第零遺跡の「鍵の管理者」   作:奈々歌

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いろいろ詰め込んで書いてたら、文字数がいつもの倍になってしまいました(笑


それとセリフの追加なんですが、第一話でノエルの特徴を少女たちがセリスに伝えるところに「赤い目をしてました」を書き忘れていたので追加しました。

決して後付けではありませんよ?(笑


それでは、どうぞ!




ふたりの居場所。守るべき人たち。

 

 

 

目の前には、無数の幻神獣(アビス)と百近くの反乱軍の機竜使い。私の《ティアマト》は纏ってるのが精一杯で動かせない。せめてもの救いは『騎士団(シヴァレス)』の仲間が全員無事撤退できたことだろう。私はここで終わるのだ、助からない。そう思っていた。

 

「ルクス…。ノエル…」

私の前には《ワイバーン》を解除して、神装機竜を纏っている二人が立っている。

 

ルクスが纏うのは、禍々しい殺気と光沢を帯びた漆黒の機竜《バハムート》。一方、ノエルが纏うのは、気高さを感じさせる美しい金属光沢を放つ銀色の機竜《フェンリル》

 

「リーシャ様はそこにいて下さい。すぐに片づけて戻ってきます」

深黒の大剣を握り、ルクスが敵の前に立ちはだかる。

 

「援護は任せな。ただし、神装の使い過ぎには気を付けろよルクス?」

ノエルは白く輝く大剣を肩に担ぎながら、ルクスの横に立つ。

 

「何者か知らんが、構わん! たった二機だ、始末しろ!」

敵の指揮官らしき人物が叫び、三機がルクスにブレードを構えて向かって行く。三機による三方向の同時攻撃がルクスに襲いかかった―――瞬間。

 

「時を喰らって加速しろ、《バハムート》」

 

向かってきた三機の装甲機竜(ドラグライド)がバラバラに弾け飛んだ。

 

「なんだ…と…。何が起きたんだ!?」

その光景に反乱軍はどよめく。

 

相手がひるんでいる間にルクスは《バハムート》を駆り、幻神獣(アビス)装甲機竜(ドラグライド)がひしめく敵陣へと向かっていった。

 

「狼狽えるな! 男のやつに神装機竜は長時間扱えない! 全員でかかり消耗させろ!」

指示を受けた機竜使いたちがルクスを囲み、再び襲い掛かる。

 

「《暴 食(リロード・オン・ファイア)》」

 

だが、四方八方どこから攻めても攻撃の動作をとった瞬間、撃墜されていく。

 

「ぐあぁぁあっ!?」

戦場には敵の苦痛な叫びと機竜の破壊される音が木霊していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やってくれましたね。兄さん達……」

アイリはノクトに頼んで、竜声がギリギリ届く距離から戦場を見ていた。

 

「アイリ、一体何が起こっているのですか!? あの二機の神装機竜は―――」

普段は冷静な喋りかたのノクトが声を震わせている。

 

群がってくる機竜たちを一瞬で撃墜する黒い機竜。その周りで次々と幻神獣(アビス)装甲機竜(ドラグライド)を破壊している銀の機竜。本来適正の低い男である二人が十二分に神装機竜を扱っていること。ノクトには分からないことばかりであった。

 

「はぁ……。あれが兄さん達です。神装機竜《バハムート》そして《フェンリル》を扱う伝説の機竜使い。五年前のクーデターで帝国の機竜千二百機を二人で破壊した『黒い英雄』と『銀色の狩人』」

軽くため息をつきながら、ノクトの問いに答える。

 

「旧帝国を滅ぼしたのはルクスさんとノエルさんだったのですか!?」

ノクトはその答えに目を見開いていた。

 

そんな二人の前で再び絶叫と爆音が響く。ルクスが目にも止まらぬ剣捌きで機竜使いたちを次々倒していた。

 

「《暴 食(リロード・オン・ファイア)》―――《バハムート》の持つ神装。その能力は圧縮強化というものです」

先の五秒間で、エネルギーや現象を数分の一まで減少させて、後の五秒間でその力を爆発的に開放する能力。

 

