召喚獣:おさる 装備:バナナ 作:おさる野郎おさるだ!悪いか!
原作:バカとテストと召喚獣
タグ:R-15 オリ主 さる おさる バナナ ギャグ? なんといってもおさる おさるだからしょうかない おさるといったらおさる とにかくおさるだコノヤロウ しつこいほどにおさる おさるおさるおさるおさる お さ る
そんな装備で大丈夫か? 「キキキキッ!」(訳:大丈夫だ。問題ない)
──怒号が飛び交う廊下にて──
「
僕のその声に、召喚フィールドが反応する。そして、僕のちょうどすぐ前の床に、淡い色を放ちながら光り輝く、複雑な紋章が描かれている円形の魔法陣が発生する。
その魔法陣の上に、光の粒子が舞い踊る。その粒子は、一か所に収束して、少しずつカタチあるものへとなっていく。そして、現れたのは、僕の試験獣。
二つの赤い目は、まるで獲物を仕留めんとする猛禽類を思わせるようで、敵を威圧する。そして、時折口の端から見え隠れする牙は、ありとあらゆる物をかみ砕くと思うほどに鋭い。腰からは、鞭を思わせる長いしっぽが生えている。そして、何よりも特徴的なのは、その全身を、騎士の鎧のごとく覆っている、漆黒の体毛だ。
その異質な形状をした召喚獣に、Bクラスの対戦相手は、恐れおののく。彼女だけではなく、先ほどまで争っていたBクラス、Fクラスの両方の面々は、一旦争いを止めて僕の召喚獣の姿を凝視している。
「──さぁ、『観察処分者』の力を見せてやろうか……!」
「な、なによ……ソレ……!」
僕のその言葉に、相手は息を飲んで一歩後ずさりする。
「やれ! 僕の召喚獣!」
と、僕は自身の召喚獣に命令を送る。それと同時に、相手もハッとして、召喚獣を操作し、武器を構えさせる。だが、そんなものが通じるわけがない。
僕の召喚獣は、心臓を凍り付かせるほどの、おぞましい咆哮をあげる。そして──
〈バリバリバリバリバリィッ!!〉
「うわぁッ!? 違うよ! 僕じゃない! 攻撃するのは、僕じゃないよ! 爪でひっかくのは辞めてくださいお願いします!! ……ちょ! 待って! いやほんと。血が出てきたから! いや、偉そうに命令してゴメンなさい! 申し訳ありません!!」
そして、召喚獣の攻撃を受けた僕は、ダンプを持ち上げるほどの力を持つ召喚獣に、抗えるわけがなく、あえなく体中を引っかき傷だらけにして地面に倒れる。
「キキィッ!」
と、僕の召喚獣は勝ち誇ったように、僕の胸にのしかかり、傷だらけになった僕の顔を、これ見よがしに見下す。
そして、人差し指と親指の先端どうしをくっつけ、金を表すジェスチャーをする。それに僕は、今月の生活費を計算して、これから一週間は公園の水と、砂糖で過ごすという、無慈悲な結論を出す。
「……ええと、バナナ3本でどうでしょうか?」
「ィィ……キ、キ、キ!」
と、召喚獣は満足そうに頷く。そして、僕の胸から降りて、相手の召喚獣と向き合う。
「さぁ。待たせたね。今度こそ相手だ!」
僕の言葉を合図に、僕の召喚獣は相手に突貫する。相手は戸惑いながらも、自身の召喚獣を操作し、僕の召喚獣を迎え撃とうとする。
相手の召喚獣の武器は、蛍光灯の光を反射させて、鈍く光る刀だ。あの刀に触れたら、攻撃力と、点数との両方の意味で、僕の召喚獣はひとたまりもないだろう。
それに対抗する僕の召喚獣の手元には、何も握られていない。だからといって、武器を持っていないわけではない。
「キキキキッ!」〈ムキムキ!〉
と、僕の召喚獣はいつの間にか取り出したバナナの皮をむく。そして、露になったバナナの果実の部分で、相手の刀とつばぜり合いを行う。お互いの武器が接触するたびに、火花のエフェクトが出現し、金属同士がぶつかりあう、特有の音が発生する。
「そんなバカな! バナナなのに!?」
