」

 

「まぁ…飯はうまいですね」

 

つまり飯しか食っていない、やはりアンツィオ高校の飯は美味いな、確かに俺のお腹は盛り上がりそうだ。

 

「つーか会長、こんな所で干し芋ですか」

 

食べてはいないが会長の手には何故かいつもの干し芋、アンツィオ高校の料理を前にしてそれを出すってある意味喧嘩売ってるよね。

 

「ん?干し芋パスタとかどうかなって、チョビ子が喜びそうだし」

 

あー、そういえばこの人、意外だけど料理が趣味なんだよな、自分の好物をアレンジに加えたいとかどれだけ干し芋好きなんだよ。

 

このまま干し芋丼とか干し芋カレーとか作っちゃうんじゃないか、この人。

 

「会長さん」

 

「杏でいいよ、ダージリン」

 

「では杏さん、少しお話が…」

 

ダージリンさんがチラリと俺の方を見る、どうやら席を外せと合図しているようだ。

 

やっぱり何か企んでるのだろうか…、嫌だなぁ、火の粉がこっちにやって来なければいいけど。

 

「ひ、比企谷君もいろいろまわってきたらどうかな?せっかくの宴会なんだから」

 

「そ、そうだな!我々の事は気にせず、楽しんでくるといい」

 

「はぁ…」

 

小山さんと河嶋さんもそう言って俺を追い払おうとしてくる、別に居なくなるのは得意だからいいんだけど、やっぱりなんか怪しいな。

 

しかし大洗、アンツィオ、それに加えて聖グロリアーナとサンダース大付属を加えた大宴会だ、そりゃいろいろとカオスになっているが…、楽しめと言われてもな。

 

「ペパロニさん!今からレースですわよ、聖グロ一の駿足の力、見せて上げますわ!!」

 

「おー!上等だぜ、アンツィオの機動力についてこれるかってんだ!!」

 

とりあえずあそこは関わりたくないな、どうやらローズヒップとペパロニが戦車レースをやるらしい、アンツィオ高校の生徒もわらわらと集まっている。

 

うーん…、戦車レースには興味があるがローズヒップとペパロニだしなぁ、あのアホの子とアホの子が交わってどんな科学反応が起きるかわかったもんじゃない。

 

「聖グロリアーナとアンツィオの最速決定戦…、冷泉殿!ここは是非、大洗からは冷泉殿が!!」

 

「うーん…、ケーキも食べたし、そろそろ眠くなってきたんだが」

 

向こうでは秋山が冷泉の奴を説得している、どうやら大洗からは代表として冷泉を参戦させたいようだがあいつの働きたくない願望は俺とタメをはるレベルだからな、難航してるようだ。

 

「よーし、私に勝てたら特製デザートを作ってやるっスよ!!」

 

「特製デザート!!…やる」

 

ペパロニのその宣言を聞いた冷泉はガバッと起き上がる、こうやって甘い物にあっさり釣られる所はまだまだだな。

 

その点俺はそんな物で簡単に釣られたりしない、俺を働かせたいなら報酬にニンジンをいただこう。…じゃなくてそれ相応の報酬を用意してもらおう、なお、うちの生徒会はごり押ししてくる模様。

 

「おっ、あんたはⅣ号の操縦手だな」

 

「Ⅳ号で私達に挑もうなんて甘いですわよ!!」

 

「む、確かに機動力では我々は不利ですね…」

 

CV33もクルセイダーも機動力に特化した戦車だもんな、Ⅳ号で挑むのは確かに不利か。

 

「秋山さん、カルロ・ヴェローチェは早いのか?」

 

「はい!それはもう快速戦車ですからね」

 

「なら借りていいか?」

 

「はっ!いいぜ、ただ素人が乗りこなせるもんかって」

 

「いいから教本を読ませてくれ」

 

自信満々のペパロニは「えっと…、どこにやったっけなぁ」とか探しつつもボロボロになったCV33の教本を持ってきた。

 

冷泉はそれを受けとるとパラパラと流し見してパタンと閉じる。

 

「よし、覚えた」

 

「な、なんですの!それ!!」

 

「どーせハッタリだ!試合には負けたがレースには負けないからな!!」

 

うん、これに関してはアホな子二人が圧倒的に正しい、そりゃ普通そう思うよね。

 

「冷泉殿!私も応援しますよ!!」

 

「任せろ、特製デザートの為にも本気出す」

 

…試合中は?え?ちゃんと本気出してるよね?

