第零遺跡の「鍵の管理者」   作:奈々歌

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戦闘シーン書くのって難しいですね……。





ノエルの実力。

 

 

 

臨時教官の始めた訓練に嫌な予感を感じながらノエルたちは演習場に戻る。

だが訓練を再開しようとした時、予感が的中してしまい問題が起きた。

 

「キャアアッ!?」

《ワイバーン》を纏っていた女生徒の一人が空中で撃ち落とされたらしく、地面に叩きつけられてしまう。

 

「やはりこの程度か! 士官候補生ともあろうものが聞いて呆れる」

勝ち誇ったような声が、上空に佇んでいる臨時教官の男から聞こえてくる。

 

「あの野郎、模擬戦だってのにやり過ぎだろ」

ノエルは上空にいる男を睨みつける。その顔には怒りの色が現れていた。

 

男たちは『指導』と称して強引に生徒たちへ模擬戦を強要し、長年の経験と技術で叩き伏せていた。ライグリィ教官は男たちを諫めるように竜声を飛ばしている。

 

だが男たちは反省するわけでもなく、寧ろ嘲りの笑みを浮かべていた。

 

「おい、大丈夫か!?」

ノエルは先ほどやられてしまった《ワイバーン》を纏っている少女に駆け寄る。

 

「は、はい…。大丈夫です……。ありがとうノエル君」

大人しめな雰囲気の少女はそう口にするが、表情は沈んでいた。

 

「とりあえずここから移動しよう。立てるか?」

ほら、とノエルは手を差し出す。

少女は《ワイバーン》を解除し、その手を取って立ち上がる。

 

ノエルは少女に肩を貸し、二人は観客席へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「痛いところとかないか?」

ノエルは観客席に先ほどの少女を座らせると、そう問いかける。

 

「少し足が痛いですが、大丈夫です」

少女は足首を摩りながら答えた。落下した際、衝撃で痛めたのだろう。

 

「冷やさないとな、今氷持ってくるから」

そう言って立ち上がると、級友であるティルファーが近づいてくる。

 

「私が代わりに行くよ。ノエルっちは待ってて」

 

「いや、ティルファーは今休憩時間だろ? 休んでろよ」

 

「んー、でもさ。まだ何か起きそうだし、そうなるとノエルっちがここに留まってた方がいいかなって思ってさ」

 

「……、わかった。頼むよティルファー」

ティルファーは任せて、と笑顔を向けて氷を取りに向かって行った。

 

 

ティルファーを見送った後、演習場から女生徒と男たちが言い争う声が聞こえてくる。ティルファーの言った通り問題が起きてしまったようだ。

 

 

 

「いい加減にして下さい! 習ってもいない攻撃を仕掛けて来たり、倒れた生徒に追撃をかけたり、一体これのどこが訓練なんですか!?」

《ワイアーム》を纏っている女生徒が男たちに抗議する。

 

「ははははは! 随分と甘やかされて育ったようだな、これは実戦のための訓練だぞ? 私たちのことを気遣えとでも言うのか?」

男は女生徒の言葉に対し嘲笑う。他の男たちもつられて笑い出していた。

 

「なら、私が相手です!」

 

「いいだろう、かかってこい」

《ワイアーム》を駆り、女生徒はブレードで斬りかかっていった。

 

 

 

「まずいな、止めに入らないと」

観客席から様子を見ていたノエルが《ワイバーン》の機攻殻剣(ソード・デバイス)に手をかける。

 

「でもノエル君、相手は軍の機竜使いですよ!?」

手当てを受けていた少女が止めようとしてくるが、ノエルは少女の肩に手を置いて安心させるよう告げた。

 

「大丈夫、あんなふざけた野郎になんか負けないよ。君を傷つけたアイツを俺は許さない」

 

「ノエル君……。気を付けてね?」

 

