それは、とても強力な個性。けどそれに気づくのはとても難しい。
単発投稿。
原作者様とはなんの関係もありません。
あくまで二次元創作です。
捏造御免なさい。
誰もいない世界と誰かがいる世界とは何が違うのだろうか。
《誰》とはなにを表すのだろうか。
ボクはその誰かになっているのだろうか。
僕はその誰かは誰を必要としているのだろうか。
誰とはいったいなんなのだろうか。
ボクが生まれた世界はとても理不尽でとても不合理でせかいの8/2がとても大きな力を持っている。
僕はそれの8にあたる。
僕の力は何ら役に立つものではない。
そう、思っていた。
ボクは誰も何もこの力の恐ろしさに気付いてなどいなかった。
その、恐ろしさに気づいたのは。
ひーろーと呼ばれたものは僕をとらえようとしていた、ヴィランを倒した。
もう少し、早く来ることはできなかったのだろうか。
もう少し、僕と誰かがこの力の恐ろしさに気づいていれば誰かは死ぬことはなかったのだろうか。
誰が誰で誰か何で、目の前の誰かはもう、グシャグシャで見る影もない。
ひーろーはボクを助けてくれた。
ヴィランは僕を襲った。
でも、ボクは目の前の誰かを助けることができなかった。
血が滴る音と、僕の瞳から落ちる水滴の音と、ボクに語りかけるひーろーの声。
その、誰かは。一体だれなのかな。
おとうさんとおかあさんとにいさんといもうとは何処にいってしまったのかな。
僕は、ひとりになってしまったのかな。
遠くでサイレンの音が響く家の回りがざわざわと煩くなる。
僕はそれが煩くて手に持っていた今日のボクの誕生日プレゼントの端末の中に閉じ籠った。
きっといきなり消えたボクに驚いている、いやひーろーはきっとボクの個性を知ってる。
もう少し、早く来ることはできなかったのだろうか。と思ったけれどそれでもひゃくとうばんをしたあとものの数分で駆けつけてくれたのだ。
一桁で。誰かに聞いた話助けに来てくれるまで最速が数十分かかるらしい。
それにここは住宅密集地だ。くるひーろーも限られてしまう。
そして、僕を助けてくれたのは平和の象徴《オールマイト》。
ボクは、そんなに価値のある人間だろうか。
最も、オールマイトさんとはそんなことなど考えないヒトだろうが。
オールマイトさんは、ボクの閉じ籠った端末を抱えて家の外に出る。
抱えて、といっても持ち歩くノートパソコンの縮小版のような小ささでオールマイトさんならつかむだけでいいだろう。
でも、わざわざ抱えてくれているのだ。
優しいなあ、そう考えていた。いつの間にか僕は深い眠りに落ちていた。
「で‥う…し‥。でん‥ょ…。電脳少年!」
その声で僕は目を覚ます。
オールマイトさんが端末を覗きこんでうーんと唸っている。
きっと画面が真っ暗なのだろう。
当たり前だ、この端末はボクの個性にかかっている。
僕でしかログインは出来ない。
オールマイトさんの隣には若く、少しもっさりとした黒髪の男のヒトと金髪でサングラスをかけているヒトがいた。
その奥には小さなネズミさんがいる。
ここは、何処だろう。
僕が呆けていると会話が聞こえてきた。
「オールマイトさん、なんでここに連れてきたんですか。警察に預けていればいいのに。合理的じゃない。」
黒髪のヒトはイレイザーヘッドさんだろうか。誰かから聞いたことがある。
そう言えばその誰かさんはひーろーだった気がする。
もしかしたら本人だったりするかもしれない。
「まあまあ、消太。下手に警察に預けていたら閉じ籠ったままかも知れないだろ?それに、お前。」
金髪のヒトはプレゼント・マイクさんだろうか。
まあ、確かに堅苦しい空気の中だったら空気を読んで僕は出ませんよ。
だからってひーろーの前で出るとも限らないけれど。
プレゼント・マイクさんは何を言おうとしたのだろう?
「とりあえず、彼が出てきてくれないことには何もできないな。」
とネズミさんが告げる。
どこかで見たことがある。
……。これは出ないといけないくうき?空気?
……。そうみたい。だったら出なきゃログインしてログアウトしなきゃ。
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『_。ろぐイん。』
端末からいきなり声が聞こえ起動する。
画面が黒から薄い青緑色にかわり沢山の文字の羅列が浮かびあがる。
『ういルす。いじょウナシ。__。かんリョウしマした。』
イントネーションが独特のあいつの声が聞こえる。
あいつは個性が発祥してからしゃべり方が変わった。
俺の事を覚えているかさえもうわからない。
あいつの個性を調べていくうちにとんでもない能力があることが分かった。
あいつの両親に伝えに行ったんだがその時はそのときだと真剣な目で言われたので一度引き下がったが……。
「合理的じゃない。」
きっとあいつの頭のなかにはもうすでに、両親は誰かになっているだろう。
個性の影響かあいつの脳はコンピューターのように要らないものはすぐに切り捨てられる。
それの総称をあいつは誰かという。
一度画面が真っ白になったかと思うとあいつが画面の中からこちら側を覗きこんでいた。
オールマイトさんもマイクも根津先生も久しぶりに見る彼の顔に頬を緩ませた。
一方あいつはじーっとこちらを見て首を捻りぶつぶつとなにかを言いはじめる。
『でータべーすショうゴウ。だれカ、いこールゴみバコふクげん。ふくゲンちゅウふクげんチュう。ふくげんしマした。しょウごう、しマシタ。ろぐアうと。』
画面が青白く光ると端末の後ろにあいつが現れた。
全く、ややこしい個性だ。
あいつはこちらを見てペコリと頭を下げる。
キョロキョロと一瞬視線をさまよわせるが数十秒もたたずにこちらにさいど顔を向けた。
「たスけてクレて、アりガトうござイマす。」
オールマイトさんは無事でよかったとあいつの頭を撫でる。あいつは気持ち良さそうに目を細める。
……。猫みたいだ。っ、いまはダメだ。
マイクも根津先生もあいつに声をかける。
溜め息をはきどうせ覚えていないだろうと距離を取ろうとするが小さな手に腕をつかまれた。
目を何度もパチパチさせ俺の手のひらとは比べ物にもならない小さな両手でうでを掴む。
勿論、痛くも痒くもない。力のない細腕だ。
「あイざわサン。ボくのコトおボえてイマすか?ぼクハイマまでわスレてました。ゴめんナサい。」
申し訳なさそうにあいつは俺を見上げてくる。
生憎だが俺はお前のことを忘れたときはない。
溜め息をはき頭をかきながらあいつと同じ目線にしゃがむ。
じーっと俺をみてくる黄緑と青の瞳は一体どんな構造をしているのだと思ったことがある。
「覚えてるよ。まあとりあえず、おとなしくしとけ」
「!ハい。ヨかった。」
何がよかったのか、オールマイトととも知り合いだろ?覚えているなら。
今さらだが、あいつ顔広いよな。
まあ、確かに、自分だけ覚えてて相手が覚えてなかったらつらいんだろうな。
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名前
入出 終 <いりいず しゅう>
現時点で六歳。
相澤消太 現時点で二十代
(イレイザーヘッド)
山田ひざし 現時点で二十代
(プレゼント・マイク)
八木俊典
(オールマイト)
根津先生
(原作時雄英校長)
ありがとうございました。