亜衣夢を弾幕ごっこができるように修行をしていたが一向に進歩しないのに我慢出来ずレミリアは強硬手段にでた。亜衣夢を極限の状態にさせできるようにしようとしたが、思いもよらない敵と出会ってしまったのだった。
・・・・・何処だここは・・・暗いしジメジメしてるな・・・それに・・・なんか頭に血が登ってきた―――?
「・・・・・」
亜衣夢は目を覚ました。そこは先程妖怪と戦っていた森とは違い周りは岩肌でドーム状になっていた。そう、どこかもわからない洞窟に亜衣夢はいたのだ。
さらにもうひとつ亜衣夢は気付く。手足首に何か違和感があるうえ見動き取れないのだ。まだはっきり覚めていない目でよく見ると……
「な・・・何じゃあこりゃぁぁあ!?」
なんと両方手足首が縄で縛られて棒にくくりつけられてぶら下がっていた。その姿はまるで、豚の丸焼きのようだった。
「えぇちょっとマジで勘弁してください誰ですかこんなことするのマジ許しませんよとりあえず誰か助けてくださいお願いします何もしませんけど嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼」
「うるせぇぇぇ!!!!」
「キェェェェ!!」
「たくっ、いきなり目、覚まして喋ったかと思えば・・・」
「・・・・!」
亜衣夢の目の前にいたのは身長4、5メートルもあるような巨人だった。恐ろしく肥大した太鼓腹にドス黒い緑のような肌。獣を彷彿させる鋭利な牙。そして何かが腐ったかのような臭い。これらの特徴で亜衣夢はアレが何なのかを理解した。
「お前は、オーガか・・・・?」
「? お前俺の種族を当てるたぁなかなかだな。人間のくせしてやるな。・・・・じゃあ俺が今から何をするのか、もう理解できたな?」
「・・・・・!」
亜衣夢の顔からは一気に血の気が引いた。(決して逆さまになっているからとかそういうのは関係ない)何故なら亜衣夢の目の前にいるオーガの主食は、人間だからだ。
オーガが亜衣夢に近寄るとさらに腐臭は強まり亜衣夢は思わず顔をそむける。すると、下の方で何かカチカチと石と石がぶつかる音がした。まさかと思い下を見ると予想通りの結果になっていた。
火をつけられていたのだ。あの音は火打ち石を打っていた音だったのだ。
「最近俺気づいたんだよ。焼いて食ったほうが美味いってな。」
「ギヤァァァ!!何してんだよ!!やめろ!やめろ!あっつぅぅ!!ちくしょう!!!」
亜衣夢は熱さから逃れようと体を横に揺らしている。しかし火の勢いはどんどん増している。亜衣夢の体に燃え移るのも時間の問題だろう。
「そうそう、その苦しみもがく様だよ。俺の一番の好物は。その生にしがみついてる様。あぁ、満たされるぜぇ・・・・」
このくそ変態が・・・・だがこのままではまずい。なによりあっつい!!!マジで熱い!HELP!!
