八陽です。
はるのんと八幡が幸せになるお話
大学生になった八幡がある行動を起こします
ピクシブでも投稿しました


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陽乃「好きだよ比企谷くん」

高校卒業してから、二年が過ぎた

奉仕部メンバーとの交流は今も続いており、いざこざもおきず平和で良好な関係だ

雪乃はネコカフェでバイトを始め、結衣は交流関係が多く、ある意味忙しい日々を送っている

八幡は親から、一人暮らししろと追い出され、小町成分不足気味な生活をしていた

高校時代のような他人の尻拭いさせられることなく自由気ままなボッチ生活

…のはずなのだが

 

八幡は一つどうしても憂鬱なことがあったのである

 

「………」

 

八幡は少し不機嫌な様子で溜め息を吐きながら歩みを進めていた

目の前には長年住んでいた自分の家

ホームシックになったわけでも小町成分補給のため帰ってきたわけではない

八幡は玄関のドアノブに手をかけ開く

そしてリビングへと向かう

 

「ただいま」

 

「ひっ!な、なんだ…びっくりしたお兄ちゃんか………てっきり不審者が不法侵入してきたかっと思ったよ」

 

「ひさしぶりにあった兄にその反応………ひどくね…」

 

実の妹にあまりのリアクションに八幡は早くもくじけそうになる

 

「どうしたの?いきなり帰ってくるなんて、あのお兄ちゃんが休みの日に外出するなんて珍しいじゃん」

 

「たしかに…まあいろいろあってな…」

 

いつものひぬくれた返答をせず素直に言う兄の様子に小町は何かあると感づいた

 

「なんかあったの?もしかして結衣さんと何かあった!それとも雪乃さん」

 

「いや、どちらでもねえんだ」

 

不思議そうにする小町。八幡は躊躇しながら先月起こった出来事を語り始めた

 

「…言われたんだよ」

 

「言われた、誰に?いろはさん…それとも沙希さん?」

 

「………雪ノ下さんに」

 

「えっ、陽乃さんに!?お兄ちゃんに何を」

 

「実はな…」

 

 

『好きだよ…比企谷くん』

 

ドーナツ屋で一緒に食事した後、去り際に陽乃の呟いた言葉がそれだった

陽乃も八幡に聞かせるつもりなどなく、ほんのささやく程度の声量だったため普通なら聞き取れないものだった

その後何度もエンカウントしてはいるが八幡にそれを確認できるはずもなく時が過ぎていった

しかも

 

「比企谷くんこの店で新しいパンさんグッズ仕入れたんだって!雪乃ちゃんと一緒に行ってきなよ!」

「ほらほら!せっかく夏休みなんだから雪乃ちゃん誘って映画館に行って見てよ♪チケットもほらお姉さんが用意してあげたよ

いつまでも部活メイトなんて関係じゃなく一気に進展しちゃおうよ」

「プレゼント…私に?だ、だめだよ///私、雪乃ちゃんのお姉さんなんだよ!私より雪乃ちゃんにあげて、きっと喜ぶから」

 

と高校時代よりやたら妹押ししてくるのだ

 

要するに「ほんとは比企谷くんの事は好きだけど、雪乃ちゃんと結ばれて欲しいから私は応援してます」的な行動をとり続けているわけである。

三年以上交流している今だからわかる

陽乃は歪んではいるがかなり優しい女性だ。

出会って一年くらいまでは仮面の下の本性の恐ろしい冷酷なものと八幡は思っていた。

たしかにそれも陽乃の本性の一つであるがそれだけではない。

 

 

陽乃はたとえ自分が嫌われても誰よりも妹の幸せを事を考える心優しい女性なのだ

 

出会ったばかりの八幡は仮面の裏側の表面しか見てなかった

その後もできるだけ関わらないようにしていたため奥まで見ようとしてなかった

だがさすが二年、三年と年月が経てば多少は慣れて少しずつ陽乃の心がわかってきた

やたら雪ノ下とくっつけたがる焦りがあるのかわずかに陽乃の心にスキができたのもあるが、この人は優しい人だ

しかも妹の幸せのためなら自分の人生を犠牲にしてまで守ろうとするほどの超シスコンだ

さすが八幡と川なんとかさんと同じシスコン三連星の一人、雪ノ下陽乃だ

 