 

「頑張って下さいペパロニ姐さん!姐さんに明日のおやつ賭けてますんで!!」

 

「じゃあ私は聖グロリアーナに!!」

 

「いやいや、ここは飛び入り参加の大洗に賭ける!!」

 

なんかアンツィオ高校の奴らも盛り上がって賭け事始めちゃってるし、戦車レースは気になるがあの人だかりには入って行きたくないな…。

 

しかし【アホな子二人が一人の天才に挑む】とか、字面だけ見るとなんとも熱い展開だな、完全にうちはラスボスポジションだが。

 

「ま、マックスさん!!」

 

急に声をかけられたのでそんな名前の人知らない、と答えそうになった、誰かと思ったらオレンジペコだ。

 

「どうした、オレンジペコ」

 

「えっと…、その、大洗の人達が」

 

「あっ!居た居た!おーい、ペコちゃ~ん!!」

 

そのオレンジペコを追いかけてやって来たのはウサギチームの一年生連中だ、いつの間に知り合ったのか、とも思ったがそういや同じ一年同士だもんな。

 

「あっ!比企谷先輩だ!!」

 

「裏切った人だ」

 

おいこら一年共…、確かにあの試合展開ならそう思われても仕方ない気はするがそれをはっきり言うとか、俺ってこいつらにナメられてない?

 

「えーっと…」

 

オレンジペコが俺の背後に隠れてなにやら戸惑っている。

 

「おい一年共、なんか知らんがあまりオレンジペコをいじめるなよ」

 

「えー!そんな事してませんよぉ!!」

 

「ちょっといろいろ質問してただけだよね?」

 

「うんうん」

 

ちょっと説教でもしてやるかと思ったが、まぁそれくらいなら…。

 

「あの、戦車道はいつから始めてるんですか?」

 

「好きなアニメはなんですかー?」

 

「聖グロリアーナの制服って可愛いですね!!」

 

「彼氏は居るんですか~?」

 

「紅茶ってダイエットにいいって本当なんですか?」

 

「………」

 

はいアウト、質問攻めは時としていじめに繋がると思うんで止めましょうね?ちなみに丸山は相変わらずである。

 

「…大洗の人達も変わった人が多いですね」

 

ちょっとペコちゃん?【も】って…、大人しい子だけどこの子も結構言うよね。

 

「あー、すまんな、他校の同じ一年って事でたぶんテンション上がってるんだろ」

 

「そうですね、私もあまり他の学校の人とは関わる事が少ないですし、気持ちはわかります」

 

そこは学園艦という特性上、仕方ない事ではあるけどね、普段はだいたい海の上だから学生同士が陸でばったり会う事も少ないし。

 

「えと、改めてオレンジペコです、さっきは逃げてしまってすいませんでした」

 

俺の前に出るとオレンジペコは丁寧に頭を下げる、立ち振舞いがいかにもお嬢様らしい。

 

「…お嬢様だ」

 

本当だよ、お前ら一年共も少しは見習ったら良いんじゃないかな?決してクルセイダーの方を見習うなよ、あんなのが身内に何人も居てたまるか。

 

「そうですね、私も皆さんの事が聞きたいですし、食後にお茶なんてどうでしょう?私が淹れますから」

 

「お茶って紅茶?」

 

「私それ好き、午後ティーだよね?」

 

「もう!そんなんじゃないでしょ!もっとちゃんとした紅茶なんだから!!」

 

「………」

 

「あっ!沙希は昆布茶が飲みたいって言ってるよ」

 

え?言ってるの?つーか昆布茶って、丸山は意外と渋い趣味してるのね。

 

「なんか悪いな、騒がしくて」

 

「いえ、慣れてますから…ローズヒップさんで」

 

あー、あいつに比べたらまだうちの一年共も大人しいレベルになっちゃうのか、オレンジペコも苦労してるな。

 

「それに、こういうのって…ちょっと楽しい、です」

 

ちょっと頬を赤らめてオレンジペコが言う、どうやら嫌々一年共に付き合う訳でもなさそうで良かった。

 

「…俺も一つ質問があるんだけど」

 

「はい、何でしょう?」

 

「本名はなんて言うんだ?」

 

「…秘密です」

 

ますます顔を赤くして恥ずかしそうに呟く、あれ?ちょっと興味があったから聞いただけなんだけど、そもそもオレンジペコと名乗る方が恥ずかしくない?