「ああ駄目だ、もう、我慢できねぇ・・・・・」
「え?」
オーガはダラダラと大量の唾液を口から漏らしながらそう言った。するとオーガは方向を亜衣夢とは真逆に変えて去っていった。
そして一分もしないうちに戻ってきた。手には先程まで無かった人間大はあるであろう巨大で所々赤黒に染まった出刃包丁を持ってきたのだ。
「――――!?」
「グェヘヘヘ・・・・もう待ちきれねぇよ、焼けるまで待てるかよ。飯が目の前にあるってんのによぉ!!」
オーガはその手にある巨大な出刃包丁を振り上げた。その瞬間亜衣夢はあの時、ルーミアにあった時を思い出しした。その時もこのように殺されかけていた。そう思い覚悟した。
あぁ、俺は死ぬのか。あの時たすかったと思ったのにもうこれかよ。死因は過労死じゃなくて食死(?)かよ。 なんかもう背中が熱くねぇわ。ドーパミンとかアドレナリンあたりでも出てんのか?ごめん嘘ついためっちゃ熱い。
・・・・・いやまて、ルーミアの時死ぬかと思ったら咲夜さんがぎりぎりのとこで助けに来てくれた。ということはもしかして――――
ガタッ
「!? 誰だぁ!!」
「・・・・グルルルル」
「・・なんだ、ただの狼か。」
なんで狼なの!?そこは誰かがきて助けてくれんじゃないのかよ!!ちくしょうめ!やっぱり奇跡なんてなかったのか・・・・
「どこから来たかは知らねぇが、お前もついでだ。死ねぇ!」
オーガは目標を狼に変えて再度出刃包丁を無慈悲に振り下ろした。しかし狼は口元をかすかにゆるめた。
「誰に向かって言ってんのよ。」
『!?』
狼は突如として姿を消した。いや、消えたように見えたのだ。狼は目にも止まらない速さでオーガの持つ出刃包丁を粉砕したのだ。
勢いはまだ止まらない。その狼は急カーブをして今度はオーガの肥えた腹に目掛けて突進をした。オーガはたまらずバックステップをしぎりぎりでかわす。
「てめぇ、ただの狼じゃねぇな!誰だ!?」
「・・・・あら、まだ解らないのかしら。これだからでかいだけの奴は嫌いなのよ。」
「あぁ!?」
あの声、そしてあの微妙な上から目線の言い方。まさか・・・・まさか!?
「亜衣夢、いつまで呆けた顔をしてるのよ。」
「やっぱり、あなたは・・・!」
すると狼は獣の姿から紅い霧に姿を変えたのだ。そしてそこらから霧が集まっていき、たちまち人の形になった。
その姿は十代に満たないほどの背丈。その背丈を越すほど巨大な翼。貴族のような上品さを感じられる服装。そしてアノ威圧感。これらで亜衣夢は確信した。
「お、お嬢様・・・・」
「こいつが、あのScarlet・Devil(紅い悪魔)か・・・」
「ふぅん、意外と知られているのね。」
「何だ・・・その能力は!」
「私の種族は知ってるでしょ?吸血鬼よ?体を霧や狼、蝙蝠に変えることができるのよ。ま、ほんとは使いたくなかったのだけどそいつを助けるためだからね。」
「・・・・助けに来た?前に調子に乗って博麗の巫女にボコボコにされた間抜けが何言ってやがんだ。」
「ほぅ、随分と身の程をわきまえない発言をするのね。」
「お前こそ、調子のんなよ。俺の手製出刃包丁を壊したぐらいでな。」
「あら、負け惜しみ?私からしたらちょっと肩が当たっただけなのに。ま、使い手がこんなんじゃ武器もその程度よね。」
「―――! ぶっ殺す!!」
「!? お嬢様!!」
オーガはあの巨体をものともしない俊敏な動きでレミリアに急接近していった。そしてそれにふさわしい大きさの拳で殴りかかった。
レミリアはそれを軽い動きでかわす。オーガの拳はそのまま地面に激突した。その威力は絶大で直径2メールのクレーターができるほどだった。
「うまくかわしたな。だが、これならどうだ!?」
今度はそのぶつけた拳を振り上げたアッパーの形にして攻撃した。
が、これもまたレミリアには届かず横にかわされてしまう。それでもオーガは攻撃の手を止めることはなかった。裏拳でのなぎ払い。からの殴りかかり。時にはあたりに転がり落ちていた石を投げるもレミリアにはかすりすらしなかった。
「ぜぇ、ぜぇ、なぜだ・・・・なぜ当たらんのだ!」
「まだわからないの?私とあんたじゃ妖力の差が火を見るよりもあきらかなのよ。そもそもそんなあくびが出ちゃうようなパンチ、誰が当たるのよ。」
「クソがぁ!!」
オーガは怒りに任せて全速力での突進をした。だが、結果は先程と変わらずただかわされたどころか勢いを止めることができず壁に激突してしまった。その衝撃は凄まじいもので洞窟全体が揺れ天井からは埃などが降ってきた。
オーガは起き上がろうとするが、当たった壁が崩れ落ちてきてオーガに覆いかぶさる。その衝撃に勝てることができず沈黙してしまった。
「あら? もう終わりなのかしら?最後が自滅とは・・・くだらないわね。」
「お、お嬢様・・・・」
「あ・亜衣夢。」
ん? 何だ・・・・なにか違うぞ?いつものお嬢様のオーラじゃない・・・みたいな感じがする。
「ぶ、無事だったのね?動けるわね?それじゃあさっさと帰るわよ。」
・・・・んん? いつも通り、じゃないよな?やっぱり何か変だぞ? ・・・・・まぁいいか。
ガタッ ガララララ!!
