第零遺跡の「鍵の管理者」   作:奈々歌

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更新遅くてすみません。

忙しくて帰って来てらパソコン開いて、そのまま寝ちゃってます最近(笑

かわりに一話一話普段より長めに書いていますので、読んで貰えると嬉しいです。


それではどうぞ!


『遺跡』調査前日。

 

 

 

 

 

酒場での出来事があった日の夜。王都『ロードガリア』の城内ではある会議が行われていた。七人の男女がそれぞれ席に座り、円を描くように向かい合う。上座に座るのは女王と宰相、そして軍の副司令官。残りの四人は四大貴族の公爵たちだ。国の権力者たちが一堂に集まっているこの部屋には異様な沈黙が続いていた。

 

 

「……。我らが一同に呼び出されるとは、久しぶりですな」

四大貴族の老輩であるゾグァ・シャルトストがそう切り出す。

 

「そうだな、新王国設立以来ではないか? そなたたちの顔、危うく忘れるところだったぞ」

中年の男が軽口を叩く。バグライザー・ガシュトフだ。

 

「この場に我々が呼ばれたということは、女王陛下は我々の助けを必要としている。そういうことだろうか?」

四大貴族の中で一番若いであろう壮齢の男、ディスト・ラルグリスが女王陛下に問いかける。

 

女王は頷き、宰相であるナルフ・ファイブリオンを促した。

「今回集まってもらったのは、ヘイブルグ共和国からの申し立ての件についてだ」

 

「ヘイブルグだと? あの国に大量の装甲機竜を流している『闇商人』とか言う胡散臭い男の話か?」

 

「いや、今回はその話ではない。『終焉神獣(ラグナレク)』についてだ」

バグライザーの問いかけにナルフが答える。

終焉神獣(ラグナレク)』という言葉を聞いた瞬間、部屋の空気が変わった。

 

終焉神獣(ラグナレク)……、話には聞いたことがあったが本当にいるとはな」

 

 

終焉神獣(ラグナレク)―――それぞれの『遺跡(ルイン)』に一体だけ存在するという伝説の幻神獣(アビス)。通常の幻神獣(アビス)とはまるで次元が違うものであり、八年前に一体だけ地上に出現した際、多くの街や村を消し去ったと言われている。

 

 

「旧帝国が『遺跡(ルイン)』を強引に調査した結果、世に終焉神獣(ラグナレク)が解き放たれたという証拠をヘイブルグ共和国が揃えてきたと?」

ディストの言葉にナルフは頷く。

 

「そもそも、なぜその情報が漏れたのだ? 情報は執政院が秘匿していたはずだが」

 

「それが、五年前のクーデターの際に執政官の一人が他国に逃れたらしい。その執政官がどうやら情報を流したようなのだ」

 

「今回のヘイブルグ共和国の申し立てを断れば全世界を敵に回すことになるでしょう」

 

「故に何か対策を、ということか」

 

「だが、その終焉神獣(ラグナレク)はもう討伐されたのではなかったか?」

 

「いや、あれはただ石化し休眠状態になっただけらしい。そしてその石化が徐々に解けてきていると書簡が届いたのだ」

 

「それで、解き放った責任として我々に迎え撃てと?」

 

「そうなります。ですが、当時の旧帝国の軍事力でようやく眠らせた終焉神獣(ラグナレク)を今の新王国の軍だけで戦うのは危険です」

 

「そうでしょうな。やはり神装機竜の使い手が部隊を率いてもらわんと」

ゾグァの言葉で結論が出た後、暫しの沈黙が訪れる。

 

皆が沈黙するのも仕方がない。終焉神獣(ラグナレク)の討伐にはかなりの危険が伴う。今の新王国に討伐へ向かわせられる神装機竜使い手はいないのだ。

 

「ならば、私の息子を行かせようではないか」

沈黙を破り、話を切り出したのはワーグ・クロイツァーだった。

 

今まで口を開かず、ただ話の行方を聞いていたワーグの突然の発言に一堂が視線を向ける。

 