「ああ、任せとけ。クルルシファー彼女を頼む。ルクス、もしものことが起きたら援護頼むぞ」

 

「わかったわ」

「うん、任せて」

 

二人の返事を聞いた後、ノエルは《ワイバーン》を纏って演習場へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女生徒の駆る《ワイアーム》がブレードを構え、男へ一直線に向かって行く。そして斬りかかろうとした瞬間。

 

「はっ、そんなものか!」

 

「えっ……!?」

男はブレードを難なく回避し、振り切っている《ワイアーム》の手首を狙い反撃を仕掛ける。すると、《ワイアーム》のブレードはあっけなく弾き飛ばされた。

 

「終わりだな、お嬢さん?」

そう言い放つと男は武器を振りかざした。

 

「ま、待って下さい!! 私は武器が―――」

 

「知らんな、そんなこと」

怯えて後ずさる女生徒に男は容赦なく武器を振り下ろす。だが、その攻撃が女生徒に当たることはなかった。

 

ガキンッ、と金属同士がぶつかる音がする。

振り下ろされた武器を横からブレードが防ぎ、女生徒の目の前で止めていた。

 

「そこまでだ、クソ野郎」

防いでいたのは《ワイバーン》を纏ったノエルだった。

 

「なんだお前は? 訓練の邪魔をするな」

男はそう言うと、防がれている武器に力を強く込める。

 

「訓練の邪魔はしていないさ。どう見てもこれは訓練じゃないからなっ!」

ノエルはそれを難なく耐え、最後には弾き返していた。

 

「ぐっ!? 貴様、何のつもりだ! そもそもなぜ男がこの学園にいる!」

武器を弾き返され、男は後ずさる。

 

「いろいろあってな、今はここの生徒なんだよ」

ノエルの返答を聞いた後、男は気付く。

 

「お前、誰かと思えばノエルか。最近王都で見かけないと思ったらこんな所にいたのか」

 

「まぁな。それはそうと、お前たちにはさっさと帰ってもらうぞ? まともに『指導』もできない奴をいつまでもこの学園に居させる気はないからな」

 

「なんだと、誰に向かってものを言っている? 俺たちは軍の教官だぞ?」

男はノエルを睨みつけ、不機嫌な表情を浮かべる。明らかに敵意を持っていた。

 

「だからどうした、素直に立ち去る気がないなら俺と勝負でもするか?」

ノエルは男の視線に怯むことなく、寧ろ睨み返しながらブレードの切っ先を向ける。

 

「調子に乗るなよガキが、俺たちに勝てるとでも思ってるのか?」

一発触発の空気を漂わせながら、男たちはノエルを囲むように集まってくる。

 

「余裕だね、なんなら三対一でもいいぞ」

 

「ほう、その言葉後悔するなよ?」

 

「ああ、そのかわり俺が勝ったらさっさと出ていってもらうからな」

ノエルはそう言うと、ブレードを構え戦闘態勢をとる。それを見た男たちはそれぞれ距離をとった。

 

「君は観客席のほうに避難してて、ここは危ないから」

後ろにいる《ワイアーム》を纏った女生徒に顔だけを向けてそう促す。

 

「でも、いくらノエル君でも三人相手じゃ……」

 

「大丈夫だって、さっさと片づけてくるから。ほら急いで」

女生徒は不安そうな表情をしていたが、頷いて観客席へと向かって行く。

去り際にありがとうと聞こえたのでノエルは軽く微笑み、視線を男たちに戻した。

 

「合図をお願いします。ライグリィ教官」

その顔に笑みはもう無く、ただ男たちを睨んでいた。

 

「……本当にいいのかノエル?」

ノエルの普段は見せることのない雰囲気にライグリィ教官は戸惑いながらも尋ねる。

 

「ええ、問題ありません」

ノエルの返答を聞き、ライグリィ教官は係員に合図を送った。

 

観客席の生徒たちが息をのんだ瞬間、

模擬戦(バトル)開始(スタート)!」

 

