もしも、百夜優一郎が子供のとき(孤児院に入る前)に吸血鬼に会っていたら 作:ブラッディー・メアリー
クレアが近づくと優一朗たちがクレアに気づいた。子供たちは泣き出し、優一朗は恐怖しているようだった。
(どうしてそんなに怖がるの?)
クレアは驚いていた。2年前とはいえ、自分は優一朗に会っている。だから、忘れられているとは思っていなかったのだ。
吸血鬼として生を受け幾年月、人間の子供の2年がどれほど長いのかクレアには分からなかったのだ。
しかし優一朗のその姿を見て、自分の事を忘れていると想像することは簡単だった。
(忘れている・・のか…残念だな。まあ、忘れてても私のすることに変わりはないけど・・・)
そう思い、クレアはさらに歩を進めた。
「ひ!」
子供たちから悲鳴が漏れた。クレアは落ち着かせようと微笑んで扉に手をかけた。
(?)
鍵が閉まっていた。当然だ。
(どうしよう?)
一瞬の逡巡の末クレアは窓を破壊することにした。コンコンと窓をたたくと、意外とあっけなく割れた。
(あれれ?強度を調べるつもりだったんだけど・・・。脆いな)
元から強度の高いサングィネムのガラスと日本のガラスを比べるのは酷というものだ。
日本のガラスも強化ガラスやらなんやら、割れにくいものは多数存在するが、「吸血鬼が喧嘩して暴れても大丈夫!」が触れ込みの、サングィネム製には敵わない。
クレアが面食らっている間に子供たちの悲鳴は大きくなっていた。
「いやああああ!!ミカ兄、優兄!!」
自分とクレアの間にガラスがあった為、かろうじてふんばっていた緊張の糸が切れたようだ。最年長のミカエラと優一朗に泣きついていた。
(あんなに怖がられたら流石に傷つくなあ)
化け物の様に(てか化け物なんだけど)怖がられてクレアは少しばかり傷ついた。
(にしても・・・どうしよう?このままじゃ連れて行きにくいなあ。)
仕方ない、あきらめよう、と言う思いがないわけではないが、ここまで出張ってきた手前、連れて行かないとクルルにまた何を言われるか分かったもんじゃない、という思いがクレアを諦めさせなかった。
「えっと・・・そんなに怖がらなくても別に捕って食いやしないよ。」
とりあえず落ち着かせようと思い言ってみたのだが
「食う?食うって、食べちゃうの⁉」
「いやああああああ!!!」
「優兄いいいい!!!ミカ兄!!!」
逆に怖がらせてしまったみたいだ。
「いや、食べないって言ったんだけど⁉」
そう言っても後の祭り、収まることはなかった。
「こ、困ったなあ………」
そう言いながらクレアがちらりと優一朗を見ると目が合った。その眼には先ほどと同じく恐怖が浮かんでいたがその他にも困惑、疑問、動揺がうかがえた。
(もしかして覚えているのかな?)
そう思ったクレアは恐がられるの覚悟で優一朗に声を掛けた。
今回の内容を要約すると、、
・優一朗君に忘れられていてショック!
・子供たちに怖がられてショック!!
・話を聞いてもらえなくてショック!!!
です。ドンマイ!!!
吸血鬼の都市のガラスの強度とかは独自設定です。