「そして兄さんは、敵の攻撃予備動作を見切り、相手が仕掛けてきた瞬間《暴 食(リロード・オン・ファイア)》での斬撃で追い抜くことができる。故に、兄さんの間合いで攻撃しようものならその瞬間決着が着く。その技の名前は『即撃』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、そんな馬鹿な……」

既に半数以上の機竜使いが撃墜されていた。

 

黒い機竜に襲い掛かればその瞬間、撃墜される。様子を見るため距離を取れば、銀色の機竜に次々狩られていく。

 

『時間稼ぎをしても無駄ですよ。『黒き英雄』と『銀色の狩人』の機竜適正値は女性の基本機竜適正値より遥かに上ですから』

ノクトの《ドレイク》を通じ、アイリは竜声で敵の指揮官らしき人物にそう伝えていた。

 

「あいつらがあの『黒き英雄』と『銀色の狩人』だとっ!?」

その事実に狼狽えだすが、急いで手に持っていた角笛を口にあて、吹き始める。

 

「ならば、そいつらは後だ! 動けない姫を先に始末しろ!」

笛の音を聞いた数匹の幻神獣(アビス)が一斉にリーシャの方へ高速で向かっていった。

 

『ノエル! お願い!』

ルクスは周りの機竜使いを相手しながらノエルに竜声を飛ばす。

 

『あいよ!』

ノエルはルクスにそう竜声を返しながら幻神獣(アビス)の後を追っていく。だが、いくら神装機竜であっても追いつける距離ではなかった。普通は―――。

 

「―――ッ!?」

ルクスとノエルの戦いに呆気に取られていたリーシャは、いきなり幻神獣(アビス)が攻撃を仕掛けてくるのを見て声を出すことが出来ずにいた。

 

どんどん幻神獣(アビス)が近づいてくる。だけど《ティアマト》は動かない。たとえ機竜を解除して逃げても間に合わない。幻神獣(アビス)の後ろにノエルが駆る《フェンリル》が見えるが間に合う距離ではない。そう諦めかけた時――――――

 

 

「時の自由を貪り食え、《フェンリル》」

 

 

その瞬間、リーシャに襲い掛かろうとしていた幻神獣(アビス)たちが、一瞬で同時に核を砕かれ灰と化していた。その灰の中、ノエルの《フェンリル》が静かに佇んでいた。

 

「大丈夫ですか、お姫様?」

ノエルは二コリとリーシャに微笑みかける。

 

「あ、あぁ。ありがとノエル」

何が起きたか理解できていないリーシャは、少し遅れてお礼を言った。

 

『ルクス、こっちは大丈夫だ。さっさと決着つけちまえ』

 

『うん。わかった』

ルクスは敵を蹴散らしながら、最後の一機となった敵の親玉に突撃していく。

 

『気を付けろルクス! そいつは―――ベルベットは三大奥義の一つ『神速制御(クイックドロウ)』を使える! 私もそれにやられてしまった』

リーシャはルクスに敵の正体と使用する技についての情報を竜声で送る。

 

「その心配はいらないよ。リーシャ様」

 

「えっ……。どういうことだ?」

ノエルの答えにリーシャは戸惑う。三大奥義を使える相手ともなれば、実力は超一流に分類される。いくらルクスが神装機竜を使っているとしても油断できない相手のはずだ。

 

だってそれは――――――

ノエルがそう言葉を区切った時、ルクスとベルベットとの勝敗は既に決していた。

 

『なぜだぁぁぁ!!』と叫びながらベルベットは落ちていく。

 

――――――三大奥義を作ったのは俺たちなんだから通用しないよ。

 

 

全ての敵を倒しきったルクスは地面に降り立つと、リーシャへ歩み寄る。

 

「帰りましょう。リーシャ様」

そう手を差し伸べた。

 

リーシャはその手を取り、震える声で。

「……がとう。………ありがとう、二人共」

涙で濡れた顔で笑顔を見せていた――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん。ここは……」

小さな呻き声と共に、ルクスは目を覚ました。何やら薬品と花の匂いが鼻孔をくすぐる。

 