レミリアが急いだ様子で洞窟を出ようとしていたので亜衣夢はそれを追った。しかしレミリアが洞窟の入り口にいて亜衣夢が出ようとした瞬間、後ろの方から何かが崩れる音がした。
亜衣夢がその音に気づき後ろを振り向いた瞬間。目の前にいたのは先程まで瓦礫の下で果てていたオーガであった。
「なっ、お前。まだ動け――――」
まさに鬼の表情。怒りに満ち溢れた顔をしているオーガは妖力が体中から滲み出るぐらいのオーラを放ちなが殴りかかってきたのだ。
しかし、標的は亜衣夢ではなかった。レミリアだったのだ。オーガは亜衣夢など眼中に無かったのだろう。そのまま亜衣夢を抜かし背中を見せ油断しきっているレミリアに攻撃を仕掛けたのだった。
「お、お嬢様!!!」
「え?」
レミリアが振り向いた時にはすでにオーガとの距離は2、3メートルとなっていた。とっさに避けようとするとオーガはいつの間にか持っていた瓦礫の破片をレミリアに向けて投げたのだ。
それはオーガより早くレミリアとの距離を詰めた。
◆
クソが・・・・クソがぁ・・・・
大量の瓦礫に埋め尽くされながらオーガは何回もそう言っていた。それもそのはず、今までここらの妖怪のボスだったが幼き吸血鬼に手も足もでずに完敗したのだから。プライドというプライドがズタズタにされ動くことすらできなかった。
クソが、俺はオーガ最強だ。周りにいたオーガは俺が幼少のとき全員喰らい尽くした。そして五十年でここのボスになった!
なのに、なぜ俺があんな小娘に・・・・殺す、絶対殺す!!!
その時オーガは何かに目覚めた。体の奥底から黒い何かが溢れ出てきて動かすことができなかった手足、いや体中から力が沸き上がるようだった。
黒い何か。それは怨み、憤怒などといった感情だった。それらはオーガに大きな力を与えた。
体にのっていた大量の瓦礫をあたりに撒き散らしながら一心不乱に亜衣夢達に向かっていった。目的はレミリアに自分が受けたのと同じような屈辱を味わせること。
「まずは、てめぇからだぁぁあ!!」
「危な―――」
亜衣夢が無駄だとも解りながらオーガを追いかけるがあろうことかオーガの威圧にやられて足がすくんだうえ、振りまいた石に足を引っ掛けてしまい倒れ込んでしまったのだ。
まじか! この状況でですか!? 嘘だ・・・・このままじゃお嬢様が! くそ! ごめんなさい、助けることが出来ませんでした。
亜衣夢はすぐ手元にあった石を自分への怒り、そして申し訳無さをこめて強く握りしめた。
「しねぇぇあぁ!!!」
オーガはレミリアの華奢な体に向かって全力で拳を放つ。その衝撃波はレミリアを超えて洞窟の岩壁を破壊した。亜衣夢はその悲惨な光景から目を背けた。
そしてあたりにしばらく静寂が続いた。亜衣夢が意を決して閉じていた目を開けると、そこには予想外のことが起きていた。
「・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・え?」
オーガの拳はなんとレミリアの目の前で止まっていたのだ。そこにいた誰もが唖然とした。更に驚くことにオーガが少しずつ後退していたのだ。だがそれはオーガ自身の意思ではない。
オーガがソレに抗おうと一歩足を出そうとするとその足が地面と接する前にまた後ろへと戻されたのだ。
