ワンパンマンの可能性、あったかもしれない、あるかもしれない……そんな短編集。

1 / 1
ONE原作にて、タツマキ戦後。協会があちこちでスカウトしてるとこかな…?


アゴーニの暗躍

 

 

世界的に有名な大富豪アゴーニ。

彼はヒーロー協会の創立者でもある。

 

 

「ヒーロー協会設立から三年が経過したわけだが……」

 

 

薄暗い部屋の中央でアゴーニがイスに深く腰掛けながら口を開く。

 

 

「予想以上に予想以下であり、予想通りだったな……」

 

 

感情の読み取れない声音でそう発した。

 

 

各市にあるヒーロー協会支部のような一室。

そこにはアゴーニの他、彼がヒーロー協会を立ち上げるときに協力してもらった者たちと、設立以降にアゴーニ本人が声をかけた者たちがいる。

 

 

「アゴーニさんみたいな金持ちが何かしら組織を立ち上げる……ってなれば当然、金にたかる虫がわいてくるのは必然。故にこの結果は目に見えていた」

 

 

一人が喋り始めたのを切っ掛けに次々に意見を述べ合う。

 

 

「それでも三年という時間は早い」

 

 

「ヒーロー協会という組織の存在――――その作られた当初の目的を考えれば……些か早い気もするが、問題はないのでは…?」

 

 

「この時期にヒーロー協会を切り捨てるのか?」

 

 

「予言のことを考えれば早めに行動した方がよい」

 

 

「そうだな……有能な人材、使える人材はすでに声をかけた」

 

 

「ヒーロー協会に残るのは無能か、未来を見据えない頭の固い連中のみ……」

 

 

口々に言う面々。

静かに聞いていたアゴーニが動くと、水を打ったかのように部屋が静まり返る。

 

 

「宇宙人襲来、人間怪人ガロウによるヒーロー狩り、怪人協会のときにもメタルナイトとブラストは動かなかった」

 

 

アゴーニが挙げた二つの名は、どちらもS級ヒーローに連ねる者であるが……アゴーニの彼らに対する認識は “ 実力はあれど自ら動くことは殆どない、ヒーローとして問題のある者たち ” ……というお世辞にも良い評価とは言い難かった。

 

 

「力はあっても、肝心の時には動かない。……では意味がない。世間の一部は彼らのような自由意思で動くヒーローと、ヒーロー協会に頼るのは危険ということを、身をもって知ったことだろう、我々も含めてだが……」

 

 

「アゴーニ会長。……そろそろ計画を実行に移すのですか?」

 

 

メンバーの一人が嬉々とした表情でアゴーニに問いかけるが……彼は「その前にやっておきたいことがある」と前置きを置いてから坦々と述べていく。

 

 

スポンサー企業の異動とマスコミ関係者を使った告知。

ヒーロー協会の内部告発、スカウト・ヘッドハンティングによる人材確保。

 

 

「可能な限り内部から喰い尽くしてくれよう。今まで散々、連中がやってきたことだ。嫌とは言わせん……」

 

 

凄みを利かせた声で話すアゴーニ。

ヒーロー協会の幹部の中には協会のお金で豪遊を繰り返す者が多々いる。

余程、立腹しているのだろうか…? 目を細めて虚空を睨んでいる。

 

 

「それも重要だが、S級が束になっても敵わなかったガロウ。それを赤子の手を捻る如く、打ち負かした A級ヒーロー “ サイタマ ” ……」

 

 

彗星の如くヒーロー協会に現れたサイタマ。

同じ日にヒーロー名簿に登録したジェノスの陰に埋もれがちだが、彼は驚異的な速度で階級を上げている。

 

 

「サイタマへの監視、場合によってはスカウトですか?」

 

 

「そうだ。彼をあのまま……彼の才能を、あの組織で腐らせるのは忍びない」

 

 

宙に浮いている画面にサイタマの画像が映し出され、その横に彼の功績が次々と書き記されていく。

それを目で追い、軽く頷く。

彼らの中でサイタマをスカウトすることが決まったようだ。

 

 

「それと、ガロウ。彼を()()()()としてスカウトしよう」

 

 

アゴーニがポツリと漏らした言葉に一瞬、硬直。

硬直から解いた一人が恐る恐る質問してみる「そのガロウはあのガロウですか?」…と。

 

 

「人間怪人ガロウ。彼をヒーローとしてスカウトする」

 

 

部屋の中が静寂で満ちる。

彼らはアゴーニの言うことに頭が追いつかないのであろう。

ヒーローと敵対した者をヒーローとして起用するのだ、周囲が混乱するのも分からなくもない。

 

 

「ヒーロー狩りと称しながらも、一人として殺人という罪を犯してはいない。ワシから言わせてみれば、ただのひねくれた小僧にしか過ぎんな……」

 

 

「しかし、危険なのでは?」

 

 

「そのための “ サイタマ ” だ。彼ならガロウに対する抑制になる。異論があるなら、引退して去ったヒーローたちを埋める戦力を、その埋め合わせ方法を聞こうか…?」

 

 

口の端を上げて笑うアゴーニに誰も意見を言うことができずに、その日の会議は進んだ。

 

 




 
 
(´・ω・)にゃもし。

こんな感じの短編集になるかもしれない。
もしも…とか、裏では…とか、かな?

そんでもって今回はアゴーニさんでした。

タイトルはそのうち変えよう……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。