honey worksの名曲「初恋の絵本」「さよなら両片思い」「未来図」「恋色に咲け」etc・・・を基にした、「幼なじみ」との「さよなら」のショートストーリー。
※同筆者の執筆中作品「仮面ライダークウガ-青空-」シリーズの始まりの物語でもあります。

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honey worksの名曲「初恋の絵本」「さよなら両片思い」「未来図」「恋色に咲け」etc・・・を基にした、「幼なじみ」との「さよなら」のショートストーリー。
※同筆者の執筆中作品「仮面ライダークウガ-青空-」シリーズの始まりの物語でもあります。



初恋の絵本と恋色の未来図-さよなら両片思い-

honey worksの名曲「初恋の絵本」「さよなら両片思い」「未来図」「恋色に咲け」etc・・・を基にした、「幼なじみ」との「さよなら」のショートストーリー。

※同筆者の執筆中作品「仮面ライダークウガ-青空-」シリーズの始まりの物語でもあります。

 

 

 

出会ったのはいつだっけ━━━━━━━━━━

 

いきなりでごめんね、とあいつの両親に私の「幼なじみ」に謝ってやってよって言いたかった、未来でみんなのために戦う「英雄」になったあいつに謝ってやってよって、さよならくらいさせてやってよって━━━━━。

 

中学二年の夏休み前、私の「幼なじみ」の一条カオルの両親が突如失踪、その後死亡と見なされ一条カオルは私の母夏目実加に引き取られる形になった。一条カオルには身近に親戚と呼べる物はおらず、私の母は亡くなった一条カオルの両親が勤めていた考古学の専門研究所の代表である、そこで後継人として手を挙げたようだった。

 

突然だ、唐突だ、一瞬だ。

親しかった「幼なじみ」の両親の葬儀が始まり、終わるまでは、本当にあっという間だった。

 

「本日は、僕一条カオルの父、一条━━━━━」

カオルは淡々と最後の言葉を紡いでいる。

泣かずに、ただただ淡々と。

 

「本日は忙しい中、皆様お集まりいただき本当にありがとうございました。」

カオルは最後まで泣かずにやり切った。私と同じ、14歳で中学二年の一条カオルは、両親との別れを淡々とやり切ったのだった。

 

火葬が終わり、納骨を終えたあと、もう一人の幼なじみの小田桐輝ちゃんと私、そして母の実加の三人は火葬場で一人佇むカオルを離れた場所から見守るしかなかった。

この時のカオルは泣いていなかった、よくよく考えれば、両親が失踪したときも死亡認定されたときも一切取り乱すことなく、泣いていた私や輝ちゃんを慰めに来たくらいなのだ。

だから私はこの頃、一条カオルの事を冷たい人間だと思ってしまったのだ、両親の死にあまりに冷淡すぎる。私は慰めに来たカオルにブチ切れた。

「あんたねッ!!悲しくないの!?もう会えないんだよ!?お父さんにもお母さんにもッ!!」

私は怒りと悲しみをカオルにぶつけた、そうするほか無かった。

「悲しいし、辛いよ。でも僕は…桜子や実加さんがいるから。」

そういうカオルは怒り悲しみ辛さ、そのどれでもない、「笑顔」で言い切った。

火葬場で佇むカオルの顔はその時の笑顔と同じだったと思う。

だから私は、それから中学を卒業し高校へ入学して半年位までカオルと同じ屋根の下に暮らしはしているが口も聞かなかった。

約2年以上も口を聞かなかった。

人の死に「笑顔」で答えた一条カオルに私は心底軽蔑と落胆を覚えたのだ。

「こんな奴は私の幼なじみなんかじゃない。」

と━━━━━━━

 

そして、高校一年の夏休み終わり頃事件は起こる。

当時陸上部に入っていた私は合宿先からの帰りの道中、立てこもり事件に巻き込まれたのだ。

そこは小さなCDショップで、最近発売された大好きな音楽グループのアルバム「告白実行委員会」シリーズが発売されてそれを買いについでによって帰るつもりで入店したらこのざまだった。

犯人は小さな果物ナイフを握り締め店員を脅し、持っていた紐で店内にいた客全ての手足を縛り口にガムテープを貼らせた、最終的に犯人は店員も同じように手足を縛り、口にガムテープを貼って座らせた。無論私も同じ状態にされ、座り込んでいた。

正直怖い、怖い、怖いよ。助けてよ誰か。

 

犯人は何が狙いなんだろう、現金狙いならとっくにお金を取って逃げ出しているはずだ、だから何かがおかしい。

 

そして店の外が慌ただしいパトカーのサイレンでいっぱいになった頃、犯人は赤いポリタンクを手に持ち、中に入っていた液体を撒き始めた。

この匂いは…灯油…ガソリンッッ?!

