今回も普段より短いお話になってしまいました。すみません_(._.)_
それと、呼んでくださっている皆様にお伝えすることが三点ほどあります。
1、第1話、第2話の加筆、修正終了のお知らせ。
2、仕事量がこのSSを書き始めた頃より、先月から6倍に増加。
3、そのため更新頻度上がります。はい、上がります。
以上。
それではどうぞ!
修正完了。
「まさかこんな事になるなんてなぁ………。はぁ………」
ルクスは女生徒の格好をしたまま、学園の敷地内の見回りを続けている。
控え室で着替えた後『
「この格好、アイリやリーシャ様にでも見られたらどうしよう………」
こんな事をしているのがバレたら、絶対アイリには軽蔑の眼差しで見られること間違いない。リーシャ様には―――、意外と気が付かれないかも?
もうここまで誰にも気付かれないと、何故かそう思えてきた。
「もうすぐ『
以前から学園生活の中で耳にしていた話なのだが、王都に一人だけ残っていた三年生。『
四大貴族の一角であるラルグリス家の令嬢、セリスティア・ラルグリスが近々帰還して来るらしい。でも、あの人は確か―――。
(凄い『男嫌い』なんだよなぁ………)
この学園ではとても有名な話であり、当然、男であるルクスも聞かされていた。
セリスティアは大の男嫌い。その為、セリスティアが学園に帰還して来るとなると、間違いなく、ルクスとノエルを本来は女学園である王立士官学園へ編入させた件を問題とし、学園長に二人の退校を進言するだろう。
「そんな人をどうやって説得すればいいんだろう………」
男であるルクスが説得しようとしても、恐らく聞き入れて貰えない。それにセリスティアがルクス達の退校を進言すると、反論する側が難しく不利な状況になる。
理由として、彼女の話の筋が通っているというのもあるのだが、新王国の力がそれ程強くない今、この学園に通う貴族達は、国を支えている四大貴族、ラルグリス家の方につく。王族であるリーシャがルクス側についても、セリスティアの方が影響力は強い。
だけど、ルクスもノエルもこの学園が気に入っている。
自分達を受け入れてくれた少女達。クラスメイトの皆や、学園の皆。もうルクスとノエルにとってこの場所―――、この学園はかけがえのない大切な居場所となっている。
だから何としても、セリスティアを説得し、在学出来るようしなければならない。リーシャやクルルシファー、『
(上手くいけばいいけど………。一体、どうなるんだろう)
ルクスは一人考えていると、ふと『学園最強』について、この格好に着替えるのに使用した控え室で問われた『あること』を思い出す。
(そういえばシャリス先輩、何か変なこと聞いてきたっけ―――)
†
それはルクスが女生徒の格好に戸惑っている中、見回りに向かう為、ティルファーとノクトが控え室を後にして行った後の出来事。残っていた『
「ああ、そうだルクス君。いや、ルクス……、ちゃん?」
「シャリス先輩、怒りますよ?」
スカートの裾を抑え、いまだに顔を赤くしているルクスはジト目を向ける。
「いやぁ、すまないね。ついそう呼んでしまったよ。ところで一つ、ルクス君に聞いておきたい事があったのを思い出したんだ。今度帰還するセリスについて関係のある話なんだが………」
微笑を浮かべているのを見ると、楽しんでいるようにしか感じることが出来ないのは自分だけだろうか? だが今は置いておこう。それよりも―――。
「その、聞きたい事って言うのは何でしょうか?」
「ああ。そのだな………、ノエル君に姉がいた。若しくは、姉のような間柄の人物がいた。という話を彼から聞いた事はないだろうか? 彼が小さい頃の話でもいいんだが………」
シャリスの問いにルクスは小首を傾げる。
ノエルの過去については、昔から彼を知っているルクスでも分からない。そもそもノエル本人に過去の記憶が無い為、聞くことも話してくれることも無かった。
「いえ、聞いたことないですね。ノエルにはまだ記憶が戻っていませんし、もしかしたら覚えていないだけかも知れませんけど―――」
「………。そうか、分かった。ありがとうルクス君。よし、それでは我々も見回りに行くとするか!」
「………? は、はい」
少し思考顔を見せたと思いきや、シャリスはすぐに普段の調子へ戻り、勢いよく扉を開くと、控え室を後にして行く。ルクスも疑問を抱きながらではあったが、シャリスの後をついて行き、学園の見回りへと向かった。
†
(結局、あれはどういう意味だったのだろう?)