 

「あのぉ~、比企谷先輩」

 

「え?…お、おぅ、なんだ?」

 

俺に話かけて来たのは宇津木だ、こいつは正直始めて出会った日から一年共の中どころか大洗の戦車道メンバーの中でも一番警戒している。

 

間延びした口調でおっとりマイペース、一見無害に見えるが何故だか俺の全神経は警戒を促している、単なる直感なのだがこの直感は信じた方がいい気がする。

 

「比企谷先輩も私達と一緒にお茶しましょうよ~」

 

「いやその…俺はいいから、一年は一年同士楽しんでこい」

 

「え~残念、じゃあまた次の機会に誘いますね」

 

あーびっくりした、なんつーかアレなんだよ、小悪魔的なあざとさを感じるから苦手なんだよな。

 

その小悪魔的な魅力もあってか、本当か嘘かは知らんが彼氏持ちらしい、あれ?別れたんだっけ?

 

そういや武部はたまに一年連中相手に武部流恋愛講座を開いてるらしいが…、教え子にもう抜かれちゃってるよ、東方先生をもっと見習わないと。

 

これで一年全員に先越されたら不憫だな…、可哀想過ぎて思わず俺が立候補しちゃいそうだ。

 

その自称恋愛マスターアジア、武部 沙織はというと。

 

「いいみんな、男子ってのはやっぱり手料理なの、手作りじゃないと思いは伝わらないんだから!!」

 

「マジッスか!手料理にそんな威力が!!」

 

「深いッ!料理深いッス!!」

 

アンツィオ高校の生徒相手に武部流恋愛講座を開いていた、ちょっとー、誰か五十鈴さん呼んで来て!いつもの鋭いツッコミお願いしてきて!!

 

「沙織姐さん、デートではどんな服着てくのがポイント高いッスか?」

 

「んー、それはねぇーーー」

 

「男子に受ける趣味とか教えて下さい!!」

 

「そうね、やっぱりーーー」

 

あぁ、ここでも武部はモテモテだな、無論女子にだが。

 

アンツィオ高校は女子校だから普段男子なんてあまり居ない分、なおさらこういう話題にはみんな興味津々なのだろう。

 

「わ、私も気になる人が居るの!でも…別の学園艦の奴で」

 

「きゃーッ!遠距離恋愛とかロマンチックじゃない!!」

 

アンツィオ高校の生徒の中にしれっとアリサが混ざっていた、ちょっと、あいつまで何やってんの?

 

「沙織姐さん、マジパねぇッス!!」

 

「さすが恋愛マエストロ…、いや、マエストロ沙織!!」

 

「えー、ちょっと照れるなぁ…」

 

すげぇよ沙織姐さん、恋愛経験ゼロにしてマエストロになるとかマジぱないの!!

 

「沙織姐さん、質問いいですか?」

 

「ん?次は何?なんでも聞いてね」

 

ん?今なんでもって言ったよね?

 

「沙織姐さんの好みの男性を教えて下さいッス!!」

 

「…え?わ、私の!?」

 

「あ!私も聞きたい聞きたい!!」

 

「恋愛マエストロの理想の男性像を是非!!」

 

「えっと…、その、理想っていうか、ちょっと気になってるっていうか…って!これ以上は無理!恥ずかしくて言えないんだから!!」

 

「えー、そこまで言いかけてそりゃないっすよ!!」

 

「そうよ、教えなさいよ!自分だけあやふやにするなんてズルいわよ!! 」

 

…とりあえずこれ以上ボロが出る前に早めに切り上げた方がいいんじゃないかな?アリサもあれでたかしに恋する女の子だし、こういう恋愛ネタにはノリノリだな。

 

…あれ?たかしって他の学園艦の奴だったっけ?あぁ、転校したのかな?

 

たかし君はね…転校、しちゃったの。嫌な事件だったね。


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