「……っ!? 起きた!? 兄さん!」

アイリが涙を浮かべながらルクスの顔を覗きこんだ。一滴の涙がこぼれ、ルクスの顔に落ちる。

 

「ここは―――?」

ズキッと痛む頭を手でおさえつつ起き上がる。

 

「やっと起きたか、ここは学園の医務室だ。あの後リーシャ様と一緒に俺が学園まで運んできたんだよ」

パタンと呼んでいた本を閉じ、ノエルがソファーから声をかけてきた。

 

「そっか、あの後僕は……。」

 

戦闘が終わり、リーシャに笑顔を向けた後、神装の過剰使用からくる疲労でルクスは倒れた。そのルクスとリーシャを《フェンリル》を解除したノエルが《ワイバーン》で担ぎ、学園まで運んだのだ。

 

「自業自得です。あれだけ神装を連続で使えば、こうなることはわかりきっていたことでしょう? まぁ昔みたいに一週間も眠ったままになるよりはマシでしたけど」

 

「もしかして……。怒ってるアイリ?」

ルクスが恐る恐る聞いた。

 

「口にしないとわかりませんか兄さん?」

すると、アイリから満面の笑みが返ってくる。

 

「あはは……。」

ルクスは苦笑いを浮べた。アイリが自分を心配してくれていることはわかっている。だから謝ろうとした時、

 

「兄さんはやっぱり大馬鹿です……」

アイリはそう言って、ルクスの太ももがある辺りに顔を埋めた。

 

「私がどれだけ心配したかわかってるんですか? また目覚めなかったらどうしようって何回も思ったんですよ……」

普段の澄ました態度をやめて、声を潤ませてアイリは呟く。

 

「お前が起きる少し前までアイリずっと泣いててさ、慰めるの大変だったんだからな」

 

「そっか……。ごめんねアイリ」

ノエルからそう言われた後、落ち着くまでアイリの頭を撫でていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから暫くして、アイリは小さく寝息を立てながらノエルの膝に頭をのせて眠っていた。

 

「どうやら泣き疲れたみたいだな」

そっと頭を撫でてあげながらノエルは呟く。ルクスが起きたことで安心したのだろう。

 

「ノエルもありがとね。あの後大変だったでしょ? 後始末とか……」

お礼を言った後、申し訳なさそうに尋ねる。

 

「そのあたりは『騎士団(シヴァレス)』のみんながやってくれたよ。さすがに君たちにやらせるわけにはいかないってさ」

今回の反乱軍を捕らえ、警備隊に引き渡すなど様々なことを代わりにやって貰った。

 

「もうこの学園にいられなくなっちゃったかもね……。僕たちの正体何人かに見られちゃったし」

ルクスが寂しげな表情になる。

 

「俺はともかくお前はな……。でも、大丈夫だと思うぞ?」

 

「……? どうしてそう思うの?」

ノエルの答えに疑問を持つ。

 

「なんとなく、そんな気がするのさ」

そう言って、ノエルはアイリをお姫様抱っこしながら立ち上がる。

 

「そろそろ俺は部屋に戻るよ。アイリもこんなところで寝かせてたら風邪ひいちゃうかもしれないしさ。今日はゆっくり休んどけ」

 

「うん。わかった。またねノエル」

そして小さく微笑むと、ノエルは医務室を後にして行った。

 

 

 

 

その後、『騎士団(シヴァレス)』のメンバーやクラスメイト達がお見舞いに来てくれて騒がしくなったので、ゆっくり休めないルクスだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アイリの寝顔可愛いなー。そうだこの隙に頬にキスでも……ごふっ!?」

抱っこしながらそんなことを言っていると、寝ているはずのアイリから拳が飛んできてノエルの頬を直撃する。

 

「ノエル兄さん、なにしようとしましたか?」

 

「アイリ起きてたんかい……。なら自分で歩いてくれ」

痛む頬を摩りながら、我ながらよく落とさなかったなと自分の妹愛に感心した。

 