陽乃は本来誰からも命令されたり束縛されたりせず自由に生きたいはずだ

学校さえ自由に決めることができない雪ノ下家の環境が好ましいはずもない

趣味が一人旅行なのもそれを物語っている

旅行先は自分の事を知らない。雪ノ下家の長女としてではなくただの陽乃として接してくれる。しがらみのなく自由な時間を過ごせる

その気になればその高いスペックを使って雪ノ下家から逃げて一人で自由に生きていくこともたやすい

だがなぜそれをしないのか、それは雪乃の存在があった

自分が逃げれば自分の代わりに雪乃が生贄にされてしまうからだ

そうなれば自分ほど器用に生きることができない雪乃は不幸になってしまう

そのため陽乃は家出できず雪ノ下家で生きていくことを

陽乃本人さえ気づいてない心優しさを八幡が気づいたのはプロボッチによって身についた高い洞察力と同じシスコンという属性だからだ

八幡は複雑な表情を浮かべながら全て小町に伝えた

 

「まったくたいした人だよあの人は…俺もよく人に自己犠牲するなといわれてるがあの人はそれ以上じゃねえか?

なのになんでそこまで大事にしている妹を俺とくっつけたがるかわけがわからん…何を考えているんだよあの人?」

 

頭をポリポリかきながら小町に愚痴る八幡

小町はどこかうれしそうな表情を浮かべながら静かに微笑む

 

「そうか…陽乃さんがそんなことを…さすがお兄ちゃんよく気づいたね」

 

「以前母親の存在が怖いと言っていたのを聞いていたからな、魔王より怖い母親とその環境のせいで歪んでしまったと考えたらありえると思ってな」

 

「なるほどね…いくらなんでもスペック高すぎと前から思っていたけどそれなら納得かな」

 

小町は思案顔で語る

 

「陽乃さんがなぜ雪乃さんとくっつけようしているのか小町には少しわかるな。きっと陽乃さんは雪乃さんからこれ以上奪いたくないんだよ」

 

「奪いたくない…どういうことだ小町?」

 

小町はカマクラを撫でながら説明をする

 

「陽乃さんは幼い頃から母親の要求されたことを完璧にこなしてきた

その結果望む望まないにしろ雪乃さんが得られたかもしれないものを奪っていたかもしれないね

だからもしお兄ちゃんを手に入れたら雪乃さんからまた奪ってしまう…そうしたくないから陽乃さんは…」

 

「なぜそこで雪ノ下が出てくるんだ?」

 

「………はあ、とりあえず陽乃さんは雪乃さんの幸せを願っている。これは間違いないよ」

 

カマクラの喉をウリウリと触りながら続ける

 

「雪乃さんを必死に今すぐくっつけようとするのは気持ちを抑えきれなくなってきているからかもしれないね。

お兄ちゃんへの恋愛感情を抑えきれなくなる前に雪乃さんとお兄ちゃんとくっつけて諦めようとしているかも…

完璧な大人の女性と思っていた陽乃さんにこんな乙女ぽいとこがあるなんて小町的にポイント高いかも♪」

 

興奮ぎみに力説する小町

八幡は持参したマックスコーヒーを開け、口に含む

 

「あの人どんだけシスコンなんだよ…俺だったら小町に男をくっつけるなんてしたくないし、考えたくもない………まして雪ノ下さんみたいに妹の成長のため嫌われるようなことできない…小町に嫌われるならマジ死ぬわ」

 

高校の文化祭や生徒会選挙の陽乃の行動を思い出しながら八幡は言った

 

「うっわ…さすがそれはちょっとひくよお兄ちゃん」

 

「でもこれで陽乃さんの考えていることはわかったでしょゴミいちゃん、後はお兄ちゃん次第だよ!」

 

カマクラを膝に乗せながら小町は八幡を見つめた

 

「まあ、わざわざ小町に相談するくらいだからお兄ちゃんの答えは出ているんだろうけど…どうするの自分の心に従う?従わない?」

 

八幡はマックスコーヒーを一気に飲み干し、テーブルに置いて小町に真剣な眼差しを向けた

 

