お気に入りいつの間にか50件いってたのは驚きました(笑
今後ともよろしくお願いします!!
まだ日が昇ったばかりの城塞都市に警戒を伝える鐘の音が響く。街には数機の機竜使いが
ノエルたち士官候補生は、装衣に着替えて格納庫に集合する。
「よし、全員揃ったところで現状の通達をする」
ライグリィの声が格納庫に響く。
「出現した
ライグリィがそう告げて、話は終わった。
王都にも救援要請を出しているとの話もあり、それを聞いて安堵の息をついている生徒がちらほら目に入る。
「全く、随分と平和ボケしているのね。ここのお嬢様たちは」
「まぁ平和なのはいいことなんだけど、ちょっとあれだね」
格納庫の壁に背を預け、話を聞いていたノエルとクルルシファーが呟いた。
「えっ? それってどういう……」
それを近くにいたルクスが疑問に思い、聞き返す。
「王都からの救援なんてそうそうこないからさ。俺が『仕事』に一人で行かなきゃならないくらい人手が足りないんだよ」
ノエルの答えに、そういうことよとクルルシファーが相槌を打つ。
「声が大きいぞ、ノエル君」
シャリスが口元に人差し指を立てて、苦笑しながら近づいてくる。
「ルクス君ならこの国の軍事情勢について事情は知っていると思ってたんだがね」
「でもさー、実際問題はそうなんだよねー」
側にいたティルファーが先ほどのノエルの答えに共感するように肩をすくめる。
「Yes.ここの都市が普通の都市ではないことは、ルクスさんもご存じのはずです」
そして、ノクトも言葉を添えると、三人は外へ出る扉に向かって歩き出した。
「どこに行くんですかシャリス先輩?」
「我々は『
シャリスは小さく笑うと、格納庫から出ていった。この後、演習場で機竜を纏い、討伐へと向かうのだろう。
「それじゃ、私も行ってくるぞ」
リーシャがノエル達にそう告げて格納庫から出ていく。よくよく周りを見れば『
「そういえば、クルルシファーは行かないのか? 確か『
ノエルが隣にいるクルルシファーに尋ねると、
「私のような留学生は校則で独自の戦闘基準があるのよ。私が戦闘に関わるとしたら支援くらいになるわ。そうしないと国から文句を言われてしまうし」
ノエルの問いに淡々と答える。
確かに、他国の戦いに率先して出ていき、命を失うなんてもってのほかだろう。だがその分、リーシャ率いる『
ルクスがその話を聞き、なにかを考える仕草をみせる。
「あなた達は今戦うべき人間じゃない一般生徒なの。戦えないことを気にする必要はないわ。教官の指示を待つことね」
クルルシファーはさらりと告げると、視線をルクスの後ろに移した。
「……兄さん達は行っちゃダメですからね?」
視線の先にはアイリがいた。
「アイリ……。わかってるよ、けどさ……」
ルクスは言葉を濁す。
「行かなくても大丈夫だろ。リーシャ様がいる『
「たぶんノエルの言う通りだと思う。でも、何か引っかかるんだ……」
ルクスが考え込んでしまう。
「あら、なにか気になることがあるのかしら? 私は離れたところから様子を見てくる予定だけど―――」
「いえ……」
「そう? なら私は行くわね」
クルルシファーはそう告げて立ち去って行った。
なんだか嫌な予感がする。ノエルはルクスがそう呟いたような気がした。
†
―――イイイィィイイィ!
ノエルは笛のような音が聞こえた気がした。
ノエルとルクスは当てもなくふらふらと格納庫を歩いていると、見知った顔を見つける。
「フィルフィ?」
ルクスが声をかける。
「…………」
だが、フィルフィに反応はない。なにか様子が変だった。
「笛の音が、聞こえて、くる……。向こうから……」
そう言って指を幻神獣がでた方角へと向ける。
「笛って……。まさか―――」
ルクスが何かを思い出したように言葉を区切る。
笛の音色か。どうやらルクスの悪い予感があたったようだな。
ドオンッ!