ノエルから姉弟がいたという話は聞いたことない。記憶を思い返して考えても答えは出ない。彼の過去についてさえ、知らないことばかりだ。
自分の過去の話はよく聞いて貰っていたのに………。
そう思うと、彼の何も知らない、知ることが出来ていない事が寂しく思えてくる。別に過去の詮索をしたい訳ではない。けれど、アイリも含め、三人で家族みたいに暮らした仲だ。
「帰ってきたら、少し聞いてみようかな。無理のない範囲でだけど」
ルクスは呟くと思考の整理がついたことで、周囲への意識が戻る。すると、何処からか小さく声が聞こえるのに気が付いた。
「女の人の声………。こんな時間に誰だろう?」
ルクスは声がしたであろう方向に歩き出す。
今晩、見回りに出ている女性は『
『
既に夜も更けている今の時間、女生徒の皆は女子寮だ。なら、この時間に誰かと話している人物となると、もしかして―――。
ルクスは足音の抑えながら、声が聞こえた場所の近くまでやって来る。場所は図書館へと続いている通路。
(この辺は………。確か、不審な人影が見えたって場所だ)
見回り前に伝えられていた数個の目撃情報の一つと一致する。これで声の主がますます怪しくなってきた。
―――、ですからあの時、私はそう思ったのです。
また声が聞こえて来る。今度は距離が近い。どうやら声の主は、図書館の隣にある生い茂った藪の奥に居る様だ。
ルクスは気配を隠す。周囲を警戒しながら、姿を確認しようと姿勢を低くし、藪へ隠れながら顔を覗かせた。そして、声の主を視界に捉える。
そこには一人の女生徒の姿。
学園の制服を着ているのを確認したルクスは、一応は不審人物でないのだろうと思う。不審人物の目撃情報には一貫して、外套のような服装をしていたと聞いていたからだ。
だが、あの女生徒は誰と話しているのだろうか?
少女の口ぶりからして、誰かと話しているように見えるが、相手の姿が分からない。
もしかしたら件の不審者に情報を流しているのかも。そう思ったルクスは、相手を確認する為、更に顔を覗かせる。すると、小さな影が動いていた。
(あれは………、野良猫? って、あの猫は!)
忘れもしない。忘れたくても、忘れやしない。
少女の話し相手は猫だった。
あの猫にルクスは見覚えがある。それもまだ記憶に新しい。ルクスがこの学園に編入するきっかけにもなり、最初に起こした騒動の原因にもなった猫。
(まぁ、落ちた場所が場所だったんだけど………)
でも、あの騒動がなかったら今の生活はなかったのだろうな、とルクスは思う。
(って! 今はそんなことを考えている場合じゃなかった!)
ルクスはかぶりを振ると、目的を思い出す。
何故あの少女は猫と会話しているのか? それが分からない。もしかして、猫と会話しているのではない可能性も―――。
様々な思考が巡る中、暫く少女の姿に気を取られていると、ルクスの背後に篝火の灯りを遮るよう、人影が差しこんで来た。
警戒を緩めてしまった僅かな隙。突然の事に気が付いた時にはもう遅く、ルクスは口に手を回されてしまう。
「むぐっ!?」
「おっと。動くなよ、お嬢さん? 思わず手が滑ってこの綺麗な首を切っちまうかもしれないからな」
背後には背丈のある男が一人。その手にはナイフが握られていた。その切っ先はルクスの喉に当てられている。
だが『
(こいつが件の不審者!?)