「な、何だぁこりゃぁ? 前に、行けねぇ・・・?」
「・・・・フッ、どうやらそこにいる人間の仕業らしいわよ?デカ物。」
「あぁ!? あいつがか!?」
そう言ってオーガは顔だけを亜衣夢の方へ向けた。亜衣夢は目があってしまいまた恐怖を覚える。
「これを、俺が?」
「てめぇ、とりあえずどうにかしろよ・・・・この岩が、俺の腹にめりこんでんだよ!」
「い、岩?」
よく見ると50センチ近くある岩が見事に膨れ上がったオーガの腹にめり込んでいたのだ。コノ岩がオーガの動きを止めたうえ後退される原因だったのた。
オーガの足はすでに限界に近くちょっとの刺激を与えればすぐ決壊しそうなぐらいだった。
「それが、亜衣夢の能力よ。」
「これが、奴の・・・・!?」
「そうよ。ま、お前にはもう関係のない話ね。亜衣夢、こいつの足を蹴ってやんなさい。」
「え?」
「!? 待て待て待て! 今はやばい! 頼む!見逃してくれ!」
「亜衣夢。」
「悪く思わないでね?」
「やめ―――――」
三紗流奥義―――――
『膝カックン』
カクン
「あ・・・」
オーガの足に力が抜けた瞬間物凄い速さで飛んでいった。向かう先はオーガがまだオーガが沈黙する前、突進していた所であった。
まずオーガか先に壁に衝突するとそれに覆いかぶさるように飛び散っていた瓦礫片が集まってきたのだ。あまりの圧力によりまた奴は沈黙した。
「・・・・・ふぅ、終わったわね。」
「・・・・・・・」
「? 亜衣夢?」
「・・・・・・・」
「起きなさい。」
ゲシッ!
「ゴフッ! い、痛いです・・・」
「さっさと起きなさい。さぁ、帰るわよ。」
「こ、今度こそ帰れますよね?」
「ええ、勿論よ。さっさと帰って咲夜の料理を食べに行くわよ。」
そう言ってレミリアは意気揚々と洞窟をでた。亜衣夢もそれに少し遅れて追いかける。洞窟を出るとそこは見覚えのある森へと出た。
夜では月の光すら入ってこないほどの密度で木の葉が集まっていたが今は薄っすらと日差しが入ってきていた。それを見て夜が明けたと思い亜衣夢は進むがレミリアは立ち止まってしまった。
不審に思い亜衣夢はレミリアに訳を聞いた。
「お嬢様、どうなされたのですか?早く行きましょうよ。」
「・・・・行けない。」
「へ?」
「日光が出てる・・・・」
「あ・・・・」
その言葉で全てを察した。レミリアの種族、それは吸血鬼である。代表的な弱点として銀や水、そして日光。ここで思い出す。レミリアが日中外に出るときは必ず傘を指していたことに。
「・・・・亜衣夢。」
「は、はい?」
「あなた、傘になりなさい。」
「・・・・・・・」
「んな無茶な!!!」
亜衣夢の悲痛な叫びは虚しく森の木々によってかき消されてしまった。
どうだ!!見たか!!早く投稿してやったぜ!1日だぜ!!?
「だってそれバックアップのやつじゃん。」
.....?ヾ(゚ー゚ヾ)^?。。。ン?
「だから、それはバックアップのやつだから早く投稿出来て当然と--」
やかましぃ!!!部外者は帰れ!
「いや、俺主人公。これでも。」
ちくしょう!!分かってますよ!頑張りますよ!次もさっさと丁寧に出しますよ!
「という訳ですので。皆様これからもどうぞよろしくお願いします。」