ノエルがそう思った時、大きな地鳴りが格納庫に響いてきた。
†
「―――以上が、遠距離から視認して、ノクトさんの竜声から聞いた現在の戦況よ」
格納庫に神装機竜《ファフニール》を纏ったクルルシファーが戻ってきて、状況を伝えていた。
その話を聞いて、待機していた生徒たちは静まり返っていた。
クルルシファーの話によると、大型の
「わかった……。協力感謝する。クルルシファー」
ライグリィが答えると、格納庫内の空気が重くなった。
そんな中、
「ルクス。 早くも力になってやる時がきたようだな」
昨日のルクスとの会話を思い出していた。
「うん。 そうみたいだねノエル」
二人はそう言って外へと向かおうとする。
「どこに行くんです?」
アイリが二人の前に立ちはだかった。
「アイリ……」
「一応聞いてあげます……。何をするつもりですか? 兄さん達」
覚悟を決めたノエルたちにアイリは尋ねる。
「リーシャ様たちを、助けに行ってくるよ」
ルクスが答えた。
「ダメです!!」
きっぱりと、アイリは告げる。
「兄さん達の《ワイバーン》では、
「でもさ―――」
「兄さん達の気持ちはわかります。でも、どうしようもないことだってあるんです。いくら頑張っても覆せないものが!!」
いつもの澄ましている顔を涙で濡らしながら訴えてくる。
「私たちは、大儀のために戦ってるのではなかったのですか? ここで死ぬつもりですか? 目的を思い出して下さい。お願いします。私たちは新王国のために―――」
「それは違うぞ。アイリ」
ノエルはそっとアイリの頭に手をのせる。
「俺たちの目的は帝国を討つことだ。俺たちから大切な人を奪おうとするあの敵を倒すことだよ」
「ノエル兄さん……」
「大丈夫。ちゃんと帰ってくるから。俺たちはアイリを一人になんてしないから」
そう言ってアイリの頭軽く撫でた後、ルクスと外へ向かう。
「二機とも出力調整はしてあります。私なりにですが……」
アイリは涙を浮かべ、俯いたままそう告げる。
「ありがとな。アイリ」
ノエルはアイリに微笑みかけた後、
「行こうかルクス。姫様を救いに」
「うん。行こうノエル!」
二人は同時に
†
「くっ……」
足掻くように機竜を動かそうとするが、リーシャが纏っている神装機竜《ティアマト》はピクリとも動かない。
「ここまでか……。また、来てしまったのか。このときが……」
リーシャがそう呟いた時、竜声が聞こえた。
「「リーシャ様」」
「ルクス? ノエル?」
幻聴かとリーシャは思うが、最後に話せるならそれでもいいかと話し出す。
「悪いな。やられてしまったよ……」
「もうすぐそっちに着く。意識を保っていろよ!」
ノエルが竜声で呼びかける。
「私のことはいい、見捨ててくれ。助けに来なくていいから……、代わりに聞いてくれないか? 私の秘密をさ」
「リーシャ様……」
「私はな、旧帝国に捕まった時、父に見捨てられたんだ。そして帝国の暗殺者になるか死を選べと言われて。私は怖くて自害できなかった。だから、一度全てを捨てて帝国の人間になった。そんな私に王女の資格なんてないのさ」
「…………」
「私はお姫様のフリをするのが辛かった。でも、それでも。今度こそ、そうなりたかった。大好きなみんなに認められたくて。勝手なことかもしれないがな……」
「僕たちからもお話があります。聞いて欲しい、とても大事なことなんです。だから―――」
「すまんな。もう時間がないみたいだ……。元気にやれよ二人共」
それを最後に竜声が途絶えた。
「まずいな、急ぐぞルクス!!」
「僕が敵に突っ込む。だから、リーシャ様のことは頼むよノエル」
「ああ、任せとけ」
そして、二人は反乱軍の一人にキャノンを向けられているリーシャを視界に捉えた。
†
向けられたキャノンの銃口に光がだんだん集まっている。
「ははっ、悔しいな。今度こそ怖くても泣かないようにしたかったのにな……」
ぽろぽろと大粒の涙がこぼれる。
「その命、散らすがいい! 偽りの姫様よ!」
終わった。
砲撃が放たれる。そう思った瞬間―――キャノンにブレードが刺さり、爆発した。
キャノンを構えていた機竜使いは爆風と衝撃で後方に飛ばされる。
「な……。一体何が」
突然の出来事にリーシャは理解出来ずにいた。
「遅れて悪かった。リーシャ様」
「すみません。リーシャ様」
そんなリーシャの前に《ワイバーン》を纏っているノエルとルクスが立ちはだかるように降り立った。
「ルクス…、ノエル…。お前たちどうして……」
リーシャは震える声で言葉を絞り出す。
ノエルとルクスは《ワイバーン》を解除しながら、
「大切な人を助けるのに理由なんているのかい?」
「あとは僕たちに任せて下さい」
二人は腰に差している銀と黒の
ルクスが黒鞘から
「―――顕現せよ、神々の血肉を喰らいし暴竜。黒雲の天を断て、《バハムート》」
それに続くように、ノエルも銀鞘から
「―――君臨せよ、神の一族に縛められし牙竜。災いを纏いて天地を喰らえ、《フェンリル》」
「「
次回、戦闘シーン頑張ります!!
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