「我が息子は、神装機竜《アジ・ダハーカ》の使い手だ。さらには王都のトーナメントでも三位の実力を持っている。十分に部隊を率いることができるはずだ」

ワーグはそう言いながら不敵な笑みを浮かべた。女王であるラフィはその様子に警戒する。

 

クロイツァー家には悪い噂が絶えない。クーデター前、旧帝国を乗っ取ろうと画策していたという噂もあったほどだ。

 

「神装機竜使いと言えば、リーズシャルテ王女がおりますが、危険にさらすわけにもいきますまい。この件は我が息子にどうかお任せを」

ワーグは女王に頭を下げつつ申し出た。

 

「………。そうですね、わかりました」

ラフィは渋々その申し出を了承する。

 

「ありがとうございます女王陛下。ですが、終焉神獣(ラグナレク)討伐には我が息子や神装機竜、資金や私兵などを失う可能性がある任務になります。そのため私はある報酬を兵や資金の他に頂きたいのですがよろしいでしょうか?」

 

「その報酬とは一体―――」

 

「新王国における軍の全権ですよ。我が息子がこの任務を成功させた暁には、私にその権利を頂きたいのです」

ワーグは高らかにそう告げたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは城塞都市の一番街区にある、貴族たちの住居区。その一つである豪邸に二人の男が集まっていた。

 

 

「それで、どうだ? 俺がやった《アジ・ダハーカ》の調子は」

漆黒のローブで身を包み、フードで顔を隠している男が尋ねる。

 

「ああ、最高だよ。この《アジ・ダハーカ》さえあれば、俺はどんな機竜使いにも負けることはない」

金髪の男、バルゼリット・クロイツァーがその問いに答えた。

 

「さすがは我が盟友だな、では例の件もほうもよろしく頼むぞ」

 

「ああ、あのユミルの伯爵令嬢を娶る話だな? だが、なぜあの女なんだ?」

 

「あの女は『鍵』なんだよ。『遺跡(ルイン)』の最深部に行くためのな」

 

「それは本当なのか?」

 

「そうだ、そして俺はお前にそれを託したいのだよ。だから必ず手に入れてくれ」

 

「任せておけ。少々面倒なことになってはいるが、この《アジ・ダハーカ》の力で手に入れて見せよう」

腰に差している機攻殻剣(ソード・デバイス)に手を置き、バルゼリットは笑う。

 

「《アジ・ダハーカ》を使うということは決闘か何かか?」

 

「ああ、今あの女には『恋人』がいる。その男との決闘があるのだよ。だが俺の勝ちは決まっているようなものだ、だから安心しろ我が友よ」

 

「実に頼もしいな、ちなみに相手の名は何と言う?」

 

「確か―――ノエルとか言っていたな。神装機竜を持っていたが、大した奴でもなさそうな男だったぞ」

 

「よりにもよって奴が相手か……。我が盟友よ、あまり気を抜くなよ?」

フードの男は小さく舌打ちをし、バルゼリットに注意を促す。

 

「知っているのか?」

 

「ああ、嫌というほどにな。つくづく奴の『一族』には邪魔ばかりされる」

フードの男の声色が変わる。少し苛立ちの色が入っていた。

 

「我が盟友よ、奴の情報と神装能力の情報を買う気はないか?」

 

「そうだな、買うとしよう。その情報持っていて損はなさそうだからな」

 

「では、明日にでも持ってくるとしよう。では今日のところは失礼する」

 

「ああ、また会おう。我が友よ」

その言葉をバルゼリットが発した後、フードの男は姿を消したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

酒場での出来事があった次の日。普段通り出席し、授業を受けていた。

ノエルが眠気と奮闘していると授業の終了を告げる鐘が鳴り、昼休みとなる。

 

「ふぁあ、さて、お昼はどうしようかな」

ノエルは大きく欠伸をする。今日はクルルシファーが他に用事があると言ってきたので『恋人』としての仕事がない。

 

「ルクスでも誘って昼飯でも食いに行くか―――ってあれ?」

そんなことを考えながらルクスの席を見ると、すでに目的の人物はいなかった。近くにいたクラスメイトに聞いたところ、ティルファーに誘われてどこかに行ってしまったらしい。仕方ないのでノエルは一人で食堂へと向かうのだった。