「雪ノ下の事はすごく魅力的だと思う。真っすぐで曲がった事が嫌いで嘘や妥協などしなくて、ここは雪ノ下さんとは正反対だな。

雪ノ下が俺を好きだとは思わないけど雪ノ下の事は恋愛対象と見たことはない、もちろん今も憧れてはいるが好きか嫌いかと聞かれれば好きだが…

憧れ=恋愛感情というわけじゃないんだ…あいつは大事な仲間だ。由比ヶ浜と同じくらいかけがえのない大切な仲間で深い絆で繋がっていると思っている

俺が気になっているのはものすごく外面のいい強化外骨格の仮面で魔王で超シスコンでドSで人の都合も気持ちをお構いなしで

ほとんどの人を手駒としか見てなくて何でもうまくこなしてでも弱音を吐かず自分一人で抱え込んでいて、初対面の俺を見た目や雰囲気だけで決めつけなかった数少ない人物で普段冷酷だけど心の奧には優しさを持ったあの人なんだよ。

最初会った時は正直こんな得体のしれない恐ろしい人物はいないと思っていたけど徐々に仮面の奧の隠されていたあの人の弱さ、心の痛み、優しさを見えてきて段々目を離せなくなっていつの間にか無視できなくなってしまった…

以前はあれほど会いたくないと思っていたのに今はほとんどそんなことなくて妙な居心地の良さを覚えてしまって同じシスコンとして妹を思いやる気持ちとかシンパシーを感じちゃって、

逃げようと思えば家のしがらみから逃げることができるのに妹の幸せのため耐え続けるあの人を支えたい、側にいたい、心を軽くしてあげたいと思うのはあの人なんだよ。あの人の怖さも高嶺の花だということもわかっている。だけどそれでも俺は…理屈じゃないんだよ」

 

「………」

 

小町は八幡の内に秘めた想いを聞き驚きを隠せない

 

「たまげたよ…恋愛に消極的だったあのお兄ちゃんがここまで…でもそれは本人にいってあげてね。

それだけいえるならお兄ちゃんの気持ちはまぎれもなく本物だよ。あとはそれをはっきり伝えるだけだね」

 

「そううまくいくか?魔王城に向かう村人の気持ちだぜ、知ってるだろあの人がただ者でないことを」

 

「たしかに普段はそうかもだけど、今はかなり精神的に弱ってるみたいだから意外とあっさりいけるんじゃない♪精神的に弱っている人ほど甘い誘惑に弱いはずから♪」

 

「おい、なんだそのあざとい思考…一色の影響か?」

 

「お兄ちゃん…陽乃さんを助けてあげて、それができるのはお兄ちゃんだけだから」

 

「ああ、せめて俺の前で弱音を吐けるよう仮面にヒビいれてきてやるよ」

 

「うん!イケるイケる!」

 

「小町」

 

八幡は小町をじっと見つめた

 

長年自分を支えてくれた最愛の妹

その妹を応援されて逃げること兄弟の絆を否定するようなもの

ならどんな結果になろうとこの気持ちを偽らず伝えにいくしかない

 

「ありがとうな小町愛しているぜ」

 

八幡はどこか吹っ切れた顔で立ち上がる

 

「がんばってお兄ちゃん」

 

小町は満足げにそう言った

 

 

 

 

「きゃ!び…びっくりした。なんで比企谷くんがここにいるのかな?」

 

いるはずもない人間が自分のマンションのリビングにいたら驚くのも無理はない

陽乃は赤くなった顔をすぐ平常時に戻し、八幡に理由を聞く

 

「雪ノ下に許可をもらって入れてもらったんですよ」

 

「そっかそっか、ついに雪乃ちゃんも自分から比企谷くんを家に招くくらい成長したんだね!うん、お姉さんうれしいよ

それで雪乃ちゃんは?」

 

「あいつはいませんよ」

 

「えっ?」

 

「今日あなたに用があって来たんですよ雪ノ下さん」

 

「私に…」

 

八幡の意外な言葉に陽乃はからかうような態度をやめ、不思議そうに八幡を見る

 

「先月の雪ノ下さんの言葉聞こえてました

俺の事好きなんですね」

 

「!?!!」

 

突然告げられた衝撃的な言葉に陽乃は目開き、思わず右手で口元に当ててしまう

 

「プロボッチの聴覚を甘く見てましたね。常人なら聞こえなかったでしょうが…」

 

「…何をいって」

 

「その事で大事な話があるんです」

 

今まで見たことないほど真剣な表情の八幡に動揺する陽乃

 

「もうダメだよ~比企谷くんいくらお姉さんが魅力的だからって雪乃ちゃんのいないとこでそんな冗談「冗談なんかじゃありません」!?」

 

「最初出会った頃はあなたのこと正直怖かったです。いつか消されるんじゃないかっと怯えてました。

でも二年、三年交流しているうちにあなたの仮面の奥に隠された心の痛みや優しさに気づいているうちに恐怖心が薄まり…いつの間にか惹かれてました」

 