男は黒い外套を身に纏い、顔は目元を隠すよう小さな仮面をつけている。素顔を確認したいが、これでは―――。
「とりあえずここは目立つから、素直について来てくれよ? 傷つけたくはないからな。傷をつけちまうと商品価値が下がっちまう」
(こいつ油断している。これなら隙をついて―――)
ルクスは手元で密かに反撃の態勢を取りながら、その機会を窺う。様子を見ながらルクスは男に連れられ、歩き始めた。
幸いにも、この場所は学園の裏口に近い。隙をつき、自分で男を取り押さえてしまうのが最善の方法なのだが、万が一の場合は門の見張りをしている守衛を呼ぶことも出来る位置。
学園の皆の為、何としてもこの不審者を捕まえる。ルクスがそう思っていると、ふと、視界の隅に人影が映った。
それは男の背後。見回りの誰かが来てくれたのか?
次の瞬間。男よりも更に後ろから、透き通った典雅な音が伝わってきた。それは、猫と会話していたはずの少女の声。
「この学園は、あなたのような者が立ち入ってはならない場所です。そして、そのような行為も認められません」
声に反応し、男が振り返ったその直後。男とルクスの間に一筋の光が過ぎていく。
その閃光が男の手の甲を掠めると、血が一線流れた。男は突然の出来事にルクスを手放し、距離を取る。男との間には少女が一人。ルクスを庇うよう立ち塞がっていた。
腰まで伸びる鮮やかな金色の髪。深い翡翠色の瞳。豊かな胸を持つ少女。色白の整った顔立ちからは想像もつかない、まるで強者が纏うような存在感を醸し出している。
少女は腰に差していた鞘から刺突剣を抜いており、男に向け、構えている。閃光の正体はあの刺突剣による物だろう。
刺突剣の刀身には綺麗な銀線が流れていた。あれは
「その刃物を捨て、大人しく投降することを許可します。あなたの反論は認めません」
少女は冷静かつ落ち着いた口調で男に警告する。その口元には微笑が浮かんでいた。それは少女にとって、余裕を示す笑みだ。少女と対峙してなくとも、男と少女の『格の違い』はルクスにも見て取れた。
「お嬢さんには悪いが、それは出来ない話だな。俺はまだ『目的』を果たしてないんでね」
男の言う『目的』というのは何か分からないが、諦めるつもりはないのは分かる。抵抗の意思表示として、手に持つナイフをこちらに向けてきた。
「それがあなたの答えですか―――。では、覚悟して下さい。あなたのような者に容赦はしませんので」
少女が告げ終えるのとほぼ同時。
そして背後に光の粒子が集まり出すと、雷を彷彿させるような閃光と雷鳴を響かせ、黄金の輝きを放つ金色の巨竜が姿を現したのだった。
†
「それがあなたの答えですか―――。では、覚悟して下さい。あなたのような者に容赦はしませんので」
目の前には黄金に輝く巨竜と、それを身に纏う金髪の少女。しかも、少女は機竜を無詠唱で召喚し、瞬きをする間もない程の速度で『竜』をその身に纏っていた。
無詠唱による機竜の召喚、高速接続。速攻を為すための技―――、だが、本来は不可能の域に近い機竜操作。それをまるで当たり前のように行っている少女。
少女の機竜使いとしての実力が、学園の生徒達や『
(この人は一体―――)
王都の
男性より女性の方が装甲機竜の相性適正は高い。とは言え、これはそれ以前の問題。余りの技量にルクスは言葉を失う。
「ちっ………。全く、俺もついてないな。よりにもよって『学園最強』様に出会っちまうなんてよ。近い内に帰還するのは分かっていたんだが、まさか今晩だったとは………」
(―――、ッ!? こ、この人が『学園最強』!?)