 

 

 

ノエルが食堂に着くと、見慣れた二人が並んでお昼をとっていた。

 

「まったく、ノエル兄さんは人の気も知らないでクルルシファーさんとデートするなんて……。私だって……」

 

「アイリ、それは仕方ないことかと。今のノエルさんとクルルシファーさんは『恋人』なのですから」

 

「わかっていますよそれくらい。でも―――」

そこまで言いかけると、しゅん、とため息をつきながらアイリは落ち込んでしまう。最近は朝も起こしに行けていない。『恋人』として彼女が起こしにいっているからだ。

 

「元気を出してくださいアイリ。『恋人』の依頼が終了すれば元通りになるのですから」

 

「あと三日ですか……、長いですね……」

 

「だよなー、それに決闘もあるし大変だよ」

 

「そうですよね、ノエル兄さんは忙しいですもんね―――ってノエル兄さん!?」

アイリの小さな呟きにノエルが相槌を打つ、隣にいつの間にか座っていたのでアイリは驚いた。そして先ほどの話を聞かれたと思い顔を赤く染める。

 

「顔が赤いぞアイリ、また風邪でも引いたのか?」

そう言って、ノエルはアイリの額に手をあてた。

 

「違いますよ! ノエル兄さん一体いつからいたんですか! まさかさっきの話、盗み聞きしてないでしょうね?」

 

「盗み聞きとはひどいなぁ、どの話かはわからんけど、俺が聞いたのはアイリがため息をついてたあたりからだよ?」

 

「ならいいです。それよりも今日は『恋人』の依頼しなくていいんですか?」

 

「ああ、今日はいいんだって。ルクスもいないし、食堂に行けばアイリいるかなって思って来たんだよ」

 

「―――ッ!? そ、そうですか。なら仕方ないですね、一緒に食べましょうか」

ノエルの言葉を聞いてアイリの表情が明るくなる。それを見たノエルはなんでそうなったかわからなかったが、追い払われなかったことに安心していた。

 

「アイリ、よかったですね」

 

「ええ、そうですねノクト」

ノエルがいる反対側に座っていたノクトもどこか嬉しそうな表情をしている。

 

「なんかあったのか?」

 

「Yes.ノエルさんが全然かまってくれないとアイリが寂しがっていたものですから」

 

「ちょっとノクト、なんで言っちゃうんですか!? 違いますからね!? ノエル兄さん」

 

「はいはい、分かったよ。ごめんな? 最近かまってやれなくて」

慌てて訂正してくるアイリの頭を撫でながら、ノエルは申し訳なさそうに謝る。

 

「もうノエル兄さんったら……。『恋人』の依頼が終わったら、買物付き合って下さいね? それで許します」

 

「そんなもんでいいなら、いくらでも付き合ってやるよ」

 

「約束ですよノエル兄さん?」

 

「ああ、約束だ」

そして二人は微笑み合うのだった。

 

 

「お二人とも、美しい兄妹愛のところ失礼しますが。ここは食堂ですのでとても目立つと思うのですが―――」

 

「「あっ」」

ノクトの言葉で二人は今の状況に気がつく、だがもう遅かった。

 

「ずるーいアイリちゃん! 私もノエル君とお出掛けしたいのに!」

「私も撫でてもらいたいですわ!」

食堂にいた女生徒たちがどんどん集まってくる。

 

「アイリ、ノクト! 逃げるぞ!」

 

「あ、ノエル兄さん待って下さい!」

三人は食堂から逃走し、中庭のほうで昼食をとることにした。食べてる間、アイリが凄くご機嫌だったので、ノエルも自然と笑みがこぼれるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、来たか二人とも。待っていたぞ!」

 

その日の放課後。昼食を済ませた後、午後の授業をリーシャと同じく寝て過ごしてしまったノエルのところにルクスが伝言を持ってきた。どうやらお昼の時間はリーシャたちといたらしい。伝言の内容は「放課後、工房(アトリエ)に来てほしい」とのことだった。

 