開始の合図が告げられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

演習場には四機の機竜が戦いを繰り広げていた。

ノエルが駆る《ワイバーン》それに男たちの《ワイバーン》、《ワイアーム》、《ドレイク》。

 

観客席の生徒たちは一部を除き、軍の機竜使いを三人も同時に相手するノエルが劣勢になると思っているだろう。だが、数分後には誰もがその考えは間違っていたと思うことになる。

 

「バカめが! 勝てるはずないだろうが!」

《ドレイク》と《ワイアーム》が距離を取るため離れていく中、《ワイバーン》を纏う男はブレードを構えてノエルに声を上げながら斬りかかって行く。

 

「そんな太刀筋で軍の教官が勤まるか!」

ノエルは自分に向かってきたブレードを難なく剣の切っ先で逸らし回避する。

 

その後ノエルは上空へと飛翔し距離を取ろうとするが、男は追撃を仕掛けるため背後を狙い迫ってきた。

 

「無様に落ちやがれ!」

 

「それはお前のほうだよ」

ノエルは下から追ってくる男にダガーを投げる。

 

「ぐっ!?」

男はブレードで防ぐが、速度を落とさざるを得なくなる。その間にノエルはさらに上空へと遠ざかっていき、『技』のための十分な距離を取った。

 

「これで終わりだ」

ノエルは上空で転回し、落下する速度を利用して最高速の限界を上げた。そしてその速度を維持したまま男に肉薄する。

 

「馬鹿め、自分からやられに来るとはな!」

男はブレードを構えて反撃の態勢をとった。

だが、目の前に迫っていたノエルが一瞬のうちに姿を消す。

 

「『幻撃』」

 

そう聞こえた瞬間、男の横をノエルの《ワイバーン》が通り過ぎて行く。

男は呆気に取られて動けないでいたが、ノエルを追うため背翼の推進装置にエネルギーを送る―――はずだった。

 

「な、何だと!?」

男は驚く。なぜなら背翼が見事に破壊されていたからであったからだ。

そして推進装置を失った《ワイバーン》は落下していき、地面に叩きつけられた。

 

 

「調子に乗るなよガキが!」

その様子を見ていた《ワイアーム》を纏う男は怒声を上げる。ノエルは降下しながら《ワイアーム》へと接近していった。

 

男はノエルに向けキャノンを構えた。最大威力で放てば一撃で《ワイバーン》を戦闘不能にすることができる。

 

「くたばれっ!!」

十分に引きつけてから男はキャノンを発射する。が、至近距離で放たれたキャノンを紙一重でノエルは回避した。

「まぐれだ!」と男は二発、三発と続けて放つが、これも難なく回避しながらどんどん接近してくる。

 

「何故だっ! 何故当たらない!」

 

「狙いが単純なんだよ」

ノエルは淡々と答える。

 

「ふざけるな!」

男は叫びながらキャノンにエネルギーを集束させていくが、それを見たノエルはまたしてもダガーを投擲する。するとキャノンの銃口に刺さり大きな爆発を起こした。

 

「ぐっ……」

爆発で《ワイアーム》は腕ごと破壊されてしまい後退する。目の前は爆発で舞い上がった砂煙で埋め尽くされていた。

 

「どこに行きやがった!?」

 

「ここですよ、教官どの」

その言葉と同時に背後から強い衝撃が襲い吹き飛ばされる。そして男はそのまま演習場の壁に激突した。

 

《ワイアーム》はダメージが大きく大破したようで動かなくなり、男が攻撃を受けた方を向くとキャノンを手にしているノエルがいた。

 

ノエルは爆発が起きた瞬間、巻き上がる砂煙で姿を隠し《ワイアーム》の頭上へと移動していた。そしてキャノンに持ち替えると男の背後に降り立ち、振り向き様に放っていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、観客席ではノエルの戦いぶりを見て女生徒たちが歓声を上げていた。

