千雨からロマンス   作:IronWorks

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閑話1

――0――

 

 

 

 おかしいネ。

 

 私が今見てるのは、クラスメートの一人。

 後の白き翼のメンバーで、趣味はネットアイドル。

 現実主義者で平穏を好み、結構芯が強い少女……だたはず、ネ。

 

 規格外な仲間達に対するツッコミ。

 暴走しがちなネギ坊主を押しとどめるストッパー。

 口が悪くて情が深い、なんだかんだデ面倒見のイイ苦労人。

 

 日常を好むという彼女は、けしてコンナ……。

 

「くっはははははっ!」

 

 ……授業中に奇声を上げる、変人ではなかたはずネ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閑話 超鈴音の受難 ~愕然編~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――1――

 

 

 

 長谷川千雨という人物は、思エバ始めからおかしかたヨ。

 彼女は孤独を好むように、ネギ坊主が来るまでは一人でいることガ、多かたネ。

 調べた限りでは、それは確実だた、はずネ。

 

 だと言うのに、彼女は一年生の時、私に声をかけた。

 

「大丈夫か?」

 

 無表情で、能面のよーにそう告げタ。

 私は驚きを表情に出さないよーに、注意を重ねて笑たネ。

 

「何のことカナ?」

「目だ。パソコン作業か?」

 

 短い言葉だたヨ。

 それでも充分、意味は伝わたネ。

 

 長谷川千雨は、何故カ私の疲労を言い当てて、心配してイタ。

 

「少し見せてみろ」

「ア、アァ」

 

 意図は解らなかたガ、触られてナニカされれば、気がつく。

 ダカラ私は、あえて長谷川千雨の提案に乗ったヨ。

 

「ふっくくく」

 

 異様な気配だたネ。

 今思い出してモ、背筋が寒くなるヨ。

 

「本当に私が好きだな、風池、天柱」

 

 フーチにテンチュウ。

 そう言ったというのは解タが、それが何を指すのか、解らなかタ。

 いくら私が天才デモ、知らない事は解らないネ。

 

「超、頭痛があるだろう?」

「まァ、時々……」

 

 普段ならそんな弱みは見せナイのだガ、その時はすかり呑み込まれてイタヨ。

 恥ずかしイ限りだナ。

 

「緊張性頭痛を治したいのなら、風池と天柱だ。首には二本の太い筋肉が通っている。風池も天柱もその外側だ。風池は頭のすぐ下の凹みで、天柱は首の辺りだ。ここを左右同時に三~四秒間押さえて離す。これを三分間繰り返して押すべしッ!!」

 

 マシンガントークだたネ。

 こんなに饒舌ではなかたハズ。

 だが、私にマッサージをしているのは、確かに長谷川千雨だた。

 

 不覚にも眠ってシマタこの後、私は“長谷川千雨”について、リサーチすることに決めたのだたネ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――2――

 

 

 

 その次は確カ、私が直接質問をしに行った時のことネ。

 少しでも情報が欲しくて、まずは直接聞いてみたヨ。

 

「千雨サン」

「超か……疲れているみたいだな」

 

 いきなり言い当てられたネ。

 デモ、この時にはモウこの程度では、驚かなかたヨ。

 ……ソウ、“この程度”では、ネ。

 

「今、一番欲しいものはナニか?」

 

 聞けば答えてくれるということは、解たネ。

 ならば、この答えによって長谷川千雨の方向性を掴むことがデキル。

 そんな期待をしてイタのだが、甘かたネ。

 

 長谷川千雨は逡巡すると、スグに口を開いタ。

 欲しいものガ、沢山あるということガ、これだけである程度、解タ。

 ……よーな気に、なっていたのダ。

 

「ナビ機能」

「なんのッ!?」

 

 コノ私を、科学に魂を売り渡した私ヲ、思わずツッコミポジションに据える一撃だた。

 ソノ恐ろしい攻撃に、私は警戒レベルを上げたヨ。思わズ。

 

「ツボーズが答えてくれんだよ」

「壺ーズ?蛸壺?」

 

 私モ、自分が何を言っているカ、解らなかたネ。

 仕方ナイだろう……向こうが火星人な気がしてきたヨ。

 

「ところで超、また天柱が泣いているぞ?」

「テンチュウとは、ツボのことだたヨネ?それは比喩カ?」

「いや、見たまんまだ」

「見たまんまッ?!」

 

 目に映るセカイに、違いがあるのだろうカ?

 私はもしかして、トンでもない“過去”へ来てしまったのでハ無かろうカ……。

 

「ストレスも、疲労の元だ。気をつけろよ?超」

 

 どうでもイイガ、君にだけは言われたくないネ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――3――

 

 

 

 アレからも、ホントウに色々あたネ。

 ハカセの苦難、龍宮の精神疲労、刹那サンの怯え。

 

 そして、現在。

 漸くネギ坊主が赴任し、未来を変える為の序章が始まタ。

 ……だというのに、全く安心できないヨ。

 

 妙に強気な宮崎のどか。

 これは、この時点で弱気か強気かなど解らないので、保留ヨ。

 

 どう見ても“アッチに目覚めかけ”な綾瀬夕映。

 ……アレ?ネギ坊主に思いを寄せていたよーな気がするのだガ?

 

 そう、そのネギ坊主のことガ、一番問題ネ。

 

 会話の最中。

 授業の最中。

 他者へのマッサージの最中。

 

 長谷川千雨に気がつかれないタイミングで、こっそり切なそーな視線を向けル、ネギ坊主。

 バカでもわかる。アレは“恋”ね。

 

「そうなると……アレ?私の、先祖ハ?」

 

 脂汗が、止まらないヨ。

 学園祭で、未来を変える。

 逆に言えば、未来を変えられるタイミングは、学園祭だけネ。

 

 

 

 

 

 重要監視対象、長谷川千雨。

 

 

 

 

 

 この時はマダ、私は知らなかタ。

 これが私の、ストレスタイムの始まりダト、いうことに……。

 

 

 

 

……アァ、胃薬が欲しいネ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――了――

 

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