え、ちょっと待て待て、嘘でしょう…火を着けたら着けられたら私逃げれない、息も出来ない、死ぬの私…?

死ぬかもと思ったその時、あの時のカオルの「笑顔」が浮かんだ。我ながら最低だ、軽蔑している人物に助けを求めるなんて…こんな時くらいお母さんの顔は浮かばないもんかね私ったら。

 

店の奥の方でガサッと音がした、犯人は気付いていないようだけど、、、誰か他にも逃げ遅れた人がいたのかな…と音のした方に顔を向けるとそこには。

「ンーーッッ?!(カオルッッ?!)」

 

カオルもこちらに気付き指でシーッッてやってる、バカなんじゃないのあいつ?!まさかとは思うけど、包囲されてるであろうこの店の警察の包囲網をかいくぐってどこからか入ってきたの?!

 

カオルは静かに少しずつ犯人に近付いている、まさかあいつ刃物持ってる相手に生身で挑むつもり?!

「あのーッッ僕まだ縛られてないんですけどッッ///」

そこでカオルは犯人に向かって声を上げた。

あいつバカだ、なんか照れくさそうに縛られてないんですけどとか言ってる、気持ち悪い。

 

両手をあげるカオルに犯人は近付き、

え、カオルあんたほんとに捕まるだけなの?

でも私は見逃さなかった、両手をあげるカオルの手には何やら握られていて、次の瞬間手に持つ何かを床に落とした。

 

「(カオルッッ?)」

 

床に落ちたモノに犯人の目が行った瞬間、カオルは犯人の頭の上に足を振り上げ、それを振り落とした。かかと落としか…そういえばカオル、武術は一通り身に付けてるんだったか…

犯人は後頭部を押さえながら悶絶している。

その間にカオルは床に落とした(カッターナイフ)を手に縛られていた人達を救出する。

どうやら私の順番は最後のようだ、まぁいいけど。

 

「クッソがぁぁッッ!!」

 

のたうち回っていた犯人がポケットからライターを取り出し火を着けた。

ん?火を着けた…?

「(カオルッッ!!危ない!!)」

床に撒かれた液体に安易に火は広がり店内は煙と炎に溢れた。

ダメだ、私終わった。

カオル、早く逃げて。

私はそっと目を閉じ、涙を流した。

ほらねカオル、人は辛いとき悲しい時涙を流すものなんだよ、私はあんたが大嫌い、泣きたいときは泣けばいいのに、泣かないあんたが大嫌い。

「…こ…桜子ッッ!!今、紐を切るからなッッ!!」

え…?

「ちょっと痛いかもだけど、ガムテープはずすよ!!」

嘘…

「ゴホッゴホッ、死なせるもんか…桜子…僕が必ずッッ!!」

私を抱え炎の中を抜け出していくカオル、炎から私を庇いながら一歩また一歩、そしてようやく店の外に出た瞬間、雨が降っていたのか…?私の顔に一粒二粒の雫が落ちてきた。

顔を見上げると、そこには笑顔のカオルがいた。

「大丈夫そうだね、桜子!良かった…」

また一粒二粒と雫は流れ落ちる。

なんだあんた泣けるんじゃん、笑顔だけど。

そっかこいつ…昔から自分の事では泣かなかった、そうだよ。こいつはそう言う奴だった、そんなの私が一番知ってるじゃないか…知っていたじゃないか、いつも隣で見てたんだから━━━━━━

 

ちなみに犯人は逃げ出したとき警察に取り押さえられ逮捕された、みんなを救った一条カオルは警察から表彰され、それ以降ちょっとした「英雄」になった。あまり目立つタイプではなかったのに、最近は男女問わず友達も増え、調子の良いことに女子受けが良いせいかラブレターなんかもらったりしてた、ムカつく。

ん?ムカつく?