 

「相変わらずすごいねーノエルっちは」

医務室から氷を持って戻ってきていたティルファーが呟く。

 

「彼ならあれぐらいできて当然でしょうね」

氷を受け取りながらクルルシファーがティルファーの呟きに相槌を打つ。

 

「そういえば、さっき相手の《ワイバーン》を倒した攻撃って幻神獣を倒した時のだよね? あれってどうやってるんだろう」

 

「あれは『幻撃』っていうノエルの編み出した技なんだ」

ティルファーの疑問にルクスが答えた。

 

「相手の目の前まで接近した後、死角へと一瞬で移動する。そして三大奥義の一つ『神速制御(クイックドロウ)』を使い高速で切り抜けていく。相手は何をされたか理解できないままやられてしまう技だから、まるで幻でも見ていたのかと錯覚することが『幻撃』と呼ぶ所以なんだよ」

 

「三大奥義を使う時点ですでに高度な技術なのに、それを応用した技まで生み出しているとはな。早く『騎士団(シヴァレス)』に入団させなければな」

リーシャがルクスの説明を聞き、頷いていた。

 

「さすが私の『恋人』ね。じゃあそろそろお手伝いの準備でもしましょうかルクス君?」

 

「そうですね、そろそろ一波乱ありそうですし」

 

クルルシファーはノエルに頼まれていた女生徒の手当てをティルファーに任せて、ルクスと一緒に《ワイバーン》を纏って備える。

 

すると演習場の方から一筋の光が飛んできたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一体どういうことだ……」

《ドレイク》を纏っている男は目の前の光景に戦慄する。《ワイバーン》《ワイアーム》と次々と倒され、ノエルが駆る《ワイバーン》が今度は自分に迫ってきていた。

 

ライフルを構えて数発放つがブレードで弾かれる。自分も簡単にやられてしまうのではないのかと男は焦りの表情になるが、ある方法に気がついた。

 

『おいガキ。それ以上近づくようだったらどうなっても知らんぞ?』

竜声をノエル限定にし、声をかけてくる。

 

『やりたきゃやればいいさ、あんたの罪が増えるだけだがな』

 

『ふん、忠告はしたからな?』

男がそう言った後、ブツリと竜声が切られる。そして男はライフルの銃口を観客席へと向けた。

 

パァアン!

 

観客席へ男はライフルを放つ。だがその攻撃はルクスの《ワイバーン》が張る障壁に阻まれた。

 

「なんだとっ!?」

防がれるとは思っていなかったのか驚きの声を上げる。

 

「お前らみたいなクソ野郎なら絶対やってくると思ってな、前もって頼んどいたんだよ。おらっ!」

そう言いながらノエルは動きを止めている《ドレイク》に迫り蹴りを入れ、壁まで飛ばす。

 

壁に衝突した《ドレイク》はライフルを向けてくるが、ノエルはブレードを投擲しライフルを壁面に張り付ける。

 

「降参しろ、もうお前たちの負けだ」

キャノンを男に向けてノエルは告げた。

 

「くそがぁ! 誰が降参なんてするか!」

男はライフルを捨て、ブレードを構える。そしてノエルに斬りかかろうとした瞬間。

 

パァン!

 

一発の光がノエルの横を通っていき、《ドレイク》の幻創機核(フォース・コア)を貫いた。

 

「いい加減諦めたらどうかしら。あなたでは勝てないことは明白のはずよ?」

《ワイバーン》を纏ったクルルシファーがノエルの横に降りてくる。

 

《ドレイク》は弱点を撃たれ、機能を停止していた。

 

「ありがとなクルルシファー」

 

「あら、これぐらいのお手伝いは『恋人』ならあたりまえだと思うのだけれど?」

クルルシファーは微小を浮かべノエルを見る。ノエルも笑顔を返していた。

 