「えっ…」

 

「雪ノ下さんあなたのことが好きです」

 

「な、ななななな何を言っているのかな比企谷くんは///私のことが好き…そ、そんなこと…」

 

完全に取り乱して顔をトマトのように赤くしながら呂律がおかしくなる陽乃を見て八幡はすんげーかわいいと思いながら追撃する

 

「あなたは本当はとても優しい人です。雪ノ下を守るため母親から与えられた役割を逃げずに完璧にこなし、雪ノ下に害が及ばないように守ってきた。

たとえその最愛の妹に嫌われようとも成長させるため憎まれ役まで演じていた。

あなたは自分の人生を捨ててまで雪ノ下を守ろうとする心優しい女の人だ。俺が同じシスコンとして好感を持ってしまうのは無理はないでしょ」

 

「………さすがだね比企谷くん…そんなところまで見抜いちゃうなんて…さすが私のお気に入りだよ…」

 

静かに微笑む陽乃だが、ほんの一瞬その姿は弱々しくどこかはかなく見えた

誰も見たこともない陽乃の弱さが表面に現れた瞬間だった

 

「失敗したな~ちょっと近づきすぎちゃったかな…雪乃ちゃんのためがんばっていたのに完全に仇になっちゃった…」

 

「俺は雪ノ下さんのかわいい一面を知ることができてよかったですよ」

 

「そう…でも私の気持ちは変わらないよ。今なら十分間に合うわ雪乃ちゃんと付き合いなさい」

 

真面目な顔で妹を進める陽乃の態度に八幡はイラッとくる

 

「どうしてですか…どうしてそんなに俺と雪ノ下をくっつけようと必死なんですか?第一雪ノ下の気持ちを無視してそう決めるのはどうかっと思いますが」

 

「何年私があの子の姉をやっていると思っているの雪乃ちゃんにとって君は特別なの。あの子を否定せず下心もなく接してくれる男の子は君だけなんだよ

あの子の事を安心して任せられるのは君だけなの…わかるでしょ?」

 

仮面で隠そうとせず妹の事を熱く語る陽乃

どこか焦っているような…自分にいい聞かせているようにもとれる

 

「それに比企谷くん雪乃ちゃんのこと憧れていたんでしょ?だったら問題ないじゃない」

 

「憧れているから恋愛感情を持っているとは限りませんよ」

 

「でも試しに付き合っているうちに本当に好きになっていけば…」

 

「他に好きな女がいるのに雪ノ下と付き合うなんて雪ノ下に対してあまりに失礼じゃないですか?あいつは俺にとって大事な仲間なんです。

そんな裏切るようなことできません。もし雪ノ下がこの事知ったらあいつは二度と誰も信じることができなくなりますよ」

 

「っ!?」

 

「それにあの雪ノ下が自分の力ではなく労せず手にすることよしとしますか」

 

「で、でも…」

 

「昔偉い人はこう言いました『幸せとは人から与えられるものではない!自分で掴んでこそ価値があるのだ!』と」

 

「!!」

 

反論出来ずにいる陽乃に八幡がさらに続ける

 

「それに雪ノ下さんあなた雪ノ下の事を過小評価してます」

 

「過小評価…私が雪乃ちゃんのことを…そんなはず…」

 

「今のあいつはあなたの影を追いかけてはいない、自分自身の目標に向かって前に進んでいる…強さを持っている」

 

八幡は拳を強く握りしめながら雪乃の強さを伝えようとしている

 

「それに今のあいつは孤立無援なんかじゃない…俺や由比ヶ浜、一色や小町たちだっている…一人じゃないんです」

 

「………」

 

「だからもうこれ以上独りで抱え込まないでいいんですよ」

 

八幡の言葉を聞いて陽乃に迷いが生じてきた

だがそれでも陽乃は八幡を雪乃とくっつけるのを諦めきれない

 

「それでも私は…雪乃ちゃんの側には比企谷くんにいてほしい………それに私は雪乃と違って清く正しくないよ…心が歪んでいるんだよ」

 

「俺もひぬくれているから問題ありませんね」

 

「平気で相手を欺き利用してのける人でなしなんだよ」

 

「知ってます、でもあなたが本当は優しい人だということも俺は知ってます」

 

全く怯む様子がない八幡に陽乃の心に焦りや歓喜や罪悪感や解放感など様々な感情が渦巻いていた

 