「嫌です。今日はもう疲れました。ちゃんと運んでくださいねノエル兄さん?」

そう言うと、アイリは嬉しそうな顔でノエルの胸に顔をうずめる。

 

(可愛いからいっか……)

 

妹の頼みは断れないノエルであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、久々に神装機竜を使うと疲れるな……」

アイリを送り届けた後、自室に戻ってベットに座る。

 

「まぁみんな無事で良かったかな」

そう言って、銀色の機攻殻剣(ソード・デバイス)をそっと撫でる。

 

 

 

「ノエル。ちょっといいか?」

コンコンと軽くノックする音と、リーシャの声が聞こえた。

 

「はいよー。なんだいリーシャ様?」

ノエルの返事でリーシャが部屋に入ってくる。

 

「そのだな……、お前たちのおかげで助かった。ありがとう」

 

「礼なんていいよ。助けたいから助けたんだ。ただ、見捨ててくれとかもう言うんじゃないぞ?」

 

「ん……。すまなかったな。それでだな………」

リーシャは言いずらそうに言葉を詰まらせる。

 

「どうしたんだ?」

 

「………。お前は私の秘密を聞いただろ? 一度帝国の人間になったって」

 

「確かにそう言っていたな。でも立派な姫様になるって決めたんだろ?」

 

「ああ、そこでだな……。ルクスにはもう教えたんだがな、その、お前にも教えたほうがいいと思ってな……」

そう言いながらリーシャはおもむろに制服のブラウスを捲り上げ、スカートを下ろす。

 

「これなんだが……。見えるだろう……」

 

ノエルはリーシャを見て素直な感想を述べた。

「ああ……、その、可愛い下着だなリーシャ様……」

 

「うわあぁぁぁ!? お前もなのか!? このドエロ! 死ねッ!」

リーシャの羞恥の叫びと共に、《キメラティック・ワイバーン》の機攻殻剣(ソード・デバイス)である二本の内の一本が飛んできて、顔の横に突き刺さった。

 

「リーシャ様!? 本当に死んじゃうからね!?」

ノエルの頬を冷や汗が伝っていった。

だが、ノエルはもう一度リーシャの体を見て気づく。

 

「その紋章は……、確か旧帝国の……」

 

「やっと気づいたか変態め。 これが私の秘密だ……」

 

「それで、姫でいるのが辛いとか言ってたのか……」

 

「これは私とルクス、そしてお前だけの秘密にしてほしい」

 

「わかってるよ。約束する」

 

「ありがとうノエル」

リーシャは微笑む。

 

「でもな、リーシャ様。俺はその印を消す方法を知っているかもしれない」

ノエルが発したその言葉にリーシャは驚く。本当なのかと。

 

「俺が昔読んだ古文書に書いてあったんだ。そこに書かれていた薬があるのならもしかしたら、だけどな」

 

「それはどこにあるんだ!?」

 

「ある遺跡(ルイン)の中にあると思う……。あそこはただの遺跡(ルイン)じゃないからな」

 

「その遺跡(ルイン)とはなんだ。教えてくれ!」

リーシャはノエルに詰め寄る。だけどノエルはそれ以上話さなかった。

 

「悪い、今はまだ話せない。時がきたら必ず話す。その代り、その薬は必ず見つけてやる」

 

「……わかった。その情報だけでも聞けて嬉しかったよ。……全く! 今日はお前に感謝してばかりだな!」

リーシャは残念そうにしていたが、仕方ないと割り切ったのだろう。明るい雰囲気になり再びノエルに笑いかけていた。

 

「ところでだ。先の戦闘で分からないことがあったんだ、いや、わからないことばかりだったんだがな。私に幻神獣(アビス)が向かって来た時、お前は何をしたんだ?」

リーシャは目の前で一瞬のうちに数匹の幻神獣(アビス)を倒していたノエルのことを思い出していた。

 

「ああ、あれは《フェンリル》の神装を使っただけですよ」

 

「一体どんな能力なんだ?」

 

「秘密にしてくださいね?」

そしてノエルは神装能力について話始めた。

 