相手は狼狽えながらも、召喚獣を操作する。だが、召喚獣の動きは直線的であり、単純なものだった。対する僕の召喚獣は、まるで体操選手さながらの機敏な動きで、相手を翻弄しながら、少しずつ攻撃を加えていく。
僕のテストの点数が低いため、攻撃力も並行して低い。だが、それでもじわじわと相手の
「さぁ! とどめだ!」
「キキィ!」
と、僕の号令により、召喚獣は構える。バナナを刀のように握り、上段に構える。腕利きの剣士を思わせるその構えこそ、一撃必殺の構えだ。
「キキ────ッ!」
「迎え撃ちなさい!!」
相手はやられまいと、召喚獣を操作する。だが、遅い。僕の召喚獣は、相手の攻撃をやすやすと回避し、背後に回り込む。そして──
「キキッ!」〈ブスゥ!!〉
「アッ───────ッ!」
バナナの先端を、相手の尻穴に突き刺す! 相手の召喚獣は、声を出せないはずなのに、どこか恍惚とした表情でのけぞり、うつ伏せになって倒れる。
「……え?」
そして、相手の召喚獣の
「さぁ、戦死だな? では、連行だ!」
と、どこから現れたのか、ゴリラさながらの筋肉と巨体を誇る教師、通称「鉄人」が相手の女の子を抱える。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! あんなの販促よ!」
と、相手の女の子は体をじたばたさせて叫ぶ。
「───なんで、召喚獣がおさるなのよ!!」
そう、僕の召喚獣は彼女が言った通り、おさるの姿そのものだった。通常は召喚主をデフォルメしたSDキャラが現れるのだが、何故だか僕の召喚獣だけ、おさるの姿をしているのだ。しかも、何故だか原因はわかっていないが、確固たる自我を持っている。
なので、腹がすいたときは、バナナを欲しがり、僕が彼を召喚して、何かしらを頼むときは、対価としてバナナを支払わなければいけない。ちなみに、屈辱的なことではあるが、立場は僕よりも、彼の方が圧倒的に上だ。
「それについては、私が説明しましょう」
と、僕たちの周囲の召喚フィールドを展開している、数学教師の長谷川先生が言う。
「彼、吉井明久君は知っての通り『観察処分者』です。通常、観察処分者の試験獣は、物に触れることができる。その代償として、攻撃されたら、フィードバックの衝撃がそのまま、召喚者である本人に来る。という性質を持っています。
通常ならば、それだけなのです。……ですが、何故だか彼の召喚獣はおさるです。この不可解な現象については、私たち教師で調べました。が、詳しいことは何一つわかりませんでした。召喚システムの故障でもない。
ですが、一つだけ心当たりがあります。
───それは、彼、吉井明久の知能がおさるレベルだということです!!」
「よし! ぶち殺す!」〈チキチキ……シャキン!〉
「止めんか、バカモノ!」〈ドス!〉
「ウグッ!?」〈……パタッ〉
と、先生の暴言に、僕はたまらず懐に忍ばせておいたカッターナイフを取り出す。だが、それは鉄人の手によって阻止される。そして、僕は鉄人のげんこつの威力にたまらず、またもや地面に倒れる。
かすむ意識のなか、僕の召喚獣であるおさるが僕のもとに近寄ってくる。おそらく、心配してくれているのだろうか。という僕の予想を裏切るように、
「キキキキッ!」〈ジョロジョロ……ブブッ!〉
あろうことか、彼は僕におしっこをかけて、おまけと言わんばかりに、尻を向けておならをする。そして、満足したのか、ポム。という音とともに、煙を出して消え去る。
おならの激臭により、トドメを刺された僕の意識は闇の中に沈む。そんなさなか、僕が考えていたこと。それは、
──仕方ないよね。オシッコするのも、おならするのも、生理現象だしね。
────何よりも、おさるだし。
今のところ、連載する予定はありません。