「どうした桜子~顔真っ赤にしてさ~、風邪ですかなぁ…?」

仲の良い同級生の榎本夏樹が私を心配そうに訪ねてくる。

ムカつく…そうか嫉妬か…

「大丈夫だよ夏樹、風邪じゃないから」

夏樹は、そう?と心配しながらも桜子の席から離れていった。

(病名があるとしたら…恋ワズラいかな。)

ふとカオルに視線を向けると女子たちと楽しそうに会話していた、胸が締め付ける、痛い、痛いよ━━━━━━

月日は過ぎ、三年に進級した私はカオルと同じクラス(三年間一緒だった)でしかも隣の席になった。

嬉しかった、家でも近くにいて学校でもそばにいてくれる。それが当たり前になっていたから、ふと思う。私はカオルとどうなりたいんだろう、と。

カオルが「幼なじみ」→「好きな人」になったのはいつだっけ?何年前の事だっけ?くだらない話なら昔からずっとしてきた。最近は登下校も一緒で、周りから冷やかされてたまに変な距離感が出来るたび、カオルは冷静だけど、でも私は解ってた。

あとちょっと10cmの勇気…手を伸ばせば繋げられる距離、想いをごまかさず伝えることが出来れば…告白しようかな…

でも断られたら…いや、カオルは私を好きなはず…そうだよね…?

 

そんな中途半端なまま高校生活最後の夏休み、同級生の榎本夏樹、合田美桜、早見あかりらと夏祭りに出かけた、ちなみに男子勢もいて、望月君、瀬戸口君、芹沢君、そしてカオルの四人。

 

最初は男女別々に行動して最後花火は一緒にみようとなった。

 

「で、桜子、一条君とはどうなの?」

「えっ、ベ別に何もないよ、夏樹こそ瀬戸口君とどうなの?」

「私もまだ…告白予行練習の真っ最中です…」

夏樹は瀬戸口と幼なじみで、まぁ…私と同じ状況らしい、難しいよね本当。

そこで美桜が呟く。

「初恋ってさ、絵本みたいだよね。物語があって、結末がある。」

美桜はおそらく芹沢君が好きなんだと思う、なるほど初恋の絵本ね、上手いこと言うわ、さすがだよ。

「あかりんは?恋してる?」

あかりは私の問いに、ただ頷き、

「してみたいと思う、ヤキモチやいたりやかれたり、手をつないで一緒に帰ってみたいし。」

可愛いなあかりはもう。それ以上可愛くなるなよ、それこそヤキモチやくわ。

「今日…私さカオルに告白しようと思うんだ。」

私は素直にそう述べた。

 

三人は少し顔を赤らめ、笑顔で頑張れと言ってくれた。こいつら本当に可愛いんだから…泣かしたらただじゃすませないわ野郎どもッッ!!

 

その後男子勢と合流し、ちょうど花火もうち上がりはじめた。

「わー、綺麗だねー桜子、僕花火大好きなんだ。」

隣でカオルがそう呟く。

カオルの顔を見ると、いつもと変わらないあの笑顔だった。

見つめられているのに気付いたカオルはきょとんとしている。

「どうしたんだ桜子?」

カオル、これから先、辛いこと悲しいこと、楽しいこと苦しいことも全部私と半分こして、重いなら尚更、半分こして。

出来るなら、好きって気持ちも半分こして一人じゃ重くて持てないから。

「やっぱり恋って…良いもんだな…」

今のはカオルが呟いた。

「えっ??」

「桜子、ずっと前から好きでした。」

私の、いや私たちの恋は…

初恋の絵本はここから始まった━━━━━━。

 

 

あの日の嫌いも、好きって事も

全部そこにはカオルがいた。

両方が片思いだと思い込んでいた、両片思いの私達の初恋の絵本は今も続いている。

カオルが戦いの日々に追われ、そのたびに怪我を負い心労で倒れそうになる、だけど。

私は信じてる。

この先もずっとずっとずっと。

私達の初恋の絵本は恋色に咲き誇り続けると、だからカオルの両親にはいきなりでごめんなさい、私達結婚します、とそう告げようと思う━━━━━━━━━。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この物語はヒロインの夏目桜子の視点で描いてあります、今後主人公の一条カオル視点でも執筆予定です。
※この物語の続きの「青空の」シリーズと話は繋がっていますが、物語に「矛盾」と「錯誤」が発生しています。追々ネタを明かす予定ではありますが…気になる方は期待して待ってて下さい!

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