工房(アトリエ)に来るのも久しぶりだよ。相変わらず散らかってるな」

ノエルが工房(アトリエ)内を見回しながら呟く。以前に《バハムート》と《フェンリル》が工房(アトリエ)に何故かあったことをルクスに聞いた時、見に来たことがあった。

 

「うるさいなー、これでもちゃんとルクスに定期的に掃除してもらってるんだぞ?」

リーシャは膨れっ面になる。

 

「はは、僕が片づけても一週間もたないで散らかっちゃうんだよね」

ルクスが苦笑いになりながら答える。二日間隔くらいで掃除の依頼が来るそうだ。

 

「リーシャ様が片づけるっていう選択肢はないのかよ」

 

「ま、まぁ私は忙しいからな。あまりそんな時間がないんだよ。それに依頼すればルクスと工房(アトリエ)で二人っきりにだって………」

もじもじと胸の前で指を絡ませながら呟いているが、最後のほうは聞き取れなかった。

 

「あのー、リーシャ様。それで僕たちに用事って何でしょうか?」

話が逸れすぎる前にルクスが本題に戻す。

 

「そ、そうだな。まぁその辺に腰を下ろしててくれ、今お茶でも淹れてくる。話はそれからだ」

近くにあった椅子に座るよう促した後、奥にある台所にリーシャは向かいだした。

 

「あ、それなら僕が―――」

 

「No.私がやりますのでルクスさんたちは座っていてください」

ルクスが雑用癖でかわりに淹れようと立ち上がると、ノクトの声が聞こえてきた。

 

「あれ? ノクトも来てたんだ」

 

「Yes.アイリの付き添いです」

 

「少し機竜についての調べものがありまして来てたんですよ」

ノエルが声のしたほうに視線を向けると、見慣れた二人が立っていた。

 

「まったく、私一人で説明出来ると言っているのに……」

リーシャがぶつぶつと独り言を言っている間にノクトが紅茶を淹れて来てくれたので、それぞれ席につく。

 

「それで、話の内容ってなんだい?」

 

「これですよノエル兄さん」

アイリはそう言うと、数枚の紙を目の前のテーブルに広げる。

 

「これは……。《フェンリル》と《バハムート》のデータか?」

 

「そうです。前回使用した時のデータをノクトの《ドレイク》で観測していましたので」

紙に目を通し、疑問を口にしたノエルにアイリが答えた。

 

「すごいね、ここまで解析ができたんだ。さすが俺たちの自慢の妹だなルクス」

 

「うん、本当にそうだね。凄いよアイリ」

解析のデータが記載されている紙には活動限界の時間やそれぞれの武装、神装を使用した際の出力に関しての記録が書かれていた。

 

「そのデータを見ながら私が《バハムート》と《フェンリル》の調整をしたんだ。これで前回より楽に動かせるだろう。ただ―――」

そこまで言うと、リーシャは口篭もる。

 

「リーシャ様?」

 

「ああ、なんでもないぞルクス」

その様子にルクスが声をかけるが、あははと笑いながらリーシャは別にたいしたことではないと言った。

 

「わかりました。そして《バハムート》のこと、本当にありがとうございますリーシャ様」

 

「そう言ってもらえると頑張ったかいがあるな。それで…だな…、頑張ったご褒美に頭を撫でてくれたりとか……」

 

「リーシャ様、どうしたんですか?」

だんだんと顔を赤らめながら、声が小さくなっていくリーシャにルクスが首を傾げる。

 

「ああ、もういい! この変態めっ!」

 

「ええっ!? 僕なんかしました!?」

 

「リーシャ様はルクス独占依頼書持ってるんだから、それ使えばルクスに何でもして貰えるのに何で使わないんだよ」

 

「それはだな、その……そんな依頼を言うのが恥ずかしくてだな……」

 

「ああ、リーシャ様らしいな……」

 

「二人とも何の話してるの!?」

二人の会話にルクスはついていけてないようだった。

 

「こほん、兄さんたち? 私とノクトもお手伝いしたんですからね?」

 

「ありがとな二人とも、アイリにはご褒美にまた添い寝でも―――」

 

「ノエル兄さん? それ以上言ったらどうなるかわかっていますよね?」

 

