もしも、百夜優一郎が子供のとき(孤児院に入る前)に吸血鬼に会っていたら 作:ブラッディー・メアリー
更新、遅くなってすいませんm(_ _)m
いきなりですが、今回から2年後に飛びます。前回、優ちゃんに早く出せや、と脅されましたので(汗)
また、今回はクルルがかなり壊れます。お気をつけて!
ー2年後ー
世界は未知のウイルスが蔓延し、人口は激減。
子供達は吸血鬼に連れて行かれた。
ーサングィネム城内ー
「女王陛下、人間共を連れて参りました」
「うむ。予定通り人間共は居住区角に収容しなさい」
「かしこまりました」
サングィネム城内では、兵達が慌ただしく動き、当初予定していた通りに、人間をサングィネムに収容していた。
その頃、クレアはというと地上で人間の回収をしていた。彼女が向かったのは百夜孤児院だった。
毅然とした表情でクルルは兵に答えていたが、一人になったときに2ヶ月前のクレアとの会話を回想していた。
ー2ヶ月前、サングィネム城内、第1会議室ー
いつかも使っていた第1会議室でクルルはクレアにいつも通り報告をしていた。
いつも通りクレアの仕事をクルルがして、それをクルルがクレアに報告する。そして当然のことながら、この後にいつも通りクルルの小言が来るはずだった。
「さて、報告も終わりましたので・・・クレア様」
しかし、今回はクレアから待ったがかけられた。
「クルル、少し言っておきたい事があるんだけど」
「何ですか?」
珍しく、真面目な顔をして話してくるクレアに驚きつつクルルは応えた。
「近々、我々は人間共に侵攻する」
「はい」
「その際、大人は死に、子供は生き残る。そうだね?」
「はい。正確には13歳以上の人間が死に、それ以外の人間が生き残ります」
「うん。で、その生き残った、子供達は我々が捕らえサングィネムで管理する。間違いないね?」
「はい。その通りでございます」
「では、そろそろ本題に移ろう。私は地上での子供達の捕獲をしようと思っている」
「はい。・・・・って、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ!!!!!!!!!」
「‥‥…うるさいよ」
「す、すいません。しかし、尊き御身がその様な雑事をなさる必要は!」
あ、これは長くなるやつだ、と思ったクレアは機先を制した。
「私がしたいのだから構わないでしょう?」
もわっと第一位始祖っぽいオーラ的な何かを漂わせて、クスリと笑うようにクレアは言った。
しかしそれは、火に油を注ぐ発言だった様で
「っ〜〜〜クレア様は御自分の立場を分かっておられるのですか⁉︎」
あ、これ失敗した、と思ったクレアは戯ける事にした。
「ふむ。さしずめ、流離の吸血鬼と言ったところかな?」
しかしそれは、火に油を注ぎまくる発言だったようで
「そうではありません!というか、それは困ります!治して下さい!良いですか?貴方様は此処サングィネム城の真の王であり、全ての吸血鬼の頂点に立たれる第1位始祖様であらせられます。その様なお方が、たかが人間の為にその様な雑事をなさるのは如何なものかと。第一、そこらの兵と共に行動なさる時点で、クレア様のお名前に傷がつき、…うんぬんかんぬん」
むぅ~と思いつつ初めは真面目に聞いてはいたクレアだが、うんぬんかんぬんの辺りから面倒くさくなってきた。
ちょっとばかし、拗ね始めたクレアはブーブーとクルルに文句を言った。
「別にいいじゃん!私が、第一位始祖であることを兵は知らないのだから。それどころか、貴族さえ知っている者は少ないし、知ってるのは、クルル、フェリド、あと成り行きでラクス、レーネぐらいじゃない?クローリーも知っていたかもしれないけど」
しかし、それも意味をなさなかったようだ。
というか、囂々と燃えさかる油を注がれまくった火に、さらに水をぶっかける発言だったようで
「そう言う問題ではありません!」
「そうなの?じゃあ、何が問題?ちゃんと一般兵の格好をしていくよ?」
そう言って、クレアは何処からか黒色のローブを取り出した。
「な!第一位始祖ともあられるお方が一般兵の格好を!あぁぁぁぁぁ‥‥‥‥…」
そう言ってクルルは撃沈した。
そんなクルルを上からのぞき込みながら、笑ってクレアは言った。
「大袈裟だなぁ、クルルは。そんな気にすることないでしょ。一位だ二位だと言ったところで外見が変わるわけでもないし。ばれない、ばれない」
「そう言う問題ではありません!、何度も申しますが少しは第一位始祖としての自覚をお持ち下さい!」
クレアの冗談に真剣に返して、涙目になっているクルルを可愛いなぁと思いながら、クスクスと笑っていると、またプンプンとクルルが怒りだした。
「何を笑っていらっしゃるのですか!」
「え~?いやぁ、クルルは可愛いなぁって」
つい本音を漏らしたクレアの言葉に、クルルの顔は見る間に赤くなっていく。
「そ、そんな言葉では騙されませんからね!」
クレアの言葉に必死にそう返すクルルは端から見ても普通に可愛いのだが、本人にその自覚はないのだろうか。
吸血鬼は基本的に嗜虐的な者が多いので、クレアからするとそんなクルルを心配するとともに、何やらもっとからかいたいという思いにもなる。
全く困ったものだ。
「やれやれ、本当なんだけどなぁ」
ぼそりと呟いた言葉は、クルルに聞こえたのか、聞こえなかったのか。
「クレア様なんてもう知りません!」
そう言ったクルルは会議室から逃げるように去って行った。
外からは、いかがなさいましたか?女王陛下、といったような声が聞こえてくるが、クルルが戻ってくる気配はない。
「あーあ、ちょっとやり過ぎたかなぁ」
クルルが去って行ったドアを眺めながら、クレアはぼそりと呟いた。
ビミョーに後悔の念が籠もっているものの、大半は可愛い猫に逃げられて残念といったような、楽しげな感情だった。
なかなかにひどい奴である。
ーそして時は進みサングィネム場内ー
「クレア様のたらしめ……」
呪うように呟くも、顔が赤面していては怖くもない。
報告のために訪れた兵は、顔を赤くし悶える王を見、珍しく空気をよんでその場を後にしたという。
クルルが不憫に思えてきました(泣)
みそっかすな、文章ですが楽しんで頂けてると嬉しいです。
感想やアドバイスなど、御座いましたらお願いしますm(_ _)m
これからも、よろしくお願い致します!
謝罪
始祖が全て真祖になっていました。すいませんでした。