俺は竈の女神様   作:真暇 日間

330 / 330
竈の女神、剣鬼に遭う

 

 ある日。オラリオの路地裏で、完全に目が死んでいる金髪の少女に出会った。

 だが、目が死んでいるくせに内側では炎が沸き立っているようで、強さを求めて徘徊していたらしい。なんで徘徊かは知らんがな。

 で、そんな埃と土と垢にまみれた少女を引っ張ってきて風呂に放り込み、ちょいと世話をして色々と話を聞いてみたんだが……予想通りと言うかなんと言うか、この少女は孤児だった。

 両親は冒険者だったらしいがある日から帰ってこなくなり、復讐だかなんだかはよくわからんが力を求めているらしい。

 ……だが、こんな少女を入れようとする純粋な戦闘系ファミリアは非常に珍しく、大概の場合は叩き出されてきたらしい。叩き出されなかったこともあるようだが、どうにも空気がよくなかったから逃げてきたらしい。

 まあ、こいつは運が悪かったが勘は良かったらしいな。犯罪系だったり、新入りを色々と使い潰したり、恩恵すら与えず所有物にしたりする所もあると聞くし、そういったところに引っ掛からなくて良かった。

 まあ、そういった類いのファミリアはアストライアの所のファミリアが主体となって狩って回っているようだし、アストライアの所には俺も薬やらマジックアイテムやらを融通しているのでなかなか良い仲だったりする。

 ……で、この娘はどうするかな。孤児だし俺の庇護下に置くのは問題ないんだが、こいつの目的は強くなることらしいしな。どうするか。

 

「……強くなりたいんだったらまあ鍛えてやってもいいが、どの程度全力でやる? 力以外のあらゆる物を捨ててでも力が欲しいか?」

「……うん。欲しい」

 

 よしよし、だったらくれてやろうか。命も時間も美しさも感情も人としての幸福も、全てを失うことになるかもしれんが、本人の希望ならば仕方がないな。ちょっと死ぬかもしれない程度のものから始めてやろう。見たところ気力と血縁以外は一般的なヒューマンの少女と変わらないようだし、いきなりメディアにやったようなのをやらせたら強くなる前に死ぬだろう。そこで死なないようなするのが俺の役割なんだが。

 それに、この娘を放置しておくのもあまり良くはなさそうだ。このままダンジョンに挑んで勝手に死ぬだけならまだしも、ダンジョンに呑まれて魔人となったら色々面倒だし、そうなったら真っ先に俺が狙われるだろうしな。

 手っ取り早く、重力を増した空間で筋トレ兼歩法の特訓だな。体力作りと歩法による重心移動、加えて負荷をかけながらでも身体を動かす根性と正確に動かそうとする集中力を一度に鍛えられるから、よほど魔術特化でもない限りはまずこれからやらせている。魔術特化だったら魔力を運用しながらのランニングからだ。前衛だろうが後衛だろうが体力は必須だからな。

 じゃあ鍛練場にそれなりの機材を用意しておこうか。俺がいないと鍛練できないのは効率が悪いし、ついでに鍛えたがり共も使えるしな。あいつらが欲する重力になるかは俺の知ったことじゃないが。

 

 まあ、基本はあの娘に合ったものになるだろう。そこからどれだけの早さで強くなっていくかはあいつ次第。心の底から強くなることを望んでいれば、スキルの一つや二つは勝手に生えてくるだろう。かつてのメディアのように。

 問題は死なないかどうか。この一点に限るな。死んだらそれまでだが、必死になって食らいついてくれば良い買い物と言うことになるだろう。『買って嬉しい花一匁』だ。俺からすれば出費らしい出費がないまま優秀な人間一人と人生の大半を得ることができる可能性があるわけだし、まあ単勝馬券でも買った気分でな。

 

 ……本当に『ありとあらゆる力をつけさせる』なら女としての魅力やその使い方も学ばせた方がいいのかもしれないが、今学ばせたところで使い道を見つけられなさそうだし良いとしよう。実際にはあまりよくないが、もう良いとする。

 ちなみにそういったことを学ばせるならイシュタルかアフロディテ、フレイヤ辺りに頼むのが良いのだろうが、神と言うのはどいつもこいつも享楽主義者の集まりだ。まともな教育など望めないだろう。機会があったら俺が……無理だな。諦めるか。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

アマゾネスとして生まれた私は〇〇になる。(作者:だんご)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

ただし、エロマンガ家。なんでアマゾネスかっていうと、褐色アマゾネスってエロいから書きたくなってしまったんです(正直)。


総合評価:17832/評価:8.86/連載:12話/更新日時:2021年05月11日(火) 00:48 小説情報

TSロリが逝くダンまちゲーRTA(作者:原子番号16)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

 TSロリの需要を察知したので初投稿です。嘘です。▼ ダンまち×RTA増えろ。


総合評価:11297/評価:8.49/連載:22話/更新日時:2022年11月05日(土) 22:03 小説情報

ベルちゃんになった転生者、鬼滅の刃の技を使って頑張ります!(作者:ベート)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

 ベルちゃんになってしまった転生者が鬼滅の刃の技を使ってオラリオを駆け回って、イチャイチャします!▼ 原作キャラの恋愛事情など変わっているものが多いです。また、できるだけやらないようにしますが、キャラ崩壊も出てくるかもしれないです。更新は不定期です。▼ タグ増えるかもです。


総合評価:1102/評価:7.39/連載:13話/更新日時:2026年05月01日(金) 20:42 小説情報

小人族でも、女でも英雄になりたい(作者:ロリっ子英雄譚)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

俺はただロリっ子が英雄の道を駆け上がる所を書きたかっただけなんだ!!▼目指せ毎日投稿、二千字以上。▼


総合評価:11400/評価:8.54/連載:50話/更新日時:2022年08月08日(月) 12:00 小説情報

ダンジョンで幸せを探すのは間違っているだろうか(作者:モーリン)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

ぼくの考えたカッコいいかもしれない主人公がダンまちの世界で幸せを探すそうです。▼注意:作者の妄想を具現化しているだけです。主人公や原作キャラの性格が皆様の認識とずれて不快に思われるかもしれません。一応漫画は全巻とアニメは見たのですが原作小説は読み途中です。設定に食い違いがありましたらご指摘をお願いいたします。また、作者の独自設定と解釈が多分に含まれております…


総合評価:4251/評価:8.05/未完:14話/更新日時:2018年04月09日(月) 19:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>