「はい……すいません」

アイリの心は笑ってない満面の笑顔にノエルは謝罪をするのだった。

 

 

「まぁ調整はしたけど、当分は使うこともないだろう。明日の『遺跡(ルイン)』調査では私が部隊を率いるからな」

 

「そういえば明日だったっけか」

明日には第六遺跡(ルイン)・『箱庭(ガーデン)』の調査があるという話をレリィ学園長から聞いていたのを思い出す。部隊のメンバーは『騎士団(シヴァレス)』の中から選出されるが、《バハムート》と《フェンリル》の存在を知っているものは一部なので出来れば使用したくはない。

 

「兄さんたちの機竜解析結果の他に、途中まで書かれた『箱庭(ガーデン)』の地図もあるので覚えておいてくださいね?」

 

「ありがとアイリ。後はこれも持って行かなきゃだね」

そう言うとルクスは持ってきていた袋から『ある物』を出した。

 

「それは『角笛』……か?」

 

「うん。この間、レリィ学園長に呼ばれた時に渡されたんだ。もしかしたらこれが『遺跡(ルイン)』の深部への『鍵』になるんじゃないかって」

 

「だから争奪戦の後いなかったのか。納得、納得」

ノエルがうんうんと頷く。するとアイリが心配そうな顔になり、口を開いた。

 

「………。明日の『遺跡(ルイン)』調査、くれぐれも無茶しないでくださいね? 兄さんたちの何かあったら私は―――」

 

「心配してくれてありがと、でも大丈夫だよアイリ。『騎士団(シヴァレス)』のみんなもいるし、いざとなったらルクスと『騎士団(シヴァレス)』のみんなは俺がちゃんと守るからさ」

心配そうに見つめてくるアイリの頭に手を置き、ノエルは優しく微笑む。

 

「ちゃんとノエル兄さんも無事に帰ってこないとダメですからね?」

 

「大丈夫、俺は強いからな。だから安心して待ってな。ほら、一緒に買い物も行く約束しただろ? 俺はアイリとの約束はちゃんと守るお兄ちゃんだからな」

 

「ノエル兄さん……。お気をつけて」

 

「ああ、ちゃんとアイリのところに戻ってくるさ」

アイリはその言葉を聞いて安心したのだろう、口元を緩め小さく微笑んだ。

 

「こほん、では今日のところは解散だな。だがルクスは残れ、少し話がある」

リーシャは二人のやり取りが少し羨ましいと思いつつ、軽く咳払いをして告げる。

 

「僕ですか? わかりました」

突然の指名に驚くルクスだが、よくあることなのですぐに了承した。

 

「じゃあルクスまたな。俺たちは帰るけど、あまり遅くまでリーシャ様といちゃいちゃしてんなよ?」

 

「そんなことしないからね!?」

 

「そんなこととはなんだルクス?」

 

「ええっとですね……。それはノエルにでも―――ってもういない!?」

リーシャの質問の返答に困り、ノエルに話を振ろうかと思ったがすでにアイリたちと一緒に工房(アトリエ)を後にしていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最近どんどんノエル兄さんに甘くなっていってる気がします」

工房(アトリエ)からの帰り道、アイリが呟く。

 

「そうか? あんまり昔と変わらんような気もするけどなー」

 

「Yes.きっと、何年も離れていたからではないでしょうか」

 

「ああ、甘えれる人が近くにいなかったからってことだな」

 

「その通りだと思います。アイリはノエルさんが来るまで、誰かに甘えるといったことはなかったですから」

 

「寂しい思いさせてごめんなアイリ。これからはお兄ちゃんが傍にいるからな?」

 

「羨ましいですアイリ、正直妬いてしまいます」

 

「お、ノクトが妬いたぞ。凄いなアイリ!」

 

「もう、 二人とも黙って下さい!!」

 

「やっぱりアイリは可愛いな」

 

「Yes.そこは同感です」

そうして二人はグッ、と親指を立て合うのだった。

 






どうしてノエルとアイリの絡みが多くなるのだろうか?(笑

そんなのアイリが可愛いからに決まっているのさ!


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