「わ、私はあの時から雪乃ちゃんを君と付き合わせる決めたの!いまさら心変わりするわけにはいかない!二人がくっついても完璧な笑顔で祝福するつもり…だから」

 

「っ、あんたは…いつまで意地になってるんだよ!」

 

八幡は我慢できなくなったようにずかずかと陽乃に近づき、華奢な肩を両手で掴んだ

 

「ちょ、ひ、比企谷くん…」

 

「そうやって一人で考えて、一人で決め付けて!少しは人の話を聞けよ!この超シスコン!」

 

「き、君のほ…」

 

君の方がシスコンじゃない、と言いかけて、その言葉は遮られた

八幡の強く押しつけた唇によって

 

完全に固まっている陽乃からそっと顔を離すと、八幡は顔を赤くしながら、続けた

 

「俺がいつ雪ノ下の事を好きだといいましたか!?雪ノ下さんは言い逃げしたくせに今度は人の気持ち勝手に決め付けて!そんなに俺と雪ノ下をくっつけたいんですか!

あいにく俺はひねくれ者なんでね!あんなにまっすぐで清く正しくてクールビューティーで猫やパンさん大好きでその事になると普段と違ったかわいらしい微笑み浮かべる雪ノ下よりも魔王で腹黒なシスコンの方が好きなんだよ!」

 

一気にまくり立てる八幡を陽乃は「はうう~」と言いながら顔を真っ赤にしていた

 

「ちょ///なんですかその反応は///普段とギャップが大きくて…これじゃあますます///」

 

「えっ…どうし…よ……お姉さん………もう…」

 

陽乃は脱力してしまいそうなとこを八幡に支えられる

 

「おっと、だ、大丈夫すっか///」

 

「ご、ごめん…なんか力が抜けちゃって…」

 

「俺も心臓バクバクいって倒れそうです」

 

「ほんとだ、すごいね」

 

羞恥心でいっぱいいっぱいの八幡がかわいく見えて陽乃は少し落ち着きを取り戻した

 

「………ほんとに雪乃ちゃんじゃなく私でいいの?」

 

「何度もいわせないでください…俺はあなたが好きなんですよ」

 

「浮気したら殺すよ………相手の女を」

 

「そんなのしませんよ、っていうか相手の女が殺されるのかよ!」

 

「冗談だよ、比企谷くんが一途で誠実なのは私が一番わかっているから、理性的であることもね」

 

くすくすと笑いながら、八幡の肩に顔をうずめた

 

「そういえば理性の化物って言われたことありましたね…」

 

あの頃の八幡は陽乃とこうなるとは想像したことはなかった

 

「フフ…まさかあの比企谷くんがあんなに強気で告白してきて強引にキスしてくるなんて流石のお姉さんも予想外だったよ///」

 

「あなたは一筋縄ではいきませんからね…生きるか死ぬかの覚悟でやりましたよ

…ぶっちゃけ寿命が縮みましたよ」

 

「比企谷くん…」

 

好きな人結ばれる

こんなにうれしいことはない…

涙を手で拭いながら陽乃は八幡を熱く見つめた

 

「ファーストキスまで奪ったんだから、もう嫌だといっても私、絶対比企谷くんから離れないからね」ギュ

 

陽乃が両腕を八幡の背中にまわして抱きしめると八幡もすぐ抱き締めかえした

 

「そのつもりです」

 

「大好きだよ比企谷くん」

 

幸せそうに微笑みながら陽乃は恍惚の眼差しで八幡に囁いた

 

「ねえ、キス以外の初めてももらってくれるかな」

 

「えっ?」

 

今の陽乃には感情を縛り付けるものは何もない

陽乃は八幡を求め、八幡もすぐ受け入れた

その日、ベッドが軋む音が止むことはなかった

 

 

 

 

 




ほんとはエピローグで十数年後の幸せな結婚生活も書いていたけど力尽きた
以前書いた八色で子供4~5人だったから、思い切ってはるのんの子供10人にしました(笑)娘八人、息子二人
ゆきのんが猫のぬいぐるみを持ってきて幼子が喜ぶシーンとか他にもいろいろあったけど、投稿長引きそうでなので途中まで書いてあきらめた
いつかかけるといいな
さりげなくテイルズのセリフいれてみた
偏頭痛辛い早く冬来てお願い…暑いのめっちゃ弱いのよ私氷属性だから


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