男の発言が本当ならば、目の前にいる少女こそ、四大貴族の一角、ラルグリス家の令嬢にして『
少し考えれば気付けた事だった。
この士官学園で神装機竜を扱える機竜使いは限られている。しかも、その限られた人数の内で、三学年の生徒となると、ルクスの知る限りでは目の前の『学園最強』しかいない。
「あと少しだったが―――、くそ、仕方ないな」
男は空いている手を懐に入れる。そして小さな玉状をした『何か』を取り出した。男の行動にセリスティアは警戒の色を強め、ルクスも気を取り直す。
男は『何か』を勢いよく地面に叩きつけた。男の周囲をその『何か』から発生した白煙が一気に包み込む。白煙に阻まれ、ルクスとセリスティアの視界から男の姿が消えてしまう。
男が使用した『何か』。それは逃走用に用意してあったと思われる『煙玉』だった。
真っ白な視界の中、一つの足音が段々と遠ざかって行くのが聞こえて来る。音に気が付いたセリスティアは追跡の為、機竜を駆り、動き出そうとした。
だが、セリスティアはルクスのことを気に掛けたのか、機竜を一旦止め、顔を向けて来る。一人にしてしまうのは危険かも知れない。もし、あの男の仲間が他にも侵入していた場合の事を考えているのだろう。
セリスティアの視線へ合わせるルクス。二人に少し間が空いた後、ルクスは白煙の中から向けられる僅かながらの殺気を感じ取る。狙いは自分ではない。
「先輩、危ないっ―――!」
ルクスは声を上げると同時に、セリスティアの前へと立ちはだかる。次の瞬間、白煙の中から一つの光体が現れ、ルクスの左肩に浅く突き刺さった。
「ぐっ―――!?」
ルクスは肩を抑え、その場に片膝をつく。
ルクスの状態に戸惑いを見せるセリスティアだったが、接続している機竜の腕を勢いよく振るい、目の前の白煙を払う。しかし、既に男の気配は感じられない。もう辺りにはいないようだった。
ルクスの肩に刺さったのは男が持っていたナイフ。カランッと石畳に音を立てて落ちた後、傷口から制服にじわりと血の色が滲み、腕には鈍い痛みが走る。その痛みにルクスは表情を歪めていた。
「大丈夫ですか!? 私としたことが、守るべきあなたに守られてしまうとは………」
セリスティアは声に焦りの色を表しながらルクスへ駆け寄ると、今度は顔を俯かせ、落ち込んでいる様子。
「だ、大丈夫です。先輩の方こそお怪我は―――」
「私は平気です。あなたが守ってくれましたので………。それよりも急いで手当てをしましょう。医務室へ」
セリスティアはルクスの怪我の具合をその場で確認した後、そう言い、ルクスを支えるように立ち上がらせる。二人は学園の医務室へと向かうのだった。
†
「他に痛い所はありませんか?」
「あ、大丈夫です。ありがとうございます」
医務室に入ると、女医の先生は既に勤務時間外だった為、中には誰もいなかった。ルクスはセリスティアに促され、椅子に座ると、女装の格好をしたままセリスティアに包帯を巻かれている。
ナイフによる傷は思っていたよりも浅く、出血もさほどではなかった。毒が塗られている可能性も考慮はしていたが、ひとまず問題はないようだ。
「すみません………、私がもっと気を付けていれば………」
「先輩が謝ることはないですよ。寧ろ、僕が………、いえ、わ、私があの場にいなければ、先輩の力ならあの不審人物を捕まえられたかも知れませんし」
あの時、自分の安全を優先するべきか、男を追うべきかを悩み、彼女は男の行動に反応が遅れてしまったのだろう。そうでなければ、彼女のような実力者が取り逃がすことはなかったはず。
先の不審人物については医務室に向かう途中、見回りに出ていたライグリィを見つけ、事の経緯を伝えておいた。現在『
「………。やはり男性は私達の敵です。あなたのような可憐な少女を守る為にも、今後は更に学園の警備を強化して、もっと男性を学園から遠ざけなければなりません」
その言葉から彼女の信念のような強い意志を感じた。確かに『男嫌い』として有名なだけはある。だけど、それだけが理由ではないように感じるのは気のせいだろうか?