「《魔紐の足枷(グレイプニル)》―――それが《フェンリル》の神装です。能力は時間の支配。五秒間だけ時間を止めることができます」

 

「な、そんな神装があるのか!?」

リーシャは驚く。無理もない、そんな大規模な神装能力なんて聞いたことがないからだ。

 

「《フェンリル》は高機動型なので、五秒もあればいろいろできちゃうんです。でも負荷も大きくてですね、その代償にほら」

ノエルは自分の左目を指差す。すると白目の部分が少しだけ黒く染まっていた。

 

「どうしたんだそれは?」

 

「神装を使うとだんだん染まってくんです。時間が経てば治りますけどね。使用限界の目安なんですよこれ」

全部染まるとどうなるかは知らないですけどねと言ってノエルは微笑んでいた。

 

「あの機竜にそんな能力がな……。ルクスの《バハムート》も気になるがこっちもこっちで……」

リーシャは一人でぶつぶつ言いだしてしまった。

 

「あの、リーシャ様?」

 

「ああ、すまんな。興味深い研究材料だったのでついな」

そう言って頭の後ろに手をあてながら照れていた。

 

「では、私はそろそろ行くよ。疲れてるところすまなかったな。あと、明日学園長室にルクスと来てくれ。お前たちの処遇について話がある」

 

「あいよ。リーシャ様も疲れているんだから早く休みなよ」

わかっている。と言ってリーシャは部屋を後にして行った。

 

「処遇ねぇ……。ま、なるようになるさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日。ノエル一人で学園長室に通じる廊下を歩いていた。

 

「ルクスどこ行ったんだろ。先に学園長室に行っちゃたのかな」

そんなことを思っていると、廊下の向こうから走ってくる人影があった。

 

「ルクス。そんなに慌ててどうしたんだ?」

その人物はルクスだった。

 

「どうもこうもないよノエル! 僕はてっきり辞めることになると思ってたのに―――――」

 

ルクスの話を聞くと、どうやら朝から工房に行っていたらしい。そこで、王都の第零格納庫にあるはずの《バハムート》と《フェンリル》があり、どういうことだと学園長室に走ってきたという。

 

「なるほどな。……って! 俺の《フェンリル》まであんのかよ!」

二人は急いで学園長室に向かった。

 

「「どういうことですか、レリィさん!?」」

と言いながら、二人は学園長室の大扉を開けた。そのとき、

 

「正式入学おめでとう! ノエル君! ルクス君!」

その言葉と共に、歓声と拍手が巻き起こった。

 

「えっ……?」

「はっ……?」

 

二人は意表をつかれ、見事に固まってしまう。

 

「なんでみんながいるんだ? てっきり学園長だけかと思ったのに」

ルクスもノエルの言葉に頷いた。

 

「こほん。では、学園長の代わりに私が挨拶をさせてもらおう」

後ろから声が聞こえ、ノエルとルクスは振り向く。

 

「「リーシャ様?」」

 

「ルクス・アーカディア。ノエル。新王国の王女たる私から、貴公たちに君命を授けよう」

リーシャは真新しい鞘に収められた二本の機攻殻剣(ソード・デバイス)を持って、ノエルたちの前に歩いてくる。

 

「貴公たちの協力により、私は命を救われた。この城塞都市と、ひいては我が国を守ることができた。貴公たちの身に、確かな力と正義があることを、この私が認め、称えよう」

 

そしてリーシャは微笑んだ後、

「これは私からの命令だ。お前たちはここに残ってくれ。初めての男子生徒として、私たちの力になってくれ。異論はないな二人とも、あっても聞かんけどな?」

そう言って、二本の機攻殻剣(ソード・デバイス)を差し出してくる。

 

「受け取ってくれるか? 私の剣を」

 

それを見たノエルとルクスはリーシャの前に跪き、答えた。

 

「「仰せのままに、我が姫君よ」」

 

二人が剣を受け取った瞬間、歓声が上がる。

 

 

 

二人は居場所を手に入れた。

そして、受け入れてくれた少女たちを守っていこう。

 

 

そう誓うのだった――――――。

 

 






最近暑いですね。。。


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