「試合終了! この勝負、ノエルの勝利とする」

そうライグリィ教官の判定が下ると、観客席から大きな歓声が上がる。

 

「それとあなたたち三人は後で話を聞かせてもらう。軍人がわざと観客席を狙ったとなるとこれは大きな問題だ。指導内容からしてもあなたたちに教官の資格はない」

 

「くっ……」

三人の男たちは衛兵に囲まれながら演習場から出ていった。

 

「ふぅ、少し疲れたな」

ノエルは《ワイバーン》を解除しながら呟く。

 

「今回は助かった。ありがとうノエル」

ライグリィ教官がノエルに近づいてきて、肩に手を置いた。

 

「俺は彼女たちを守るために戦っただけですよ」

 

「そうか、だがあまり無茶はするなよ」

 

「はいよ」

ノエルの返事を聞いた後、ライグリィ教官は離れていった。

 

 

ノエルとクルルシファーは観客席に戻ると、観戦していた女生徒たちが集まってくる。

その中でティルファーの肩を借り歩いてくる少女にノエルは近づいて行った。

 

「怪我は大丈夫か?」

 

「うん、もうあんまり痛くないよ。凄かったねノエル君」

 

「そうかな? まぁ、同じ《ワイバーン》使いだし、今度一緒に練習でもするか?」

 

「いいの!?」

 

「ああ、お前がいいならな」

少女は嬉しそうに頷いたので、ノエルは自然と笑顔になっていた。

 

「なら私も!」

集まっていた女生徒の中から先ほど《ワイアーム》を使っていた少女も申し出てくる。

 

「おう、いいぜ」

一人も二人もあまり変わらないだろうとあっさり了承してしまったノエル。

 

「ずるい! なら私も!」

「私もノエル君と訓練したい!」

 

次々と申し出てくる子が増えてきて、収集がつかなくなる。

 

「えっと……、順番にね?」

 

ノエルがあまりの出来事に困っていると、

 

「悪いけど、暫くノエル君は私の『恋人』なのだから期限が切れるまでは我慢してくれないかしら?」

そういいながらクルルシファーが腕を絡ませてくる。その光景に女生徒たちは「きゃああっ」と高い声を上げた。

 

「クルルシファー、あたってるって……」

 

「なんのことかしら?」

悪戯っぽい笑みを見せるクルルシファーを見て、こいつはわざとやってるなと思うノエルであった。

 

「凄く柔らかいな、役得ってやつかな」

 

「そ、そうね。授業も終わりみたいだし今日はもう帰りましょう」

思いもよらない返答にクルルシファーは頬を染めて、話を変えてくる。

 

「そうだな、一緒に夕飯でも食べようか」

クスクスと笑い、クルルシファーの提案にのることにしたのだった。

 

「なら行きましょう」

二人は腕を絡ませたまま歩き出す。その道の先にルクスがいた。

 

「ルクス、みんなを守ってくれてありがとな」

ノエルは感謝の言葉を伝える。

 

「僕はたいしたことはしてないよ」

ルクスらしい答えが返ってきたので、二人は微笑みあった。

 

「ノエル君、早く行きましょう」

珍しくクルルシファーが引っ張ってくる。

 

「はいはい」

 

「ノエルも大変だね……」

 

「まぁな、でもこれはこれで嬉しいから大丈夫」

そう言ってノエルとクルルシファーは演習場を後にしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クルルシファーどうした? 今日はやけに積極的だな」

 

「たぶん、これがやきもちというものなのかしらね……」

 

「そうか、やきもち妬いてくれたのか。嬉しいな」

 

「どうしてかしら?」

 

「だってクルルシファーってすげー可愛いじゃん、そんな子に妬かせたんだぜ?」

 

「そう、嬉しいのね」

クルルシファーはそう呟くと、頬を赤らめながら絡ませてる腕をギュッと抱きしめるのだった。

 









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