ルクスとノエルは学園の皆に受け入れて貰えたが、五年前、旧帝国の風習の影響もあり、男性を苦手とする女性は多いのは確か。苦手意識の少ない方が珍しい。
彼女もその内の一人だと思うが、男性を『苦手』としているというよりも『避けている』という感じが強い。自分とノエルの在学の件もある。この人を説得しなければならないのだが、一体どうしたら―――。
「………。あの、もし宜しければ、あなたのお名前を教えては頂けないでしょうか?」
一人悩んでいるルクスを余所に、セリスティアが唐突に口を開いた。
先程まで包帯を巻いて貰っていた事もある為、話に反応してルクスが顔を彼女に向けた際、ほのかに頬を赤く染めている美貌が近くにあった。思わずルクスはドキッとしてしまう。
だけど―――。
(不味い、どうしよう………)
自分の名前を聞かれ、ルクスは今頃になって気が付いていた。今の姿は完全に女生徒。自分が女装しているままだということに。
今、正体が男だという事がバレてしまうのは非常に危険だ。先まで彼女は、男性は敵。学園から遠ざけるべき存在。そう話をしていたばかり。下手を打てば一巻の終わり。説得するしない以前の問題になってしまう。
(何とか誤魔化さないと………。何か方法は―――)
変に思われない返答を考える時間は短く少ししか無い。あまり時間を掛けてしまうと不自然に思われてしまう可能性が出てくる。彼女には自分に対して疑心をなるべく持って欲しくはない。
ルクスは思考を必死に巡らせたが、結局答えは一つしか思いつかなかった。
「えっと………。その、ル、ルノ! ルノって言います。二学年に最近編入しました!」
それは『嘘』をつくこと。内心でルクスは謝罪をしながら、自分の選択肢の少なさに不甲斐なさを感じていた。
「そうだったのですか。私はセリスティア・ラルグリスと申します」
「あ、はい。セリスティア先輩の事は知っていました。学園では有名ですからね」
これは半分『嘘』であり、もう半分は『本当』。ルクスはセリスティアの名前は知っている。ただ、彼女の姿を知ったのは今日が初めてだったからだ。
「そうでしたか。有名だなんて………、何だか照れてしまいますね。あ、それと私のことはセリスと呼んで下さい。これから宜しくお願いしますね。ルノ」
「は、はい。セリス先輩」
自分が有名だと言われ、恥ずかしそうに照れた表情をするセリス。目を細めて微笑むと手を差し出して来た。彼女の笑顔は年上だからなのだろうか、優しさに満ちていて、ついドキッとしてしまう。
それと同時に、ルクスはセリスに『嘘』をついた事への罪悪感が増したのを密かに感じながらも、差し出された手を握り、握手を交わしていた。
ルクスからの返事を聞いた後、セリスは医務室にある時計に目を向ける。
「もう少しお話していたいのですが、就寝時刻が過ぎていますね。女子寮へ戻りましょうか、ルノ」
「あ、ぼ―――、違った。わ、私は『
「ですが………」
セリスは先輩という立場上、後輩である自分より先に戻る事へ抵抗があるのだろう。だけど、ここは綻びが出てしまう前に離れておきたい。
「先輩は学園に戻ってきたばかりですから、今日は早めに休んだほうがいいですよ。明日からの授業もありますし―――」
「………。分かりました。では、お言葉に甘えさせて頂きます。ルノも早めに休むようにして下さいね? ではまた明日、学園で」
「はい。お休みなさい、セリス先輩」
セリスは医務室の扉へ歩いて行き、取っ手に手を掛けた所でこちらに顔を向ける。まだ先に休むことで迷っているようだ。
気が付いたルクスは、本人的にぎこちなくではあったが、ニコッと微笑む。すると、名残惜しそうにしながらも、セリスは医務室を後にして行った。
医務室を後にしていくのを見送った後、開いた扉が静かに閉まる。
(セリス先輩にも、女装していること気付かれなかったな………)
ルクスは自分がそんなに女顔しているのかな、と本日何度目になるのか覚えてないが、男としては悲しい気持ちになりながらも、外へと『
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